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隣の彼女は幼馴染み!?  作者: 水崎綾人
第2章「幼馴染みと部活」
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第10話「萬部(よろずぶ)」

 誰も使っていない教室にいた人物に俺は、見覚えがあった。


「失礼します。部活見学に来まし――ってあれ?」


 それは…。




「いらっしゃい!って…えっ!?」


 互いに見つめ合ったまま静止してしまった。別に運命がどうのこうのなんてことは全くない。


 中にいた人物とは、今日の昼休みに薫先生から部活動リストを貰いに行った帰りに、ぶつかってしまった、メガネ清楚系女子だった。

 ちなみに、俺はこいつの名前は知らない。


「あ、あなたは昼休みのセクハラくん」


「変なアダ名付けるな!」



 な、何言ってんだ、こいつは。

「遥斗~。セクハラって何?」


 なぜか大空の声には怒気がこもっていた。


 なんで大空は若干キレ気味なんだよ。


「んなわけ無いだろ!あいつが勝手に言ってんだよ!」


 俺の発言に対してメガネ清楚系女子は食いついてくる。


「ちょっ、あなたが私の身体に強引に寄り添って来たんでしょ」


「誤解を招くこというんじゃねーよ」


「強引に寄り添うって…遥斗?」


「いや、だからぶつかっただけだから!」


 大空も混じりより一層会話がややこしくなった。


「これだから男子は」


 メガネ清楚系女子が呆れたように言う。


 呆れてんのはこっちだ…畜生。


「確かに中にはそういう目的でぶつかってくる奴もいるかもしれない。でもな、俺は違う。なぜなら、そんな大胆なことをする勇気なんてないからだ!」


「どうだか…」


 メガネ清楚系女子はボソッと呟く。

 その時だった。やけに聴き慣れた声が聞こえてきた。




「ちょっといいいか?」


 大空の声では無い。


 その声の主は前宮薫先生だった。

「先生?なんでここに?」


 なんでいるんだよ。びっくりだわ。


「ふふふ…。何を隠そう私がこの部活の顧問だからだ!」


 マジか。この先生顧問やってんのか。


 大空も驚いて静止している。


 部活動リストに『しーくれっと』って書いてあったのはアンタのせいか。


 薫先生は俺の腕を引き教室の隅に連れて行く。


「なにすんすか?先生」


「来るのが遅いじゃないか。普通『しーくれっと』なんて書いてあったら、気になって一番最初に来るだろ」


 この先生は何考えてんだ。


「いや、逆に『しーくれっと』なんて書いてあったら怪しくて来たくなくなるでしょ普通」

 薫先生は、驚いているのか少しの間黙っていた。


「よし、ところでよく来たな。まあ座りたまえ」


 薫先生は、切り替えたのか急に元気になった。切り替え速いなおい。



 この教室には長机が二つ並べてあり、パイプ椅子が教室の脇の方に並べて置かれている。


 俺と大空は教室の脇からパイプ椅子をそれぞれ持ち出し、メガネ清楚系女子と薫先生と向き合うような感じで座った。こうしているとまるで、事情聴取を受けているみたいだな。


「この部活はどんな部活なんですか?」


 大空が先人を切って質問をする。


 メガネ清楚系女子がそれに答える。


「何をする部活かって…。今もこうしてることかな?」


 意味がわからん。この学校には他校にもある大抵の部活は全てある。


「えーわかんないよ」


 少し考えると大空はギブアップした。安心しろ大空。俺もさっぱり分からん。


 今度は薫先生が答える。


「学校にはな、いろいろな生徒がいる。中には野球がしたかったり、サッカーがしたかったり、バスケがしたかったり人それぞれだ。しかし、そんな中でも特にやりたいことが無い生徒がいる。そんな生徒に3年間もやりたくない部活をやらせるのは苦行に匹敵する。そんな生徒を救うためにあるのがこの部活だ。部活名を答えよう…小野」



 薫先生はメガネ清楚系女子に話を振った。


「この部活の名前は『萬部(よろずぶ)』といいます!いろんなことに手を出して自分のやりたいことを探していったり、依頼さえあれば何でも屋として働きもします!」



 言いきった感が半端ないな。


こんにちは水崎 綾人です。

 遥斗と木葉が最後に見学しに来た部活それは――『萬部』でしたね!遥斗と木葉は萬部に入部するのか!?はてまたしないのか!?次回第11話で明かされます!

 次回第11話もお楽しみに!

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