第67話 論功行賞?
いつもご愛読ありがとうございます。
第67話を投稿いたします。
明日、明後日は仕事が忙しいので
投稿できるかまだ未定です。
今後ともよろしくお願いいたします。
サスケが帝都へ帝国の宰相を送って行き。名代として
停戦合意書に調印してから3日が経った。
帝国は停戦後以後、速やかに残った帝国軍を再編して
新国境線の防衛に割り当てた。こちらも帝国軍を睨みな
がら帝国西方と北方の新国境線に沿う形で運河の建設を
開始した。
実際には微妙に国境線は変更された。これはサスケが
帝国に行き交渉した結果なのだが、お互いに何も無い平原
の国境線は偶発的衝突などの危険性が大きいため、こちら
の負担で2箇所の運河を建設して国境線とする事にした。
運河の無い国境はコニューの北250km分と二エットの東
180kmなのでここはお互いに譲らず、コニュー北は帝国、
二エット東はこちらで構造物や水路を建設する事となった。
ちなみに黄色い実線は建設済みの線路、破線は優先的に
建設する約束をした線路だ。まだ、国内の予定路線の青線
も建設していないが、各国の連携を考えると優先順位を上
げざるを得なかった。
着工済みの線路はようやくリスリドまでとセンブまでに
達した。リスリド建設班が二エットまでの建設を終えた後、
ラクレド~リスリド間に投入しても距離が長いので、かな
りの帰還が掛かってしまう。その間、国内のローカル線も
足踏みする事になる為、早急に抜本的な対策を検討しなく
てはならない。
尚、建設する国境線運河については、帝国としては莫大
な予算と工期をこちらに押し付けたつもりのようだが、す
でに臣下総出で建設に取り掛かっており、自重無く魔術を
行使しているので、今月中には完成するだろう。
もちろん、河床を深く掘削して船舶が航行できるように
しているのは言うまでもない。戦闘艦艇が航行しているの
を見て帝国はどんな反応をするのか今から楽しみである。
しかし、戦争は始めるのは簡単だが、終わらせるのが
難しいとはよく言うが。。。
むしろ、終わらせた後の方が面倒くさい。
今日は宰相と4大貴族がやってくる予定だ。鉄道が開通
したお陰で1~2日で来れるので便利にはなっている。
「我が主よ、わちきとの時間はまだ取れんかえ?」
宰相たちの到着は昼の便なので、時間を持て余している
と紅桜から声を掛けられた。何故か忙しいはずの技術大隊
の面々からギムレットやオオワシ、ロジーナやマナミまで
顔を揃えている。
「いや、丁度良いよ。昼過ぎまでは時間が空いているよ。
みんな座ると良い。」
なにか、説教を受けそうな雰囲気が漂っていたので、
メイドに命じて取って置きの炭酸飲料を出させた。
「えっ!これはサイダーでは無いかえ?千年以上ぶりじゃ
開発できておったのだな。もっと早く教えてくれれば
良いのに、主も人が悪いのう。」
「いやいや、まだ試作段階なんだよ?懐かしくてつい、
ちょっとだけこっちに送らせちゃった。」
「わちきにもくだせえよ?って誤魔化されんえ?」
ちっ。。。もう気付いたか。。。。
「判ってるよ。話を始めてくれ。」
「うむ、では、あくまであちきの意見じゃ。皆は係りの
ある話じゃから忙しい中集まって貰っておるので、その
つもりで聞いてくれ。」
「ああ、わかった。紅桜も無理に廓言葉使わなくても良い
よ?元々暇つぶしに始めたんだろう?」
「うむ。あちきの意見じゃがな。主様よ。
主はあの女狐女神の意向を少し取り違えておらんか?」
「ん?技術開発を進めて宇宙戦争が可能なレベルに押し上
げるって話だよ?その為なら何をしても良いって言われ
てる。」
「うん。それはその通りなんじゃろう。だが、手法は何を
しても良いのじゃぞ?」
「判っている。そこは俺の考え方ではあるけど、民主主義
は成立させない。それが有る意味民衆にとっての最良で
あってもね。意思決定に時間が掛かり過ぎる。」
「うむ、そこはわちきも賛成じゃ、我らの居た地球では
多数決が最良ではなくとも次善の策であったのは明らか
じゃからな。」
要領を得ないな。。。。
「そうじゃな。例えば、今回の戦争で何故原子爆弾を使用
しなかった?我々の知識であれば然程ハードルは高くは
ないよのう?」
いやいや。。。。
「いや、原爆なんてオーバーキルも良い所でしょう?
ましてや、その技術が拡散して、水爆が発明されたり、
ICBMなんかが開発されたら、一発で何十万人も死ぬよ?
宇宙がどんな場所なのか経験が無いけど、仮にイオン
エンジンや太陽帆では満足な推進力が得られないような
ら、初めて核パルスとか核融合とかを研究するべきだと
思っている。」
「ふむ、では技術的ハードルや物質的制約、この星が破壊
される可能性とかでは無く、主様の道義的嫌悪感から開
発も使用もしていないと言う事かえ?」
「もちろん、甘いと言われればそうだけど、前世の日本人
なら、皆同じことを思うはずだよ?」
「主様、自分では気付いて無いかもしれんが、それはダブ
ルスタンダードじゃよ?主様はこの文明技術レベルを上
げる為に何でもする気で、場合によって虐殺に近い戦闘
も行うのに大量破壊兵器はダメだと言う。
そしてその言い訳として、日本人皆が同様の考えって
言っておったが、民主主義の多数決は時間が掛かるから
否定したのでは無かったかえ?」
うっ。。。。
「ちなみにわちきは核を使わない、開発しない事に対して
意見をしているのではないえ?当然、宇宙に出るのに放
射能や放射線の研究もしなければ、高度医療もできなけ
れば宇宙服も作れないと言いたいのも確かじゃがな。そ
れは些末な事じゃ。」
「本質は、主様が地球人、日本人としての常識に囚われ
過ぎておらんかえ?と言う事を言いたいのじゃ。」
「今回の戦争とて、何故もっと強力な近代兵器。いや、海
軍の戦艦クラスの技術の兵器を陸軍に配備しなかった?
上手くすれば、もっと簡単に終わっておっただろう。」
「主様は技術進化のために学校を作った。
これは良いと思う。魔術を持たずに近代化した手法は
簡単には伝えられんからのう。だが、目的を見失っては
ダメじゃ。
魔術無しで近代化した我らの世界の技術に魔術を融合
できなければ、どのみち女狐めの求める境地には至れな
いのでは無いか?」
「主様の手法は魔術はイレギュラーな物で、いざという時
には地球の技術が物を言うと考えている節があるが、
我々の居た地球の技術の先は見えているかえ?
わちきにはあの世界の人間が宇宙を縦横無尽に飛び回
る姿は想像できんよ?主様にはできるのかえ?」
うむ。。。痛い所を突いて来るな。。。。
確かに日本の技術は高度だが、その先の発展性に関して
は疑問がある。向こうに生きていた当時でさえ、基礎技
術は優れているが、もうこの国では新しい概念や技術は
生まれないのだろうな。
って思っていた事を思い出した。
「鉄道じゃってそうじゃよ?何故リニアでは無いのじゃ?
この世界の人間に基礎学習をさせるのは構わん。原子や
分子、ポリマーやモノマーなど余りにも知識レベルが違
うからのう。折角ラシールやリシールがあれだけの魔術
研究を行って付与魔術の行使を得得した。
なぜこの世界の可能性を無視するのじゃ?空飛ぶ戦車
や空飛ぶ大地、水を潜る戦艦や人型ロボットや人造人間
だっていて良いでは無いか?
可能性は無限じゃよ。自分の地球時代の常識に囚われ
て可能性を潰してはいかん。一緒に可能性を楽しもうで
は無いか?」
なるほど。。。俺が地球に囚われていたのか。。。
「紅桜。よく言ってくれた。なるほどな。
この世界のため、この世界の人々の身を案じて。。
などと言うのは、この世界を信用していないような
ものだな。」
「そうじゃ、あっちの世界もこっちの世界も人々は、
しぶといぞ?そんなに簡単に滅びないし、諦めない。」
「わかった。今後は方針を変える。近代世界の先端兵器を
開発者の皆に提示した上で、魔術を生かす技術を模索し
よう。翌々考えたら、マジッグバッグをコソコソと使う
必要だって無いんだよな?
あれだって立派な魔道具でこっちの世界の技術の集大
成だ。それによって重くて大量の物質が簡単に運べるの
だって、ワープやゲートで移動できるのだって何も隠す
必要は無かったな。。。」
「主様よ。この世界で唯一問題なのは魔術行使に理論が
追い付いていない事じゃ、神の御業との一言で解決して
いたために、汎用性を失っており何もかもがアーティフ
ァクト化していた。
ラシールとリシールの功績は大きいぞ?わちき以外で
始めて魔石の本質を追求したからな。後は、地球の理論
を学んで応用するのが近道だと思うぞえ。」
「なるほどな。学園都市の建設は無駄では無かったか。」
「当たり前じゃ、知識は宝じゃよ!それがどのような知識
であっても、間違った知識であったとしてもな。」
「うん。しっくり来た。今後の具体的方針を2~3日
ゆっくり考えたいな。。。。」
「ああ、主様?それはダメじゃえ?
わちき。。。数百年ぶりに火照って来おった。。。。
閨にて可愛がっておくれぇ?」
へ?紅桜の瞳が深紅に染まって、はだけた着物も朱色が
増して極エロ。。。。。
「いやいや。。宰相たちが来るから。。。」
「大丈夫じゃ、久方ぶりゆえにすぐに終わるえ?
マナミが時間を稼いでくれるゆえ。
使徒繋がりて、ロジーナも一緒に可愛がっておくれ?」
「えっ?はい。。。。よろしくお願いします?」
もちろん女性陣の押しには逆らえるわけも無く、結局
ゆっくりと愛でてしまった。。。もう15時だ。。。
身を清めて応接室に入ると、宰相と4大貴族の当主。
それと大きなおなかを抱えたキョウコ、ツクヨミ、マニエ
ットとマリー、シャルが一緒に居た。
「お待たせして申し訳ありません。」
「いえ、殿下もお疲れでしょうから」
宰相が気を使ってくれる。
「ラフィー余計疲れたって感じだな。。腰の辺りが特に」
父上は茶化しに来た。。。
「早速本題に入りましょう。こちらの戦果は手紙に認めた
通りです。そして、帝国との停戦は10年間こちらの希望
のラインで決定しました。
併せて、ラクレット王国とバグリド獣王国との国境線
もこちらの希望がそのまま通っております。その代わり
に、こちら資本の鉄道を優先的に整備する流れになりま
したが。
また、帝国から接収した亜人奴隷、約30万人は現在
すべて私の所有となって居ります。」
「ふむ。素晴らしくも勝ち過ぎましたなぁ」
ユニエール公爵が不意に不吉な言い方をした。
「ああん!?」
傍仕えとして待機していたキヨカが聞いた事の無い声で
即座に反応する。
「あ、いや。。。。大勝おめでとうございます。キヨカ様も
お疲れでございました。」
あ、やっぱりしっかり調教されてる。
「まあ、確かに少し困った事態になって居ります。」
宰相が言い辛そうに声を発した。
「何が有りました?」
「はい。大勝に浮かれた宮廷貴族共が元老院を焚きつけま
した。先代国王の弟のベルガー公爵が今頃になって国王
を文字通り後宮から轢き摺り出したのです。」
「宮廷貴族の目的は今回併合した広大な領地の分け前に預
かる事。元老院はその上前を撥ねる事を目的としており
ます。」
「へ~~、ずいぶんと愉快な事を考える人達だねぇ」
「そして、国王が直接辺境伯閣下をお呼びになり、報奨を
与えようとしました。
そうする事によって殿下達の軍事行動はすべて王宮の
指示の結果としてしまい、論功行賞は王宮で差配するつ
もりでした。
結果として、辺境伯閣下は召喚には応じたものの自分
は一切関係なく殿下が一切の責任と義務を負って行った
結果として、報奨を辞退いたしました。」
「ま、実際そうだからな。」
父上が格好つけている。絶対にお母様達にチクってやる。
「国王はラファエル殿下を召喚をしようとしたのですが、
元老院側から殿下とは言え、爵位もまだ持っていない
子供のした事ゆえ、召喚や報奨の必要も無いと説得され
て、現在王太子殿下と元老院の面々を引き連れてこちら
に向かっている次第です。」
「えっ?何しに?」
「領地の配分を決めるそうです。」
「へ~近頃の王国では珍しいよね?集団自殺なんて。」
「確かに確かに!」
カーライル公爵が大笑いしている。
「あの豚国王。。。国を潰すおつもりかしら?
こっちは戦力も出して兵も死んでいるのに。。。。
舐められたものですねぇ。
ねぇ?ユニエール公爵?」
「そ、そうですな。シフォン嬢のおっしゃる通り、曲がり
なりにも北部や東部は兵を出して援護を行っておる。
今更何もしていない宮廷貴族が口を出す問題では無い。
領地貴族対宮廷貴族の内乱になるぞ?あの愚王め。」
シフォンも大概肝が据わって来たなぁ~
「宰相、仮にその場合、亜人奴隷の扱いと建設した鉄道の
経費、買い占めた穀物の費用、戦費はどうなります?」
「そうですね。。。亜人奴隷は一部の愛妾奴隷の接収で済む
でしょう。彼らには食わせる財力が有りませんから。
鉄道は王国で取り上げ、戦費や穀物費用は。。。。名目上
払うべきですが、たぶん払えないのでラファエル殿下に
新たな貴族家でも認めて、侯爵に叙爵して終わりか
と。。。。」
「あの、参考までにどの位の費用が掛かっておりますか?」
「ん~現時点では白金貨150000枚位かな?穀物の相場
次第では結構戻るけど。鉄道は別だけど車両まで含め
たら200000枚位になるんじゃないかな?」
「白金貨35万枚など100年掛かっても無理ですな。。。」
「さて、どうするかね~
しばらくは大人しく引き篭って居たかったんだが。。。
マリーとシャルどうしたら良い?」
「全員処刑でよろしいのでは?10年ほど早まりますが、
可能な限り私たちがサポート致します。」
マリアンナは大して考えもせずに回答した。
「もう、お姉さまったら。。。
カー君はそんなに悪い子じゃないでしょ?
10歳だから良く判らなくて利用されているだけよ。」
シャルアンテが姉を批判する。
「でも、どうしようもないじゃない。
ラフィー様に敵対するなんて。。。
恩を仇で返すを地で行ってるのよ?」
「えーと、えっと。。。
そうだ!ラフィー様。勝手なお願いですが、カーライル
はまだ分別が付かない歳なので、私たち姉妹に免じて
ご助命をお願いいたします。
国王と元老、宮廷貴族は粛清しましょう。そして後任
に第三王妃のケイコ様を女王とする事を推薦いたします。
まだ28歳ですし、イースト国の出身です。
その上で、キングダム王国、バグリド獣王国、ダムド
獣王国、ラクレット王国、リシャール魔導王国、イース
ト国を束ねる連合王国として、ロンド王朝を創設して帝
位にお付きください。10年後にはキングダム王国の国王
もお返しいたします。」
「ふむ、皆はどう思う?」
「カーライル王太子の将来はどうするのだ?」
ユニエール公爵がシャルに問う。
「私たち同様に末の双子と共に臣下に組み込みます。」
賛成に回ったのか、マリーが返事をする。
「悪くは無いかな?前例は無いが。。。」
カーライル公爵が呟く。
「そうだな。その形の方がラフィーも動きやすく無いか?
個別に国家運営は委託して、上前を撥ねて大規模投資や
技術改革に注力する形じゃないといずれ破綻するぞ?」
「わかりました。シャルの意見を採用する。
一点だけ修正で、ケイコ女王の宰相はクラインのままで
頼む。軍部の動揺を抑えるのと俺が動きやすいからな。」
「お心遣い。感謝いたします。」
「そうと決まったら、マリーとシャルは直ぐに第一王妃、
第二王妃、第三王妃に逢って同意を貰え。事後だと冷静
な判断が出来なくなる恐れがある。二人共ワープかゲー
トを使え」
「「御意!」」
「キヨカ。ジェーン、ジル、マリアム、アツコに各出身国
に戻り、決定を伝えろ。紅桜には直接伝えてくれ。」
「御意!」
こうして、予定を大幅に前倒しして、帝位に着く事と
なった。。。
(白金貨105849大金貨9金貨1大銀貨1銀貨7大銅貨2銅貨2)




