第7話「霧の灯《リュミエール・ブリュム》」
ソラ周辺の瓦礫は全て赤熱し、一部は溶岩と化している。
その地獄のような光景をレンとアイは信じられない思いで見つめていた。
さっきまで騎士団を圧倒していたソラを、さらに圧倒的な力で“理不尽に潰す”ルタオ。
その姿は恐怖そのものだった。
「おいコラ、アタイはこの時間帯は仕込みで忙しいんや」
「アホみたいに連絡よこしてからに、、、思わず大事なバーレム10 EX壊してもうたがな!」
赤いオーラを全身から噴き上げ、肩で息をする女性。
彼女こそがこの店の主、ルタオだった。
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隠れ家レストラン 霧の灯
店主
ルタオ・フェディルン
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ルタオは深紅の髪を乱暴にかき上げ、鋭い眼光をレンとアイへ向ける。
「で……なんだ、そのガキ共は。ソラ、殺される前に説明しな」
破壊され赤熱した瓦礫と溶岩を払いながら、ソラが立ち上がる。
焼け焦げたシャツを破り捨て、苦笑い。
「相変わらずの歓迎やな。ルタオ。」
「このシャツPReMIOの最新作やったのに、、、高かったんやぞ」
まるで軽いじゃれ合いをしたかのように平然とする2人にレンとアイは目がくらみ始めた。
「えー、この子らはな、、、よう知らんけどちょっとした訳ありやねん。」
「ほんで腹を空かせとる、ちょっと飯を食わせてやってくれへんか」
「あぁぁぁぁああ?ここは託児所ちゃうわ!!!!」
ルタオが更なる追撃をソラに仕掛ける直前。
ソラの右手に何かが現れた。
そして、それはルタオの左手に向かって投げ渡される。
「!!!!!!!!」
ルタオの目が見開かれる。
「これバーレム14 Pro EXやん!!!!」
「まだ発売されてへんやろ?あんたどこで手に入れたん?」
「ルタオ、腹減ったなー」
「ふん、まぁええわ、入り」
鼻を鳴らし、乱暴に扉を開け放つ。
顎で中を指し示した。
「あんたらも!騎士団に追われとった孤児院の子らやろ?噂は聞いてる。入りなさい。」
レンとアイは、ソラの背中を追って店に入る。
一歩足を踏み入れた瞬間。
霧に包まれた外の世界が、嘘みたいに遠ざかった。
――ここは、別天地だった。




