第9話 初仕事Ⅰ
「で、いつからできるんだ?」
アレックさんが聞いてきた。
「はい?できるとは」
「精選処理だよ。実はギルドに在庫があって、その内の3割くらいをやってほしい」
「どのくらいあるんですか?」
「500kgくらいあるから3割だと150kgくらいか」
「100g当たり売値の20%の手数料を頂きます。それとマジック・バッグに1度収容するので、俺を信用してもらえないと仕事を受けることが出来ません」
「もちろんギルド会員である以上、騙す様な事はしないと思うから信用するよ」
アレックにはエリアスがこう見えていた。
美形で黒髪、黒い瞳の少年。
なぜか人の心を引きつけ夢中にさせる、雰囲気を持つ少年。
『【メンタルスキル】魅力発動中』
(もう普通に『詐欺』で食べていけるかも?)
「では今から直ぐにでもできます」
「時間はどの位、掛かかるのかな」
「それほど時間は掛かりません」
(勿体ぶっても良かったが、これから店に飛び込みで営業をかけた場合、時間が掛かるなんて思われたら仕事をもらえないと嫌だからね)
「では、さっそくお願いしようか」
(ワォ!いきなり大口の仕事が)
倉庫に大きな案内された。
「1袋10kgだから15袋頼む、終わったら呼んでおくれ」
アレックさんは時間が掛かると思ったのか、俺を残して倉庫から出ていった。
とりあえず暫くやっている振りをしようか、さすがに150kgでも100gでも手間は同じです、とは言えないし。
暇つぶしにステータスを見てみようかと思い、
「ステータスオープン!」
名前:エリアス・ドラード・セルベルト
種族:人族
年齢:17歳(58歳)
性別:男
職業:精選処理員
レベル:1
HP 300
MP 500
筋力 50
攻撃力 50
丈夫さ 50
知力 100
器用さ 50
素早さ 50
運 100
EXP 0/100
状態:良好
【スキル】
生活魔法(火・水・氷・風・光):LV1
世界の予備知識
【ユニークスキル】
異世界言語
鑑定:LV1
時空間魔法ストレージ(カスタマイズ可能):LV1
創生魔法(『無』から『有』は創れない):LV1
倫理に反することはできない
【メンタルスキル】
沈着冷静:LV1
物事の先読みが出来る(高速思考)
悪意のある嘘は見抜く
魅力:LV1
【加護】
女神ゼクシーの加護
愛し子
【称号】
外面良く
詐欺師のたまご
ステータスは特になにもやっていないから変わらないのは分かる。
職業:精選処理員てなに?【称号】も外面良く・詐欺師のたまごが増えてるし。
しかしメンタルスキル等にもレベルがあるのには驚きだ。
【メンタルスキル】魅力、だけレベルを上げていけばいいんじゃね。
転移する前は役立つと思った『創生魔法』も、生かせる場がなければ役に立たない。意外な能力が役に立つものだな。
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