第66話 開戦4日目
いつもご愛読ありがとうございます。
遅くなりましたが、第66話を投稿いたします。
ブックマークありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
朝目が覚めて、自身に汗と女性の臭いが纏わりついて
おり赤面していると、メイドに声を掛けられた。
「ラファエル様、お風呂に入られますか?」
メイドが火照った顔をして聞いて来た。
「うん。案内を頼むね。」
「はい、承知致しました。」
メイドの案内により、リスリッド王宮の大浴場に案内さ
れて、さて、汗を流そうと思っていると、先ほどのメイド
さんが全裸で入室して来た。
「申し訳ありません。前線でまだ人手が足りませんので
私が背中を流させて頂きます。昨夜は大変勉強になりま
した。本日は精一杯参考にさせて頂きまして背を流させ
て頂きます。」
えっ。。。メイドさんずっと見てたの?
参考にって。。。基本襲われてただけなのに。。。
まあ、宣言通り参考にされて襲われたわけだが。。。。
部屋に戻るとアマネとキミカが身支度を整え終わった所
だった。彼女たちは濡れ布巾で清拭しただけだそうだ。
湯船に入ると匂いが消えるのが寂しいらしい。
うん。。。言っている意味が判らない。
三人で食堂に朝食に向かうと、何名かの臣下が先に
朝食を摂っていた。
「みんな、おはよう。」
「「「おはようございます!」」」
ここリスリドの迎賓館には既に料理人たちも入っている
ようだ、いつも通りの朝食が食べられるのは実に嬉しい。
粗方朝食を食べ終わると、誰にともなく声を掛けた。
「さて、そろそろ現状を報告して貰えないかな?」
「畏まりました。」
すかさず、シノブが返事をする。
「先にお詫びを。ラファエル様が根を詰めすぎて居るよ
うに感じていたところ、失神するかのように眠りに付か
れましたので、御身の健康を第一と考えて総指揮所のキ
ョウコ様達とも相談して、48時間の休養を強制してしま
いました。
勝手な事をして申し訳ありません。」
「いや、それは俺の自己管理が甘かったんだろう。寝た時
の記憶が全く無い。流石によくやったとは手放しで褒め
る事は出来ないが、臣下としての判断は理解できるから
気にするな。」
「ありがとうございます。」
シノブ以下全員が深々と頭を下げた。
「では、現状を説明いたします。
昨日の早朝、ラファエル様が失神された開戦2日目です
が、まずご指示のとおり、ハイエルフの王妃親子は東都
のキョウコ様に委ねました。
聞き取りの結果、ラクレッド王国の前王妃の妹君だっ
たようです。ラクレッド王室には既に連絡済みです。
現在、リスリド近郊では戦奴部隊3万人と帝国軍の捕
虜約15000人がそれぞれ難民キャンプと捕虜収容所に収
容されています。シフォンに頼んで東都の難民キャンプ
を確保していますので、戦奴は鉄道が開通し次第東都へ
送ります。
帝国軍の捕虜は開放のタイミングを検討中です。
尚、リスリドまでの鉄道は明日中には開通する見込み
です。
現在、リスリドの軍政統治はマリーとザンザに委ねて
おります。国庫の状況なども含めて把握に暫く掛かるか
と思われます。
併せて、生き残りの王族が27名、貴族又は貴族の一門
を1241名捕縛しております。王宮に軟禁又は王宮に移
送中です。移送自体は明日中には終了します。
レイム、メイス、ランスはネイト様の魔導中隊が中心
となって制圧済みです。現在各領主の守兵小隊への引継
ぎを始めています。
リスリド及び旧リスリッド王国関連はこんな所です。」
「3都市の制圧まで終わったのか。よくやってくれた。」
「はい。丁度ラフィー様がキヨカを失神させた頃ですね。」
許可の顔が真っ赤に染まる。。。
「な。。。。なん。。なんで。。。」
「勘ですよ。勘。。。。」
「そして、私軍の2旅団ですが幸いにして敵の強い抵抗も
無く二エット、スタール共に制圧しております。
両都市共に住民は全財産と全奴隷を解放させて、帝都
方面へ開放しました。両都市で20万人ほどです。
解放された亜人奴隷は一旦、こちらの方針が決まるま
で都市に留まって貰っていますが、各都市に約5万人が
滞在しています。
我が部隊は二エットとスタールの東方に施設中隊が防
衛施設を建設中です。」
「ふむ、出来ればそのまま留まって住民になって欲しいが
難しいのだろうな?」
「ですが、旧リスリッドを含めて占領地の住民が全くいな
くなってしまいますので、多少アコギな事をしてでも
留める必要があるかと。。。」
「少し考えさせてくれ、相談しよう。」
「御意!」
「昨日ですが、午前中に海軍の第4艦隊がインテルを強襲
しましたが、帝国海軍に遭遇しました。
どうも生きた亜人奴隷に漕がせたガレー船に火薬を積
んで自爆突撃させたり、衝角突撃させた奴隷船ごと攻撃
したりと、かなり悲惨な状況だったようです。
こちらは木造フリゲート1艦が自沈処理で死者68名
負傷者も100名を超えて負ったそうです。
この時、ヤマト様が遺失魔法を大々的に使用して敵艦
隊を凍結殲滅、都市を住民ごと殲滅しております。
現在は精神的にも不安定ですので、旗艦ムサシにて
指揮権を取り上げた上で謹慎しております。」
「そうか。。。多少なりとも奴隷を救う事は出来たのだろ
う?」
「はい、奴隷船の乗員624名を救助しました。」
「そうか。」
「午後にはバグリド軍とカトリナ様達によるウルスの制圧
作戦が有りました。帝国1個師団、ウリエル王国軍1個
師団と傭兵部隊1個師団と戦闘になりました。
帝国の第二皇女は自らが望んでなったヴァンパイアロ
ードだったそうです。朱希が消滅させました。
結果として、傭兵と帝国師団は殲滅。ウリエル王国軍
は王国ごと降伏したそうです。
王国軍と住民の処理については現在保留中です。」
「まあ、基本的にバグリドの戦果だ。あちらの出方を待つ
よりあるまい。カトリナ姉様達はこっちに向かっている
のか?」
「はい、あと数時間で到着すると思われます。」
「そうすると、次は北方か。。。第二旅団と第三旅団は動け
ないんだよな?」
「はい、両旅団共に国軍を増援に入れた上で新たな国境ラ
インを構築しなければなりませんので、当面動かせませ
ん。」
「戦力的には臣下でサポートするしか無いな。ロジーナの
北方路線はどうなっている?」
「クリルの森林地帯で手間取っているようです。まだセン
ブにも到達しておりません。アヤメとしては北方路線と
は別にラクレド~リスリド~ウルスの路線を建設して欲
しいようです。」
「まあ、商業的にはそうだよな。ウルスはバグリドが鉱山
都市サシルを制圧しないと難しいかな?まずはリスリド
からラクレドだな。」
「まあ、急いても仕方が無い。姉様達の到着と休息で今日
は動けないだろう。シンバルへの援軍は明日の早朝出立
とする。」
「承知致しました。
それと第二艦隊と第三艦隊は未だ敵影を見つけられない
そうです。まあ、広大な海域で帆船の敵ですのでダムド
の沿岸に現れないと厳しいですね。」
「では、ラフィー様の私室に移動しましょうか。
皆、お疲れ様。おやすみなさい。」
「ん??」
「シノブ、それは頂けませんよ?私も一緒に行きます。」
「ネイト様はまだ学業が有るじゃないですか?駄目です
よ?」
二人が言い争っている間に俺の手を引いて抜け出したの
は元メイドのジュリアとマリアだった。。。
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フィステント帝国 帝都宮殿
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「陛下!」
「なんだ?昨夜は新しい侍女達を味わっていたから、まだ
目が覚めん!後にしろ!」
「いえ。。。火急の件でございます。」
「ふん。早く申せ。」
帝王は全裸で丸出しの状態で仁王立ちして促す。
宰相は混乱していて何も指摘せずに続けた。
「リスリッド王国及びウリエル王国がマキシアム王国に
降伏いたしました。」
「ちっ。。。あの腰抜けども。。。それだけか?」
「いえ。スタール及び二エットが陥落いたしました。敵は
強力な火薬兵器を持っており、防壁を文字通り瓦礫の山
に変えたそうでございます。」
「何をやっておるのだ。スティングとガミエット、ミステ
ィールはどうした!」
「中央第一軍は壊滅しました。スティング皇太子は消息不
明です。中央第二軍は未だ編成中でここ帝都に留まって
おります。南方軍のミスティール様は戦死なされ、師団
も殲滅されました。
現在残るのはエリス様が率いてシンバルに集結させて
いる2個近衛師団と編成中のガミエット様の2個師団、
ライオット様のミリシア制圧軍3個師団と予備軍の近衛
1個師団と国軍2個師団となっております。」
「ふ~。では、北方軍とミリシア軍は動けんだろう。帝都
の防衛も必要だ。実質中央第二軍の3個師団だけでは返
り討ちだな。。。」
「それから、もっと重大な報告がございます。」
「なんだ?もう驚かんぞ?」
「食料がございません。沿岸都市の砲撃被害による50万
人の難民と二エットとスタールの難民が30万人。そし
て軍の食糧の2/3が既に制圧された都市に移送済みでし
た。また、主要穀倉地帯のスタールに保管してあった
食料もすべて失いました。」
「端的に申せ」
「諸々を加味した結果、民衆は1ヶ月、軍は3週間で食料
が枯渇します。」
「何という事だ。。。我が帝国の民衆が飢えるのか?
購入の方はどうなのだ?」
「前回の取引は完了しており、現在交渉している価格は前
回の10倍です。」
「10倍??前回既に20倍に上がっていたでは無いか!」
「商人は余っている所で安く買って、足りない所に高く売
るのが商売で、嫌なら買わなければ良いだけだと言い張
られました。t当たり金貨20枚だそうです。
「くっ。。。最初から食料狙いだったのか。。。。」
「それと、インテルの海軍壊滅、インテル自身も砲撃で
住民と共に虐殺されました。」
「ふん。。。やろうと思えば幾らでもやれると言う事か。。。
小賢しい。。。」
「それに乗じてミリシアがマリフに軍を集結させておりま
す。インテルも消失しましたので帝都への進軍路が開け
てしまっております。」
「ミリシアまでもか。。。」
「仕方が無い。国庫の金を注ぎ込んで買えるだけの食糧を
買って軍に回せ。敵の狙いが食料である以上、いくら高
くても買える時に買うより仕方があるまい。
あわせて、マキシアムとの停戦交渉の準備をしろ。
防衛線をコニューからナイエに掛けて構築してこれ以上
の侵攻を抑えよ。」
「御意!」
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ランス上空 500m
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翌朝、早朝には既に配下と共にリスリドを発ち、今は
ランスの上空に達していた。
昨日は厳しい戦いだった。。。昼からメイド長コンビに
搾り取られて、夜には追加でシノブとネイト姉様が。。。
と思ったら深夜にはカトリナ姉様とマリーまで。。。。
帝国の気持ちが良く判ってしまった。
ローザの上でキヨカお手製の握り飯を頬張りながら、
この処の二、三日の退廃的生活を切り替えようとする。
・・・ラフィー様、第一旅団の駐屯地が見えましたよ・・・
第一混成旅団の駐屯地はラクレット王国軍とは街道を挟
んで反対側の森林にぽっかりと作られた広場が点在してい
た。たぶん、中隊単位の設営だ。
やはり近代軍隊のように自己完結性を重視して編成して
正解だった。施設中隊が随伴しているため、こういった陣
地の造成がスムーズだ。見た感じからラクレット軍の駐屯
地も我が施設中隊が設営したのだろう。
駐屯地から少し離れた空き地に紅白旗を持った兵士がお
り、着陸誘導を行っている。降りた飛竜から順に森林奥に
誘導されていた。
俺はいつも通りローザに騎乗して来たので着陸後、人化
して貰い護衛について貰う。大名行列を引き連れて第一混
成旅団に顔を出すとジルが走り寄って来た。
「増援ありがとうございます。我が君」
「ジルか。遅くなってすまんな。」
「いえ、お蔭で施設中隊が良い仕事をしてくれましたし、
我が君の仰る自己完結性の重要性がよく判りました。
旅団、連隊、大隊と規模を下げて行っても任務遂行の
確実性を担保する優れた編成だと感じました。」
「うん。そこに気付いて貰えたのは嬉しいな。待たせてし
まったのは変わらないけど。」
「いえ。。。実は時間がありましたので、シンバルの近郊ま
で進出して施設中隊に複数の陣地を設営して貰ったので
時間的にはさほど無駄になっていないですよ?」
「ふっ。。。ジルはそつが無いな。素晴らしい。」
お世辞じゃ無く無駄なく動いてくれる臣下には感謝だな。
「さて、ラクレット王国軍に挨拶に行こうか?」
「それには及びませんよ。殿下。
こちらから押しかけてきましたから。」
「なっ!?ラクレット国王?」
「いえいえ、若輩者ですし我が国は殿下の臣下です。気を
使わないでください。ジューン以下サラム、セラム、ミ
ラムがお世話になっております。
先日は行方不明だった叔母まで。ここの陣地も設営し
て頂きまして頭が上がりません。ありがとうございます。」
「いや、しかし貴種たる国王が自ら参戦成されるとは。。。」
「それは殿下も一緒ですよ。ましてや、我らはそちらの王
国の貴族達と同様に領地を広げる千載一遇のチャンス
です。無理も無茶もしますよ。」
「ですが、帝国の北方軍は2個近衛師団ですよ?近衛と言
うからには弱い事は無いと思いますよ?」
「それこそ望むところです。ハイエルフはエルフ族に比べ
て数十倍の魔力を持っていますので、帝国近衛の魔導師
集団に存分に抵抗して見せましょう。
我らの準備は万端です。早く戦火を交えましょう。
殿下が勝ち過ぎておりますので停戦になる前にひと働き
しなくては。。。」
「確かに停戦交渉の動きは出ています。今日、明日中には
使者がリスリドに到着すると思いますので、確かにそう
ですね。始めましょうか。」
「ジル?大丈夫かい?」
「待っておりました。既に砲兵大隊は徹甲弾を装填済み
ですよ。」
「わかった。では、国王。まずは砲撃で徹底的にシンバル
の東防壁を破壊します。その間に接近して待機をお願い
します。
防壁破壊後に炸裂砲弾を都市外に駐留している敵近衛
師団本隊に撃ち込みますので都市の制圧をお願いします。
我々だと火力が高すぎて亜人奴隷の被害が広がってしま
いますので。」
「心得ました。ご武運を!」
「ジル、砲撃開始だ。3混成大隊も陣地に入れろ。我々は
上空から援護する。」
「御意!」
砲兵大隊全体でたったの9門の40ポンド砲の威力は
絶大だった。敵近衛は一部が都市防壁上に陣取って大砲を
据えていたが、粗悪な青銅砲では十分な圧力が得られず、
我々の3.5kmを超える射程には全然足らずに唯々地面
を掘り返すだけだった。
まあ、大砲が配備されているだけでも帝国では精鋭部隊
なのだろう。魔導師の数も多いようで時空魔術のシールド
が多数展開したことからもそれは覗えた。
徹甲弾にはまったく持って無意味であったが。。。
やがて防壁が瓦礫の山と化したのを見届けると、ジルに
弾種の変更と砲兵及び混成大隊の全身を命じた。我らは飛
竜部隊の上から魔術の雨を降らせながら。
3時間ほどで戦いの趨勢は決定して、敵近衛の一部が
逃走を謀った。上空から参戦している我らが見逃すはずも
無く、飛竜部隊による追撃の結果。指揮官の捕縛に成功し
た。第一皇女殿下様だそうだ。
逃走するに至っても亜人奴隷に鎖を付けて椅子代わりと
している徹底した亜人排斥主義者だ。
もう、見るのも不快なのでさっさと首を刎ねて、ローザ
にコニューの門前に捨てに行って貰った。
その頃にはラクレット王国軍も都市を制圧していたので
その手際を確認した上で、国王にテクロ迄の自主防衛が可
能かを確認して、予定通りテクロまで制圧する事とした。
行軍する時間が無いため、ラクレット軍は後追いとして
臣下と第一混成旅団の第一大隊を空輸して制圧を行った。
怪我の功名なのか、テクロも帝国内で3本の指に入る穀倉
地帯であり、莫大な穀物が溜め込まれていた。
もちろん、余剰物資は接収して半分をラクレド、半分を
リスリドに移送する事にした。もちろんマジックバッグを
有効利用したのは言うまでも無い。
第一混成旅団にはラクレット王国の到着まで、テクロの
整備を命じた上で、停戦交渉の結果を待つように指示する。
停戦交渉によって新たな国境ラインが確定するので、確定
し次第、仮設防衛拠点を整備して貰わなければならない。
出来れば、ロジーナ商会を動員して万里の長城よろしく
長大な防壁を築きたいものだが。。。
余剰物資を引き上げて、数名の臣下を防衛に残して
翌日の昼にはリスリドに帰還する事が出来た。
「おかえりなさいませ。作戦目標の達成おめでとう
ございます。」
リスリドで出迎えてくれたのは軍務相とシフォンであっ
た。国軍本隊は既にスタールとニエットヘ陸路、向かった
そうだ。
「帝国の使者が参っています。お会いになりますか?」
「もちろんだ。小一時間くれ。」
「御意!」
流石に戦地から帰ったままの恰好では面会できないため、
メイド達に命じて風呂の用意をさせて汗を流す。
流石のうちの女性陣も空気を読んで大人しく自分達の身
なりを整えている。
旧リスリッド王宮の謁見の間に臣下を並べて、玉座に座
ると帝国の使者を呼ぶように告げた。
「お初にお目に掛かります。ラファエル殿下。
私は帝国の宰相を務めるジーン・マクスウェルと
申します。
サスケ殿、先日は大変失礼をしました。」
「またお会いしましたな。帝王殿とも逢えると思っていた
のだがね。。。」
サスケが軽口を叩く。
「サスケ、控えよ。して、宰相殿が自ら使者とはどうなさ
れましたかな?ご用向きをお聞きしましょう。」
「これは異なことを。。。
殿下の目的通り、我が帝国は当面立ち上がれない程の
被害を受けました。この辺りで停戦をお願いしたいと
思い、伺ったのですが。。。」
「ふむ、言うほど能無しでは無いようだな?
確かに今回の俺の目的は帝国の殲滅や併合ではない。
弱体化だ。だが、ここで停戦に応じる理由があるのか?」
「いえ、ですからすでに十分な打撃を。。。」
「それはそちらの理由だろう?俺が言っているのは、俺が
停戦すべき理由だよ。少なくとも第一皇女の首を投げつ
けたコリューやシルク、スエンのラインまで北方を攻め
取っても良く無いか?立派な穀倉地帯だしな。。。」
「はっ?第一皇女?エリス皇女の北方軍はどうなったの
ですか?」
「ああ、昨日の話だから、そちらの耳にはまだ入って
いないのか。既に2個近衛師団は殲滅した。
シンバルとテクロも制圧済みだよ。」
「そ。。。そうですか。では、猶更停戦を結んで頂きたい。
殿下が妥当だと思われる条件を提示いただきたい。」
「そうだな。
第一に亜人奴隷の全面的移譲は譲れんな。
これは絶対だ。食料の無い中で亜人奴隷がどんな扱いを
受けるのかは想像するまでも無いからな。
第二に国境ラインの確定だ。
北方はシンバル及びテクロの南200kmをラインとする。
西方は中央部のみスタール及びニエットの東100kmだ
な。詳細はこの地図のとおりだ。
第三に10年間の停戦協定だな。
守るか守らないか知らないが、一応期限を決めた方が
そちらも楽だろう。むしろサービス条件だな。
第四は努力義務だ。亜人差別を法で取り締まれ。
次に戦端を開いた時にも亜人排斥主義が残っていたら
俺が人族を排斥してやる。一人残らずな。。。
以上だ。交渉はしない。
この条件で停戦するか、しないかだけだ。」
「ぐぅっ。。。わ、判りました。飲みます。停戦をお願いし
ます。」
「よし、お互いに時間を無駄にせずに済んだな。
褒美をやるよ。もし、帝国の人材で人族至上主義に染ま
っていない人材が居て、そちらが望む場合は年金貨10枚
で、我が国の学校に留学を認めよう。
対象は12歳からの6年間又は9年間だ。差別なく我々
の技術を学べることを保証しよう。」
「は。。い。。。。?」
「ほ、本当ですか?」
「ああ、手土産にならんか?」
「十分になります。感謝いたしますが、本当に宜しいので
すか?技術が流出しますよ?」
「構わんよ。俺の使徒としての使命は、この世界の進化と
発展なんだよ。納得できんか?」
「いえ。。。ありがたく。。。」
「調印はサスケを名代とする。宰相を送りがてら調印
して来い。帝王にも会えるぞ?」
「御意!宰相。
ドラゴンの乗り心地を存分に味わってください。」
宰相は絶望した表情のまま頭だけを上下に振っていた。。。
(白金貨105849大金貨9金貨1大銀貨1銀貨7大銅貨2銅貨2)




