白いドレスと黒いドレス
Sの目覚めとMの目覚めは直感的にやばい、絶対にやばいことになる気がする。
ここはセシルちゃんに自分のアビリティのことを言ったらなんとかなるだろうか。
「セ、セシルちゃん実は俺ーー」
叶多が事実を言おうとしたその時、アナウンスが流れた。
『10時間が経ちました。スリープタイムは残り10分で終了いたします。市民は直ちに持ち場につき準備をしてください。』
情の入っていない喋り方だから可愛げがないな。てか俺結構寝てたみたいだな...。
時間の経過をしみじみに思いながら、ふとセシルに質問することを忘れているのに叶多は気づいた。
「すみません...、時間がないようです...。あと買い物に付き合っていただきありがとうございます...。」
そう言いながらセシルは逆の方向を向いて「では...」と最後に笑顔で言葉を残し走り去っていった。
結局、セシルに質問する機会を逃してしまった。
しかし、なんと可憐だったのだろうか白いドレスが似合う子はセシルちゃんしかいないな!
セシルの横顔を思い出して街の道のど真ん中でニヤニヤしている叶多はなにかに気づく。
「黄色いサークルがさっきまで消えてたのに、すげぇ薄らと輝いてる...」
どうやらスリープタイムの終わりを迎えるにつれ黄色いサークルの輝きも戻るらしい。
まだ4分ほどあるので噴水でも行って音海が起きるまで街を眺めようと思った叶多は、さっきセシルと通った噴水へと足を運ぶことにした。
だが足を運んだ噴水で叶多は噴水あたりの異変に察した。最初はただ男たちが噴水当たりで集まっているように見えた。
ただどうだろうかその男たちの悲痛の声または快楽の声が聞こえるではないか。
本当に場を考えてほしいと思った叶多は近くにあったベンチに腰をかけてスリープタイムが終わるのを見届けてベンチでボーッとしていた。
しばらく数分経って男たちの集団を見てみた。
そこには男たちの集団の上に立ちムチで叩く黒いドレスの少女がいた...うん、少女か...なんかすげぇ見た事ある顔立ちなんだが。
その少女は黒いドレスを身にまとい短めの金髪でそれに合わないピンクの星の髪飾りを付けていた。
「セ、セシル...様...?」
叶多は自分の異変に気づかないまま絶句していた。
はい、テスト期間に入ってしまいました...更新遅れてしまったらごめんなさい。