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▼第015話 リグルガスト街道4 いいえ、ミミズです。

 ヤルマーニの街を出て、さらに国境から遠ざかるように

 リグルガスト街道なる道を進む中、急激な天候の変化で

 激しく降る雨の中、お気に入りの猫耳レインコートを着て

 何とか野営場に到着。


 【起きて半畳、寝て一畳】を野営地に出して雨宿りするも

 通り雨の類でも無かったようで足止めを食らい

 その日はそのまま泊まる事となったのですが、翌日……。


「何、この動物大集合……。」


 セリカは知らなかった。

 この世界で一定の時期に降る雨の事を呼雨よびあまと呼ばれ

 それが昨夜降り続いた雨であった事を。

 この呼雨によって3つの動物型魔物の行動が活発となり

 街道を埋め尽くす程になっていたのだった。


「敵意が無さすぎて情報が得られないんだけど……。」


 そのどれもが敵意を向けてこない為

 仕方なくスマホでパシャリと撮影し、画像から検索すると

 意外と簡単に3つの魔物についての情報が出てきた。


 1種類目が【ブルフロッグ】、カエルの魔物。


「えーと、ウシガエルの魔物で夜行性?

 だからどれもこれもが動かないのかぁ……。

 【ブォー】って鳴くからブル()フロッグ()か。

 え?稀に【ニャー】って鳴くのも居るの!?」


 実際に地球にもそういう個体が居るのだとか。


「で、益獣?可食可能??」


 益獣とは基本人を襲ったりしない魔物である事と

 人等にとって益のある魔物の総称で

 この【ブルフロッグ】はそれに含まれる魔物らしい。


「味は鶏肉ではなく牛肉に似ている……?」


 日本で唯一可食可能、とされるのがウシガエルであり

 よく「鶏肉」に似ていると称されるのは知っているけど

 流石異世界、味が牛肉とか……。


「でも淡泊っていうから脂の無い牛肉なのかね?」

 流石にそこまでは書かれていなかった。


 そして2種類目が【リップスティックスネイル】。


「見た目で意味が解りやすいけど何か意味が違う気がする……。」


 日本名で「クチベニマイマイ」と呼ばれるカタツムリの一種の魔物で

 本来、殻が紅色をしている所から呼ばれたらしいけど

 こちらは背中に背負っている殻が唇の形をしている上に

 えらいドぎつい紅色をしていたのです。


「普段は木の上で生活、冬眠する際に地中に潜るけど

 この雨で出てきた、って事なのかな……?で、食べられるけど

 体内の排泄物を全て除去した上で要加熱……。

 そういえば寄生虫が居るんだっけ。」


 しっかりと処理さえすればまぁエスカルゴっぽいとか。


 そして3種類目、こちらは名前からして怪しさ全開だった。


「【アースドラゴン】……どう見てもミミズなのに……。」


 地面から出てきていて、そのウネウネクネクネした身体は

 どう見てもミミズであり、ワームじゃないの?と思ったけど

 可食も出来るそうだけど何より薬の材料になり

 地球でも漢方としての名前が「地竜」とか「赤竜」と呼ぶらしい。


「但し食べられる、であって特に味も無く臭みが強い為

 しっかりとした下処理と匂い消しが必要、と……。

 どちらかというと土壌改良等の為の益獣ね……。」


 ミミズは昆虫類ではなく動物に含まれるのであくまで益獣。

 カタツムリも軟体動物だから昨今何故か補助金が出ているらしい

 食虫にはあたらないとか。


「脂の無さそうな牛肉にエスカルゴっぽいのと味の無いミミズ?

 益獣なのは解ったけどこれをこの世界の人達はどうしているのやら……。」


 スマホから出た答えは食べる。

 この時期に大量発生する以外にまず捕まえられる事は無いそうで

 どれもこれも強くない上に害を与えなければ攻撃してくる事も

 無いらしく、自然の恵み的に食べるらしい。

 但しランク3相当だそうで、素人が倒そうなどとすると

 痛い目に合う事が多い、ともあった。


「うーん……まだ【ブルフロッグ】と【リップスティックスネイル】は

 理解出来なくもないけどこの【アースドラゴン】は……。」


 それでもこの世界の貧困層にとっては御馳走らしい。


「それと進むのに邪魔と言えば邪魔だから排除しながら

 進みますかね……それにランク3という事は☆3!

 つまり1匹倒すごとに1000円が手に入る!」


 【起きて半畳、寝て一畳】を片付け、出発の準備が出来た所で

 改めてカードを扱い始める。

 私は地球に居た頃の会社員としての収入の6倍を稼がなければならない!

 と、ヤルマーニの街でたっぷりと素材を売って

 稼いだにも係わらず、基本的な動力はお金である事に変わりは無い!


審判ジャッジ戦闘申請バトル・リクエスト!」


 【セリカ】【☆40 Md:100】

 ■□□□□□■ 手札枚数【U:00 C:00 M:00】

 ■□□□□□□ ◆:裏向きカード ■:デッキ・ブレイク(休息)

 ■□□□□□□ ◇:表向きカード □:空白マス

 ■□□□□□□ 数字:マギカードと☆ ×:封鎖マス


  ☆1【カード・ハンドラー】セリカ・ナナホシ

  カードチェック………終了、バトル・アクセプト(戦闘承認)


戦闘開始レッツ・ロール・バトル!」


 【セリカ】【☆40 Md:095】

 ■□□□□□■ 手札枚数【U:05 C:05 M:00】

 ■□□□□□□ ◆:裏向きカード ■:デッキ・ブレイク(休息)

 ■□□□□□□ ◇:表向きカード □:空白マス

 ■28671□ 数字:マギカードと☆ ×:封鎖マス


「そして私のターン、ドロー!」


 【セリカ】【☆40 Md:094】

 ■□□□□□■ 手札枚数【U:06 C:06 M:01】

 ■□□□□□□ ◆:裏向きカード ■:デッキ・ブレイク(休息)

 ■□□□□□□ ◇:表向きカード □:空白マス

 ■28671□ 数字:マギカードと☆ ×:封鎖マス


「Mカードの補充!さらにCカードを4枚セット!

 そして手札からエピック級ディフェンダーを呼び出す!

 おいでませ!☆4【カクカクPAND/a(パンダ)】!」


 【セリカ】【☆40 Md:094】

 ■□□□□□■ 手札枚数【U:05 C:02 M:00】

 ■□◇□□□□ ◆:裏向きカード ■:デッキ・ブレイク(休息)

 ■◆□◆◆□□ ◇:表向きカード □:空白マス

 ■28678◆ 数字:マギカードと☆ ×:封鎖マス

 ・Pゾーン:【?】

 ・Cゾーン1、3、4:【?】

 ・Uゾーン2:【カクカクPAND/a】☆4 エピック ディフェンダー


『ぱぁん!ぱぁん!だぁー!!』


 可愛い声の三男パンダが私の前に呼び出される!


「ああ、このフォルムといい何時見ても癒される……。

 そしてカード効果1【パンダコール】を発動!

 三男パンダの呼び出しに成功した場合、【パンダ】と名の付くユニットを

 手札・Bゾーン・デッキのいずれかから1体呼び出す事が出来る!

 Uデッキからおいでませ!

 エピック級ユニティ!☆4【カクカクPAND/A(パンダ)】!!」


 【セリカ】【☆40 Md:094】

 ■□□□□□■ 手札枚数【U:05 C:02 M:00】

 ■□◇□□◇□ ◆:裏向きカード ■:デッキ・ブレイク(休息)

 ■◆□◆◆□□ ◇:表向きカード □:空白マス

 ■28678◆ 数字:マギカードと☆ ×:封鎖マス

 ・Pゾーン:【?】

 ・Cゾーン1、3、4:【?】

 ・Uゾーン2:【カクカクPAND/a】☆4 エピック ディフェンダー

 ・Uゾーン5:【カクカクPAND/A】☆4 エピック ユニティ


『パン!パン!ダァー!!』


 酒焼けした様なしゃがれた声の長男パンダが私の前に呼び出される!


「相変わらず見た目は可愛いのに声だけで百点満点から

 マイナス1万点くらいまで評価が下がるよね……。」

『姐さん、好きでこんな声してる訳じゃねぇんですけど……。』


「そしてさらに長男パンダの【パンダコール】を発動!

 Uデッキからおいでませ!

 エピック級アタッカー!☆4【カクカクPANd/A(パンダ)】!」


 【セリカ】【☆40 Md:094】

 ■□□□□□■ 手札枚数【U:05 C:02 M:00】

 ■□◇◇□◇□ ◆:裏向きカード ■:デッキ・ブレイク(休息)

 ■◆□◆◆□□ ◇:表向きカード □:空白マス

 ■28678◆ 数字:マギカードと☆ ×:封鎖マス

 ・Pゾーン:【?】

 ・Cゾーン1、3、4:【?】

 ・Uゾーン2:【カクカクPAND/a】☆4 エピック ディフェンダー

 ・Uゾーン3:【カクカクPANd/A】☆4 エピック アタッカー

 ・Uゾーン5:【カクカクPAND/A】☆4 エピック ユニティ


『パン!ツー!マルっ!?』


 とりあえず次男パンダは即殴ったけど

 むしろ私の拳の方が超痛かった……。


「あんたは197、80年辺りの小学生か!!」

『俺、破廉恥な大戦争とかまいっちんぐなポーズとかしませんぜ?』

「しなくて良い!あんたも見た目は良くとも酒焼けたような声と

 その余計な登場の仕方からあんま呼びたくないんだよ!」

『でもどうせ、Bゾーンに送るんでしょ?』

「……ま、そうだけどさ。

 手札からレジェンダリー級マギウス(魔法)カード

 ☆3【アブソリュート・スター・ドレイン】を正位置で

 カード効果3を発動コスト9マギで発動!

 3体のパンダの☆を4から4-1+0へと変更する!」


 【セリカ】【☆40 Md:094】

 ■□□□□□■ 手札枚数【U:05 C:02 M:00】

 ■□◇◇□◇□ ◆:裏向きカード ■:デッキ・ブレイク(休息)

 ■◆□◆◆□□ ◇:表向きカード □:空白マス

 ■25555◆ 数字:マギカードと☆ ×:封鎖マス

 ・Pゾーン:【?】

 ・Cゾーン1、3、4:【?】

 ・Uゾーン2:【カクカクPAND/a】☆4-1+0

         エピック ディフェンダー

 ・Uゾーン3:【カクカクPANd/A】☆4-1+0

         エピック アタッカー

 ・Uゾーン5:【カクカクPAND/A】☆4-1+0

         エピック ユニティ


「これで準備は整った!」


『あー、また俺等【火雷神(からいこう)】の旦那の為の

 引き立て役っすね……。』

『まぁ解っちゃいるんだけどさ……やるせねぇよな。』

『えー、ボク出てこられただけでも嬉しいけど?』


「そこまで言われると超やり難いんだけど!?」


『いいっすよ、姐さん……俺等どうせモブっすから……。』

『そうっすよ、憂さぁ晴らしに今日はとことん飲むっすから……。』

『ボク、ぶどうジュースが良い!』


「お前ら、夜な夜な人の食料荒らしまくって

 憂さ晴らしてない日の方が少ないだろうが!」


 大抵、夜中物音で起きるとこいつら3兄弟が

 冷蔵庫だのパントリーだの荒らしては飲み食いしてるのを

 知っていてまぁ黙認しているのだけど

 堂々と言われると、本来飲み食いの必要が無いだけに

 腹立たしくなってきた。


「☆4-1+0となった3体のパンダをBゾーンへと送る事で

 Rデッキからリマーカブル(卓越)ユニットを呼び出す!おいでませ!!

 ゴッデス級リマーカブル(卓越)ユニット!☆3【火雷神(からいこう)】!!」


 【セリカ】【☆40 Md:094】

 ■□◇□□□■ 手札枚数【U:05 C:02 M:00】

 ■□□□□□□ ◆:裏向きカード ■:デッキ・ブレイク(休息)

 ■◆□◆◆□□ ◇:表向きカード □:空白マス

 ■25555◆ 数字:マギカードと☆ ×:封鎖マス

 ・Pゾーン:【?】

 ・Cゾーン1、3、4:【?】

 ・Rゾーン2:【火雷神】☆3+9+0 ゴッデス リマーカブル


 私の前にかなり静かに【火雷神(からいこう)】が現れた。


「……あれ?いつもの落雷と火柱は?」


 いつものエフェクトのようなものが無い事に首を傾げるも

 周り中が攻撃してこないとは言え、魔物だらけな中

 そんな事をしたら周辺の魔物が一度に襲ってくる、と

 言われると確かにそんな気がしたけど……。


『TPOだ。』

「時と場所と場合が選べるなら毎回静かに出てくれば良いのに……。」

『それだと我が主役だと伝わらないであろうが!』

「誰に!?」


 中々にふざけた理由で出ていたらしい落雷や火柱は

 TPOで出す出さないを決めているとか

 自己意識の賜物なのかはさておき。


 ある種の街道掃除とも言える魔物討伐が始まるのです……。

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