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王道冒険×推理「LAST DAWN」  作者: d.2026


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第13話「ライブ・ベイト ~踊る晩餐~」

ルタオはエプロンをカウンターに置き、客席へやってくる。


「実は今日のディナーにはお得意さんが来るんだけどね。」


「 そこで出すメインディッシュに、どうしても足りない食材があるのよ。」


彼女は指を立て、楽しそうに告げた。


「その食材の名は、星の血を引く海老(アストラ・シュリンプ)。」


「 クリフヘイヴンの霧深き海の、更に深部にしか生息しない、奇跡の甲殻類。」



「聞いたことがある。」


アイが目を丸くする。


「確か、世界三大食材の1つで、その身には海の全てが詰まっているって、本に書いてた。」


ルタオは笑みを浮かべる。



「ジュダヴェルニって港には、アタイの契約漁師のザガンがいる。」


「ザガンは凄腕の漁師でね。」


「アタイが扱う海の食材は全てザガンから仕入れている。」


そしてレンとアイの顔を覗き込み、悪戯っぽく微笑む。


「 あんたらで、アストラ・シュリンプをザガンから買ってきてちょうだい。」




「……それだけ、じゃないっすよね」


レンが恐る恐る言うと、ルタオは笑みを深くした。


「察しがいいね」


「それに、実はあそこは裏社会の連中のたまり場。 」


「あんたらが姿を見せれば、必ず狙っている連中が食いついてくるはずよ。」


「 そいつらを返り討ちにして締め上げれば、シンの冤罪を仕組んだ真犯人が判るって寸法」


「敵は、騎士団を利用してあんた達を捕まえようとするくらいだ。」


「チャンスがあれば自分の手を汚してでも消しにくるはずだよ。」


「今は良いボディガードもいるから身は安全。」


「どうだい?結構良い案だろ?」


「ザガンにはアタイから連絡しておくよ。」


ソラはあきれた顔でルタオを見る。


「そんな危険な場所に行かせるなんて、相変わらず無茶苦茶やな。」


ソラは面倒くさそうに頭を掻き、椅子の背もたれに深く体重を預けた。


だがルタオは、さらに強い手札を切る。



「ソラ、3年ぶりに、海の至宝リュミエール・マリーヌ食べたいだろ?」


ソラの動きが止まった。


その料理は、最高級の魚介と究極の魔法調理術の極致。


1つの王冠(シングル・クラウン)の称号を得た世界最高峰の料理人であるルタオの至極の一品。


例え友人であるソラと言えども、気軽に頼めるものではない。



「……しゃあない。そこまで言われたら、断る理由はないなぁ。」



交渉は成立した。


迷う暇はない。


三人は夜の闇に紛れ、クリフヘイヴンの深淵、欲望と暴力が渦巻く”ジュダヴェルニ”へと向けて出発した。



――“釣り針”が、もう投げ込まれている。


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