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隣の彼女は幼馴染み!?  作者: 水崎綾人
第3章「部活と悩みと俺の意志」
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第13話「遥斗の家族」

 俺と大空が部活に入ってから早、一週間が経とうとしていた。俺は相変わらず小野には『セクハラくん』といじられ、大空は毎回疲れきった顔をして部活にやってくる。というそんな日々が続いていた。


 今、俺は大空と一緒に帰っている最中だ。俺は何度も言うが、ラブコメ的展開でこうなったのでは無く、家が隣同士である以上必然的に帰り道が同じになってしまうのである。


「なあ大空」


「何?遥斗」


 声に覇気がない。いつもなら『遥斗!』ってやかましい感じで言ってくるのに。


「お前最近どうしたんだよ?何かあったのか?」


 大空は黙って下を向きながら歩き続ける。という訳は言いたくないってことか。


「分かった。言いたくないなら言わなくていい。でもな、背負い込んじまうのは良くないと思うぜ」


 言うと、大空はコクリと頷いた。


 それから、俺たちは特に話すこともなく互の家に帰った。


「ただいま~」


「おっかえり~!」


 の掛け声ととともに妹の楓が走りながら俺に突進してきた。


「痛ってぇ!どうしたんだよ?」


 帰宅した兄にいきなり突進って何考えてんだよ。うちの妹様は?


「明後日、楓の運動会なの!見に来てくれる?」


「もうそんな時期か…ってはぁ?」


 運動会の時期はともかく、中学2年生にもなって実の兄貴に運動会見に来てくれと上目遣いで頼む妹がどこの世界にいる。


 俺はこのまま玄関にいるのもあれなので、靴を脱いでリビングに向かうことにした。その間も楓は「来て、来て」とだだをこねてくる。


「おい、母さん楓をどうにかしてくれよ」

 母さんはニンジンを切る手を休めニヤけながら言う。


「あら遥斗~。モテモテじゃない楓から!でも、兄妹同士での結婚はダメよ~」


 全く…母さんに相談した俺が馬鹿だった。母さんに相談してまともに解決したためしがない。うちの母親は、もはや抜けてるとかそういうレベルじゃない。もう宇宙人レベルだ。


 確かこんなことがあった。


 あれは俺が中学に入学したばかりの頃だった。俺は新しい環境に慣れず友達が出来ないことを母さんに相談した。すると、

「お母さん。どうしたら友達出来るかな?」

「お金あげれば出来るんじゃないかしら!」

 と満遍の笑で答えられた。当時の俺でもっそのどうしようもなさに驚いたほどだ。


 仕方ない相談できないなら、適当に流しとくか。戸棚から適当にお菓子を、冷蔵庫からは瓶の牛乳を取り出し、リビングのテレビの前を陣取った。これから奥中遥斗の楽しみの一つアニメ鑑賞タイムなのだ。俺はまず今大人気の魔法がテーマのアニメを見ることにした。ハードディスクのリモコンを、華麗に操作し慣れた手つきで再生ボタンをプッシュ!


 俺がボタンを押すのと同時に後ろから何かが近づいてくるのを感じた。俺は、後ろを振り返った先にいたのは他でもない親父だった。親父は裸で下半身にタオルを巻いている堂々たる風貌で現れた。


「お、親父…なんて格好してんだよ…?」

 驚きのあまり声が出なかった。


「風呂上りだから暑いんだ」


「いやいや、暑いって言ってももうすぐ10月に」


「男たるもの健康が一番だ」


「答えになってねぇよ…」


 そうだ、そうだったよ。この家にはもうひとり居たんだ。理解不能な奴が…俺の父親だ。親父は完全な天然なので、基本的に話が続かないわけだ。


 俺は親父と母さんへの対応に疲れてもうアニメを見る気力は残っていなかった。


 何なんだよ。この家族…。

 部屋に戻ると真っ先にベッドに落ちていった。その後の意識は深い闇の中へと吸い込まれていった。


こんにちは水崎綾人です。

今回は遥斗の両親登場でしたね!母のほうは前から登場してましたが、父が今回初登場でした。強烈で現実にいたら大分大分ですよね。

次回、第14話では木葉と遥斗の関係性はどうなるのか!?お楽しみに!

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