表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

画材屋のセリア

作者: 野中 すず

 小さな街で、セリアという女性が画材屋を営んでいた。若く美しい女性。

 セリアに初めて会った者は、男女問わずセリアに魅入られた。しばらく呼吸さえ忘れてしまうほどの美しさ。


 当然その噂は国中に広まっており、様々な権力者たちがセリアを(めと)ろうとした。

 しかし、セリアはどれほど贅沢な待遇を提示されても首を横に振った。

 自尊心を傷付けられ、怒りだす者や更に贅沢な待遇を提示する者もいたがセリアはいつも同じ言葉を言っていた。


 これ以上、強引に話を進めようとするなら私は自分の顔に酸をかけます。

 それでもよろしければ――――。


 (みな)、この言葉により去っていった。

 この反応に慣れてしまったセリアは、いつもため息を()いていた。


 誰かの装飾品としての人生なんてありえないわ。

 偶然、私に()()()()(かぶ)さっているだけなのに。


 このまま……、私は一人でこの店と共に生きていくのだろう。

 それは悲しいことじゃないわ。



 そう信じていたセリアだったが、ある冬の日に盲目の絵描きの青年に出逢う。



 青年と青年が(えが)く世界に強烈に惹かれたセリアは、(なか)ば押しかけるように青年と夫婦(めおと)になってしまった。



 その話はあっと言う間に拡がり、多くの人々に驚きと疑問を与えた。



 画材屋の常連客たちなど、ほんの少しセリアを理解している者だけは「なんともセリアらしい」と納得している。



 最後までお付き合い下さりありがとうございます。

 御感想、評価(☆)を頂けると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

 

 ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
セリアさんの肝の据わり方、すごい……! 酸をかけます、は皆それ以上つっこめませんものね(´・ω・`) 素晴らしい作品には人を強烈に惹き付けるパワーがありますものね。 セリアさんが画材屋さんだからこそ、…
青年が描く絵と、見た目で人を判断しない性格に惚れたんですね。画材店の店主らしい頑固さと純愛で、とても素敵だと思いました…!
容姿で婚姻を迫る人は嫌ですね。 毅然とお断りするセリアさん、カッコいいですね.。.:*♡ 絵に惹かれて盲目の青年と結ばれたのは、幸せな事だと思います。 とっても素敵なお話でした。 楽しく拝読させて…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ