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銀河戦争?こちとら中世剣と魔法の世界ですが何か?  作者: 窓際の憂鬱
第二章 幼少期
46/71

第44話 ラクレッド王国

いつもご愛読ありがとうございます。

第44話を投稿いたします。

ブックマークありがとうございました。

今後も生暖かい目でお見守りください。



 昨夜の祝宴のせいで、宛がわれたこの客室も酒臭い。。。

原因は両隣のキョウコとツクヨミだ。


 実は国主に言われた「殺戮姫」と「漆黒姫」は噂には聞

いていたものの、面と向かって言われる事はほどんど無い

らしく、昨夜は傷心を癒すため、二人でウィスキーを5本

ほど空けていた。

 果実水で割ると飲みやすいと教えた俺が馬鹿だった。。。



 一人いつも通りに佇んでいるマニエットに身支度を手伝

ってもらい。朝食に向かう。あの二人は二日酔いで食べら

れないだろう。。。



 食堂に着くとウェンに手招きされて一緒にテーブルに着

いた。戦時中という事も有るのだろう。食堂は雑多な身分

の人間が同じ物を同じ場所で食べていた。


「すまんね。こんな事態だから宮殿でのもてなしの様には

 行かないんだ。食料も貧層でお恥ずかしい限りだ。」


 朝食のメニューは黒パン二つと野菜くずと干し肉のスー

プ、それに紅茶だった。


「まあ、長期の籠城だから仕方ないさ。黒パンは腹持ちが

良いから大丈夫だよ。」


・・・ニムル、朝から済まない。

小麦か米を50000tほどラクレッドの首都に送って

くれないか?・・・


・・・おはようございます。我が主。小麦は支援

予定が多いので、米でも宜しいでしょうか?・・・


・・・構わないが、塩50tと海苔も50tもだな。

飛竜で誰かに届けさせてくれ・・・


・・・御意!すぐ出します。・・・



 ウェンとゆっくりお茶を飲んだ後、頼みこんで教会に

案内して貰う。案の定、教会は隣接する孤児院まで傷病兵

で溢れかえっていた。


「我は望む。あまねく負傷者に安らぎを。エリアヒール」


あまりにも傷病兵が多かったので久しぶりに短縮呪文を

唱えた。周囲に円形のラインが発生して淡い緑色に光る

粒子が立ち昇った。

30秒ほど経つと光の立ち昇りが収まり、来た時には騒然

としていた教会内が静寂に包まれた。


俺はそのまま、女神像の前まで行くと跪いて祈り(苦情)

を捧げる。


 

 しばらくして女神像が光り輝き、アルテイシアが

降臨した。


「ラファエル?少し苦情が多いですよ?」


「いや、あまりにも正教がお粗末だったもので。。。

 天罰とか落とせばいいのでは?」


「無理ですよ。どんなに調整しても聖国が跡形も無く蒸

 発しちゃいますから。敬虔な信者ってだけで巻き込め

 ないじゃないですか。」


「あ~そりゃしょうがないですかね。

 真意教会の方はこのマニエットに任せるので問題ない

 と思いますが、宜しくお願いしますよ?」


「わかっています。

 彼女には正式に真意聖女の称号を与えて、正教、真意

 教会を問わずにすべての教会に神託として周知します。

 マニエット頼みましたよ。」


「女神像はその姿で良いか?ほとんど露出狂だが?」


「これはあなたへのご褒美です。実際どんな姿でも気にし

 ませんよ?正教のままでも気にしないです。」


「わかった。好きにさせて貰う。」


「次はラファエル帝国ですかね?楽しみにしていますよ?」


 そう言ってアルテイシア様は気配を消した。



 神意に当てられて皆が半失神状態だが、いち早く復帰し

 たウェンがぼやいた。


「女神さまとタメ口で軽くセクハラって。。。」


「まあ、協力させられている身としては色々あるのだよ。」


 

 司教らしき人間が何やら近づいて来たが、マニエットに

任せて教会を出た。どうせ真意教会加盟の話だろう。

まだ正式には国と話し付いていないんだよね。




 その後、都市長屋敷に戻るとキョウコとツクヨミが庭で

訓練がてら汗を流して酒を抜いていた。俺は反省は止めさ

せて風呂に入らせると、客間で竜族4娘と共に国主からの

連絡を待っていた。


 マニエットもキョウコ、ツクヨミも戻り出立の準備が出

来た頃に、国主と息子のウェンが現れた。


「すまんが、首都ラクレドまで同乗をお願いしたい。馬車

では6~7日掛かってしまうのでな。」


「良いですよ?何人ですか?」


「私とウェン、他に5名程の重鎮たちだ。ここで起こった

 事の証人が何人か必要なのでな。」


「わかりました。すぐに出発しましょう。」


 俺は皆を引き連れて都市長屋敷の庭に出ると、マニエッ

 トに命じて4娘を竜化させてもらう。

 もちろん、嫁入り前なので隠しましたよ?



 俺は移動用バスケットを一つ出してオーサに頼む。

キョウコ達が協力して吊り下げの準備を終えると、国主

達にバスケットに乗るように促す。


 残念でした。キョウコ達に抱き着けると思っただろ?

させんよ?


 俺はキョウコと共にローザに乗り、首都ラクレドに向

かって出発した。




 ほんの1時間半ほどでラクレドが見えて来る。

やはり城壁に囲まれた街だが、城壁の中は緑が青々と茂っ

て自然と一体化しており、さすがはエルフが国主の国だと

感じた。


 意外と首都を強襲でもされてたら面倒だと思っていたが、

帝国側の東の都市には近衛部隊、主要街道の南の国境線に

は国軍の主力が対陣しているだけあって、それは無かった

ようだ。

 

 国主と一緒なので宮殿の中庭に直接向かい着陸する。

城壁ギリギリの高さで、城壁上空を時速100kmで通過した

のはただのお茶目です。キリッ



 国主達は顔面蒼白でバスケットから這い出て来た。

うん。。オーサ高さ間違えてたもんね。

バスケットぶら下げているのを忘れて、みんなと同じ

高さで突っ込もうとして直前で上昇してたもんな。。。。


良くやった!。。。



 ラクレドの町の建物はログハウスのような木造建築が

主流のようで、宮殿も例外では無かった。火事対策とかは

どうなっているのだろう?

 

そんな事を考えながら、竜娘達が人化するのを待って、

宮殿内に案内して貰った。




「ショーン、ウェン。無事で何よりです。」


 エルフの女性が二人に声を掛ける。

 そこはかとなく、女王様臭がする。


「父上、お帰りなさいませ。ウェン、無事でよかったわ」


 先程のエルフそっくりの美少女が出迎えた。

 ウェンの姉さんかな?


「「「父様、おかえりなさ~い」」」


 最後に10歳位でどう見ても三つ子の姉妹が国主に

 声を掛けて飛び付いていた。



「ラファエル君、すまない。こちらが妻のジェーンだ」


「?ラファエル君?使徒の?お初ですね。

 ジェーンです。主人共々宜しくお願いします。」


その先はジェーンさんが代わって紹介してくれる。


「この子が長女のジューンで、こちらの三つ子が左から

 サラム、セラム、ミラムです。宜しくしてあげてね。」



 本当の君主はジェーンさんなんじゃ無いかな?

 なんかそんな雰囲気を醸し出している。



「ご丁寧にありがとうございます。こちらは従者のキョウ

 コ、ツクヨミ、マニエットと竜族のローザ、ヘムザ、イ

 ーサ、オーサです。よろしくお願いします。」


「なるほど、なるほど。ショーンとウェンが五体満足で

 帰って来られた訳ね。」




「とりあえず、客間に案内させます。夕食まで時間を下

 さい。ショーンとウェン達から事情を聴きますので。」


 とても綺麗な顔で微笑みながら言われたが、ショーンと

ウェンの査問委員会しか頭に浮かばない。

 そりゃ、現地で何も決められないわけだよ。



「ありがとうございます。我々はラクレドの町を散策でも

 させて貰っていますのでお気遣いなく。」



そう言うと、国主一家と別れて客間に案内されるとお茶

を飲んで一息吐いた。客間は木材のぬくもりを感じられる

柔らかく自然を生かした作りだった。欲を言えばもう少し

大きいガラス窓が欲しいが仕方が製法的に難しいのだろう。



「主様よ。腹が減ったから散策に行こう。」


 腹ペコローザを先頭に竜娘達がせがんで来た。


「そうだな。どんな食べ物があるのかも気になるから

 出掛けようか。」




 皆を連れて町に繰り出す。街中は戦争中の割には落ち着

いている感じだ。少し歩き回ったが、結構大型の樹木が

あちらこちらに育っていて、町になじんでいた。

 屋台は有ったが、食事処は見当たらなかったので宿屋の

酒場での食事が一般的のようだ。流行っていそうな店を見

繕って店内に入る。


 どうやらエルフの家族が経営している宿屋のようだ。

食事自慢と聞いたので楽しみである。

 

「いらっしゃいませ。お泊りですか?食事ですか?」


「食事でお願いします。」


「かしこまりました。あちらのテーブルをご利用ください。」



 テーブルに付いて周囲を見回すとやはり冒険者が多い。

どうなんだろう?エルフの町起こしに冒険者が集まって

来た感じだな。


「メニューはあちらに張り出してありますが、ご注文は

 何にしますか?」

 

先ほどの看板娘が聞いてくる。壁一面に昭和の食事処

のようにメニューを書いた木札が沢山貼ってある。

だが、メニューを見てもイメージが付かない。


「おすすめランチとかありますか?」


「ありますよ?3種類で銅貨5枚、大銅貨1枚、大銅貨5枚

 の三種類ですが。」


「では、人数分大銅貨5枚のおすすめランチをお願いしま

 す。果実水も人数分お願いします。」


「かしこまりました。上級ランチ8つと果実水8つですね。」


看板娘に銀貨5枚を渡して精算する。少し多いのはチップ

である。




 しばらく待つと、ザ、肉プレートと言った感じのステー

キの盛り合わせと、野菜くず入りのスープが運ばれてきた。


「申し訳ありませんね。穀物は軍が優先的に買い上げてい

 るのでパンが無くて肉ばかりで。。。肉はオーク、トード、

 シープの最上級品の盛り合わせなのでとても美味しいで

 すよ。」

 


 なるほど、穀物不足だが冒険者が魔獣などを狩って来る

から食糧不足にはなっていないのか、でも長く続くと栄養

バランスが悪いから健康に宜しく無いな。。。。

 幸い、葉物野菜が結構な分量付け合わせに付いていたの

で十分かな?竜娘3人は肉好きなので美味い美味いと言っ

て平らげている。


まあ、これはこれで美味しいけど塩分と香辛料は控えめ

な気がする。これは冒険国の慣習なのかどうかだな。。。



 食事を終えて散策すると、緑に溢れていて気持ちが良い。

往来には冒険者が多い割には喧噪も少なく、良い国だと素

直に思える。商店を冷やかすと総合商店的な店が多く、後

は工房と武器防具専門店が目立ったかな?

 まだまだ生活のための商業活動には進んでいない感じだ。


 何だかんだ言って観光を満喫してキョウコやツクヨミと

イチャイチャして過ごした。この世界に来てから初めてか

もしれない。

 夕刻になると、ワイバーンロードに乗ったジルが糧食を

持って到着した。2000kmを7時間って無茶して来たな。。。



 ジルを労っていると丁度夕食に呼ばれた。

一名増えた事を伝えて、席を増やしてもらう事をお願い

してから食堂に案内されて向かった。




 食堂はロの字型に準備されて、入って左面に国主と奥方

及びジューンとウェン、また奥側にエルフの氏族長らしき

人物たちが5名ほど、手前には冒険者が5名居た。

 どうやら上座を避けて入って左を冒険国関係者、右側を

我々としたらしい。

 国主達の対面である右列に俺がキョウコ、ツクヨミを両

隣にして座り、マニエットとジル、ローザが奥側、残りの

竜族娘3人が手前側に座る事にする。


案内に促されて着席すると、それぞれのワイングラスに

飲み物が注がれて、国主であるショーンが口を開いた。



「マキシアム王国、ロンドベル辺境伯嫡子ラファエル殿下

 この度の防衛戦における助力に感謝を申し上げる。

  今後の話についても忌憚なくこの場で話せればと考え

 ているが、まずは感謝の宴として食事を楽しんで頂きた

 いと思う。

  何分戦時中なので控えめな食事で申し訳ないが、飲め

 る方はこの地の秘蔵の酒も用意したので楽しんで貰え

 たらと思う。

 では、乾杯!」



いや。。。俺10歳なんだけどね。。。

そう思う居ながら赤ワインに口を付ける。

美味い。。。前世で飲んだどんなワインよりも美味い



「ラファエル殿下は結構飲めるでは無いですか。頼もしい

 ですね。」


 国主の奥方。。。もう女王で良くね?が聞いてくる。


「いえいえ、何分若輩ですが口当たりが良くて飲みやすい

 のに複雑な深みが有ってとても美味しかったので。」


「これがエルフの秘蔵のワインだとわかったようで嬉しい

 限りです。」



 その後も適度な雑談を主に俺と奥方で交わしながら食事

は進んだ。やはり肉類が多めかな?ジビエと高級魔獣肉が

多めで少し薄味は変わらない。

 パンは黒パンと言う訳には行かないのだろう。ライ麦パ

ンらしきパンが出て来た。俺よりもウェンが食い付いてい

たよ。



食事も終盤に差し掛かった辺りで本題に入り始めた。

もちろん主役は奥方だ。


「そちらの3つの提案は先ほどショーンから聞いた。教会

 の件は全く問題ない。我らの貴重な兵も癒して頂いたよ

 うで感謝する。ウェンの報告によるとアルテイシア様が

 降臨されたそうで正当性にも問題が無い。

 早急に国教を神意教会に改める事を公布する。」


「ありがとうございます。」


 マニエットが頭を下げた。


「神意聖女殿はアルテイシア様の加護をお持ちのようだ。

 頭など下げないでください。」



「2つ目の学校の件だが、正直言って恥ずかしながら資金

 が無い。新しい知識を得て国力の回復に生かしたいのは

 山々なのだが。とても財政的に耐えられん。

  そうなると3つ目の件になる訳だが。。。


 正気か小僧?

 

 我らハイエルフが統べるこの国が、援助目的で

 人を差し出すと本気で思っておるのか?」


 あらら、結構激情家なのかな?

 右手軽く上げて、すでに殺気を放っているキョウコ達

 を静止する。


「そうですね。ついでに4つ目も追加しましょう。

 ジェーン?あなたが女王になり冒険国を王国としな

 さい。これは今のところは提案ですがね。。。」


ジューンとウェンの顔が真っ青に染まる。


「小僧っ!我らを嬲るか!」



「頭を冷やせ。。。ジェーン。

 これは簡単な話だ、帝国云々も関係ない。

 我はうぬらと損得の話をしても仕方が無いのだよ。

 主神アルテイシアから与えられた我が使命は、

 この世界の文明レベルの進化加速。

 世界を飛び出す程の文明へだ。

 

 うぬらのプライドなど知らんよ。

 ゴブリンにでも食わせておけ。

 

 莫大な費用を掛けて与える知識は何より国民の為に

 なるはずであろう?

  そして実際に我の意思を理解して、その後もこの国

 に技術を誘導する人間は要らんのか?

 まさか、12年程度の学校で我が知識に追い付けるとで

 も思っているのか?

 

 その技術を生かし切るには現状は王政が一番だろう?

 今回現地で結論を出せない時点で、本当はこの話は終

 わって居たのだぞ?」


 ジェーンもショーンも沈黙している。


「この国は王政として最終的に世界を統一した時に連合王

 国の一国とするつもりだったが、帝国に磨り潰されるま

 で、なるべく長く抗ってくれる事を期待しておく事とす

 るよ。」

 

 

「では、ごちそうさまでした。

 夜分ですが、これでお暇させていて頂きますね。」


 そう言った瞬間に庭に面した壁が吹き飛んだ。

 ツクヨミが破壊したようだ。


「ローザ、頼むよ。

 ジルのワイバーンロードも呼んでくれ」


「御意じゃ!」



キョウコを残して次々と外に飛び出して行く。


「そこの御婆様?我が主はお優しいので何もせずに

 去りますし、敵国認定もしないでしょう。

 

 だがな、お前は我らの敵だ!

 

 崇高なる我が主に仕えるチャンスを侮辱と受け取り

 我らを哀れな傀儡だと憐れんで舐めたな。


 この侮辱、未来永劫忘れぬぞ!」



オーサの背から最後の言葉を掛ける。


「お別れですね。これは餞別です。麦では無いので蒸かし

 て食してください。もっと丁寧に教えるつもりだったの

 ですが、時間もありませんのであしからず。」


ドスンッドスンッ・・・・・・


  

 そのまま、米を街道に落としつつ帰路に就いた。



**********************************

ジェーン・リンデンバウム視点

**********************************



な。何が??


わ。。。。私は何をしてしまったのだ?



「これはコメとか言う穀物です。城門まで続いております。」


「こちらは塩か!」


「この黒いのなんだ?海の臭いがするが。。。」


「こちらには連弩があります。」



数えさせてみると米50000t、塩50t、ノリ?50t、連弩500

張とボルト100万本。。。


こ、こんな資金力。。。帝国にだってないのでは無いか?



そして最後の殺戮姫のあの目。。。

気付いたら失禁していた。

仮にも齢600歳になる私が。。。



「ジェーン?気にしても仕方が無いよ。価値観の相違な

 んだからね。よくある事さ。

 あの場で戦闘にならなくて良かったよね。」


この人は優しい。とても良い人。

それだけに国王の器では無い。この人では乱世で生き残る

事は出来ない。ラファエルは完全に見抜いていた。

 そう、私の我儘でこの国は冒険国を名乗っている。

この人を哀しませたくないがために。。。



「しかし困りましたな。これで周辺国に味方は居なくなり

 ました。神意教会も改めて破門してくるでしょう。

 マニエット様の怒気は凄まじい物がありましたから。」


「終わったな。そのタイミングで他国のように国民が

 マキシアム王国に逃げ出し始めるぞ?」


「いや、そうとも限らんぞ?エルフ族の結束は固い。」


「いえ、氏族は踏み止まっても国など維持できませんよ。

 森林に引き篭って集落を守るのが精一杯でしょう。」


氏族長たちやクランリーダー達が意見を言い始める。




 苦労して作り上げた国が崩壊するのは、

 こんなに一瞬で些細な事なのか。

 と思わずに居られない。

 自然と涙があふれて来た。。。




「お母様、私を女王にしてください。」


 突然、ジューンが意を決したように意見を述べた。


「いや、僕が王となります。ジューン姉様は妹達と共に

 ラファエル様の元に行ってください。」


 ウェンも意見して来た。


 今まで二人共国政の事について、一切口挟んだことは

 無かったはずだ。



「二人とも何を言っているんだ?

 家族が離ればなれになんてなれる訳が無いだろう?」


 ショーンが二人を窘める。


「父上、我々の長い寿命を考えれば一時の事です。

 そして、ラファエル様は決して我らに不利な事を強いて

 いる訳ではない。逆に救ってくれようとしているのです

 よ?」



 暫く考えてみる。そう。。。

 頭を冷やして考えればそうなのだ。。。

 元々は私がプライドから見下して話を始めたから

 おかしくなっただけで、彼は好意で説得に来ていたのだ。

 手遅れか?本当に手遅れか??



「ジューン。

 妹達と共にラファエル様の所へ向かってくれ。

 ウェンは国王として立ってもらう。

 まだ手遅れでは無いはず。ラファエル様は優しさから

 こちらに提案して来ていた。

 ジェーン達が真摯に付き従えば誠意で返してくださる

 はずだ。すまぬ。私の浅慮のせいだ。。。

 だが、新しい時代はお前たちの時代なのかもしれないな。」



子供たちに声を上げて貰って肩の荷が下りた気がする。

少し、無理をしていたのかもな。。。。



**********************

 ラファエル視点

**********************

 


「みんな、クリル森林のセンブで二、三日のんびりして

 帰るよ~」


「「「御意!」」」



・・・キョウコ、甘やかしてね?・・・


・・・誰を甘やかすんだか。。。。主は甘いですよ・・・



 センブは森林の樹木達と同化したような都市だった。

ラクレドどころでは無く、建屋の2/3がツリーハウスで

一日中森林浴を楽しんでる気分だ。

まあ、森林の臭いよりキョウコとツクヨミ、マニエット

の甘い匂いの方が充満している部屋だったけどね。


 3日目の昼食をツリーハウス上の食堂で摂っていると、

ジューン達がやって来た。思ってたより早い。すぐに追

い掛けたのかな?



 ツクヨミが4人を部屋に連れて来た。


「先日は失礼いたしました。

 すべてのご提案をお受けいたしますが、母は少しのん

 びりするそうです。

  ウェンが国王となり、父が摂政を務めるそうです。

 我ら4名はラファエル様に臣従いたします。

 忠誠をお受け取り下さい。」


「気にするな。エルフは頑固者が多いと聞く。

 其方らの忠誠を受け取ろう。

 我が配下の表ⅩⅩⅥをジューンに、裏のⅩⅩⅣ

 をサラムに、ⅩⅩⅤをセラムに、ⅩⅩⅥをミラムに

 与える。詳細はキョウコに聞きなさい。」


「「「御意!」」」


 ふう。。。ラクレッド王国の誕生か。

 やっと国に帰って学園都市の建設準備に入れる。



(白金貨188111大金貨1金貨9大銀貨9銀貨2大銅貨2銅貨2)


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