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これは、好機? 俺が、師のもとから抜け出すための。

夜の月明りのもと、宿の庭でルートヴィヒは剣を振っていた。

                

王都を出てから二日。このウルグス町までの旅も馬車を利用して来たので、とくに躰を酷使することもなかった。これであの最近の訓練から三日、王都を出てから二日で、計五日は躰をそこそこ休められたことになる。

                

その甲斐あって、随分と健康を取り戻せた。

 自分でそのことを実感もできる。

なら、躰の癒え具合を自分でもたしかめておきたい。それに剣の訓練も、怪我のせいで数日休んでいる。剣の腕を落とさないためにも、多少なりとも訓練はしておきたい。

                

そういう心情に、ルートヴィヒは駆られた。この夜は無性に。


そこでウルグス町に着き、処刑を終え、宿に落ち着いて自分の時間が持てるようになると早速外へ出て剣を振ってみた。

                

やがて百まで数えながら剣を振り終えると、ルートヴィヒは浅く吐息をついた。

               

「どうやら、躰の方はもう大丈夫みたいだね」

               

 ルートヴィヒは剣を鞘に納めて、額に流れる汗を手ぬぐいでぬぐった。そのまま、庭の草のうえに腰を下ろす。

 怪我を負ってからわずか数日しかたっていないが、躰は全快したようだ。いま剣を振ってみてわかった。あざ程度はまだ躰に残っているが、動くにさしつかえない。

 怪我をしてから数日のあいだ、養生したのが良かったようだ。


「でも躰が治ったからには、この俺もくわわることになるだろうね。師を怒らせた、あの傭兵隊長の殺害に」

                

 すでに師ベルモンは、殺害することに決めている。自身を怒らせた、例のミゲールという傭兵隊長を。この町から王都へ帰れば早速、奴の命を奪う挙に出る。弟子たちにもそう伝えている。

                

 どうやら、あの傭兵隊長を暗殺する気らしい。暗殺を有利に進めるために、弟子たちにも協力をさせるつもりのようだ。

                

 この俺にしても躰の癒え具合次第ではあるが、参加するよう命じられている。

 具合が悪ければ暗殺の際に体調不良のせいで不手際を犯されては邪魔になるだけなので、参加するに及ばないようだが。

                

 だがその挙に出る際、暗殺にくわわっても問題ないくらいに回復できていたなら協力しろ、とすでに師によって取り決められてもいる。

                

 となると躰が癒えたいま、俺もその暗殺に参加することを師に強要されるだろう。

 拒むことはできない。その命令を拒めば、師に罰せられる。それは嫌だ。だから強要されれば、俺としては参加を余儀なくされてしまうだろう。

                

「けれど、あの傭兵隊長かなり強いよね?」


 俺も自分なりに、測ってみた。あのミゲール・リネイラという傭兵隊長の強さが、どれほどかを。

 暇がなかったので、その強さのほどをしっかり調べあげたわけじゃない。だが、そんなことをしなくてもわかる。


 見た目の印象からでも、かなり強そうだ。なにより、あの傭兵隊長が自身で評すくらいだ。あの男も師の腕前を知っているはずなのに、自らの腕前のほどは師よりもいまではうえだと。

 

 あの師に対してそう云い放てるほどの自信があるというのなら、相当の腕前を誇っているのは間違いないだろう。


「それに、あの隊長が率いる傭兵隊にしても強いはず」


 灰色の狼とかいう傭兵隊も、戦場を転戦している。

 その経歴からして、傭兵隊自体も烏合の衆ではない。そこそこ鍛えられているはず。兵一人の腕前の質は、けっして悪くないだろう。その推測は、たやすくつく。


「ただ、全滅の憂き目は免れないだろうけれど。あの傭兵隊は。あの隊長も含めて。師が弟子たちを率いて、あの傭兵隊長を暗殺するために動いたら」 


 普通に考えれば、劣勢はこちらだろう。

 あの傭兵隊は、隊長も兵もたしかに精強。おまけにこちらとむこうの人数を比べれば、あの傭兵隊の方が多い。多勢に無勢となるんだから、当然だ。

                

 しかし傍目にはそう見えるかもしれないが、実際にはちがう。

 死刑執行人がわとあの傭兵隊。互いに強弱を比べあい、その力はどちらがうえかと考えれば、こちらだと云わざるをえない。

               

 手勢の数だけを見てしまえば、たしかに死刑執行人がわは劣勢だろう。それでも死刑執行人一人一人の力は、ひどく優れている。こちらには、凄腕の師もいる。その下で、常に鍛えられている弟子たちの力も並ではない。

 一人で何十人であれ、たやすく屠れるほどだ。たとえ灰色の狼という、歴戦の傭兵隊の兵が相手だとしてもね。ひとたび戦えば、歴然と出るだろう。傭兵隊と死刑執行人の両者のあいだで、その力の差は。それほど差が開いていると云える。

                

「死刑執行人がわの力をもってすれば、わけないだろう。あの傭兵隊を全滅させるなんて。隊長も含めて皆殺しにできるだろう」


 ルートヴィヒは冷静に判断をくだす。


「でもいいのかな? 俺としては、もったいないような気がする。師にくみして殺してしまったりするのは。人数がそこそこいて、それなりに鍛えられているあの傭兵隊を。優れた腕を持つ、あの傭兵隊長も」

               

 ルートヴィヒは、顎の先端を指でつまんで考え込む。


「もしかすると、俺は師のもとから抜けられるんじゃないか? 師とあの傭兵隊長が殺し合いを演じたときに、うまく立ち回れば」


 ルートヴィヒの脳裏に閃きが浮かぶ。


 そのとき俺が師やほかの弟子どもを裏切ったらどうだ? 死刑執行人たちを見限って、むしろあの傭兵隊長のがわにつくんだ。 

 俺があの傭兵隊の方へつけば、変わるんじゃないか? 

 死刑執行人がわとあの傭兵隊がぶつかりあったときの結果は。そのときにも果たして終わるだろうか? あの傭兵隊が全滅するという結果に。

               

 俺は師には敵わないとはいえ、あの弟子二人に一対一では必ず勝てるほどの力を手に入れた。その俺が裏切ってうまく立ち回れば、そうはならないかもしれないのではないか?

               

 たとえば俺が裏切って傭兵隊の方へついてから、なんとかして弟子二人のうちの一人を殺したらどうだ?

 そのとき、死刑執行人がわは残り二人となる。

 ひるがえり、傭兵隊がわにも二人存在することになる。その残った死刑執行人二人を、葬るに足る力を持つ手練れ。つまり俺と、あの傭兵隊の隊長がね。

               

 そこにあの傭兵隊の兵もくわえて、残った死刑執行人二人を打ち倒すことに協力させるんだ。

 そのときには、もはや劣勢に立たされるのは死刑執行人がわということになるだろう。

 傭兵隊に死刑執行人と対等に渡りあえる手練れが同じ数だけ存在するばかりか、さらに余力すら残っているとなれば。

               

 現実には、そんなにうまくいかないかもしれない。でも俺が裏切ってしまえば、すくなくともあの傭兵隊と死刑執行人の力は拮抗するはず。

 俺が傭兵隊についた場合、死刑執行人がわは手練れ三人。

 傭兵隊がわは俺と隊長で手練れ二人。

 手練れの数は、こちらの傭兵隊がわの方がすくなくはある。

 しかしむこうの手練れ一人を、こちらは残った傭兵隊の兵すべてで相手にすることにすれば互角の戦力になるのではなかろうか?

               

 そのうえで俺がうまく立ち回り、傭兵隊がわの方が戦力を上回って有利になる状態をしつらえていけばいい。

 その場合には有利になる以上、最終的には死刑執行人を全滅させられるという状況に至る可能性もあるんじゃないのか?

               

 頭を素早く回転させて、ルートヴィヒは検討する。


 自分が裏切ったうえで、死刑執行人と傭兵隊が戦えばその戦況がどう傾くか?

 どちらが有利になり、不利になるかを打算する。どちらが勝つか負けるか、答えを探る。

 その結果、いける、という閃きが彼の脳裏に点灯する。

               

 自分が裏切れば、傭兵隊は充分に有利になるはず。

 ただあいにくと、いまのところは持ち合わせてはいないんだけれど。俺が裏切って傭兵隊に協力したところで、師やほかの弟子どもを消す具体的な策などは。

               

 それでも俺が裏切りを働いて傭兵隊に協力すれば、師やほかの弟子どもを仕留められる可能性があることも否めない。俺がうまく立ち回り、傭兵隊に有利な状況をしつらえればの話だけど。でも、その立ち回り次第では勝てる。きっと。

                

「とすると、これは好機ということかな? 師とあの傭兵隊長が対峙するときこそが。俺が師のもとから抜け出すための」


 ルートヴィヒは唇に親指を軽くあてて、考え込んだ。

                

「かもしれない」


 ルートヴィヒはつぶやくと、さらに思いを馳せる。自分自身を説得するように。

                

 それに、ルートヴィヒ。おまえは力が欲しいんだろ? 王になりたいんだろう? 狂った王に。

 復讐するために。世の中に、神に、憎い奴らに。そのためには、変えていかなくてはならないはず。自分の状況を。自分の手で。

                

 おまえ自身、よく知っているだろうに。目的を達したいなら、甘んじているわけにはいかないことは。このまま、死刑執行人として過ごす現状に。

                

 だったら、やっぱりここは裏切った方がいいんじゃないのかな? 死刑執行人どもを。

 師が弟子を率いて、あの傭兵隊長の命を狙うときには。

                

 だってその裏切りがうまくいけば、自分の状況を変えられるんじゃないのか? 

                

 これまで俺を縛りつけてきた師からだって離れられる。いまの暮らしから逃れられて、自由にもなれる。師やほかの弟子への報復だって果たせるんだ。裏切ってあいつらを始末すれば、それによって。

                

 ほかにも利点はある。

 そのまま傭兵隊長の傘下にくわわってしまえば今後、自らにとって望ましい方向へ歩んでいけるかもしれないじゃないか。傭兵隊に入って、手柄を立てて出世して。

 つかむことだって、できるかもしれない。狂王への手がかりを。自分にとって好ましい未来を。

                

 さもなければ、奴らを殺すことでせっかく自由になれるんだ。事が終われば、傭兵隊長のもとを離れたっていい。それによって、切り開けるかもしれないものね。その好ましい未来を。

 ルートヴィヒの思いは膨らんでいく。


「でも迷うなあ」


 ルートヴィヒは眉をしかめた。


 裏切りが成功しても失敗しても、問題は起こる。成功すれば、死刑執行人のあいつらはみんな死ぬ。死刑執行人のなかでも生き残るのは、ただ一人。俺だけということになる。 

 そうなれば、すくなくとも俺に不審の目が周囲から注がれるのは避けようがない。

 俺一人だけ生き残るというのは、あからさまに変で不自然だしね。

 俺が、あいつらの死に関わっているのではないのか?

 国からもそう疑われかねない。そのあげく、国は俺を処断しようとするかもしれない。

               

 とはいえ、そうなったところでさしあたって支障はないか。


 ルートヴィヒは思考を進める。


 事が成功すれば、国が俺の処断に動く可能性はたしかにある。

 でもそうなったとしても、なんとでも云いくるめることだってできるはず。

 ほかの死刑執行人は死ぬほどの危難にあったが、自分だけはかろうじて無事でいられた、という主旨のことを述べて。

 事が終わったのち、裏切って味方についた傭兵隊の連中にも俺の擁護をさせてもいい。そうすれば国がその云い分を信じ、処断は避けられるということだってあるだろう。

 あの傭兵隊は、国に正式に仕える次第になったという。

 そんなれっきとした身分を持つ立場の者の云い分なら、国が信じる見込みも高いかもしれないしね。

 甘い見通しかもしれないが、その可能性は否定できない。

               

 期待通りにはいかず国から追われる身になっても、最悪のところ逃げてしまえばいい。

 身を潜伏させて、居所を転々とするなり、他国にでも逃げ込めばそうそう捕まらないはず。国に追われても、逃げ切る自信だってなくもないしね。これまで俺は結構な鍛錬を師によってさせられて、自身の力量を高めてきたこともあって。

 

 もちろんあまりに長く身を隠す暮らしをし続けてしまえば、なんの活動もできなくなる。

 狂王になって報復を果たすという、俺の望みを叶える力を得ることだって難しくなるかもしれない。

               

 けれどほとぼりが冷めるまでの期間だけ逃走するくらいなら、ふたたび世に出る機会だって伺えるだろう。何かしらの形で、望みを叶えるために動き出すことも可能なはずだ。

               

 だから裏切ったとしても、成功したときのことは心配しなくてもいい。

 その後は自身の力によって、どうとでも道は切り開けるからね。


 ただ問題なのは、失敗したときだ。

 失敗して奴らが無事なら当然ながら、師のもとへ俺は連れ戻されるだろう。師には弟子を手放す気はないだろうから、必ずね。


 師やほかの弟子を相手にしては失敗したとしても、そのあとに逃げてどこかへ行方をくらませるということはできないだろう。

 連れ戻されたくないから、くらましたいところだけどね。

 

 でも、まず無理だ。

 事実いくらそのもとから離れようとしても、これまでも逃げ切ることはできなかったんだから。

               

 しかも一旦連れ戻されれば、連中を裏切ったことで手ひどい罰も受けるだろう。

 いままで俺は幾度も逃亡して奴らの命を狙い、その都度、罰を受けてきた。

 今回にしても、もし裏切って失敗すれば同じ運命が待ち構えるのは疑いない。

 とてつもなく苦しい責め苦を負わされるはずだ。でも正直、そんな目にはあいたくない。

               

 それにもしかしたら、奴らに殺されるってことだってないとはいえない。

 裏切りの代償は、死にならないとは云い切れないのだ。たとえば弟子を手放す気はなかった師が怒りのあまり、突然考えを変えて俺を殺すということだってある。

               

 第一、裏切って奴らと争えば、その戦いのさなかに不運にも命を落とす破目に陥るということもある。

 もし俺が味方すればそれによって傭兵たちの方が有利になると思うが、師たちも手練れだ。そんな師たちに戦いを挑めば、ただで済むとは限らないものね。

 

 あるいは死ななくとも、再起不能の怪我を負うこともないとはいえない。

               

 そしてもし俺が死ぬか再起不能となれば、当然潰えてしまうわけだ。

 狂王になって復讐を果たすという、俺の望みも。


 そう思うとルートヴィヒは慄然とした。

 

 失敗したときの危険はひどく大きい。

 恐怖が走って背筋が冷たくなるようだ。


 が、意識の奥深くから、自らを叱咤する厳しい声も聞こえてくる。

               

 じゃあ、おまえはこのまま師のもとに居続ける気か? いいのか? それで。

 おまえは師のもとで、いつまでも飼われていたいのか。

 このままおまえは、在りつづけていたいのか? 死刑執行人として、ずっと。


 ルートヴィヒは即座に首を振る。


 それは嫌だ。

 人から嘲笑され、蔑視され、見下される死刑執行人のままでなんていたくない。

 師に飼われている立場も、もうごめんだ。


 ルートヴィヒの表情が、苦々しいものに変わる。


 なんで俺が、いつまでもあいつの云いなりになってなくちゃならないんだ。

               

 心の奥深くから、なおも声が聞こえる。状況を変えたいと切望する、自分自身が発する声が。


 ならなんとかして、自分で状況を変えるよう努力しないと。そうしないと、状況は変えられない。力だって手に入らないんだ。

               

「どうしようか」


 ルートヴィヒは夜空を見上げた。


 失敗するということもある以上、傭兵隊にくみしたところで必ず師のもとから離れられるというわけでもない。とすると、容易に裏切ると決められない。

               

 うまく立ち回れば、たしかに師もあの二人の兄弟子も殺せるかもしれない。連中への恨みも晴らせ、力を手に入れる機会も巡ってくるかもしれない。

               

 けれど、もし失敗すれば? 悲惨な目にだってあいかねない。

 やってみれば、案外うまくいくかもしれない。が、現実というものは、そう甘くもないだろう。失敗の可能性を思うと、たやすくこの考えを実行しようという気にもなれない。

               

 ルートヴィヒが考えあぐねていると、夜の闇から複数の馬が走る音が聞こえてきた。

 とっさに、ルートヴィヒは警戒した。


 賊かもしれない。このウルグス町は悪党の巣窟だ。悪党がうろついている町だ。賊がやってきても不思議ではない。

 もし賊なら、見つけられれば襲われるかもしれない。余計なもめごとに関わりあいにならないためにも、見つからないように隠れた方が無難に思える。

               

 ルートヴィヒは舌打ちすると、そばに立つ瓦礫に向かって駆けだした。その瓦礫はかつて町が失火で燃えた際、炎に包まれた家屋の残骸だった。

 ルートヴィヒも死刑執行人の務めがあり、この町にはよく来る。そのためウルグス町については、多少は知っている。もちろん町の失火についての話も。

 

 失火の際には町の宿屋や教会は奇跡的に炎に呑まれなかったらしいが、その周りの家々は違う。炎に呑まれ、こうして瓦礫と化したと人から聞いている。

               

 ルートヴィヒは冷笑する。


 おかげで助かる。こんなふうに危険を察したとき、身を隠す場所を見つけることに苦労しないんだから。


 ルートヴィヒはそばの瓦礫の壁に入り込むと、そちらに背を向けて寄りかかる。

               

 音が来る方向からは裏側になるその場所は、これから通りかかろうとする者からは死角となって見えないはずだった。案の定、しばらくして馬に乗った連中が遠くから次第に近づいてきたが、ルートヴィヒは気づかれることはなかった。

               

 逆に瓦礫の壁にわずかな隙間が空いていたので、ルートヴィヒからは相手の姿を見ることは可能だった。

 ルートヴィヒはそのわずかな隙間を利用し、音がする方向をのぞき見る。何者がやってきたのか気になっていた。

 

 やがて音はどんどん近づいてきた。音がかなり間近に迫ってきたときには、やってきた連中が誰かルートヴィヒにもわかった。月の明るい銀の光のおかげで、夜でも視界が効いた。

               

 やってきたのは、その恰好からして傭兵たちだった。

 それも、ルートヴィヒの師がかつて率いていた傭兵隊、灰色の狼の連中だった。

 その連中のなかにはつい最近、死刑執行人が乗る馬車に泥水をかけられてからんできた男もいた。

 その男を、ルートヴィヒは冷ややかに見つめる。


 その男に、唾を吐きかけられもしたんだ。そいつの顔は、はっきりと覚えている。見間違えるということはない。

 なので、やってきた連中の正体は疑いない。だが灰色の狼の連中が、一体ここへなにをしにきたのだろう? いまのところ連中の目的はわからないが、傭兵たちは馬に乗って何十騎はいるようだ。

               

 そいつらは宿のまえにまでやって来ると、その先頭を行く男が後続の連中に叫んで指示をした。

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