この世界について
神さまの手紙がビックリしすぎて、ローランの説明を思い返すのをすっかり忘れてた。
まず、この世界について
俺が何も知らないことに最初は驚いていたが、何か察したのか可哀想なものを見るめで、
「大丈夫ご飯はしっかり出すからね」
と、言われた。
勝手に何を察したのだろう。
まず、教えてくれたのがこの温泉施設?について。
一様ローランが責任者らしい
3人で何とかやってると苦笑いで言っていた。
ちなみにこの温泉施設の名前はHOME
俺は英語もあるんだと少し感心していた、今更ながら言葉と文字が読めるのは本当に助かったと思っている。そこは神さまに感謝。
俺が明日から働くのは、このHOMEの温泉の雑用。
しかし、温泉の料金だけじゃやっていけないらしく何でも屋みたいなことをやっているらしい。
だから、その手伝いもするそうだ。正直そんなに大変そうじゃなくてよかった、聞いたところ依頼された家の犬の散歩や掃除、物の運送やたまに冒険者ギルドの不人気クエストなんかをギルドから依頼されたりするらしい。もちろん個人からのクエスト依頼もあるそうだ。
とういわけで、仕事に必要な冒険者ライセンスをとるため今俺はローランとリズに連れられて冒険者ギルドに来ているのだが…
めちゃくちゃでかい。例えるなら高校の体育館くらいはある。
2階は酒場で一回に5つカウンターがあり、大きな行列を作っている。
「ありゃ、今日はダメかな」
「んー?ダメっぽいかもな!運がないな、あーちん」
「ちょっと、あーちんは止めてって昨日散々言ったのにまだ続けてるんですか?」
「まぁ、それは気にしない気にしない!てか、本当に今日は運がなかったな。こんなこと滅多にないぞ?」
「確かに最近僕もよく来てたけど、こんなことは初めてかな。せっかくソウくん登録させようとしてたのに。」
すると、2番のカウンターのお姉さんに向かって人混みを無視してジャンプしてローランが手を振る。
すると、お姉さんは少し嫌そうな顔をしてから決心したように
ジェスチャーで特別室に来いと示した。
シンとした特別室の空気を嫌に思いながら俺はローランとリズと一緒に1つのソファなら座って待つ。入り口は今俺たちの後ろにあるドア1つしかないっぽい。
「てか、ローランさんってすごい人なんですか?
あんなに行列があったのを無視して話をつけちゃうなんて」
すると、ローランは手を顎にあて
「まぁ、そんなところかな。」
と、無駄にかっこいい顔でドヤ顔をこちらに向けて来た。
「違うよ!ローランを無視するとロクなことにならないから、騒ぎになる前に対処しちゃおうって話だよ!どちらかと言うとうちの方がすごい人だぞ!」
ローランはさっきのドヤ顔での発言が恥ずかしかったのか顔を赤くして、なんかゴニョゴニョ言ってる。
「…………羞恥プレイも悪くないかもしれない。」
ゴニョっと聞こえたやばい言葉は無視をして話を広げる。
「具体的にはどんなとこがローランよりリズの方がすごいの?」
「ん?!んー、うちの方が可愛い!し、んー、可愛い!
あーちんもそう思うでしょ?!」
「まぁ、比べるものが比べるものだからね。」
実際普通の美少女よりも抜けてリズは可愛いのだが、たぶん褒めると調子にのるので止めておく。
「まったく、蒼ちゃんは可愛げがないね。」
リズがお姉さんぽい口調で俺を指摘してくるが、その背伸びしてる感じが妙にあっていて、結局可愛い感じになってる。
「娘はこんな、どこの馬車の馬かもわからない男に渡す気は無いよ!」
と、ローラン。
「どこの会話から、俺が求婚したと思ったんですか?」
と、突っ込むが、
「そっそんな!求婚なんてまだ早いぞ!だって会ってまだ2日だぞ!そんな…そんな、ごめん、体に変な白いポケットがついてる人はちょっと」
「いや、個人特定して嫌って言われちゃったよ俺。てか、まず求婚してないんですが!」
「そんな、うちは遊びだったんだね、あーちん?」
こてっと頭を傾けて聞いてくる。
可愛い。めちゃくちゃ可愛い。
「はっ!笑っちゃうね。君は1人の女の子に告白することもできないのかい?そんな男はうちの店を任せることはできないよ!クビかい?」
と、ニヤニヤしながら俺を軽く脅してくる。こいつ絶対遊んでやがる。
「じゃ、まず見本をお願いしますよ。」
「結婚してくれないか?まいハニー?」
「気持ちが悪い」
仕返しのつもりで言ったのだが、あっさりとローランはやってのけた。しかし、あっさりと断られる。その後、ローランは顔を火照らせる。ローランにはご褒美だったのかもしれない。失敗した。
「はい、僕はやったよ。次は君の番だね!んーと、ちょっと待って、よし!レッツトライイット!」
「はぁ」
俺は別にリズの方を見てやらなくていいことに気づき
後ろを向いて言うことにした。
俺は無駄にカッコつけて…
「私のマイハニー、僕の求婚を受け止めてくれるよね。」
ガチャ
えっ?
タイミングは最悪だった。
ちょうど受付のお姉さんが入ってきた瞬間だった。
ローランが計算してこのタイミングで言わせたなら本当に大物かもしれない。