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さて、これからどうするか…



俺、八澤 蓮ことレンがこの世界に意識を持って約3年が経ち、やっと喋ったり一人で行動しても問題無いようになった。


 スキル『言語理解力上昇』は凄いね、まるで脳がスポンジにの様にのようににどんどん言語という名の水を吸い上げて、1歳の時には会話がほぼ理解出来るようになった。まあ一歳児が流暢に喋ったら気味が悪いだろうとあうあうしていたが。


 とはいえ、やはり3歳だと色々制限が付く。


 例えば、街に行ける様になるのは孤児院での基礎教育を学び終えた7歳になってから。また、孤児院近くの休閑地を越えた先にある森に入るには、7歳以上の年上の同行がいる。


 森は危険な場所らしく、入って少し歩くと崖が有るようでそこから落ちると危ない。また、森の中には幼児には確実に手に余る魔物が出る。だから森には薪を取りに行くとき以外は出来るだけ近寄らない様にしないといけない。


 これは孤児院の規則だ。


 しかし、孤児院の施設内ならば幾ら動き回っていても問題ない。


 という訳で、俺は基本的に午前中は孤児院内にある書庫にこもり、この世界の事を勉強していた。


 司書のおば…お姉さんに(この前おばちゃんと言ったら『私はまだ20代よ!』と睨まれた)他の子供と遊ばないのか?と聞かれたのだが、たしか生きてて役立つ様な事を知りたいからとか答えた気がする。正直精神年齢20歳の俺には3歳の子供とままごとをするより、この世界について色々勉強していたいのだ。



 この世界について分かったことは、


 ・今俺がいるこの孤児院は、『アドミネル』という小さな国にある。


 ・文化レベルは中世~近世ぐらい。


 ・この世界の大陸は5つ有り、地球に似ている。日本と思われるような島国も有った。


 ・四則演算は地球と同じで問題無し。


 ・歴史はまさににファンタジー。


 って事ぐらいか。


 一応算数や読み書きなどは、あの美しいエルフの彼女(名前はマリー、孤児院の院長だった)が授業をしているが、それを受け始められるのは4歳になってからだ。


 俺も受けたかったが、周りの子供たちが3歳の俺が授業を受けるのを見て混乱するということでマリー先生に受講させてもらえなかった。


 しかし、俺は諦めなかった。そこで思い付く。そうだ、京t…じゃない、図書室に行こう、と。


 幸い図書室には小さな部屋ながらも様々な本があり、読み書きもすぐに言語理解力上昇で覚えた。歴史も子供に分かりやすい様に書かれているものが有り、この世界の成り立ちも大雑把にだが理解したと思う。


 なんでもその昔、ゼノスという神様がこの世界の人々に魔法を伝えた。


 その魔法によって人々はとても栄えたが、ある日禁忌の魔法を5人の魔王が神様から盗み出し、この世界を支配してしまう。


 そこで、このままではいけないという事で五大陸に住んでいた勇者達が互いに手を取り合い、魔王を倒そうと立ち上がる。


 魔王達と勇者達の戦いは熾烈を極めた。魔王達は勇者達の使う魔法を無効化する様な術を使ってきたからだ。中には物理攻撃まで無効化する奴も居たらしい。


 しかし勇者達はそれに対抗すべく、3本の聖剣を創り出した。


 その聖剣を使い、五人の魔王の内、三人を封印。しかし、残りの2人を深傷を負わせるも逃してしまう。逃した二人の魔王は、支配していた大陸の奥に別々に逃げ込み、今でも復讐の機会まで息を潜めて居ると噂されている。


 そして逃した二人はともかく、五大陸の勇者達のお陰で世界は救われ、今の様な平和な世界になった。







 …うん。やっぱりファンタジー世界には魔王がいるとは予想してたけど、5人も居るとは思わなかったよ。


 しかし3人は封印されたとされているし、のこりの2人は和紗達が召喚されたんだから特に問題は無いだろうな。


 なんせあいつらチートだし。




 チート、チートねぇ…


 そういえば俺を突き飛ばした奴にどう復讐するか、未だに考えてないな。


 神様は身体を鍛えておけばレベルアップした時に損はしないって言っていていたし、身体を鍛えようかな?


 …3歳児が身体を鍛えるってのも気味が悪いか。だけどやるなら徹底的にやりたいからな。"あれ"を使う際にも筋力は必要だし。


 んー如何するべきか…あ、そうだ。


 森に行けば良いじゃない!


 森ならあまり誰も来ないし、入って浅い所なら魔物も来ない。なんて名案なんだろう!


 などと浅はかな計画を練っていると、おや?誰かが俺を呼んでいる?


「…ンくん。レンくん!」

「うわっ!…って何だミリアか。驚かせないでくれよ…」

「おどろかせてないよ!レンくんがへんじしなかっただけだよ!」


 ミリアは俺と同じ日にこの孤児院に捨てられた狐族の女の子だ。


 髪は美しい金色のロングヘア。

 また、狐族というだけあって頭には狐耳、腰には尻尾が付いている。

 年相応の活発で元気な子で、将来は美人さんになりそうだ。

 尻尾をすっごくもふもふしたい。


 …最後の余計じゃないか?何考えてるんだ俺。


 まあそれは置いといて。


「本を読むのに夢中だったんだ。で、どんな用事?」

「あ、うん。もうすぐおひるごはんのじかんだから、レンくんをよんでこようとおもって。はやくいかないとまたマリーせんせーにおこられちゃうよ?」


 ああ成る程。確かにこの前は本に夢中で昼食に遅れて怒られてしまったっけ。


「分かったよミリア。一緒に行こうか」


「うん!」


 さて、それじゃあ昼食を食べ終えたら早速身体を鍛え始めましょうかねぇ。

感想等、よろしくお願いします

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