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隣の彼女は幼馴染み!?  作者: 水崎綾人
第2章「幼馴染みと部活」
8/100

第8話「部活動見学!前半戦」

 キーンコーンカーンコーンと授業終了の金が校内に響き渡る。



 クラスの連中が一斉に席をたち、部活に行くものもいれば、行くあてもなくブラブラする者もいた。


 普段なら、俺もこの中に混じり、帰宅の波にのまれているはずだが今日は、そうもいかない。なぜなら、今朝、担任の前宮薫先生に大空木葉に部活の見学に連れて行ってやれと頼まれたからだ。


 俺は、みんなより遅めに帰る準備をし、大空に合わせた。そして、教室に残る人がすくなくなったところで大空に話しかける。


「お、大空」


「遥斗…」


 なぜか大空の声には覇気が無かった。いや、俺はその答えを既に知っているはずだ。それは、今日の昼休みに柏崎と話していたことが原因だろう。大空は現在クラスに友達と呼べる者がいないのだ。新しい環境で女友達もろくに作れない奴がいきなり、柏崎のようなチャラい男子と仲良く出来るはずがない。このクラスにずっといる俺でさえ柏崎は苦手なのに…。しかも、大空は何度も視線で俺に助けを求めてきた…はずだ。それに答えることができなかった。



「大丈夫か?部活見学違う日にするか?」


 精一杯の今の俺の気遣いだった。


 大空は首を左右にゆっくりと振る。


「じゃあ、行くか」


 俺と大空はクラスを後にした。手元の部活動リストを見ながら大空を案内する。


 玄関を出て、校庭に向かう。


 校庭では野球部が大きな声を出して、まさに熱血という名にふさわしいような雰囲気で部活を行っている。


「これが野球部だ」


「そ、そうね…」


 ん?コイツ部員の勢いに押されてんのか?


「ちなみに女子マネージャー募集中だそうだ」

 それを聞いた瞬間大空の顔が険しくなった。

「マネージャーって何やるの?」


「えっと…基本的には雑務だろうな。球拾いとか、選手たちのドリンク買ってきたりとかじゃね?」


「絶対に嫌よ!なんで自分がエラーしたボールをマネージャーが拾わなきゃならないのよ!」


 まあ、正論の気もするが…。


「次っ!」


 大空が元気な声で叫ぶ。


 校庭を少し移動したところで、その部活はやっていた。


 一つのボールを蹴り合う青春スポーツ。そう、サッカーだ。


「えーっと、ここがサッカー部だ。そして、ここも女子マネージャー募集中だそうだぞ」


「あっ、他の女子マネもいるんだ!」


 サッカー部には、何人かの女子マネージャーがいた。見ると選手たちにタオルを渡したり、ドリンクを渡していた。


「ここなら女子もいるし友達出来るんじゃないか?」


「えー、でも、マネージャーしたくないのよね」


 そんなにマネージャーしたくないのか?ちょっと聞いてみるか。


「お前さ、なんでマネージャーやりたくないの?結構サッカー部のマネージャーって女子に人気じゃね?」


 聞くと大空は、はぁーと小さくため息をついた。



「遥斗さ、割と素直だよね?」


「え?」


 大空の言ってる意味がよく分からなかった。

「どういうことだよ?」


「だから、本当にサッカーが好きで女子マネやってる奴だなんて、極小数よ。ほとんどがサッカーなんて興味なくて、サッカー部員とイチャつきたいだけよ」


 な、なんと…。俺は今まで本当にサッカーが好きなものだと思っていたのに。俺の純情返せコノヤロウ。



「なんてこった…」


 俺は、地面に膝をつけたまま立ち上がることが出来なかった。


「じゃあ次行くわよ。遥斗」


 なぜか元気になった大空を俺は、遠い目で見ることしか出来なかった。


こんにちは水崎綾人です。

今回の第8話も楽しんでください!

次回第9話もお楽しみに

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