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冒険者ギルド


「嫌です。」


ピシャリと言い放った言葉には少しの殺意が含まれていたと思う。それくらいの目をしていたように見えた。

お姉さんは汚物を見るような目で俺を見る。




お姉さんは何もなかったように俺の正面に座り話を切り出した。


「はぁ………またですか。

ローランさん急にくるのはやめてください、こちらにも用事というものがありますので。今日で最後にしてくださいね。では、今日はどう行ったご用件で?」


「ごめん、ごめん、そこんところは僕と君の仲で許してよ。」


「私とあなたの仲だからこそ嫌なのですが。」


「エミリアは手厳しいなっ、そう要件なんだけど、この子のステータス発行とギルド登録したいんだけどいいかな?」


「なっ、名前で呼ばないでください!まったくもって気持ちが悪い。わかりました。鑑定石を持ってきますので少しお待ちください。」


一瞬俺に氷つけるような視線を飛ばし、見定めるようにこちらを見た後、エミリアと呼ばれるキャリアウーマンに似た女性は部屋を退室した。


「どうかな?エミリアは?」


「どうと言われましても…怖い人ですね?できるキャリアウーマンみたいです。」


「ん?キャラウマン?わからないな。

それにしてもなかなかの女だろう。見た目もさることながら、彼女はしっかりと仕事をこなすからね。

彼女もいろいろ苦労してるとこもあるから、たまに声でもかけてあげてね。

ソウくんもお世話になると思うからしっかりね。」


ローランはエミリアさんのことをやたらと饒舌に話すが、仲良くやっていける気がしない。

最後睨んでた気がするし…てか、これからお世話になる人に対して最初に失礼を働いたのだから仕方ない。




ん、んんっ、もうっ!エミリアは心臓が加速し、ドキドキするのを抑えられない。

ドアを閉め退室した後エミリアは悶絶していた。

初めての告白!いきなりで断ってっちゃったけど、印象悪くなってないかな?大丈夫かな?

最後目を合わせてウインクしたの気づいてくれたかな?気づいてくれたらいいな。

これから仲良くなれたらと願う彼女だった。


彼女は完璧すぎるあまり、周りに疎まれ続け、高嶺の花として、山の上に咲いていた彼女にとって、蒼はやっと登ってきてくれた登山者に見えて少し意識してしまうことも致し方なかった。(ローランも初めは対象だったのだが、中身を知って諦めた。)



「これが?鑑定石ですか?」

それは5センチくらいの青い鉱石からできた四角い箱であり、指を一本入れられるような穴が開いていた。


「はい、これは鑑定石といってとても貴重な鉱石からできています。本来鑑定には鑑定料がかかるのですが初回は無料となっております。」


姉さんがすぐに答えてくれる。


「ちょっと待ってこれ本当に鑑定石?」

と、ローラン


「もちろんです。本来鑑定石は赤いのですが、青い鑑定石が、この街の近くの鉱山で発見されたようです。

まだ実を言うとまだ試作状態なのですが…

ギルド長からの頼みが入っておりまして、試しに使ってみてくれと……申し訳ありません。」


「害はないんだよね?」


「はい、そこは保証します。」


ローランは少し安心したように息を吐き、


「そのことと、冒険者達が異常なほどギルドに集まってるのとは関係あるのかな?」


「はい、さすがです。御察しのとうり現在、青い鑑定石が発見されたことにより、冒険者達が安価に鑑定石を買えるのでは?青い鑑定石の材料の入手場所など、青い鑑定石の情報を求めてギルドに押しかけているようです。」


「ビンゴだね。わかった。じゃソウくんのことは頼むね。この儲け話を見逃すわけには行かない!リズ行くよー」


そして、初対面の2人を残してローランとリズは部屋を出て行ってしまった。





「リズ、ソウくんとエミリアどーだと思う?」


「んー、正直最初の出会い方を間違いまくった気がするけど…」


リズは少し考えるような動作をした後、パッと顔をローランの方に向け自信満々な表情で


「これから仲良くやっていけると思うな!」


「僕もそう思うよ。」


良かった、リズも僕と同じ考えに至っていたようで。


「よし!ローラン金儲けするぞ!」


「おっけー!HOMEを立て直すいい機会だね。」





……………ピリピリした肌に張り付くような空気の中。


エミリアさんが切り出した。


「あの、ステータス発行とギルド登録は初めてですよね?」


優しい口調で訪ねてきてくれる、正直どうやってこっちから話しかけようかと迷っていた俺としては嬉しかった。


「はい、最近この街に引っ越してきたばかりで、ローランさん家で働かせてもらうつもりなんですよ。」


「そうなんですか、ローランさんは変な人ですが、良い人なので安心できると思いますよ。」


エミリアさんは何か思い出したのか、少し懐かしそうな優しい顔をして話してくれる。





「それでは、この鑑定石に指を入れてください。」


俺は慎重に指を入れる。

少しピリピリした感じがする。


「はい、計測終了しました。5分ほどお待ちください。」




その2分後、ギルド職員が騒然とするステータス結果が検知された。


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