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隣の彼女は幼馴染み!?  作者: 水崎綾人
第2章「幼馴染みと部活」
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第7話「そして遥斗はリストを手に入れる」

 そうこうしている間に昼休みになった。いつもなら弁当を食べているが、今日は早弁したので、直で職員室に向かった。



「失礼します。1年の奥中ですが、前宮先生に用事があり参りました」


 堅苦しい職員室への出入り文句を言い終わり、薫先生の机を目指す。


 薫先生は、エビフライをくわえていた。


「先生」


「ごほっ、げっほっ…」


 どうやら、俺が声をかけてことに驚いてエビフライが気管に入ってしまったらしい。てか、俺がさっきした挨拶聞こえてなかったのかよ…。


「お、奥中か…。ごえっほっ…どうかしたか」


 こっちのセリフだけど。


「先生、大丈夫っすか?」


「お?ありがとう。少し驚いてしまってな」


 薫先生は、お茶を飲んで自分の身体の調子を整えた。



「それで、用件は?」


 なんとか咳が治まったらしく、涙目になりながらこちらに向き直った。


「あの、大空に部活見学させる話なんですが、俺どこで何部がやってるか分かんないので、リストとかあれば貰いたいんですけど」


「ああ、そういうことか。待っていたまえ」

 そう言うと、薫先生はパソコンを開き、パソコン上にあるデータを印刷し始めた。



 ガガーーと言う音を立てながらコピー機は印刷を開始する。学校ではよくあることだが、コピー機の数が少ないため、大勢の先生が一斉にコピーにかけると、自分のが出てくるのが極めて遅くなるのだ。



 それに、今は昼休み。午後の授業で使うプリントを先生たちがコピーしている時間帯だ。その先生たちは1枚をコピーするわけではない。生徒の人数分コピーするのだ。当然、時間はかかる。


結局、俺が薫先生から部活動リストを貰うことが出来たのは、俺が職員室を訪れてから20分後だった。それまで俺は、薫先生とミニ二者面談的なことをするはめになった。


「失礼しました」


 職員室から出て、貰った部活動リストに目を通しながら、廊下を歩いていた俺は、何かとぶつかった。


「いたたたた…」


 額を軽くさすりながら前を見ると、そこにはメガネを掛けた黒髪ロングの清楚系の女子が倒れていた。


「お、おい大丈夫か?おい!」


 身体をゆすると意識が戻ったらしく綺麗な瞳が開いた。


「あ…気がついたか」


 よかった…と安堵の声を漏らすとメガネを掛けた女子生徒は言う。


「セクハラですか?」


 いまなんと?セクハラ?んなわけあるか!!


「は、はい?」


 多分、今の俺の目は死んでると思う。いきなり放たれた意味不明なセリフにただ呆れるしか無いのだ。


「だから、セク――」


「あー違う、違う。このリスト読んでたんだよ。前見てなかったから俺が悪かった。謝るよ。じゃあな」


 少々冷たかったかもしれないが、これが正しいのだ。どこかで聞いたことがある。痴漢冤罪を避けるには、自分が潔白でも警察が来る前にダッシュで逃げるのが冤罪を免れるベストな手段だと。この場合は、若干異なるが、手っ取り早くこの場から消えといた方が好都合だろう。





 教室に戻った俺は、午後の授業の準備をしていた。

すると、須藤が俺に話しかけてきた。


「お前ドコ行ってたんだよ?」


「ああ、薫先生から部活動リス――」


「それより、あれ見ろって」


 話ふっておいて途中でスルーすんなよ。何か恥ずかしくなっちゃうだろ。



 言われるがままに須藤の指さした方を見るとそこには、大空に積極的に話しかける柏崎の姿があった。


 大空は、傍から見れば笑顔で楽しそうだが、俺には分かった。


アイツ…苦しそうだ。



 考えて見ればその通りだ。女友達1人出来ないアイツが、チャラそうな男子にベラベラと話しかけられたら、そりゃ苦しくもなるだろう。


 柏崎と話している間、大空はなども俺の方を横目で見てきた。恐らくは、助けを求めているのだろう。だが、俺にはどうすることも出来なかった。


 大空を助けるために、柏崎との間を通るだけの度胸が俺には無いのだ。




 それから、昼休みが終わるまで俺は、大空を助けを求める視線を感じながら、助けることが出来なかった。



 こんにちは水崎綾人です。

 前回第6話でも言った通り一つの話を無理やり切ったので少々不自然なところもあると思いまずが、読んでいただけると幸いです。

 次回の遥斗はどうなるのかお楽しみに!

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