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隣の彼女は幼馴染み!?  作者: 水崎綾人
第2章「幼馴染みと部活」
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第11話「未来への活路」

 横を見ると大空は感心した様子でメガネ清楚系女子を見ていた。夕日によって僅かに照らされている彼女の横顔は、どこか幻想的だった。


「どうする大空。この部活に――」


「入ります!」


 おお!いつにない即答だな。大空の目は輝いていた。


「んじゃこの部活で決まりだな。良かったな大空」


 言うと俺は用も住んだので教室(部室?)のドアを開けて帰ろうとした。その時、


「待ってよ。遥斗も入るんでしょ?」


 その大空の声は、当然のごとく放たれた。いや、入らねーよ。


「名案だ!奥中、君も入るといい」


 大空の言葉に乗ってきた薫先生も俺に誘い文句を投げてくる。


「え…俺もすか…?」


 正直困る。俺にとっての放課後とは、録り貯めたアニメを見たり、新作のラノベを読んだりして忙しいんだが。


「だめ…?」


 大空が不安そうに聞いてくる。


「いや、ダメって訳じゃないんだけど…俺ってあまり人と関わるのが得意じゃないっていうか、苦手って言いうか…」


 自分で自分の短所なんか堂々と言いたくねぇ。


「なら話が早い」


 元気よく薫先生が言う。なんも話早くねーよ。


「君もこの部活に入って、他人と上手くやる術を身につけるといい。いいな分かったな。これは担任命令だ!」


 なんだよそれ。薫先生は胸の前で腕を組み仁王立ちで俺に言ってきた。


 すると大空も言葉を発した。


「そうだね、それがいいよ。遥斗も入ったほうがいいって」


 なんでコイツこんなに楽しそうなんだよ。


「分かった…分かりましたよ。俺も萬部入ります」


 ヤケクソだった。結局どっちに転んでも逃げ場はないのだ。さらば俺の愛しの放課後。


 大空と薫先生はよしっと拳を握った。一体何がそんなに嬉しいのやら。


 メガネ清楚系女子が口を開いた。


「お二人は付き合っているんですか?」


 唐突に投げかけられたその質問に、俺と大空は反応出来なかった。だが、少しするとだんだんと正気に戻ってくるとメガネ清楚系女子の質問の意味が今ひとつ分からなくなった。


「違う違う。俺と大空は幼馴染みなんだ。だからちょっと言葉が噛み砕いてあるっていうか。なんていうか」


「そうなんですか…良かったです」


 何が良かったんだよ。メガネ清楚系女子は胸をなでおろした。


「大空さんがセクハラされていなくて」


「するわけねーだろ。たった一回ぶつかっただけで人をセクハラ犯扱いしないで!」


 そうだった。こいつは俺のことをセクハラ犯だと思っていることを、すっかり忘れていた。


 だが、とりあえずは今日から俺も部員だ。だとしたら俺が言うべき言葉は、


「俺の名前は奥中遥斗。よろしく。それでお前の名前は?」


 俺は、メガネ清楚系女子に聞いた。正直メガネ清楚系女子なんて長すぎるからな。


「私ですか?ゴホン。私の名前は小野雅です」


 小野雅。綺麗な名前だ。俺は素直にそう思った。セクハラ犯扱いしなければもっといい印象を持っていたかもしれない。


 大空も俺に続いて名乗った。


「大空木葉です。遥斗と同じクラスの1年1組です」


「ところで、この部活には小野しかいないのか?」


 俺は、ここに来た時から思っていた疑問を小野にぶつけてみた。


「いえ、この部活にはあと一人部員がいるんですけど、今は旅行中で」


 旅行中ってもう新学期始まってるんだぞ!


 薫先生も口を開いた。


「改めて名乗ろう。私はこの萬部の顧問、前宮薫だ。よろしくな」

 



 挨拶を済ませた俺たちは、今日は特にやりたいことも無いとのことで帰ることになった。どうやら、大空と小野はすっかり仲良くなったらしく会話が弾んでいるように見えた。


「ねぇねぇ大空さん!これから木葉ちゃんって呼んでいい?」


「うんいいよ!じゃあ私はみやびんって呼んでいい?」


 みやびんってどっかのご当地キャラにいそうな名前だな。でも、大空に友達第一号ができたみたいで、俺は内心ホットした。大口叩いといて結局アイツがぼっちだったら、示しが付かない。



 俺は大空と一緒に帰路についた。そして、今日の出来事について、互いに振り返った。


「良かったな。小野と仲良くなれたっぽいし」

「うん!これも遥斗のおかげだよ」


「なんでだ?俺は特に何もしてないし」


「遥斗が私に友達が出来るように協力してくれたから、だから遥斗のおかげ」


「そうかいそうかい」


 話していてなんだか小っ恥ずかしくなってきた。なんだよこの甘い会話。


「つか、部活なんて小学校以来だな」


「そうなの?」


「ああ」


 俺はまた、封印していた過去の記憶を呼び戻す。


「あれは小学校のとき。当時、俺はサッカー部だったんだ。入った理由は、その頃大人気だったサッカーアニメに影響されたんだ。そのアニメでは互が互を認め合ってすごい技出したり、ミスしても明るい雰囲気だった。でもな、現実は違ったんだよ。初めて出た試合で俺は、天パってミスを連続したんだ。そしたらなんて言われたと思う?『お前はコートのどっか走ってろ』だぞ。要は、ボールに触らなくていい人数合わせの要員だってことだな。今思い返すだけでも泣けてくらぁ…」


 大空は苦笑いしか出来なかった。


「あっでも、萬部は違うんじゃない!きっと大丈夫だって!」


 その後も俺は、大空に慰めなられながら帰宅した。


こんにちは水崎 綾人です。

 見事に入部しましたね!木葉には雅と言う友達第一号も出来ました。それに互いに「木葉ちゃん」「みやびん」と呼ぶ仲にまでなりました。あの短時間で!一方、遥斗は半強制的に入部させられましたが今後どうなるのでしょうか!?彼には少々主人公として働いてもらうつもりです!

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