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第1夜 出会い‥‥‥そして

とある高校生の男の子。天野千影あまの ちかげ


彼は、オカルト好きで常日頃から妖怪 心霊 などオカルトを読んでは現地へ行くという趣味を持つ


河原圭哉かわはら けいやは中学の時からの友達、佐江口さえぐちツルハは幼なじみで仲が良くいつも3人でいた。

高校に上がってから、いじめにあう千影はその中でも趣味を糧に日々、日常を送っていた。


そんなある日彼に、変わった転機が‥‥‥



神奈川県のとある町。海と山が見える自然の多いこの町で、のちに歴史に残る物語が始まろうとしていた・・・・・・


 うぅ。


 カーテンから差し込む光、静かな朝。気持ちのいい天気とは裏腹に重たい体を持ち上げた。

千影ちかげ~、朝だよ。学校でしょ~?」

「今起きるよ――行きたくないな」

 なぜここまで行きたくないかというと、理由は一つ世の中には不平等なほどにおきていることイジメだ。僕は頭がいい。それが故に周りからは好かれるがそれをよく思わない人もいる

 最近になり、イジメが過激になってきた。生まれつき華奢な体なためその的になることが多くあった。慣れたつもりでも正直きつい。

 

 だけど、そんな日常の中でも楽しみなことがある!

 それは、オカルト好きな友達と幽霊や妖怪の話を放課後することだ。今日は、放課後にみんなで有名なお寺に行くというビックイベントがあるのだ!


「行ってきます。今日は帰り遅くなりそうだから夜ご飯はいらないよ」

 そういうと・・・・・・

「それならこれ持っていきなさい!」

 昨日の夜ごはんの余りだからと、おにぎりと少しのおかずを持たされた

 

 ほんと、お母さんは優しいな。昔から女手一つで育ててくれた母親、千影は母親の大変さを近くで見てきた。夜ご飯を大事に持って学校へ向かった。


「おはよ~」

「おはよう千影! 今日楽しみだね」

 この子は、佐江口さえぐちツルハ。幼馴染の面倒見がいい女の子だ。ツルハは僕と違ってクラスの人気者だ。

 他クラスからも彼女を見に来るものもいれば、ファンクラブまであるという都市伝説だ。


「おっはー! 千影、ツルハ」

 陽気なこのイケメンは河原圭哉かわはら けいや、水泳部で期待の新人らしい。

 二人とも僕と違って、元気で誰からも頼られる存在。

 唯一の大事な友達だ。


「今日行く神社、昔の妖怪とか幽霊が封印されてるらしいよ~」

「ほんと千影って、昔から大好きだよね! そのうちお祓いとかしてそう。笑」

「それな笑 間違っても呪われるんじゃねえぞ!」

「大丈夫だよ~そんな勇気ないって」

 たしかに‥‥‥そんな顔をする圭哉とツルハ

「でも、千影の先祖ってお祓いかなんかしてたんでしょ?」

「ぼく自身もよく知らないんだ~」


「それも今度調べようぜ!」

『そうだね!!』


 ん!?

 ふと階段の方に気配を感じた。もしかして‥‥‥ついに僕にもその力が‥‥‥ないか!

 

 時間が過ぎ放課後--

「んじゃ。今日20時に霊山寺の階段下で集合な!」

 そういうと、圭哉は部活へ向かった。


「千影はどーする? 私は、一回家帰るけど。」

「俺は、図書館行くから現地集合で。」

 そして二人は一時別れた。


 図書館

 今日行くところについて、少し調べておきたいことがあったんだ

 これだ‥‥‥手に取ったのは、霊山怨霊集。こんなものまであるなんて図書館も便利なものだな。

どれどれ--霊山には、はるか昔に封印させられた妖怪やものが眠っている。その中でも特に妖力が強かった三体の物の怪がいた。

 妖力がずば抜けていた【ぬらりひょん】。肉体をもって最強の【大天狗】。そして、能力だけなら妖怪の中で一番化けていた【天‥‥‥  って、こんな時間だ!行かないと。


 ハァハァ。こんなに走ったのいつぶりだろ。

 少し早かったかなー。


 ザッザッ!

「ん!?」

 気配を感じ後ろ見ると‥‥‥


「よおよお~千影君っ! 俺をはぶくなんてひどいな~!」

 序盤に話していたいじめの主犯格だ。いじめっ子モブAとしておこう

「なんでここに‥‥‥もしかして、さっき階段にいたのって!?」


「正解っ! 俺でした~! お前がツルハちゃんと仲良くしてるのが見えて、話を聞いてみれば、夜にデートなんかしやがってよ! お前なんか釣り合わねんだよ!」

 そう言いながら、突然蹴り掛かってきた。

「うっ。」

 お腹に直撃してその場で倒れこむ。

「はやく、二人ともきて……」

 僕はなんてみじめなんだ‥‥‥力があれば‥‥‥こんなことに‥‥‥


「そういえば、お前。寺みたいんだってな。一緒に回ってやるよ」

 モブAは、僕の髪の毛を持ちながら神社に向かった。

 

祠らしき前で僕を投げ捨てると、お前この祠壊せよ! と言ってきた。

意味が分からない。でも、いじめる奴なんて大抵こういう思考なのだ。

「でき……ないよ……。」


「雑魚が、なめてんじゃねーよ。こうやるんだよ!」


ガタンっ

モブAは、古い祠を壊したのだ。


その瞬間‥‥‥その場の空気がどんよりと重たくなった

さっきまであった祠の後から影のようなものが無数に飛び出していく。


「うっ。おえ。いぐぐ」

 モブAが苦しみだしたのだ。

 さっきまでの、顔とは似ても似つかないほどひどく苦しんでいる表情だ。次第に体が大きくなり目が一つになった。まるで化け物だ。


「ようやく解放されたわい」

 化け物が話し出す。

「この一つ目入道様を封印とは、あの霊媒師め」


 一つ目入道!? 聞き間違いか? 起きていることに理解が追い付かない。

「この体、憑依したはいいが上手くかみ合わんな。」

「ん?そこで寝ている人間。貴様はいいオーラを宿しているな貴様に乗り移るとするか」


 やばい!とっさに体を動かし山の奥へと逃げようとすると‥‥‥

 どこへ行く。見た目によらず素早い速さで前に回り込まれた。このままじゃ本当にまずい……


「我を……起こせ……お主に……力を……」


 どこからか聞こえてくる声。あの化け物には聞こえていないようだ

「こっちだ……人間……」

 声のする方向に目をやると、そこには三体の地蔵みたいなものがある。その真ん中のお地蔵さまから聞こえてくる。

 

一か八かだっ。

 なぜか直感がその地蔵を壊せというのだ。地蔵に向かって走る。

 一つ目入道は目の前で持っていた鉈を振り上げていた


「しゃがめ……」

その声とともにしゃがみ、何とか攻撃を避けその地蔵へとたどり着く。

 本当に壊していいのか。壊してはいけないという理性との闘い。そうこうしてるうちに、一つ目入道はすぐ後ろまで来ていた。


(やらなきゃ僕がやられる。)


ドカっ


お地蔵様を渾身のちからで倒して壊した‥‥‥すると急に目の前が白くなった。


--場所は変わって、階段下--


「よっ!ツルハ!」

「おっ、圭哉!」

「千影もう来てるのかな? さっきから上のほうで、すごい音がするの」

「ほんとうだ。あいつ‥‥‥もしいたら。やばい急ぐぞ!」

 二人は階段を走って登っていく。

 頂上に着き、煙の中二人の目には鉈を持った見たこともないような大きい化け物。


「な……なんだあれ……」

 びびる圭哉。無理もない。体長2メートルを軽く超えるデカさだ。

「ねえ圭哉。あれって、ち……かげ……?」


二人の目の前に立つ千影らしき少年。その容姿は、二人の知っている千影とは違っていた。

髪は(白髪)になり、背は少し高くなり、その瞳は(紅く染まって)いた。



              一話  完



変わり果てた千影。

動揺を隠せない2人に、千影?らしき人物の正体があらわに。


次回 第2夜 最弱〔最強〕たる由縁

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