第3話 カナエ
キョウコの告白を聞き、忠誠を確認した俺は
気になっていた事を聞いてみる。
「きょーこ すてぇーたす」
「えっ?坊ちゃま。私のステータスが気になるんですか?」
「しょ、少々お待ちくださいませ」
そう言うとキョウコは、頬を染めてチラチラこちらを見ながら
ボタンを外していったかと思うと、服を肩から落とそうと。。。
「ちゃーう ねん」
「はっ!冗談ですよ。冗談!ふふふっ」
この女。。3歳児に何してやがる。。
「マイステータス オープン」
キョウコが呟くと半透明のステータスプレートが表示される。
どうやら「マイステータス」に変更すると他人に見せる事ができるようだ。
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キョウコ カトウ
種族 人族 性別 女
年齢 13歳 Lv 18
年棒 金貨 18枚
T 168 B 75 W 52 H 76
HP 1235 / 1235
MP 1872 / 1872
筋力 99
耐久 95
敏捷 101
知力 147
魔力 104
【スキル】
刀術 Lv 3 / 5
暗器術 Lv 2 / 5
体術 Lv 3 / 5
指揮 Lv 1 / 5
読書 Lv 3 / 5
算術 Lv 3 / 5
礼節 Lv 3 / 5
料理 Lv 3 / 5
性技 Lv 1 / 5
【加 護】
火精霊の加護
水精霊の加護
風精霊の加護
土精霊の加護
時空神の加護
【魔 術】
火魔法 B
水魔法 D
風魔法 A
氷魔法 D
土魔法 B
時空魔法 C
生活魔法
【称 号】
使徒の末裔
ラファエルの配下
戦闘メイド
エロメイド
イースト国 継承順位5位
辺境伯家 使用人序列3位
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「うぉぃ。」
いや。。チートやん!この娘。。。13歳でLv18て。。
でもやっぱり身体的能力は、肉体年齢に引きずられる
みたいだな。。。あまり高くない。
比較対象が少ないから、鑑定を鍛えながらデータ取りだな~
しかし、スリーサイズは見ない事にしても、なんで年棒まで
表示されるんだ?「金貨18枚」って多いのかな?
「年棒は商業ギルドを通して、正規の雇用契約を結ぶと
表示されますよ。ちなみに、国軍の兵士や官史の年棒が
金貨3枚と大銀貨6枚位なので、私のお給金は多いです。」
おお、官史5人分ってパパ頑張ったな~
でも、称号「戦闘メイド」「エロメイド」
俺。。貞操の危機やん!
ん?イースト国 継承順位5位??
目を丸くしていると
「継承順位でございますね。イースト国は東方最果ての島国で
我らの故国になります。継承順位は本家当主が国主なので
分家の娘になる私にも順位が付いてるだけです。
お気になさらず。」
へー、いいとこのお嬢さんだったのか。
戦闘でエロなメイドさんなのにね。
「では、坊ちゃま行きましょう」
「んー どこ?」
「カナエを連れて御屋形様のところに行きます。
坊ちゃまが使徒様である以上、カトウ家は坊ちゃまに
全力でお仕えいたします。手始めに、カナエの光魔法で
お屋形様の怪我を治療いたします。」
「かなえ かとー なの?」
「はい。ロンドベル辺境伯家の東方系は、ほぼすべて
カトウの縁者でございます。」
なるほど、追々詳しく教えてもらおう。
そもそもカナエが光魔法を使えるなんて誰も知らないよな?
カナエも50歳近い年齢だけど戦闘メイドだったのか。。
考えながら、父上の部屋に向かっていると背後から
「坊ちゃま、隠し事をしており申し訳ございませんでした。
私もキョウコ様同様に忠誠を捧げます。
御父君やお母様方、ご家族の事はお任せくださいませ。」
「カナエがご家族を守り、私がラファエル様の敵を
薙ぎ払います。」
にこりっ
キョウコさん。。。氷の微笑怖いっす。
そう言ってる間に。コンコン
「お屋形様、カナエでございます。ラファエル様とキョウコも
ご同行致しておりますが、入室のご許可をお願します。」
「ゴホゴホッ ラフィーもか?。。。。良い。入れ」
「失礼いたします」
子供らしく、父上にまた飛びついてやろうかね。
「ちちうえ~ !?」
ベッドの布団には血痕がつき、青白い顔で咳をする
父上がそこに居た。
左肩から上半身に巻かれたの包帯からは血が滲み出し
口元に当てた右手には血が滴っていた。
「ふっ。。ラフィーに知られてしまったか。。
怖がらないとはな。。強いなラフィーは」
余裕ぶってるけど、致命傷じゃないか?
この状態でなんで半年も持ってるんだ?少し死臭がする。
昨日のアルコールは死臭と顔色を誤魔化すためだったのか。。
「御屋形様は半年前に都市クエドのスタンピードを抑えに
向かわれて、ゴブリンキングとの戦闘で深手を負われた
のでございます。
通常であれば教会にて、直ちに治療を行うのですが。
領内に司祭が不在であり、高位治癒魔法が掛けられず。。。
一応、定期的に助祭がいらっしゃって下さり、ヒールを
掛けて下さっているのですが。。。」
傍らに居たセバスチャンが神妙な表情で説明をしてくれた。
この感じだとこの世界の常識的には、教会関係者だけが
光魔法を使えるのか。でも辺境伯だぞ?
他から呼び寄せれば良いのに。。。
「お屋形様は辺境伯である以上、辺境の魔物にやられた等と
喧伝して、他の領地から司祭を呼ぶなんて事はできない。
と仰りまして。。。」
はいはい、脳筋貴族ね~
プライドより大事なものもあると思いますがね~
死にそうになってたら辺境伯も何もないだろうに。。。
カナエ、頼んだ!ちらっ
気配を感じさせずに父上に近づいたカナエが
「お屋形様、失礼いたします」
「われらが主神アルテイシア様、使徒カトウの末裔に連なる
カナエの祈りと使徒様の願いに答え、女神の御業を以って
この者の器をあるべき姿へと癒したまえ ハイヒール」
父上を中心に柔らかな緑の光が現れて、鳥籠のように
包み込んだ。光が傷口に収束してゆくと十字に弾け散った。
沈黙の部屋の中、父上をうかがい見てみると、朱色の射した
健康そうな顔色で呆気に取られている父上が居た。
セバスチャンも、何故かカナエも開いた口が塞がっていない。
なんで、魔術を掛けた本人まで驚いているんだ?
「坊ちゃま、カナエのハイヒールはあそこまで強力では
ありません。今回も3回から5回ほど繰り返して治癒させ
るつもりだったのです。」
あ!アルテイシア様か。
ありがとうございます。
安心したら眠くなってきちゃった。。。
「カナエ、キョウコ。。説明を。。。」
「ああ、その前にラフィーを部屋に」
「いや、違うな。カナエ、助かった。礼を言う」
俺は父上の言葉を聞きながら、まどろみの中に意識が
溶けていった。
当方、初めて物書きに挑戦いたします。
誤字脱字、読みにくい等のご指導をお願いいたします。
豆腐メンタルなので過激な指摘はご容赦くださいますようにお願いいたします。