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王道冒険×推理「LAST DAWN」  作者: d.2026


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第4話「霧を超えて」

背後から迫る追っ手の足音が、霧の壁に反響して幾重にも重なって聞こえる。


2人は訳が分からないまま、男についていく。





逃げ場のない路地の突き当たりで、褐色の男は不敵に口角を上げた。


「さて、ちょっと地上はしんどいなぁ。お二人さん、しっかり捕まっときや」


ソラが腰の筆〈雲断〉に指をかけると、漆黒の本体に刻まれた金色の線が、脈打つ鼓動のように赤く発光した。彼が空中に鮮やかな軌跡を描き、一文字を綴る。


「一筆入魂:とばす


その瞬間、レンとアイの身体は重力から解き放たれた。


目にも止まらぬ速さで垂直に上昇し、冷たい霧を突き抜けていく。


突風に顔を歪めながらも、二人は眼下に広がる光景に息を呑んだ。



そこには、地上からは決して伺い知ることのできない、クリフヘイヴンの真の姿があった。



深く重い白銀の霧は、上空から見れば月光を浴びて波打つ巨大な雲海のようだった。


その銀の海の至る所から、街灯や家々が放つ、淡い光が粒となって染み出し、幻想的な青と金の斑模様を描き出している。


霧に沈む街の輪郭は、影が影を生み、地形そのものが神話的な奥行きを持って語りかけてくる。


東端の港へと続く運河は、霧の下で脈動する光の血管のように見え、さらにその先には、底知れぬ深淵をたたえた黒い海がどこまでも広がっていた。



そして街の北部には、大きな「塔」があった。


雲を裂いて天高くそびえ立っている。


大空を飛んでいるレン達が見上げるほど、高かった。




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