表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/18

目が覚めると:ベットの上

 瞼を閉じたまま朧気な意識がはっきりとしてくる。俺は…何をしていたっけ?


 …そうだ、確か召喚で置いてけぼりにされて…神様に転生させてもらったんだっけ。て事はもう此処は異世界、手の感触からしてコレはベットの上…ベットの上?


 …まさか夢オチ!


 さっきあったことは全て夢で、実は今俺は自室のベットの上にいる…なんて壮大な夢を見ているんだ俺は…!


 けど、そうだとしたら残念だ。せっかく神様に転生させて貰って、新天地で色々しようと思っていたのに。


 目を開けたら知ってる天井。つまらんなぁ、また学校行くの?


 そんな事を考え身体をよじらすと、手にヒンヤリと冷たい感触。ふむ、どうやら球体状の金属、恐らくテニスボールくらいの大きさか。…あれ?まさか!?


 ぱちっと目を開けて、飛び起き…れ無い。どうなってるのか分からないが、兎に角…知らない天井だ、自分の部屋のベットにこんな柵は付いていない、本当に転生した!


「おっぎゃあああぁあぁぁ!(やったあああぁあぁぁ!)」


 やったねやったよ転生だ!さぁて、辺りを確認しょうじゃあないか!


 …あれ?腕が思うように動かない。


「あうあう、あーぶああー?(おいおい、どうなってんだ?)」


 思わず自分の手を見る───なんだこりゃ。赤ちゃんみたいなプニプニな手だな。赤ちゃんは良いよね。可愛いし、見てて和む。だが…


「おえああがきゃああぁぁぁ!(俺が赤ちゃんじゃねーかあぁあぁ!)」


 ガチのテンプレかよ、赤ちゃんスタートとか聞いてないぞ!そういえばさっきからまともに喋れていないね、赤ちゃんは眺めるのが良いんだよ!自分が赤ちゃんはマジ勘弁!


「****.*****?」


 すると少なくとも日本語では無い、聞いたこともないような言語で、美人で長髪の優しそうな垂れ目気味の女性が話しかけてきた。胸が大きい。年は…二十代前半くらいか。だがしかし、注目する点はそこじゃ無い。


 "耳が長いのだ"。


 しかも尖っている。まんまエルフだよ、エルフ!髪の毛は薄い緑色と来た、本当にファンタジーの世界だな!


「*******.******」


 女神の様な微笑みを浮かべながら、エルフの女性が俺を抱き上げる。

 柵の向こうにはもう一人赤ちゃんが居た。あれは犬耳かな?いや、金髪だから狐耳か。猫耳も居そうだな。


「****.********」


 俺を抱き上げる彼女の瞳にに映った自分の姿は、可愛い黒髪の赤ちゃん。うん、狐耳が生えてるわけじゃないな、耳も尖ってない。どうやらこの人が母親というわけじゃ無さそうだ。


 しっかし、マジで転生か…赤ちゃんスタートとかこれからどうしよう。



 ###


 興奮する気持ちを抑えて、状況を把握するのに結構な日時を要した。


 さて、今までで分かった状況を整理しようか。


 まずは、


 ・俺は神様に転生させてもらった。


 ・17年後までに和紗達がこの世界に召喚される様な大事が起きる。


 ・現在、俺は赤ん坊である。


 ・もらった金属球は俺の横にある。


 ・変なマークはちゃんと腕にある。


 ・どうやら此処は孤児院の様だ。



 何故孤児院か分かったかというと、親が来ないのだ。俺の所にも、隣の狐耳の子の所にも、それらしき人は一切来ていない。恐らく生後一ヶ月くらいであろう赤児を科学が発達していない異世界で、幼稚園や病院に預けるような事はしないだろう。


 孤児院か…まあ、時間が無くて神様が親を用意できなかったか。恐らくそうだろうな。さて、これから17年後、どうやって荻中達に復讐してやろうか…!


 何てこと考えてたら、いつもミルクを孤児達に飲ませに来るおばちゃん達が来た。このおばちゃん達は普通の人間の様だ。大阪に居そうなおばちゃんから、白人風のおばちゃんまでチラホラまざってる。


「**!*********!」


 うん、何処の言語で何を言いたいのか全然分からないが、取り敢えずミルク飲ませて。腹減った。


 俺がミルクを飲んでいると、例のエルフの女性が部屋に入って来た。


「***.*****」

「**.********」


 何やら話している。これから何かするのかな?おばちゃんが隣でミルクを飲ませていた狐耳ちゃんをベットに寝かす。そしてエルフの彼女は狐耳の子の額に手を当てた。するとなんと、彼女の手にはめられた指輪が赤く光り始めたではないか!


「****.*********!」

「****.***!」


 彼女とおばちゃんが嬉しそうに話す。そして、俺の方にやって来た。次は俺なのかな?


 先程と同じ様に、俺の額に手が当てられる。俺の場合は…白い、真っ白だ。そして眩しい!思わず目を瞑る。狐耳の子よりは光の量が段違いだ、まるでLEDの電球を近くで直接見てる様だった。


「**!?…******.****…」


 瞼越しに光が収まったのを感じ薄目をすると、エルフの彼女が何やら驚いたような、そして奇妙な物を見る目で俺を見ていた。反応に困り、取り敢えず目を見開いてみる。


 この後、他の子にも同じ様な事をして彼女は部屋を出て行った。俺は自身の置かれている現状をもっと理解しようと、おばちゃん達の会話に耳を傾ける。幸い俺には、スキル『言語理解力上昇』が有る。


 それを有効活用して、逸早くこの世界の言語を理解しなければ。






感想等、よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ