第5話 プランニング
寝苦しくなり目覚めると、何故か下着姿のキョウコが
俺に抱き着き静かな寝息を立てている。
切れ長の目に作り物のような長いまつ毛、どんどん綺麗に
なっている。下着は前世のようなスケスケレースとかの
下着では無いけど、ブカブカの下着との隙間が妙にエロい。
「キョウコー狸寝入りはやめてプランニングするぞ~」
「坊ちゃまは意地悪です。少しくらい触れてくれても
良いのに。。。」
ぶつぶつ言いながらクラッシックなメイド服を身にまとう。
「ま、そのうちにな」
「坊ちゃまがデレた!」
実に楽しそうである。
「さて、アルテイシア様のご希望は早急な文明の進歩と
星間軍事力の保持だ。」
「星間?星の間ですか?よく判りません」
「今はまだ良い。簡単に言うとこの世界の全大陸を制覇しても
道半ばで、先はまだまだ長いと理解だけしておきなさい。」
「かしこまりました」
「そうだな、この世界の寿命はどの位かな?」
「人族で60~70歳、亜人でもエルフは1000年ですが
ドワーフや獣人は100~120歳くらいですね。」
ふう。。医療もか。。少なくとも100歳位までは
活動しないと厳しいからな。。。
「学校は12歳から入学だったな。6年間18歳までか」
「はい、坊ちゃまなら飛び級も可能かと思いますが?」
「いや、人脈も必要だし、一朝一夕に発展する訳でもないから
入学前に色々種まき、途中でテコ入れして、卒業後刈り取り
の方が良いと思う。
安易な切り上げよりもきちんとしたプランニングだよ。」
「なるほど、わかりやすいご説明に感動しました。」
「種をまいても、十月十日出産まで掛かりますものね!」
ぬぅ。。キョウコ無駄に頭まわるな~
「まずは入学までに身体的な部分を重点的に鍛錬だな。
同時に家内の掌握をする。アルス兄さまには悪いが
時間が無いので継承争いとかやってられない。」
「鍛錬も模擬戦や稽古はやめて、冒険者になって
実践的に鍛えよう。早めにスキルを伸ばさないと
詰みそうだ。キョウコもだぞ?
俺と一緒だと経験が溜まりやすいからな。」
「かしこまりました。提案なのですが、
我が一族の見習い戦闘メイドを5名ほど
配下にお加え下さいませんでしょうか?
まだ7歳~10歳ではございますが、ご卒業後を見据えて
今からお鍛え下されば必ずやお役に立つかと思います。」
「ふむ、カトウ一族であれば是非も無いが。給金はどうする?
安くは無いのだろう?」
「数年は見習いとして、衣食住だけで結構ですが。。。」
「よし、入学前に御用商人を見つけよう。
口の堅いやつをな。。。
商業チートの状況を確認して、小遣い稼ぎを考えよう。
いずれにしろ資金力も付けて行かなければなるまい。」
「かしこまりました。入学前に身体とスキルを鍛えつつ、
家内統一と商取引の開始でございますね。」
「あ~試験的に農機具と農法の改良もすると思う。」
農民てのは兎に角、古い方法に拘るからな。
事前に時間をかけて実績を積まないと
卒業後に頑張っても従わんだろう。
「そして、学校在籍中に冒険者クランを立ち上げて
配下候補を探す。在籍中に王族をどうするかの見極めや
王国内の掃除をしたいな。」
「王国内の掃除ですか?」
「辺境伯領の現状を見て、少なくとも貴族院の一部には
問題がありそうだし、国王の色が出ていない。
暗愚なのかやる気がないのか。。。
隣国の諍いについても方針が全く決められない感じだしな。
ダメならとっとと簒奪でもするさ。」
「ある程度在学中に目途を付けたら、領地に帰って
領地改革だな。
10年、30歳位までには、領地を次元の違う段階までに
発展させる。領地改革が終わり次第、簒奪にしろ
平和的に手段しろ王国を掌握する。」
「掌握後、王国内の発展度を辺境伯領レベルまで引き上げる。
これは在学中の人脈作りの時から徐々に、技術や知識を
徐々に流しながら浸透すようにして早々に片づけて、
遅くとも10年、40歳までに大陸統一だな。」
「同様に世界を最大10年程度で掌握する。50歳までかな」
「宇宙開発を開始して、5年で宇宙ステーション建造だろ
10年目までには戦力構築をして銀河内探査、15年目には
艦隊規模の戦力を整備する。
そこで65歳か。。。ギリギリだな~」
「もうそこまでのプランを練っておられるんですね。
唖然とします。宇宙とかは良くわかりませんが
可能なのでしょうか?」
「近代の地球史を見れば宇宙進出までは可能かな?
魔術の無い地球史でのペースを考えると、魔術と科学技術を
上手く融合できれば十分可能だと思う。
問題はすべての基礎となる技術屋集団を早々に見付けられる
かがカギになる。キョウコの伝手も期待している。
心当たりがあれば教えてくれ。」
「かしこまりました。もう一点だけございます。」
「なんだ?」
「キョウコの忠誠と愛情はラファエル様だけにあります。
たとえどのような結果になろうとも変わりません。
最後の一刻まで傍らに侍る事をお許し下さい。」
「わかった。。。
たとえ死が二人を別かったとしても、
なお一緒に歩むことを赦そう。」
「 Yes your Majesty! 」
当方、初めて物書きに挑戦いたします。
誤字脱字、読みにくい等のご指導をお願いいたします。
豆腐メンタルなので過激な指摘はご容赦くださいますようにお願いいたします。