第63話 リスリッド王宮
いつもご愛読頂きありがとうございます。
週末は少しバタバタして更新できませんでしたが
ご容赦ください。
第63話を投稿いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。
大急ぎで仮設指揮所を出立した俺たちは、王国軍の2個
旅団が野営しているリスリド西方120km地点に向かってい
る。キョウコの読みが正しければ、リスリドには帝国軍の
主力3個師団が駐留している可能性がある。
リスリドに帝国中央軍の1軍が居る場合はスタールには
守兵程度しかいないだろう。二エットには中央軍の1軍で
傭兵を除いた2個師団?が居る可能性はある。
北方軍の2個親衛師団は十中八九シンバルに到達してい
るはずだ。
いずれにしろ、ウリエルの王都には傭兵師団しか到達し
て居ないようなので、ウリエルの占領はほぼ問題無いと見
て良いはずだ。スタールと二エット、シンバルは防備を固
める時間さえあれば問題ないはずだったのだが。。。。
思ったよりも帝国の進軍が早かったのかもしれない。。
杞憂であれば良いのだが。
「ラフィー様、見えました。国軍です。」
アマネが声を上げて教えてくれた。
現時点で連れている臣下は第一大隊5名、第ニ大隊14
名、技術大隊8名、魔導中隊8名の35名だが、連れて来た
空輸部隊は第二及び第三中隊の30頭のワイバーンロード
及び、第一中隊のドラゴン4頭の34頭である。
王国軍13600名は本来、40頭のワイバーンロードで輸送
できるが、数が足りないので4頭のドラゴン達に2.5倍の
パレットを引っ張ってもらう予定だ。
「サスケ、アヤネ。
イーサとヘキサに飯を食わせた後、リスリドを偵察。
我々もローザとオーサに飯を食わせつつ、王国軍の積込
を開始する。」
「「御意!」」
ドラゴン4頭はその場で人化して全裸幼女化して、握り
飯を頬張り始める。はしたない。。。。
気を利かせたアマネが毛布を持って来て羽織らせてくれた。
慌ただしく握り飯を飲み込み、文句も言わずに再び竜
して飛び立ってくれる2人には感謝だな。
ローザとオーサは羽織った毛布に包まって、既に寝息を
立てているけどね。
小一時間掛けて、両旅団長の伯爵たちと打合せをしてい
ると、サスケ達が帰って来たようだ
「ただいま戻りました。」
サスケが口を開くが、表情は固い。
「キョウコ司令の懸念のとおり、帝国の中央1軍はリスリ
ドが事前終結地だったようです。」
「そうか。。。そうすると3個師団で24000位の正規軍と
戦奴が30000位で5万人強の戦力になるか?」
こちらは13000人+α程度だ。4倍は流石にきつい。
「いえ。既にリスリッド軍は撃破しておりますので、残り
2個師団で16000人と30000人の戦闘奴隷で46000人と
言った所です。」
ふむ、碌に武器も持たない戦奴部隊が半分以上を占める
のか。気が重いな。
「イアン旅団長、リチャード旅団長。このままリスリドを
強襲します。危険ですがドラゴンの半分は直接王城、半
分は敵軍司令部に降下します。こちらは近衛で固めて下
さい。
それ以外の部隊は城壁の外の駐屯地周辺に展開させて
ください。大砲100門の部隊を北東方面と南東方面に配
置して、90度に交差するように射線を確保、その前衛に
魔導師、最前列に国軍と諸侯軍の前装式小銃部隊を配置
するように。」
「承知した。厳しい戦いは元より覚悟の上だ。」
「そうですね。まだ殿下の部隊に援護して貰えるだけ
マシですよ。」
二人はそう言うと兵員の積み込みの変更のため、それぞ
れの部隊に戻って行った。
「主様よ。今回は味方はともかく、敵が大量に死ぬかも知
れんが、良いのかえ?まあ味方も結構死ぬやもしれんが。」
「紅桜か。仕方が無いだろう。
元々の戦力差が大き過ぎる。手加減したらあっという間
に、こちらの方が数に蹂躙される。ならば先に殺し尽く
すしか無いだろうよ。それが近代戦争だ。」
「わちきには強がっとるようにしか見えんけど、今は覚悟
が出来とるならそれで良い。そのうち話そうぞ。」
紅桜が真剣な眼差しでそう言って来た。
「わかった。戦争が落ち着いた段階で話をしよう。今は
どんな結果になっても受け止める心構えで挑むよ。」
「ラフィー様、私の方で多少動いても構いませんか?戦闘
奴隷が正規兵の倍と言う事は戦況によっては、反乱を誘
発したり降伏に従う可能性は高いと思います。戦後の労
働力としても貴重な存在でしょう。」
サスケが提案して来た。
「サスケに任せる。それが出来れば一番良いんだが、帝国
とて何の対策もしてない訳では無いだろう?見えない鎖
で縛られているのでは無いか?」
「その辺りも慎重に見極める事にします。」
サスケはララフェルの前を辞すると、シノブの元に向か
った。今回の臣下部隊での最先任は技術大隊の大隊長であ
るシノブだからだ。
シノブの所に到着すると既に傍仕えのアマネとキミカを
除いた臣下全員が集合していた。
「サスケ、ラフィー様はどうだ?」
「はっ。少し睡眠不足も祟っているのか、お疲れの様子。
それと、王城強襲時の味方の損失と包囲殲滅時の敵の戦
闘奴隷の殲滅について心を痛めている様子です。
一応、戦闘奴隷の件は反乱や降伏に関する暗躍につい
てフリーハンドは与えて頂けました。」
「そうか。王城への降下作戦は正直仕方がないですね。私
軍のように事前に訓練していれば、高空から個々に降下
出来て纏まった大きな被害は免れるのですが、国軍の精
鋭たる近衛であっても流石にぶっつけ本番では王城内に
降下もままならないでしょう。
第一中隊のドラゴン4頭に2名づつ臣下を割り当てま
しょう。本隊のワイバーンロードの騎乗者が足りなくな
るけれども、シフォン、マイア、シンヤに頼めばギリギ
リ何とかなりますね。
ローザには傍仕えの2名とラフィー様、ヘムザには私
とセイヤ、イーサにスサノオとエリス、オーサにフィラ
ンとハルメットで行きましょう。
各自は降下部隊を魔術で防御する者と先行降下して魔
術師と弓兵を優先して処理する者に別れるように打合せ
しておいてください。。」
「紅桜?私は良く知らないのだけど、この世界の戦闘奴隷
はどうやって従えているの?」
「ん?ネイトは知らんのかえ?基本的には一般的な奴隷と
変わらんよ?隷属の首輪じゃよ。」
ネイトが怪訝な顔で聞き返す。
「一般的な奴隷って、借金奴隷や犯罪奴隷?マキシアム王
国の奴隷はそんなの付けて無いよ?重い鉄球を足に付け
ているだけだったよ?」
「ああ、マキシアム王国は基本的に他国を侵略していない
から戦闘奴隷も居ないし、基本的に亜人差別も無いから、
纏まって反乱を起こす可能性のある奴隷が殆ど居ないか
らだろう。帝国のような侵略性国家は反乱や逃亡防止の
ために魔術を付与された隷属の首輪を嵌められている。」
「へえ。優秀な魔術師が居るのね。じゃあ、解除は難しい
のかな?」
「いや?隷属の腕輪は今ではアーティファクトだよ。
1000年ほど前の使徒が大量に作成して普及させたもの
だ。奴は重度のコミュ障だった。人を信じられなかった
し、ましては亜人など特にな。今も世界中に相当の数が
普通に売っておるぞ?
あちきは解除できるが、集団を解除した事は無いのう。
基本はこっちで言うパレットと似た構造に浮遊魔術の代
わりに毒魔術が仕込まれておる。
発動方法は主の発声によって毒魔術が発生するシンプ
ルな物じゃ、一定時間で死に至る遅効性の毒なので、一
般的に戦闘前に毒を発生させて、戦闘後に治癒させる使
い方が多いな。
ちなみに、解体や破壊しようとしても毒魔術が発動す
る。逃亡後に一定時間経っても毒魔術が発生しよるのう。
逃亡に関しては登録した主の音声が認識できなくなって
一定時間経つと発動しているようじゃな。」
「それはまた。。。雑な魔道具ですね。」
ネイトが呆れる。
「まあ、その使徒は凡人だったからな。それ以上高度な制
御や複数の魔術を付与する事など出来んかったじゃろう。
ま、それよりも神などこの程度だという事は忘れない
ようにな。ラフィー個人は尊敬に値するし、この世界を
変えて行ける稀有な存在である事は間違いない。
だが、アルテイシアはまだ判らん。そもそもあちきや
件の使徒を召還したのと同一の神なのかも定かではない
しな。」
「まあ、私はラフィーについて行くだけだけど、他の臣下
は今回の戦争が一段落したら少し考えた方が良いかもね。
イースト系は特にだけど。今は止めましょう。」
「でも、今の話を聞くと我らなら隷属の首輪を無効化でき
るのでは無いか?3万人はきついが、解毒を掛けつつ首
輪を破壊して行けば良いのだろう?」
サスケが希望を見つけたように言う。
「それは、全員が素直に止まって整列でもしてくれればの
話じゃな。戦闘中に3万人の首輪だけを狙って倒せる
か?数人や数十人ならともかく3万人じゃぞ?」
「無理だな。人数的に銃器を使わざるを得ない。治癒魔法
に対する魔術シールドも掛けて来るだろうしな。」
「ああ、私良い物を持っていますよ?」
そう言うとシノブは自分のマジックボックスから自動小
銃と銃弾を込められた弾倉を取り出した。
「この自動小銃は、臣下用に万が一に備えて極少数製造さ
れたものです。この弾倉一つで30発を最初の一回のコ
ッキングのみで連射できます。
そして、この弾倉に入っている銃弾はラフィー様曰く、
非殺傷弾で弾がゴムで出来ています。正直顔に当たった
場合必ず安全とは言えませんが、通常弾に比べると格段
に死亡率を減らせます。衝撃事態は骨が折れたり失神す
る程度の威力は有ります。
万全とは言えませんがこれを使用しませんか?
ゴム弾で装弾不良率が高いので一人3丁と実弾入りの
1丁で4丁持って行って貰いますが。」
「ほう、それなら行けるやもしれんな?
そもそも殲滅が前提だったのじゃ、例え1割が死んだと
しても残りの9割が生きて解放できるならば、やる価値
はあるじゃろう。」
「そうですね。今できる最善で対応するしか無いでしょう。
ラフィー様は確かに使徒で精神年齢も高いですが、戦争
を経験した事の無い平和な世界からやって来たそうです。
我らが手を汚してでもラフィー様をお守りしましょう。」
最後にシノブが纏めて散会となった。
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帝国中央軍第一軍 司令部
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夜半も過ぎようと言う時間であったが、帝国の中央第一
軍司令部には灯りが焚かれて、多くの人間が出入りして歴
戦の将軍や指揮官たちが会議を行っていた。
「王太子殿下は既に御就寝成されているので、第一師団の
師団長である私が会議を司る。まずは偵察部隊の報告を
してくれ。」
師団長のバグール伯爵が議事を進行する。
「はっ。先日のルピトからの避難民と遭遇したとの早馬の
第二報が入っております。避難民曰く、リスリッド軍は
戦闘に負けた上に撤退もままならずに、残らず捕縛、又
は殺害されたとの事。
規模的にはリスリッド軍の倍以上に見えたとの事です
ので、実際には1万前後かと思われます。現在、偵察部
隊をルピドへ向かわせておりますが、順調に行っても帰
還は3日後になるかと思います。現在、合わせてリミッ
ト、メイス、プルートへも偵察兵を出しておりますが、
こちらも2~3日程度かかるかと思われます。」
まだ比較的若い偵察部隊の将校が返答する。
「ふむ、ご苦労。周辺の3都市への派遣は良い手だ。マキ
シアムが逆侵攻するなどと言うありえない事が起きてい
るのだから、周辺の友軍、敵軍の把握は重要だ。
皇太子に何か言われたら私指示と言う事にしておけ。」
「はっ。ありがとうございます。」
「現状では何かがおかしい程度の事しか言えませんな。」
第二師団長のレナウン伯爵が口に出す。
「貴公はどう判断する?」
「そうですな。マキシアム王国の逆侵攻など、あの国王ら
しくない。大規模な盗賊団とでも見間違えたと思いたい
が幾ら愚民共でもそこまで馬鹿では無いだろう。
とりあえず、今晩はリスリッドの王女達に奉仕させて
いる皇太子の居る王宮を重点的に警護しよう。貴公の第
一師団はこの司令部の防衛、我らが第二師団は王宮を担
当する形でどうだ?いずれにしろ大掛かりな指示は皇太
子の判断が必要だしな。」
「まあ、そこが落とし処だな。戦闘奴隷は纏めて第一師団
から魔術師を出して首輪を起動しておく。1日は持つは
ずだから構うまい。」
「そうだな。どうせ肉壁にしか使えん。ほとんど亜人だし
な、そのまま死んでも構わんだろう。」
第二師団の再配置に凡そ1時間を要した。
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リスリド西方10km 上空100m
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すでに、リスリド到着まで5分を切っている。ローザに
は俺の他にアマネとキミカが同乗してサンドイッチ状態だ。
気を使ってくれているのは判っているのだが、アマネ。。。
何で前に座っているのにこっち向いて抱き着いてるの?
キミカの後ろからの密着度も高すぎませんかね。。。
ローザの下には近衛が700人近くぶら下がっているんで
すけど?
「さて、二人共もう着くよ?怪我しないように注意してね。」
「「はい!ラフィー様」」
リスリドの防壁を超えた時点でローザ達4頭は時速50km
程度にまで減速した。王宮の防壁が有るので高さはそのま
まだ。アマネは一人用空挺パレットを取り出すとそのまま
音も無く降下を開始した。
キミカは詠唱を行って、直径100m程もある防御結界
魔術であるシールドを張る。
・・・ローザ、パレットを切り離してくれ・・・
・・・わかった・・・
パレットが切り離されると同時に俺も空挺パレットで
降下を開始する。ローザの切り離した輸送パレットは5基
だが、空挺パレットとは違って単に浮力を発生している魔
力を絞って行くだけなので、30mの降下時間が長く感じる。
しかも、乗っている人員は備え付けの向かい合わせベン
チに座ってベルトを締めている。
一枚のパレットサイズが幅12mx長さ20mなので、王
城の広い敷地で無ければ降りれないだろう。今回は先行し
たアマネが邪魔な樹木や施設を先に吹き飛ばしてくれてい
る。
我々は王城の正面南側の庭園に降り立ったのだが、敵の
1個師団が分散配置されて警戒していたようだ。1個連隊
規模の敵兵が待ち構えて居た。
アマネは使用許可を求められて許可した自動小銃を連射
して、魔術兵、弓兵を銃撃しているようだ。現状敵には銃
器は無いので接近さえ気を付ければ無双状態ではある。
これならば心配するほども無かったかと思ったその時、
ローザから降下していた空輸パレットの一つに弩が直撃し
た。
「くそっ。。。」
・・・王城強襲班に告げる。敵に少数の弩を発見。シール
ドでは防げないので注意しろ!・・・
幸い爆発物では無いので四散したわけでは無いが、明ら
かに浮力バランスが崩れて不時着した。不時着したパレッ
トは最後パレットだったので、キミカが救護のためパレッ
トに走って行った。
その姿を確認した俺は自分用の自動小銃を取り出すと、
弩が放たれた王城のベランダを目指して跳躍する。
「いけません!」
アマネの怒鳴り声が聞えた。咄嗟に防御結界魔術を唱え
る。
「シールド!」
王城のベランダ近くの空中に跳躍していた俺にクロスボ
ウのボルトが多数連続で放たれた。
「ちっ!連弩か。。。」
「・・・グローフレア!」
アマネが増殖式の火炎魔術を放ってくれた。
ボルトの大半を瞬時に溶解させた後、弩のあるベランダを
焼き尽くした。
「ラフィー様、お怪我は?」
「ああ、ドジった。。。助かったよアマネ。3本ほど腕と足
に食らったけど、もう自分で治療したよ。」
「も、申し訳ありません。ラフィー様に傷を。。。」
「気にするな。俺が迂闊だったし、キミカがあっちに行か
ざるを得ないかったからな。俺は向こうの負傷者を身に
行ってくる。近衛の先陣を頼む。」
「御意!」
俺は自分の思考を落ち着かせるためもあって、一旦前線
から下がって、不時着したパレットへ向かった。
「キミカ。どんな状況だ?」
「はっ!ってラフィー様?お怪我を?」
「大事無いよ。もうすでに治療もしたしね。」
「そうですか。ご自愛下さい。
不時着した輸送パレットですが、死亡者は弩の直撃を受
けた1名と慌ててベルトを外して落下した3名だけです。
ベルトをしたまま不時着した時に大半の者が負傷しま
したが、治癒魔術で治療すればすぐに戦線に投入できま
す。」
「そうか、では俺も手伝うよ。」
200人弱の中隊規模の部隊だったが、約100人ほどが大
小の怪我を負っており、まずは時間短縮のためエリアヒ
ールを唱えて軽傷の者から復帰させる。
さすがは近衛だけあって即座に外周に散らばり、ライフ
ルにて警戒してこの場を保持してくれた。残り20人ほど
をキミカと手分けして治療して行く。
生存者全員の治療を終えると死亡者たちに手を合わせて
数秒黙とうした後、指揮官に死体の運搬を申し出る。
「ありがとうございます。家族が喜ぶでしょう。」
この世界では死体はその場に放置されるらしい。良くて
味方に埋葬して貰える程度だそうだ。
その後状況を整理して、彼らは部隊を纏めて王城へ進撃
して行った。
俺はキミカと共に残された空輸パレットをマジックバッ
グに収納してから後を追った。
進撃は順調のようで、あちこちに血だらけの死体が放置
されていた。幸い味方の死体は全く見ないが、近代兵器の
恐ろしさを感じる。
王城内に入ると、パーティー用なのか大規模なホールが
あり、その中央に1000名を超える敵兵が捕虜となってい
た。警備には1個大隊規模の兵が投入されており、ホール
外周の2階観覧席から複数の銃口が向けられていた。
・・・ラフィー様、謁見の間でリスリッド貴族とリスリッ
ド王を確保しました。・・・
アマネが念話を送ってくる。
・・・アマネ。今そちらにキミカと共に向かう・・・
・・・第一師団駐屯地、ローザ様及び第一中隊の威圧に
よる援護を頂き降伏させました。当方及び敵方の
死傷者は極少数です。・・・
向かう間にもシノブからも報告が入る。
・・・シノブ、半数を防護壁上に上げて戦奴部隊の制圧を
援護しろ。・・・
・・・承知致しました。スサノオ達を行かせます。・・・
謁見の間に着くと玉座より轢き摺りおろされたリスリッ
ド王と王妃、何名かの王子が数十人の貴族たちと共に震え
上がっていた。ちなみに全員全裸である。自殺及び反乱防
止のためだ。
「アマネ?怪我は?それとこちらの損害は?」
「私は大丈夫ですが、近衛は15名ほど戦死しました。敵に
も勇猛果敢な騎士が降りまして、銃弾を浴びつつも大剣
を振るわれましたので。」
「そうか。」
「リスリッドには王女居なかったかな?王子しか見当たら
ないが?」
「どうやら帝国の皇太子の接待に駆り出されて居たようで
す。今、サスケが向かっております。」
「そうか、とりあえず。エリアヒール!」
敵味方関係なく、軽傷の者は忽ち治癒する。残った重傷
者は味方より順番に3人で手分けして治療する。味方の欠
損者は俺が治療した。まさか臣下全員部欠損を治癒できる
なんて見せられないからな。
「ラフィー様、戦奴部隊ですが殲滅では無く開放に成功し
ました。詳細は後ほどご説明しますが、敵味方共に軽微
な負傷者のみで死亡者は居りません。
ああ、一部帝国軍の督戦部隊の指揮官は殺害しました。」
レイコが報告を上げて来る。
解放?殲滅では無く?そう言えばサスケに許可したな。
ふう。。。出来た臣下たちだ。。ありがたい。
そう思って感謝していると、その当事者のサスケが一人
の男を引き摺ってやって来た。その後ろには全裸の王女達、
侍女たちが続いて、近衛が引き立てている。
「ラフィー様。こいつがフィステント帝国の皇太子です。
ここの中央軍第一軍の総司令だそうです。」
「ふむ。この子は剣でも銃でも無くこの股間の棒で戦闘し
ていたのかな?」
「いえ、抵抗したのは警備の騎士のみで、この子は失禁し
て泣きべそ欠いていただけです。」
10代20代に「この子」扱いされる哀れな皇太子は震えな
がら口を開いた。
「わ、私は次代の皇帝ぞ!このような目に合わせてタダで
済むと思っているのか!い、今なら父上には内緒にして
やる。。か、開放するが良い。」
あ~おぼっちゃんはこれだから。。。
「ふむ、皇太子殿下とは気付きませんでしたな。
そうですな、皇帝に内緒にしてくれると言うなら開放し
ますかね。。。」
「ほ、本当か?」
「ええ、何なら2~3人の捕虜を解放して警護に付けまし
ょう。」
「ふむ、我の帝国の強大さに平伏すか。苦しゅうないぞ!」
俺はにこやかな笑顔のまま、匕首を振るって粗末なの物
を切り落とした。
「ぎゃぁああ!な、何を。。。」
「何を切っただけですよ?癖が悪そうですからね。
おっと、めんどうだから気絶しないでくださいね。
ヒール!」
そのまま治癒してやった。
「ハルメット、悪いがその辺に捨てて来てくれ。ああ、
捕虜から2~3人見繕って付けてやれ。武器も鎧も要ら
ん。腰布だけで良いだろう。戦奴は腰布だけみたいだか
らな。」
「御意!」
「さて、リスリッド王よ。ずいぶんと長い間我が国を攻め
続けてくれたな。すでにほとんどの都市は我が国が制圧
したが、どうすれば良いと思う?」
「ぞ、属国として忠誠を誓う。」
「いや、属国なんて要らんよ。少ない収入を限界まで搾り
取ったとて知れているだろう?軍事的にも帝国に抵抗で
きる戦力も無いしな。。」
「む、娘を全員やる。そ、そこの3人の他にもまだ幼い姫
が3人居る。な、何ならこの王妃も美しい上にかなりの
好色で良い女だ。ど、どうだ。。?」
「女たちが国より価値が有ると言うのか?女は間に合って
いるんだがね。そもそも俺、人族至上主義の女に魅力は
感じないのよ。」
「王妃はエルフじゃよ。
儂が浚って耳を切って判らなくしてあるがのう。
末の3姫はその子だからハーフエルフじゃよ。
上の3姫は売ればよかろう?どうじゃ?」
「ふう。。飽きた。。。お前ってバカか?
既にすべて俺の手に落ちているのに何で取引材料になる
んだよ?なんか勘違いしてないか?
俺はマキシアム王の手駒では無いぞ?俺が俺の意思で
この国を攻めたんだよ。使い走りに小遣い与えるような
話をしているなよ?」
「アマネ。王妃をこちらに。」
「御意!」
王妃が全裸のまま抵抗も隠しもせずに、こちらに歩いて来る。
気品があるな?ハイエルフじゃないのか?
ああ、ひどい事をしやがる。耳だけじゃなく舌まで抜か
れている。そりゃ何も言わない訳だよ。
「この者をあるべき姿に。エクスヒール!」
王妃は初めて狼狽した表情でこちらを見る。確かに妖艶
で溜まらない美人ではあるな。アマネがローブを出して肩
に掛けてやる。王妃はそのまま跪くと声を発した。
「し、しとさま。こころよりのかんしゃを。。。
わたしは、らくれっとこくのはいえるふのいちいんでし
た。」
「まだ、舌が上手く動かないだろう。しばらく訓練すると
良い。娘達と一緒にケルムに一旦送ります。養生してく
ださい。」
「あ、ありがろうごらいます!」
丁度、サスケが娘達を連れてやって来た。幸い危害は
加えられていないようだ。
「「「お母様!」」」
「みんら!」
「「「お母様!お声が!」」」
「アマネ、キョウコに言って司令部でしばらく養生させて
くれ。どうせ領主館並みに整備したんだろう?」
「はい。わかりました。」
「4人共、こちらへ」
アマネが親娘を連れ出して行った。
「さて、皆さん。ごきげんよう。スラッシュプリズン!」
王族、貴族を囲うように無数の風の刃が格子を形成して
通り抜ける。後に残ったのは肉塊だけだった。
「ラフィー様、命じて下されば私が手を下しましたよ?」
キミカが代表して言った。
「いや、何時までも前世の感傷や価値観を引き摺っても
仕方が無い。良い機会だったんだ。心配掛けたね。
ありがとう。」
「今晩同衾で許して差し上げます。さっきちょっと欲情し
てましたよね?」
ぎくっ。。。なんで、うちの女性陣こんなに鋭いのさ。
もう既に日が顔をし出ており、謁見の間を出ると朝日が
眩しい。流石に10歳そこそこに徹夜はきつい。王宮の
迎賓館にて少し仮眠を取る為に移動を開始した。
捕虜一同は第二師団と一緒に防壁内部の駐屯地に押し込
むように伝えて、迎賓館の一室にたどり着くと気を失うよ
うに寝てしまった。。。。
(白金貨105849大金貨9金貨1大銀貨1銀貨7大銅貨2銅貨2)




