終止符
決裂した
終わりだ
不安だ
面白いね
人間というのは、どうにもならなくなった時
笑うのだ
面白いね
人間というのは、どんなに自分の限界まで
努力を重ねたと思っても
何もかも全然足りていなくて
頑張っても頑張ってもうまくいかずまるでアリジゴク
これは、10年以上戦ってきた私と一番近くて遠い人との
決別のおはなし
もちろん嫌いなところばかりで
人として尊敬できないし、理解もできないけど
それでもそれを違いと受け止めて
ただ見放す、見限るんじゃなくて
でもお互い主張は譲れないから今は距離をとる
それが理想だった
これまでいっぱいいっぱい迷惑かけた分
あなたがおばあちゃんになって
今の私のように一人の力で生きていけないようになったとき
できる範囲ではあるけれど、育ててもらった恩を返せればよいと
素直にそう思っていた
あなたが私たちを育てるのは「義務」であり、
そこに私たち自身への愛情や心配がなかったとは言わないし、思わないけれど
「一般的」な成長や社会的自立ができなかったとき、
あなたが何よりも心配したのは「世間体」だった
恐ろしかった
自分が周りと同じように「自立」ができないとわかっていたから
拒絶されるのが怖くて何年も本音であなたと話すことを拒んだ
あの時のような思いは、もうしたくなかったから
思春期で自分の世界にはあなたたちしかいなかったあの時
双子の被害者と加害者どちらにも向き合わなければならない事件が起きた時
あなたは被害者の味方であったと同時に加害者の味方でもあった
それは至極当然
親なら当たり前のこと
それでも、私の前でだけは加害者をかばわないでほしかった
私は嫌なことでもつらいことでも
あなたの望むことはやってきたつもりでいた
あなたの理想の子であろうとした
私のためであると信じて疑わなかったし、
実際に半分くらいはそうだったと思うから
しかし毎日の細かな言動や行動から
私の勝手な思い込みだとしても、つたわってくるんだ
加害者のほうが大事だと
加害者のほうがかわいいと
立派に社会人になって自立していった加害者を誇らしいと思っていると
「最後に頼りになるのは家族だけ」
あなたは口癖のように第三者に助けを求める私を見下し、そう言ったね
だったらどうして頼りにしたときにいつも頭ごなしに否定するの
最終的に許してくれないとしても
どうして話すらも聞いてくれないの
あなたは最後、「結局悪者はわたしなのね」と言う
悲劇のヒロインになってしまう
わたしも一応、年齢的には大人になって
あなたを攻めているわけではないと
ただ話を聞いてほしいだけだと
どうすればあなたを傷つけずに伝えられるかを模索してきた
今回がお互いにまだ若いうちに心の底から本音で話せる、最後の機会だったのかもしれなかった
もう、本当の気持ちを話すことはできないね
話せなくなってから、時間がたちすぎたね
私も、腹をくくります
今後自力で生きていくすべを失ったとしても
もう、あなたのもとへは戻らない
あなたとは決別して生きていく覚悟を