星の髪飾り
ーある街にてー
そこにはたくさんの奴隷がいる。痛みを耐えるものや、痛みを通り越して快楽に溺れるものや様々な感情が渦巻いている街である。
だが痛みを味わうものがいるなら、痛みを与えるものもいる。
この街には痛みを与えて快楽を得る可憐な少女がいる。
「フフフフ、痛い?気持ちい?欲しいなら私の前に顔突き出して蹴られなさい!豚ども!」
奴隷の山の上に座って高らかに嗤う少女は10代後半ぐらいで髪は短い金髪で黒いドレスを身にまとっている。
だが、一番印象的なのは黒いドレスの雰囲気には合わない桃色の星の髪飾りが違和感を感じさせていた。
ーそして叶多たちはー
「ハァ...ハァ...しんど」
崖から落ちるより、徒歩で下った方が身が楽だと思っていた叶多だったが、大分バテていた。
叶多の現在地は中間地点ぐらいでもう辛い状態だが中間地点に来るまでにはそんな時間がかかっていない。
「叶多ー、体力回復しましたか?もうボタン連打していいですかー?」
バテる原因は音海の高速ボタン連打ダッシュのせいである。
ダッシュのおかげで叶多はとても早いスピードで走れるがその分の対価が体力である。
例えるなら10秒くらいで1km分の体力が持ってかれる感覚だ。叶多はもともと体力に自信がないほうなので叶多には辛いものなのだ。
「ちくしょう!スタミナ回復おせぇの知ってるくせに聞いてきやがって!」
荒い呼吸をしながら叶多は水晶に向かって叫んだ。
「はい、じゃあいきますねー。」
音海の無慈悲な高速ボタン連打ダッシュは30秒ほどで街に着いた。
その直後、街にアナウンスが流れた。
『街の皆さん、スリープタイムの時間になりました。働いてる方は仕事を中断して休息をとり、疲れを残さないようにしましょう。』
アナウンスの放送は街全体に響き渡った。
「あ、叶多。なんか今こっちのほうに説明が送られてきたのですが、スリープタイムの間は叶多は自由に動けるみたいですよー。」
どうやらスリープタイムは街の人々の休憩であり、叶多と音海の休憩時間でもあるみたいなのだ。
「おお!ほんとだ!黄色いサークルが消えてるぞ!」
「じゃあしばらく私は寝るのでなんかあったら起こしてくださーい。」
叶多の返答をまたず水晶の光が消えて音海が映らなくなってしまった。
「え!?おい!いきなり消えるな...し」
突如、頭がくらくらし叶多の視界がぼやけていくのがわかった。
「大...夫です...!?........で...か...」
うっすらと顔が見えたがどんな表情をしてるかはわからないが、桃色の星の髪飾り印象的な少女な気がした。
ただ星の髪飾りだけをじっとみていて、叶多は意識が遠のいていった。
ただの淡い欲望ですが、イラストレーター欲しいです。