表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に勇者として召喚されたのですが、不本意なので女神から逃亡して自由気ままなスローライフを送ってやろうと思います。  作者: 衣之谷こうみ
第2章 穏やかな生活は長くは続かないもの

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
99/294

099 ここからは友人同士の会話だ

「以上が今回の報告の全てになります。理事長」

『そうか、斎賀五月(さいがいつき)が騎士王を倒したか』


アインズの報告を受けた相手が[映像念話]を介して答える。


ここはホバートの冒険者ギルド支部の支部長室。

もう日付が変わろうとしていた。


灯を全て消した部屋の中、支部長のアインズ・シュートレンは今回の第三次カラトバ戦役について本部に報告しているところだった。


第三次カラトバ戦役後、イツキにより新たに王都サウスワースの冒険者ギルド内に転移装置が設置された。

転移装置はこれで3ヶ所目。

他の設置場所はイツキの自宅横とホバートの冒険者ギルド内。

いずれ魔族領にも冒険者ギルドを開設し、そこにも転移装置を設置する予定だ。


今回、イツキは使用権を自分と白亜以外にも付与した。

アインズがサウスワースからホバートまで転移できたのは、アインズにも使用権が付与されたからだった。

そのおかげで、本部に迅速に報告ができている。


『これでカラトバ騎士団領は内戦状態に陥るな』

「かつて騎士王に征服された国々が独立戦争を始めると思われます」


そう予測を述べるアインズの顔色は冴えない。


『どうしたのかね?』

「いえ…………」


宙に映し出されたポップアップ画面の向こう側が頬杖を突いた。


『ここからは友人同士の会話だ。何か言いたいことがあるんだろ?』


十字星(クロスター)の時からの友人に態度を切り替えたアインズが尋ねる。


「なあ、イツキをどうするつもりなんだ?」

『あいつには本格的に表舞台に立って貰う』

「あいつはそんなこと望んでいないぞ」

『解ってる』

「あいつは辺境で穏やかな生活を送りたいだけなんだよ。おまえはあいつのそんな小さな幸せすら踏み躙ろうって言うのか?」

『だが、このままではいずれ詰む』

「しかし!」

『あいつに恨まれるのは承知の上だ。だが、これは必要なことなんだ』

「そうか。また連絡する」


そう言うと、アインズは[映像念話]を切った。

ポップアップ画面が消え、支部長室が真っ暗になった。


暗闇の中、アインズが呟く。


「すまんな、イツキ。俺にはどうにもできないようだ」



◆ ◆ ◆


アインズとの[映像念話]を終えた冒険者ギルド理事長のレオン・ノイエグレーゼは直ちに理事長室を出て部下に指示を出す。


「ただちに、審査会議を招集しろ。寝ている審査官はたたき起こしても構わん。30分以内に登庁するように通達せよ。議題は、『斎賀五月(さいがいつき)の《SSS》ランク昇格審査』だ」


レオンの指示を受けた部下達が慌てふためいて散っていく。


「記憶が戻ってなによりだ。さあ、これから敗者復活戦と行こうじゃないか」


そう独りごちたレオンは会議室に向かう。


不夜城とも称される冒険者ギルド本部。

冒険者ギルド本部に面した通りからも、いつも以上に慌ただしく動き回る職員達の姿が窓越しに確認できる、そんな夜だった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ