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隣の彼女は幼馴染み!?  作者: 水崎綾人
第2章「幼馴染みと部活」
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第6話「遥斗は、また面倒事を頼まれる」

何を血迷ったか分からないが、俺は大空とある約束をしてしまった。



――分かった。分かったよ…。お前に協力してやる



 何言ってんだよ俺は…。なんで自分から面倒事引き受けてるんだ…。


 俺は、先日自分で言ったことを、後悔しながら今、自室のベッドの上で悶えている。


「はぁ…。協力って…」


 協力どうこうの前に俺自身、あまり友達付き合いが得意な方では無いのだ。


 気兼ねなく話せる友達と言えば須藤くらいなものだ。俺は、これ以上考えると頭がパンクしそうになったので、毛布に顔をうずめて、寝ることにした。







 翌日。昨晩、中途半端に寝たため不快極まりない気分で登校した。


 いつも通り校門前には松前が立っていた。今日も元気にあいさつ運動を行っているらしい。



 毎朝のことだが、ここが一日で一番大きな関門だと言っても過言ではない。この前のように、生徒指導室に連れて行かれるかもしれないと言うリスクがあるからだ。


 俺は、俺の前を歩いている集団に混じって適当に挨拶を流した。


 案の定、松前には気づかれず朝の少ない体力が消耗されずに済んだ。見たか松前、これが現代版隠れ身の術だ。



 玄関で上履きから中履きに履き替えている時に事件は起こった。薫先生に声を掛けられたのだ。普段の連絡ならまだしも、あの変にニヤケた表情。また、面倒事を押し付ける気か?


「おーい奥中」


「な、なんすか?」


 視線を合わせたら負けだ。ダルそうな雰囲気を全身から出すんだ…。



 薫先生は、俺がそんなことを考えてるなんて知らずにお構いなしに話を続ける。


「奥中。折り入って頼みがある」


「頼み?ですか」


 頼みってなんだよ?まさか放課後荷物運びを手伝えだとか、○○係をやれだとか、そんなところか。


「確か大空は部活に所属していなかったよな。なので、今日の放課後に君が、大空を各部活見学に案内してやってくれ」


「へ?なんで俺なんすか!?」


 よりによってまた、大空絡みかよ…。ここ最近あいつと一緒の事多くないか?


「だって、君は部活に所属していないし、何より大空と親しいじゃないか!」


 親しいだぁ?半強制的に付き合わされてるだけですよ先生。まあ中には、俺から向かってくこともあったけど…。



「いや…でも俺にも用事が…」


「あるのか?」


「いや、無いですけど」


「では、頼んだぞ。頼りにしている」


 頼りにしないでください…。でも、部活に入れば大空にも友達が出来るだろうし、計画完了になるんじゃ…仕方ない。引き受けるしかないよな。






 俺は、教室に入るとまず、大空の席に向かった。大空は、キラキラにデコレーションされたスマートフォンをいじっている。


 俺みたいなクラスでのヒエラルキー下位のやつなら絶対に奴には近づけないだろう。


 しかし、今の俺は不思議とやつに近づけた。これも慣れってやつなのか…。なんて思いながら声を掛ける。


「よう」


「あっ遥斗。おはよう!」


 あー。眩しい、眩しいって。朝からどんだけ元気なんだよ、お前。


「今日の放課後暇か?」


「え?うん」


 大空は様子を伺うような表情でこちらを見てくる。


「あのさ、薫先生がお前を部活見学に連れてってやれって言うからさ」


「それって、遥斗が連れてってくれるの?」


「他に誰がいるんだよ?だってお前、ぼっち――」


 大空の鋭い眼光が俺の顔を捉えている。それ以上言ったら殺すと物語っているようだ。



「じゃなくて、俺ら幼馴染みだしな」


 苦笑いでその場を繋いだが、俺は正直ビビっていた。先日、こいつのストレートを腹に受けて、気を失うということがあったのだから。



「そうよね~。分かった!じゃあ放課後にね」


 それを聞き俺は、自分の席に戻った。


 自分の席に戻ると、後ろの席の須藤が話しかけてきた。

「なあ遥斗ぉ。お前、大空さんと何話してたんだよ~」


 須藤は、ニヤニヤしながら聞いてくる。


「ん?業務連絡みたいなもんだ」


 軽くあしらうと須藤は、さらに口を開く。


「大空さんって可愛いから男子から人気なんだぞ。多分、大空さんを狙ってる男子はこのクラスの半分はいるぞ。特に柏崎なんでやばいな。さっき、お前と大空さんが話してときお前の事ずっと凝視してたからな」


 とんでもない事実を聞かされて俺は、心底驚いた。ずっと凝視って…怖っ。



「なんだ、あいつそんなに大空の事気に入ってんのか」


 正直、どうでもよかった。大空が可愛いということは、認めたくはないが事実ではある。確かに、顔立ちはいいのだ。しかし、何か言うと腹にストレートを浴びせてくるのは、なかなかに厳しいものがあった。


「お?ライバル出現で焦ってるか?」


「そもそも狙ってねーよ」


 須藤の挑発に呆れて眠くなってくる。俺は、そんなことより今日の部活見学のことのほうで、頭がいっぱいだ。俺は、この学校にどんな部活があるのかを把握していないのだ。


 取り敢えず昼休みにでも職員室に行って、薫先生から部活動リストでも貰おう。


 こんにちは水崎綾人です。今回、実は第6話と第7話は一つの話だったんですが、長くなので無理やり2話に切りました。

 次回7話のラストは少々モヤモヤするかもしれませんが、今後に続くと思って暖かい目でご覧下さい。

 第7話も近いうちに更新しますのでよろしくお願いします!

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