世界にたった一つの欺瞞
先生に叱られた。
先輩にも叱られた。
友達と喧嘩した。
お父さんとも喧嘩した。
僕が、ひゃくぱー、悪いんでしょ。どうせ。
独りぼっちで家を飛び出した。
どうしても納得がいかない。
親の庇護なしには子供は生きられないくせに」という言葉。
そうして親は偉くもないくせに偉ぶって、
知りもしない愛を語る。
きっとすべて愛が絡んだ瞬間汚くなるんだ。
でも家出人は罪人として探されて、
僕はまた家に強制送還。
明日からまた子供で、
先輩にへいこらして親にもへいこらする。
馬鹿みたいに善人を求め続ける道徳。
ね、みんな善人なんかじゃなくて、
ただ内申点が欲しいだけだって知ってるよね。
内申点がなければ人生が終わるから。
大学を卒業しなくちゃ親に子供と認められないから。
「あなたなんてうちの子じゃありません」
勝手に産んでおいて何言ってるんだろうね。
そうさ、僕はどうせ橋の下で拾われた子なのさ。
牛乳で育てられたから、とびきりいい子にしなくちゃいけないのさ。
あーあーあー。
でも考えれば考えるほど、親にしてもらったことが思い浮かぶ。
多分まだ僕はいい子だ。
世界にたった一つの命とやらを背負って、
同じ重さとかぬかされるアリの命を踏みつぶし、
冤罪裁判にかけられて、
無罪を主張する間もなくきっと、
親不孝者として生きていくのさ。
久しぶりの詩でした。