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隣の彼女は幼馴染み!?  作者: 水崎綾人
最終章「隣の彼女は幼馴染み!?」
63/100

第63話「不意に彼女は照れてしまう」

「なっ、なんなんですかそれはっ! そんなハレンチなもの、卒後祭で披露させるわけにはいきませんっ!」




 審査開始から三日ほどが経過したある日、物理準備室に河橋さんの動揺した声が響く。



 顔を真っ赤にした河橋さんは、今にも泣き出しそうな表情で相手を一度睥睨すると、すぐさま手で顔を覆って椅子に座った。

 その原因は、今審査をしている卒後祭参加希望者の出し物だ。

 参加希望者である、一年生の男子三人組のグループは、現在ほぼ全裸で俺たちの前に立っている。

 ほぼ、とつけたのは、股間のところはしっかり隠れているからだ。だが、そこ以外は本当に裸体である。

 彼らは、股間にシルクハットを当て、見えるかどうかのギリギリのラインを攻めて、場を楽しませるという芸をしたいのだという。



 これには俺も苦笑いである。おいおい、仮にも卒業生の新しい羽ばたきを祝う式だぞ……。

 そんなことを心中で吐いていると、彼らのうちのひとりが文句とばかりに口を開いた。

 見れば、真面目そうなメガネをかけ、あとは股間を隠しているシルクハット以外全裸の男子生徒だった。ていうか、みんな裸体だから格好は同じだな。

「何でですか! どうして、この芸だと卒後祭に出させてもらえないんですかっ!」

 その声音には、はっきりと怒りの色が孕まれている。

 河橋さんは顔を覆っている手を少しだけどかし、返答する。

「そ、そんな変態な格好をした芸なんて、卒後祭を披露させるわけにはいきません。仮にも学校の行事で、先輩方に感謝を伝える式なんですよ」

 そうそう。そのとおり。俺は河橋さんに全面的に賛成である。

 しかしながら、彼らも負けじと反論する。

「これだって感謝の形のひとつですよ! 俺たちはね、先輩から教えてもらったんですよ! いらないプライドとか、しがらみとか、全部脱ぎ捨てれば新しい世界が見えてくるって! この芸はね、そんな大切なことを教えてもらった感謝の芸なんですよ! 先輩の教えを俺たちはしっかりと覚えていますっていうね!」

 言っていることは何となく正しいような気もするようなしないような……。いや、いいのかこれ?

 恥ずかしさが限界にきているのか、河橋さんはぷるぷると震え始める。

 どうやら河橋さんとこの参加希望者は相性が良くないらしい。



 俺だってこの依頼を責任持って引き受けた萬部のひとりなのだ。河橋さんがピンチになった時に助けなくてどうする。俺だって卒後祭を良い形で成功させたい。

 実のところ、この参加希望者審査にはしっかりとした審査基準があるのだ。その基準とは三つある。

 一つが、誰もが楽しめ理解できるものであること。二つ、内輪ウケしないもの。三つ、公序良俗に反しないもの。この三つだ。

 今の彼らの出し物は、この三つの内、少なくとも三つ目の『控除陵辱に反しないもの』に反しているだろう。さらに言えば、普段落ち着いている河橋さんがこんなに動揺するということは、卒業生の中にも動揺する生徒がいるだろうということは想像に難くない。



 俺は喉の調子を確かめ、彼らに向かって口を動かす。

「それでも、やっぱりその芸だと卒後祭には出せないよ」

 俺の言葉に、シルクハットで股間を押さえた男子生徒全員の視線がこちらに集まる。

 何かその格好で同時に視線を向けられると、ちょっときつい。ていうか、芸終わったなら服着ろよ。

「どうしてですか! こんなに身体全体で感謝を表していて、こんなに息のあったパフォーマンスなのに、どうして!?」

「いやいや、問題はそこじゃねえよ! たしかに先輩からしがらみとかプライドとかを脱ぎ捨てろって教わったかもしれないけど、服を脱ぎ捨てろとは言われてないだろ! もしその格好で壇上に行って芸したら、下手したら通報もんだぞ!」

「つ、通報……」

 全員が同時に俯く。普通なら思い悩んでいる姿に見えるのだろうが、股間以外全裸の格好だと、ただの変態にしか見えない。

「そうだ。それに、審査の基準に内輪ウケの芸はダメだとか、公序良俗に反しないものとか色々規制があるって、生徒会から発行されたプリントにあらかじめ書いてあっただろ。どこをどう見ても、お前たちの出し物はそれらに反してる。だから、その芸だとダメだ」

 言うと、裸の男たちが小声で話しだした。

 静かな物理準備室では、その小声でもよく聞こえる。聞けば、生徒会から発行されたプリントを読んでいなかったらしい。そのため、どのような基準で審査されているかも知らなかったそうだ。


 つか、たとえ知らなかったとしても、よくその芸で審査を受けようと思ったな!? むしろ天晴れだ。

 一通り話し終えると、彼らは股間を押さえて再度俺たちの方に向き直った。

異様な光景だ。


 リーダーと思しき男が口を開く。

「あの……何か……すみませんでした。けど、この芸じゃなかったら、まだ審査に希望があるってことですよね? 俺たち、本当に先輩方に感謝してるんで、その気持ちをしっかり表したいんです」

 彼らの瞳は真剣そのもので、ふざけている様子など微塵もなかった。

たぶん彼らは、感の気持ちを表す方向を間違えただけなのだ。その気持ちが嘘偽りのない本物だということは、目と声音だけで充分伝わる。

それが届いたのだろう。

 河橋さんは羞恥心を必死にこらえ、顔から手を離した。小さく咳払いをした後、彼らを見る。

「わかりました。本当なら、同じグループを二回審査することなどないのですが、基準に目を通していなかったということと、あなた方の気持ちが本物であるという二点から、もう一度だけチャンスを与えます。しかし、期限は今週末――あと二日です。いいですね?」

 裸の男らは顔を見合わせ、大きく頷いた。

「はいっ!」




 ほぼ全裸の男たちは、荷物をまとめると「よし、ファミレスで打ち合わせだ!」と元気よく物理準備室から出て行った。

 ようやく変態たちから解放された俺と河橋さんに、落ち着いた時間が戻ってくる。

 不意にため息を吐くと、隣からも同じトーンのため息が聞こえてきた。身体全体の力を抜くような、大きなため息だ。

 俺はちらと横を見る。すると、河橋さんもこちらを見ていた。

 しばし見つめ合い、先に言葉を発したのは河橋さんだった。

「す、すみません。ため息なんて吐いてしまって」

「ああ、いえ。全然。けど、そんなに大きなため息なんて珍しいですね」

「ええ、まあ。さっきの出し物は、精神的ダメージが大きくて……」

 そこで言葉を一度区切ると、河橋さんははははと苦笑い。ついで、少しだけ俺の方に顔を近づけると、軽く身振り手振りをしながら言葉の続きを語り始める。

「だって……だって、男の人の裸なんて生まれて初めて見たんですよ!? そんなの見たら、恥ずかしくだってなりますよ! そりゃ、私だって冷静に努めようとしましたよ。けど、やっぱり無理だったんです! あれは不可抗力というやつですよ! 私にだって苦手なことはあるんです!」

 口早にそう言われ、俺はぎこちなく頷く。


 俺の反応に我に返ったのか、河橋さんは恥ずかしそうに口を押さえる。

「す、すみません。つい……、いつもの自分でいられなかったことの言い訳を……。すみません」

「全然大丈夫ですよ。それくらいの方が、いつもの河橋さんよりも親しみやすいですし」

 普段の河橋さんは、真面目すぎて本当に近寄りがたいからだなあ。なんというか、ちょっと怖い教師みたいな感じ?

「えっ、あ、そう……ですか。けれど、こういう私を見られるのは、いささか恥ずかしく感じます……」

 頬を赤く染め、俺から顔を逸らす。フレームの細いメガネの奥にある瞳は、心なしか潤んでいるように見えた。ここまで照れられてしまうと、こちらとしても恥ずかしくなってしまう。

 俺はぽりぽりと後頭部を掻きながら、口から言葉を吐く。

「ま、まあ、無理にそうしろとは言いませんよ。ただ、親しみやすかったってだけで。一番は、河橋さんに無理のかからない状態でいることですし」

「そ、そうですよね。無理して恥ずかしい思いをするわけにもいきませんしね。あ、それはそうと、奥仲くん。先ほどは、ありがとうございました」

 いきなり礼を言われ、俺はたじろぐ。はて、褒められるようなことをしただろうか?

 俺は小首をかしげ、疑問に満ちた視線を送る。

 それを悟ったのか、河橋さんは付言する。

「私が動揺してしまった時、代わりに希望者の方にダメである理由を言ってくれたことです」

 俺は、ああ、と思い出しながら頷く。

「でも、俺だって実行スタッフの一員ですし、これくらいはやりますよ。……まあ、これくらいしか力になれないかもしれないですけど」

 自嘲するように笑う俺。実際、依頼を受けているだけの俺よりも、生徒会長の河橋さんの方がよっぽど仕事ができる。萬部はあくまでも足りない人員の穴をふさぐための要員だからだ。

 しかし、河橋さんは首を横に振る。

「いええ。そんなことはありません。それぞれがそれぞれに出来ることをやる。それぞれが誰かを助ける。そういうことが大切なんだと思います」

「それぞれが出来ること……助けること……」

 たしかに大切だ。言われればそれはわかる。だが、それを実行できるかどうかは別問題だ。頭では分かっていても、できないことはたくさんある。

 卒後祭実行スタッフは、それをできているだろうか。それぞれが出来ることをしっかりとやれているのだろうか……。

 河橋さんは、静かな微笑を俺に向ける。それは、今までの堅物な印象を打ち砕くほど柔和な笑だっった。

「ですから、ありがとうございます、と言ったんですよ」




     ***




 審査が終わり、河橋さんと会議室に戻っていると、ふと廊下に見知った人物を見つけた。

「あれ……」

 俺は嫌な予感を覚えながら、その人物が頭に思い描いている通りの人物かどうか確かめるため、目をこすって再度注視する。

 すると、その人物がこちらを振り返った。

 あー、やっぱりか。

 その人物――彼女は、俺を見るなり、にやりと頬を歪め、大きく手を振った。

「おおおおおい、遥斗くぅううん! ひっさしぶりだねえ!」

 紛れもなく莉奈先輩だった。

 俺たちが恩返しをしたいと思った張本人である。

 ていうか、どうしてこの人がここにいるんだ? だって、今三年生は自由登校のはず。莉奈先輩だって受験とか色々あって、ここ最近はもう学校には来ていなかった。それがどうして?

 河橋さんは俺をちらと見ると、小さく首をかしげる。

「お知り合いですか、奥仲くん?」

「えっと、萬部の先輩です、三年の」

「あっ、そうなんですか。ということは、あの人が莉奈先輩、という人なんですね」

「知ってるんですか?」

 俺は思わず目を丸くする。

 河橋さんはこくりと首肯した。

「ええ。前宮先生が言っていました。莉奈先輩が、萬部が卒後祭に関わっていることを知ると、企画しているプログラムの八割以上はバレてしまう、と」

「あー、なるほど」

 そういえば、この前もそんなことを言っていたな、薫先生。たしかに莉奈先輩なら、楽しげなことはあっという間に吹聴してしまいそうだ。

 などと思いながら再び莉奈先輩に目を合わせると、大きく手招きをしていた。どうやら、こっちに来いということらしい。

 よく見れば、そこには薫先生と雅の姿もあった。二人とも少々くたびれた様子である。

 もし口が滑って卒後祭に関わっていることを告白してしまえば、俺たちの企画していることはあっという間に拡散されてしまう。できれば、あっちに行きたくない。

 けれど、先輩が来い、と言っているのだ。行かないわけにはいかない。これが後輩の性だろうか。

「それじゃあ、ちょっと行ってきます、河橋さん」

 小さく会釈しながらそう告げた。

「わかりました。くれぐれも、卒後祭の話題は避けてくださいね。お願いします」

 言われて、俺はこくりと頷く。

 さて、口を固くしなければ。

 俺は小走りで莉奈先輩たちのもとへと急ぐ。




「久しぶりだね、遥斗くん! いや~、随分見ないうちに大きくなったよ!」

 開口一番に言われた言葉がそれだった。

「いやいや、そんなに期間空いてないですよ! 先輩、学校来なくなったのつい先月からじゃないですか!」

「あれ~、そうだったかなあ、ははははは!」

 いつもどおり、何を考えているか分からない愉快な人だ。だが、この人のこういう変わらないところに、悩みを抱えていた俺は救われたのは事実だ。

 俺は近くにいる雅に静かに聞く。

「なあ、雅。どうして莉奈先輩がここにいるんだ?」

 久しぶりに雅に声をかけたせいか、彼女の身体が小さく反応した。

「それがですね、実は莉奈先輩が――」

 雅の言葉は言下に遮られ、元気な莉奈先輩の声が響く。

「そこ! こそこそ話はダメだよ!」

 いや、こそこそ話ではなく状況確認をですね……。

「あの、莉奈先輩はどうして学校に? 自由登校のはずじゃ?」

 聞くと、莉奈先輩はなぜか胸を張った。木葉たちよりも豊満な胸に釘付けになりそうになりながらも、必死に胸から意識を外す。初めて思ったけど、意外と胸があるぞ、莉奈先輩! ここ最近で一番の発見かもしれない!

「ふっふん! 実はね、遥斗くん。私、私ね――」

「希望していた大学に受かったらしい」

 莉奈先輩が言う前に、薫先生が先に解答を口にした。

「もーっ、ちょーっと! 薫ちゃん! なんで先に言うの! 私が言おうとしたのに! んもーっ!」

 ぽかぽかと薫先生を叩きながら叫ぶ莉奈先輩。

「だって、莉奈がもったいぶるからつい、な。すまん」

「すまんじゃないよーっ! 私が言いたかったのにぃ!」



 薫先生と莉奈先輩のやりとりを眺めながら、俺は先生が言った言葉の意味を脳内でやっと理解した。

「ええっ! 受かったんですか! 莉奈先輩! すごいじゃないですか!」

 莉奈先輩が受けた大学は、そこそこ偏差値の高い大学だと聞いている。あの大学に受かる時点で結構すごい。

 急に反応した俺にびっくりしたのか、莉奈先輩は数瞬の間ぽかんとした後、改めて胸を張った。

「えっへん、すごいでしょ~! 私だってやれば出来るんだよ! そうなんだよ! あははは、もっと褒めてもいいよ! さあ、ほらほら!」

 驚かれたことが気持ちよかったのか、莉奈先輩は気分良さそうに頬を弛緩させる。

 それを横目で見ていた薫先生が口を開く。

「まあ、実際本当によく頑張ったと思うぞ、莉奈。それは誇っていいことだと、私は思っている」

 いきなり褒められたせいか、莉奈先輩は顔を赤らめた。そんな先輩を見るのは入部して以来初めてだったので、とても新鮮に感じた。

「い、いやあ~、照れるなあ。あは、あははははははは。ところで、みやびんとか遥斗くんは、生徒会と一緒に何してるの?」

 突然投げつけられた質問に、俺と雅は思わず顔を見合わせる。

 絶対に『卒後祭に関わっている』と口を滑らせてはいけない。

 俺は慎重に言葉を選んで発言する。


「ちょっと依頼がありまして……」

「へぇ、どんな依頼?」

 純粋な瞳で聞いてくる。やだ、やめてその瞳! 純粋って罪だわ!

 俺が返答に窮していると、隣にいる雅がフォローに入る。

「生徒会のお仕事を手伝っているんですよ」

「ふぅん! どんな仕事してるの?」

「あえっと……その……。そう! 学校のホームページに乗せる、各部活動の成績を打ち込んだりしてるんですよ」

「そうなの? けど、さっき会議室の前通りかかったら、何か大きなものを作ってる人いたよ? あれはなんなの?」

 大きなもの? あ、もしかして、掲示用の卒後祭の目次か? いや、それ以外にも『用意』のグループは色々と作業をしている。どれを見られたんだろうか。

「あれはですね……」

 そこで雅は黙り、俺に耳打ちしてくる。

「どうしましょう、遥斗くん! 頭が真っ白になってしまいました!」

 そうは言われても、俺だって真っ白なんだけど。と言い返したかったが、雅にばかり負担をかけるわけにはいかない。

 俺は必死に頭をフル回転させた。

「あれは……、実は、もうひとつ仕事を頼まれてたんですよ」

「もう一つ?」

 莉奈先輩は頭の上に疑問符を浮かべる。

 俺は咄嗟に思いついたことを口から吐き出した。



「はい。依頼相手は生徒会だけじゃないんですよ。実は、演劇部からも依頼があったんです。二つの依頼が同時に入ったんで、俺たちも二手に別れたんです。だから、莉奈先輩が見た、何か作ってるっていうのは、きっと演劇部のやつですよ」

 いかにもバレてしまいそうな嘘を、俺はいたって真面目な表情で言った。

 莉奈先輩はふーん、と呟くと、腕を組んだ。

「同時に二つの依頼が入ったんだ! 頼りにされてるんだね、みんな! これなら、私が抜けても安心だ! なんて、特別力になれたわけじゃないけど、とりあえず安心したよ」

 自嘲の笑みと、安堵の笑みが混ざった微笑みを浮かべていた。

「莉奈先輩は俺たちの力になってましたよ。先輩の存在は、先輩が思っている以上に大きなものです」

「な、なんなの、遥斗くん照れるよぉ! な、何か暑くなってきたし、時間も遅くなってきたから、私もう帰るね。また何かあったら学校来るから、その時には部室にも顔出すよ!」

 赤くなった顔を手でパタパタと仰ぎながら、莉奈先輩はカバンを肩にかけて玄関の方へ歩いて行った。



 莉奈先輩の姿が見えなくなると、薫先生がにやっと唇の端を上げた。

「奥仲~。さっきのはバレバレの嘘だったぞ?」

「じ、自分でもわかってますよ! けど、あれしか出てこなかったんです!」

 まったく、この先生は相変わらずひどいな!

「ま、そんなバレバレの嘘でも、なんとか隠すことができたんだ。これで卒後祭の情報は守られたわけだ。だから結果オーライ! よくやったぞ、奥仲」

「貶すんですか、褒めるんですか、どっちですか!」

「さあな。私はまだ仕事が残っているから、職員室に戻る。君たちも仕事があるなら、早く会議室に戻りたまえ」

 言うと、薫先生は右手をひらりと上げて、職員室に向かって歩きだした。

 まったく、あの教師は……。

「は、遥斗くん。さっきは、途中でまる投げしてしまってすみませんでした」

 雅が申し訳なさそうに頭を下げる。

「別に全然気にしてないよ。俺だってバレバレの嘘をついたわけだし、むしろ謝らなきゃいけないくらいだしさ。そんなことより、戻ろうぜ。せっかく嘘をついたんだし、莉奈先輩に喜んでもらえるような卒後祭にしないと。そのためには、俺たちがしっかりと準備しないと!」

 今までお世話になった莉奈先輩に嘘をついたのだ。



 それを詫びて穴埋めをするためにも、今まで以上に卒後祭の準備に対して責任を持つことができた。莉奈先輩に喜んでもらうためにも、手を抜くわけにはいかない。

 俺の言葉を聞いた雅は、微笑した後頷いた。

「はい! そうしましょう!」


 こんにちは、水崎綾人です。

 今回は久しぶりに莉奈先輩が登場しました。彼女以外にもこれから昔出会ったキャラが登場する予定です。

 続きも、是非とも読んでいただけたら嬉しいです。

 では、また次回。

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