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167 国王ジョセフとの謁見

翌朝の9時半。

時間ぴったりに馬車で迎えに来たグリューネルに付き従って王宮に向かう白亜達銀翼の翼(シルバーウイング)一行。

これから、国王ジョセフとの謁見である。


謁見の間に向かうと思っていた白亜の予想に反して、四人は小会議室に通された。

以前、セレスティアやシルキーネと共に国王ジョセフとプライベートで会した場所だ。


(しばら)くお待ち下さい」


そう言い残して去った国務長官のグリューネル。

白亜とリーファが長ソファに腰掛け、白亜の後ろにマリアンヌ、リーファの後ろにシャルトリューズが控える。


間を置かず王宮のメイドが、ティーセットとケーキスタンドの乗ったワゴンを押して入って来て、シャルトリューズとマリアンヌにも着席を求めた。

仕方無く、白亜達は席を移動。

白亜の隣にマリアンヌ。白亜の向かいにリーファ。その隣にシャルトリューズ。

ジョセフ国王には、二つの長ソファの間にある一人掛けのソファに座って貰うことにした。

それを見届けたメイドが、4人の前に紅茶、テーブル中央に3段のケーキスタンドを置くと、一礼して出て行った。



(しばら)くして、国王のジョセフがグリューネルを伴って小会議室に入って来た。


「待たせて申し訳ない」


ジョセフが白亜とリーファの間の一人掛けのソファに腰掛けた。


「まずは、《S》ランク以上の冒険者に昇格した者への叙勲を行う」


グリューネルがシャルトリューズとマリアンヌの前に小箱を置いた。


「中を改めてくれ」


ジョセフの言葉にそれぞれが小箱を開くと、中にはミスリル製のプレートが入っていた。


プレートにはこう刻まれていた。


 『名誉子爵  シャルトリューズ・カトラール』

 『名誉騎士爵 マリアンヌ・ソルグレイヴ』



「子爵令嬢から子爵にランクアップですか」

「名誉子爵じゃから、一代限りではあるがな」


さして嬉しくもなさそうなシャルトリューズに白亜が苦笑する。


「私の爵位、『騎士』がついてますよ。えへへ。先生に自慢しなくっちゃ」


一方のマリアンヌは嬉しそうだ。



二人に爵位を授与したジョセフが次の話題に移る。


「リーファ・サイガ公爵。会うのは2度目になるね?」

「はい、陛下」


リーファが立ち上がってカーテシーで応じる。


「リーファ・サイガでございます」


綺麗なカーテシーに満足そうに(うなず)いたジョセフが手を下に振る。

それを見たリーファが再びソファに腰掛けた。


「公爵はいくつになる?」

「9歳になりました」

「公爵が当主になったのは最近のことだね?」

「はい。前当主である斎賀五月(サイガイツキ)から引き継ぎました」


リーファの答えにジョセフが微妙な顔をする。


「私はその斎賀五月(サイガイツキ)なる者を知らぬのだが」


リーファの表情に影が差す。


「あ、いや、公爵を責めているのではない。私が忘れているだけだ」

「陛下は斎賀(サイガ)公爵家が何故(おこ)されたのかご存じじゃろうか?」


慌てて取り繕うジョセフに白亜が尋ねる。


「実は、その件で白亜殿に折り入って相談したいことがあったのです」

「それはこの国を救った勇者のことであろう?」


白亜がズバッと斬り込んだ。


「白亜殿は勘がよいですな。その通り」


ジョセフは語る。

ジョセフにこの国を(おこ)すことを勧めた1000年前の勇者一行。

大魔法使いシルクとリザニア聖教の枢機卿セリア、剣聖タイゾー。

そして、勇者。

勇者の言に従ってアナトリア王国を建国したジョセフは、いずれ再び現れるであろう勇者に王位を譲り国を返すことを心に誓いながら、これまでこの国を統治してきた。

そして、再び現れた勇者は、長年の願いである魔族領との恒久平和の橋渡しをし、カラトバからの侵攻から国を救ってくれた。


ところが、ジョセフは1000年前の勇者、そして再び現れた勇者、そのいずれの名も姿も思い出せないでいた。

再び現れた勇者に至ってはごく最近会ったことがあるにも係わらずだ。


「私は恩知らずの人でなしなのでしょうね。これだけ助けて頂きながら、そのご恩に報いることなく勇者様のことを忘れてしまったのですから」


組んだ拳を額に当てながら苦悩するジョセフ。


「陛下」


グリューネルが陛下を気遣う。


「最近の陛下はこのことでずっとお悩みなのです」

「実は先般も息子のエルネストに責められました。『父上も姉上も恩知らずだ』と」


(自分だってリーファの事象反転が無ければ思い出せなかったくせに。

自分のことを棚に上げてよく他者を責められたものじゃ)


白亜はエルネストの物言いに顔を(しか)める。



「陛下が可哀そう」



リーファがポツリと呟く。

白亜達が現れるまでイツキのことをすっかり忘れていたのはリーファも一緒。

それだけにジョセフの苦悩がリーファには痛いほど解るのだった。



「白亜お姉ちゃん」


憂いを含んだリーファの瞳が白亜を見つめる。


「うむ。リーファのやりたいようにすれば良い」

「ありがとう、白亜お姉ちゃん」


次の瞬間、リーファを中心に小会議室全体に波動が広がり、やがて収束した。

リーファによる[事象反転]の行使。




雑賀皐月(サイガサツキ)様! そして斎賀五月(サイガイツキ)様!」


ジョセフが前世と今のイツキの名を叫ぶ。


「どうして……どうして私は今の今まで勇者様の名を忘れていたのだ!?」


両の(てのひら)を見つめるジョセフ。


「私は恩知らずだ!」


手で顔を覆って自らを責めるジョセフ。

その手の隙間から止まらない涙が(したた)っていた。


「陛下、泣かないで」


リーファが駆け寄ってジョセフを(なだ)める。


「ありがとう。リーファ殿は優しいな」

「だって、陛下は悪くいないから。悪いのはイツキお兄ちゃんだから」

「悪いのは勇者様?」

(おそ)れながら申し上げます」


そこでマリアンヌが説明する。

イツキがエーデルフェルト全域に禁呪・アタラクシアを行使し、自分に関する記憶と痕跡の全てをこの世から消し去ったこと。

そして、今、ジョセフがイツキの記憶を取り戻せたのは、リーファが行使した固有スキル[事象反転]によってであること。


「なぜ、勇者様はそのような禁呪を?」

「それはわかりません。その理由を知るのはイツキ様本人と女神セレスティア様だけです」

「勇者様には何か事情があったのだろうか?」

「それもわかりません」


小会議室が沈黙に包まれる。



「ともあれ、旦那様を見つけることが先決ですね」


シャルトリューズが沈黙を破る。


「私達はこの1ヶ月、旦那様の行方を追ってアナトリア王国内を隈なく探しました。しかし、未だに旦那様の足取りが(つか)めない状況です。ジョセフ陛下は何かご存じですか? 市井(しせい)の噂話でも構いません。旦那様のこと以外でも。何か変わった情報はございませんでしたか?」


シャルトリューズの問いにグリューネルがおずおずと手を挙げる。


「これは勇者様のことではありませんが…………」

「構わぬ。申してみよ」


ジョセフの承認にグリューネルが(うなず)く。


「最近、カラトバから戻って来た隊商の者が申しておりました。『カラトバの領都スヴェルニルで白亜殿をお見掛けした』と。『その傍らには甲冑に身を包んだ重装騎士を伴っていた』とも」

「妾達はカラトバになど行ってはおらぬぞ」

「私達は王都より北にしか行っていませんでしたね」

「そう言えば、白亜お嬢様が戻って見えられる前くらいからロダン様を見掛けなくなりました。今回の旦那様探しの旅にも同行されていませんし」


白亜とシャルトリューズ、とマリアンヌが顔を見合わせる。


「「「まさか!」」」



だが、隊商の者が見かけたのはイツキではなく白亜にそっくりの人物。


「まあ、世の中には自分そっくりの人物が他に2人は居ると言われておるからのお」

「そんな通説ありましたねえ」

「私達が探しているのは白亜お嬢様そっくりの人物ではなく旦那様です」

「そうじゃのう。妾そっくりの人物のことは気になるが、ここで余計な時間を使う訳にもいかぬからのお」


そんな三人を見ていたリーファが呟く。


「リーファ、スヴェルニルに行きたい」


三人が顔を見合わせる。


「うむ。リーファがそう言うならそうしよう」

「このシャルトリューズ、リーファお嬢様の意見を尊重致します」

「ですねえ」


白銀の翼(シルバーウイング)の行く先が決まった。


「白亜殿はカラトバに向かわれるのですか?」

「そのつもりじゃよ」


グリューネルの問いに白亜が答える。


「今のカラトバはほぼ無政府状態で治安も良くありません。南部では独立戦争や新興国同士の国境紛争も起こっているとも訊きます。くれぐれもお気をつけ下さい」



そんなやり取りを訊いていたジョセフが白亜に尋ねる。


「斎賀公爵家の当主を勇者様に戻さなくてもよいのですか?」

「このままリーファが当主のままでよかろう。イツキの意向もそのつもりじゃからな」

「それからサリナルーシャの件ですが」


白亜の身が強張(こわば)る。


「勇者様から婚約破棄されたその夜。娘から映像念話で連絡がありました。勇者様の婚約破棄を受け入れると。ガヤルド卿はまだ諦めてはおられない様子でしたが」


白亜は(うつむ)いて黙っている。


「その翌日の夜、私の方から娘に映像念話で連絡を入れた時には、その………娘は勇者様のことも婚約していたことも忘れておりました」


やはり白亜は黙ったまま。


「やはりそれも勇者様が行使した禁呪のせいでしょうか?」

「だとしたら、どうする?」


白亜がジョセフの質問に質問で返す。


「娘にも事象反転で記憶を――――」

「それはならぬ!!」


白亜の拒絶が部屋中に響き渡った。


「シルキーネもサリナもイツキからの婚約の(あかし)を外しおったのじゃ! シルキーネはただ外しただけじゃったからまだ良い!」


顔を上げた白亜の表情は怒りに満ちていた。


「じゃが! サリナのヤツは婚約の(あかし)を捨ておったのじゃ! しかもあやつは言うに事欠いて『ああ、魔石の付いた指輪? 気持ち悪いから捨てたわよ』とあっけらかんと言うたのじゃぞ! イツキが自らの手で丁寧に(あつら)えた指輪を『気持ち悪い』じゃと!? それを訊かされた妾の気持ちが解るかえ、陛下!?」


白亜の握り締めた拳がブルブル震えていた。

ジョセフは白亜に告げられた事実に頭を抱えてしまった。


「ああっ! サリナルーシャよ! なんてことを!」


サリナルーシャの暴挙を聞かされたのはジョセフだけじゃなかった。

リーファもだった。


「サリナお姉ちゃん、酷い!!」


リーファも悲しそうに顔を歪める。

その一方でシャルトリューズは冷静だった。


「サリナルーシャ様は旦那様に関する記憶を消されていたのでしょう? 女と言うものは、見も知らぬ者からの指輪など薄気味悪くて()めてなどいられません。外して捨てたとて何を責められることが御座いましょう。仕方の無いことだと私は思いますが」

「シャルトリューズ様…………」


シャルトリューズの冷徹な分析に呆れかえるマリアンヌ。


「シャルトリューズ様。では、シャルトリューズ様が心を込めて送られた贈り物を相手が捨てた挙句『気持ち悪いから捨てた』などと言ったとしたらどうされますか?」

「そんなもの、許すはずが無いでしょう? そんなことをした相手には『生きていてごめんなさい』と命乞いするまで制裁を加え続けて差し上げます。もっとも、命乞いをしたとしても絶対に許しはしませんが」

「それは先程おっしゃられていた言葉と矛盾すると思うのですが――――」

「一般論として、そういった分析もできると申し上げただけです」


ケロリと開き直るシャルトリューズ。


「そうですよね? 誰も彼もがそんな杓子定規に納得できるものではありませんよね?」


そんなマリアンヌをシャルトリューズが胡乱(うろん)な目で睨みつける。


「まさか、あなたは私が冷血漢だとでも思っているのではないでしょうね?」

「思ってません! 思ってません!」



嘘である。



マリナンヌの本音はもっと酷かった。


(シャルトリューズ様はなんて酷いお方なんだろう。

 人には常識論を語りつつ、自分の場合は感情論だなんて。

 そう言えば、この方は主観に基づいて悪しき者と認定した相手に

 厳しい制裁を科す『裁理の魔眼』の持ち主だった。

 まさに暴君そのものだ。

 この方が魔王や勇者じゃなくて本当によかった!)



「いずれにせよ、サリナにはイツキのことは忘れたままでいて貰おう。よろしいか、陛下?」

「わかりました、白亜殿」

「うむ、それで良い」

「しかして白亜殿。今後のサリナルーシャの処遇は?」

「王家に相応しい相手を適当に見繕ってやればよかろう。相手がイツキでなければ誰でも構わぬ。それがどんな変態野郎であろうが、脂ぎった中年オヤジであろうがな。そもそも、記憶を失う前のあやつもイツキを諦めるつもりだったのであろう?」


白亜もシャルトリューズに負けず劣らず酷いヤツだった。

敵認定した相手限定ではあるが。


「もし、サリナルーシャが記憶を取り戻し、再び勇者様を求めることがあった場合は如何致しましょう?」

「そうなる前に誰かと祝言を挙げさせてしまえばよかろう。いくらあやつでも夫を(ないがし)ろにして不義を働くことはせぬであろうからな」

「サリナルーシャが結婚する前に記憶を足り戻した場合は?」


それは白亜も危惧すること。

だが、白亜の頭を過ったのは、サリナのあの時の台詞。



『ああ、魔石の付いた指輪? 気持ち悪いから捨てたわよ』



あれは、白亜の大好きなイツキの心が踏み(にじ)られたのだと思った瞬間だった。


再び白亜の中の憎悪が(よみがえ)る。

その憎悪を必死に抑え込みながらジョセフに答えを返す。


「陛下よ。サリナを決してイツキに近付けてはならぬ。それだけは約束して頂きたい。それでもあやつが陛下の言いつけを破ってイツキの元にやって来た暁には――――」


そうなった時の対処方法も白亜の中で決まっていた。


白亜は席を立ち小会議室の出口に向かう。

ジョセフに背を向けたまま一言。


「妾がサリナを斬り捨てる」


憎悪を抑え込めたのはそこまでだった。


振り向いた白亜の表情は、これまで誰にも見せたことの無い冷ややか極まりないもの。

しかし、ルビーの瞳の中に揺らめくのは怒りの炎。

そして、武器の持ち込みを禁じられた王宮内にも関わらず[頂きの蔵]から五月雨を取り出す白亜。

ジョセフもグリューネルもそれを(とが)めだてしない。


鞘から少しだけ出した五月雨の刀身が映し出すのは白亜の顔。

その自らの顔を睨みながら白亜が呟く。


「わたしがあの女を殺すわ。転生すらできないように、あの女の魂の根源まで残さず討滅する」


白亜の口から吐き出されたのは決意の言葉。


「わたしはそう心に誓ったのよ」


もう、誰も剣聖白亜を止められない。

それはサリナルーシャの父である国王ジョセフにも。

もし止められるとしたら、それはイツキだけなのかもしれない。

だが、ここにイツキは居ない。



部屋の中を沈黙が支配する。

この場を支配するのは、国王ジョセフではなく剣聖白亜。


「わかりました。サリナルーシャを絶対に勇者様に近寄らせないように手配します」


ジョセフが苦し気に絞り出す言葉に黙って(うなず)いた白亜はリーファ達を伴って部屋を後にするのだった。




「グリューネルよ。私はどうすればよかったのだ? サリナルーシャと白亜殿の関係の破綻は決定的ではないか」

「申し訳ございません、陛下。非才の私にはわかりません。ですが――――」


グリューネルの頭に、一人の若者が思い浮かぶ。

穏やかに微笑みながらも、イザとなると誰にも起こせないような奇跡を容易(たやす)く現実のものにしてしまう若者を。

誰もが望む平和を(もたら)してくれた若者を。


「イツキ殿なら何とかしてくれるかもしれません」

「また、私は勇者様に頼ることになってしまうのか」

「頼られることを(いと)う方ではございませんよ」

「そうだな。あのお方は感謝を向けられるのが苦手なだけだったな」

「シャイな方なんですよ。だから祭り上げられるのも嫌うし、地位も権力も欲しがらない」

「だからこそ、サリナルーシャを(めと)って欲しかったのだ。サリナルーシャもそれを望んでおった。婚約が破棄されてしまった以上、もうそれは望むべくもないことなのだな」

「であるからこそ、サリナルーシャ様にはこのまま記憶を失ったままでいて頂いた方がよろしいかと。少なくともイツキ殿に捨てられた悲しみに暮れることはないのですから」

「では、サリナルーシャの相手を探すとしよう。元々、有力貴族からの申し込みは引っ切り無しだった。これまでは勇者様のことがあったから全て断っておったが、もう解禁でよかろう」

「では、見合いや(うたげ)の日程を調整致します」

「問題は記憶を取り戻したサリナルーシャが結婚前に勇者様との復縁を企図(きと)した場合だな」

「そうでございますね」

「娘が切り捨てられるのを私は見たくないのだ」

「その時はイツキ殿が何とかして下さるのを期待しましょう」

「本当に勇者様頼みだな」

「そうならない為にもサリナルーシャ様のお相手を早く決めなくてはなりません」

「急いでくれ、グリューネル。あまり時間は無いぞ」

「承知しております、陛下」


こうして、王家によるサリナルーシャの婚活が取り急ぎ始められるのだった。





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