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銀河戦争?こちとら中世剣と魔法の世界ですが何か?  作者: 窓際の憂鬱
第二章 幼少期
40/71

第38話 学園都市トリル

いつもご愛読ありがとうございます。

ブックマークがまた増えて嬉しい限りです。

昨日はお休みを頂きましたが、今回も書いてる

うちに切り時が行方不明で少し尻切れトンボです。

引き続きお読みいただけると幸いです。


翌朝、目が覚めると既に見慣れてしまった光景が

広がっていた。


 いや。。。。フィラン?

 気付かなかった事にしよう。うん。



「おはようございます。ラフィー様」


「おはよう。マニエット」


マニエットがいつも通りに紅茶を入れてくれる。


「キョウコはいつまで寝たふりをしているのかな?」


「えっ?朝からよろしいんですか?」


 頬を真っ赤に染めてポワポワした表情をしている。


 なんでこの子は普段凛々しいのに夜のベッドに忍び込む

 とポンコツ化するんだろう?


 まあ、可愛いから良いけど。



「朝食を摂りに行くよ?早く身支度しなさい。」


「は~い」



 いつも通りエルダの欧風ブレックファーストを頂いて

一服後、会議室に篭る。アヤメ達とロジーナに学術都市の

拡張計画を早く示さないと可哀想だからね。


 そうだな。真円の放射状都市にしよう。

その中に高等学園、大学校、学生寮、職員寮を配置して

いこう。

 失念していたが、従者付きの貴族なども居るから全寮

同一では無いんだった。2人部屋を無料基準として

1人部屋、従者1名付き1人部屋、王族・大貴族用の

4種類だな。

 1人部屋で年0.5金貨、従者付き1人部屋は年1金貨

王族・大貴族用は年5金貨を差額として徴収しよう。


 人口が加速度的に増える予定なので、かなり用地に

余裕を持たせよう。高等学園は2階建て教室を各学年毎

に建設して、玄関棟と教職員棟で連結。50mプールと

講堂、体育館と射撃場、厩と馬場まで備えて25名10組

×6学年で、定員1800人を100校で150,000人。

 大学は50名33組×3学年で定員4950人を52校で定員

25.7万人とする。


 学生寮はブロック毎に大小の部屋が決まった組み合わせ

で多めに準備する。定員1802名のブロックを225ブロック

作成して1350棟、定員が40.5万人。

 俺のように別に屋敷を構えるのも自由だからね。

教職員寮の間取りは基本的にキースクに準拠して4階建

てで、1ブロックに4棟、340世帯これを48ブロック準備

して16,320世帯分を建設する。


 リング状の最外延部5kmは実務研修エリアとして、工

場施設や水田、工房などを構える。中間帯の直径5kmか

ら10km部は基本的に居住区として、寮と学校を主体とす

る。

民間の一戸建てや実務研修エリアの労働者の住宅地とする。

 最内側の直径5km以内は商業活動エリアとして様々な

店舗やギルドの支部が設置される。


挿絵(By みてみん)


 円形の街路の45°毎に学ぶ分野を設定して、効率よく

学ぶことが出来るようにした。


 そこそこ纏まった良い計画だと自負しているが、現学

術都市の流用は出来そうにないので新規に建設する事に

なるな。これを機会に「学園都市トリル」に改名しよう。


 まあ、おかげで移住する住民の住宅と商店の店舗なんか

も作る必要が出て来る。その前に外壁だけで95kmあるけ

どね。ギムレットとオオワシとロジーナが白目を剥きそう

だ。。。空いてる配下を回そう。。。


 あれ?そう言えばロジーナって担当一人だっけ?

過労死するな。ラシールとリシールは。。。ダメだな。

すでにアヤメにこき使われている気がする。

 10個班に分割する予定もあるからな。5人付けるか。

表の方が良いんだが、この大陸はほとんど表の人員が

探索を担当してるから変更したくないな。


「キョウコ、原案が出来たからロジーナ、アヤメ、シノブ 

 とアケミ、チエコ、チサコ、セツコ、マユミを呼んで

 くれ。少なくともしばらくはロジーナの下で頑張って

 もらおう。

  リンコ、キミカ、マリエは待機だ。アツコからカンタ

 の探索組は継続して人員募集と資源探査。

  その内のアツコ、ケンタ、カンタは俺の各国挨拶回り

 時には供をするように。」



「御意!」




 待ち構えて居たかのようにすぐに8人の配下とツクヨミ

 が会議室にやって来た。


「ロジーナ、アヤメ、シノブ原案が出来たからこれで頼む。」


街区配置図と建物の詳細図を皆に配る。


「アケミ、チエコ、チサコ、セツコ、マユミは当面ロジー

 ナの下に付いてくれ。ツクヨミ、良いな。」


「はっ。ロジーナの土木建築班は学術都市の建設後10班

 に分かれますからね。皆、ロジーナも使徒です。

 敬意をもって仕えるように。」


「「「御意!」」」



 そうやっている間にも、ロジーナ、アヤメ、シノブが

固まっている。意を決したのかアヤメが口を開く。


「あのう。我が主。

 流石に難しいです。外壁はともかく建物の数が多すぎて。

 コンクリート工場も一杯ですし。。。」


「そんな話は聞きたくないな~」


「わかりました。ご提案をします。

 まず、タイールにキースクのプラントを増強移設します。

 その間に、マジッグバッグはすべて砕石と砂の運搬に

 振り向けます。事前準備が完了次第、キースクのプラン

 トは解体して学術都市に設置します。

  時間当たり2000tの生産能力が必要になります。

 最悪、更なるプラントの建設を行います。

  それと建物関係ですが、すべて建物を横に倒した状態

 で鋼鉄製型枠で作成します。各界の形成後に最後の壁を

 載せて一体化します。」


「問題点は?」


「まず、最大20000tの建物を一括で運べるマジック

 バッグが大量に必要です。そうですね、外壁まで含めて

 1億t位ですね。そして費用が足りません!

  黙って白金貨2000枚を出してください。それで街路

 のコンクリート舗装板まで作って運びます。」


シノブが意をくみ取って提案して来た。



 おいおい。。。カツアゲを隠す気も無くなったぞ?

 キョウコに。。。。


 キョウコ?

 口を自分の手で塞いで爆笑してやがる。。。



「わかった。すべてを許可する。マジッグバッグは容量

 無制限を50作成して渡す。絶対に配下以外には渡さ

 ない事。白金貨3000枚出すからお前たちの思うように

 やってみろ」


「「「ありがとうございます。我が主!」」」


「私たちはこれで領地に帰って準備を始めたいのですが

 よろしいでしょうか?」


「いいぞ。任せた。」


「「「御意!」」」




「流石に無茶だったかな?」


「お金で解決できるなら、まだ大丈夫でしょう」


 ツクヨミが答える。


「サスケの人員削っちゃったけど大丈夫かな?」


「問題ございません。すでに昨夜終わらせています。」



 マジか。。。

 有能だな~


「良くやった。」


「ありがとうございます。」


 ん?ツクヨミちょっと調子悪いのか?

 いつもなら頬を染めるとか、特異なリアクションをする

 んだが。。。気のせいか。。。



「では、友好国周りだな。リクレッドは?」


「申し訳ございません。リクレッドのみ確認が遅れてい

 ます。どうやら王族までもがリスリッド戦線に向かった

 ようです。位置が確定できておりません。」



「わかった。ヤマトに言って海軍1小隊をイーストに向け 

 て、もう1小隊をバグリドとダムドの間の海域に出させ

 てくれ。飛竜も昼夜行はきついから経由地として使う。」


「戦列艦2隻とフリゲート4隻編成を2方面にですね。

 かしこまりました。」


「イーストが2000km、バグリド、ダムド間までも2000km位

 だろう。20ノット24時間で860km位だから、このまま

 バグリドに寄って一泊してイーストに向かう。

 その後ダムド、聖国だな。ミナミ行きはそんなに急がな

 くても良いぞ。」



「。。。わかりました。」


 やはりツクヨミの様子が変だよな?

 ん~自分で言うまで黙っておくか?



「供はキョウコ、ツクヨミ、ミナミだ。3人娘はマニエッ

 トと領地へ帰還。各国担当者は先に行かせてくれ。」


「「承知致しました。」」



挿絵(By みてみん)

 


 俺は父上の執務室に行寄り、一言断って行く。


「父上、私はこれでバグリドから順に各国を回ってきます。

 領都にはその後になりますのでしばらく後になると思い

 ますが、学術都市の件は進行してますのでご心配なく。」


「わかった。どちらかと言うと資金が大丈夫なのか聞きた

 いところだが、情けない事に俺にどうこうできる金額で

 は無いから聞かん。よろしく頼む」


「承知致しました。では。」




オーサ達を呼び騎乗してバグリドに向かう。


 今日は王都に泊まって翌朝謁見かな?

 急に押しかけてもダメだよね。。。


 先導してくれるツクヨミに従って飛行して、昼の3時

前後にはバグリドの王都バグリッドに到着した。ツクヨミ

は何を思ったか、王都の上空まで侵入した後に王宮の中庭

に着陸した。


 え?大丈夫なの??

 ツクヨミの飛竜は慣れた様子で着陸地を避けるとミナミ

 の飛竜、オーサが続く。


「キョウコ?いいのこれ?」


「問題ございません。」


 キョウコは微笑を浮かべて返事をした。




「よくぞ参られた。ラファエル殿下」


 大きな声で呼びかけられたので、声のした方向を向くと

十数人の獣人族たちが跪いていた。声を掛けて来たのは

その先頭の人物で、狼の耳が見える。狼族らしい。


 とりあえず、オーサから飛び降りると獣人族の一行に

向かって声を掛ける。


「ラファエル・ロンドベルです。急な来訪で申し訳あり

 ませんが、獣王殿にお会いしたく参上いたしました。」


 よく判らんので遜らない程度に丁寧にあいさつをする。


「私が、バグリド獣王国の獣王ジェリム・ザイルです。

 後ろに控えているのは、我が国の主要種族12族の長

 達です。

  我々はラファエル殿下に大恩があります。何時何時

 いらっしゃっても我々は歓迎いたしますぞ。」


「陛下、ここでは何ですから応接にご案内いたしましょう」


 狐族らしき人物が獣王に進言してくれた。



「ラファエル殿下並びに御一行、こちらです。ご自分の 

 屋敷と思ってお進みください。」


 獣王が促してくる。


 ちなみに獣王は獣人族だけあって体格は良いが、筋肉

ムキムキの脳筋といった雰囲気ではない。

むしろ、インテリ然としている。



 

 応接室に入るとそこは20畳ほどの民族色豊かな装飾を

施された部屋だった。特徴的な部分は暑い地方で見かけら

れる、籐で編まれた調度品の数々と日の光を透過する大判

のガラス窓であった。

キョロキョロと不躾に視線を走らせていると、獣王が口を

開いた。



「我らもわずかばかりの感謝の気持ちとして、この王宮に

 は辺境伯領特産のガラスを購入させて頂いております。」


「そうですか。ありがとうございます。ですが、率直に言

 って、私にはここまで感謝をされる事をした覚えが無い

 のですが?」


「殿下の御認識ではそうかもしれませんね。ご説明します

 と何点か我々には大恩がございます。

  まず、5年前ですが我らは経済的苦境に陥って、国が

 崩壊しかかっておりました。我らは見た目通り腕力で

 物事を考える国民性がございます。

  5年前の当時までは何年か作物の不作が続いており、

 貨幣経済にあまり馴染まない我らは作物を購買する資金

 も無く、内戦によって奪い合う一歩手前まで追い詰め

 られていました。

  そんな中で、己が家族を奴隷として売った対価で、

 その場を凌ぐ者達が多量に現れました。これ自体は食べ

 させられない子供達を餓死させるよりはマシといった

 考え方もあり一概には責められないのです。

  元々我ら獣人族はその血のせいなのか、双子や三つ子

 など多産の傾向もありますので。

 

  その奴隷の大半を買って頂いたのが殿下なのです。

 しかも人族の国家でありがちな種族差別も無く、衣食住

 を与えた上に教育を施して、職業まで斡旋して奴隷から

 脱却するチャンスまで与えてくださった。

  キースクにはすでに解放奴隷となり、結婚して子供を

 授かって立派に生活している者も数百人単位で出ており

 ます。

  

  2点目ですが、3年前から天然ゴムやサトウキビなど

 の特産品農園の導入を技術指導いただき、その他の農園

 についても、焼き畑農業などとは違った持続的な農業の

 仕方を指導して頂きました。

  正直、お話を頂いた時には半信半疑の上、資金が無か

 ったのでお断りしようかと思っていたのですが、我々に

 とっては莫大な資金を援助して頂きまして一気に産業化

 を果たしました。

  当時は帝国からも資金援助をする代わりに属国になる

 ように圧力を受けていましたが、人族至上主義の帝国で

 す。圧力に屈していたらもはや国は無かったかもしれま

 せん。


  3点目は、残念な事にわずかではありますが、奴隷と

 なった獣人が王国の貴族に買われて、非業の死を遂げた

 り、不当な辱めを受けていた時に颯爽と現れて彼らを

 救って下さったのが殿下です。

  彼女達は現在では教会に所属してメイド部隊として

 立派な服装を与えられて手厚い庇護のもと更生する事が

 出来たと聞き及んでおります。


  そして、これらの事はもう一つの獣人国家で兄弟国の

 ダムド獣王国も同様で、同じように感謝申し上げており

 ます。」



「なるほど、確かに言われてみると心当たりがあります。

 ですが、獣人差別などは元々の私の自身の主義主張とし

 て相いれない思想であり、その他の事も偶然や私にも打

 算があっての事ですよ?」

 

「いや、だから良いのですよ?

 打算の無い偽善など続きませんよ。お互いに利益がある

 からこそ長い関係性が続くものです。」


「そう言われてしまうと今後とも良い関係を続けましょう。

 としか言いようが無いですね。」


「あははは、あなたは信に足る方です。直接来訪された

 配下の皆さん。ツクヨミさんにも色々問い質した事も

 あったのですが、計算や意識してと言うよりも効率的

 に動いて貰うために一つの手段として自然に行っている

 結果の様ですから。

  獣人族は受けた恩は忘れません。獣人族全員があなた 

 の為ならどのような事もするでしょう。


  私は獣王として誓約申し上げる。

 何時いかなる時も我らは殿下の友人であり、家族であり、

 臣下であり続けます。

  たとえ世界や神を敵にしてもです。

 殿下が使徒である事は知っておりますが、我々には何

 の価値もございません。ただラファエル殿下個人に誓約

 いたします。」

 


「誓約は確かに成った。バグリド獣王国は我が臣下と

 して扱おう。後ほど臣下代表として2名を指名してくれ

 我が直属の臣下の銘を与えて、それぞれ我らとその方ら

 の橋渡しとしよう。

  その対価として、更なる獣王国の発展と進化を約束し

 よう。」



「「「 Yes Your Majesty! 」」」


 この返事って誰が仕込んでるの?キョウコ?ツクヨミ?



「まずは人口を増やす事だな。

 ツクヨミ。タイールの余剰食糧を5万t購入して、今後

 6年間バグリドに送るように。白金貨3000枚だ。」


「それは。。。成人10万人の食料が買えますよ?

 宜しいので?」


 ツクヨミが忠言する。


「臣下で家族だ。問題あるまい?

 但し、条件がある。

  7年後から年4万人を6年間で24万人に教育を受け

 させる。7歳から12歳まで6年間は教会で勉強を受けさ

 せる事。13歳から18歳までは6年間、王国の高等学園

 に必ず留学させてくれ。

  就学状況を見て更に一部は19歳から21歳まで大学校

 に学んでも構わん。

  学費と食費に旅費を加えて、年間400枚の白金貨は

 すべて俺が持つ。基本的にはこの24万人が獣王国に

 知識を持ち帰る。獣王国を発展の礎となるだろう。

 悪いが、それ以上は現在の私の資産では支えられない。

 8年後以降は自分たちで教育に出せるように努力して

 くれ。」


「なんと。。。我々に知識を与えてくださるのか。

 無料どころか費用を負担してまで。」


「心配するな、ちゃんと打算もある。

 獣王国に強力な国力を付けて貰い発言力を増して貰う事。

 貨幣経済を広げて流通貨幣を増やす事により、世界の

 経済規模を上げる事。

  わかりやすく言うと幾ら良い物を作っても金が無いと

 買って貰えないだろう?自分だけで無く周囲も発展させ

 て行かないと行き詰ってしまうのだよ。」


「ですが、その最初のパートナーに選んで頂いた栄誉は

 子々孫々まで語り継ぎます。よろしくお願いします。」



再び獣王以下種族長達が一斉に跪いて首を垂れた。




 その夜は盛大な宴だった。

やはり、狩猟が得意なのか狩猟の獲物が多く饗されて

中々の味わいだった。オーク肉は初めて食べたが、元の姿

を気にしなければ、ブランド豚かと思う美味さだった。


  俺はウィスキーと日本酒を持っていたが、獣人の様子

を見ているとウィスキーでは無いなと感じて、日本酒を

20本ほどと、冷えたビール樽を100樽ほど取り出して提供

する。


「今年から本格的に販売する事になった日本酒だ。

 とても希少なので味わって飲んでみてくれ。」



 獣王と種族長達は俺が持参した徳利とお猪口で日本酒を

味わい始めた。やはり、醸造酒の方が口に合ったのか、

非常に評判が良い。

 

「うむ、本当に美味いです。ですが非常にお高いので

 しょうな?」


 獣王と酒が気に入ったようなので、売り込みを謀る。


「そうですね、卸値で大銀貨5枚です。たぶん商人のルー

 トだと運送費とかも掛かるので金貨1枚位ではないかな?」


「買えなくは無いが、今はまだ止めておくべきですな。

 このビールは炭酸が際立った上に、良く冷えた辛口が

 素晴らしいですね。

 獣王国の一般的なエールとは大違いだ。」


「ビールが良く冷えているのは金属樽なので氷や風魔術で

 冷やしやすいんですよ。そこの蓋に柔らかい黒い輪っか

 が付いてますよね。

  それは密閉に重要な役割を果たしているゴムパッキン

 です。獣王国から輸入した天然ゴムが原材料に使われて

 います。」


「なるほど!我らの天然ゴムはこういった日常品に使われ

 て行くのですね。継続的な需要が見込める素晴らしい

 産業を紹介して頂き感謝します。」


「いえいえ、ビールは大衆の飲み物として、ちょっとした

 贅沢を感じて頂く価格設定で、10L樽が2銀貨位で流通

 すると思います。

  40杯くらい取れますので食堂での価格設定が一杯

 銅貨7枚か8枚位になると思います。」


「おお、それならさほど無理なくちょっとした贅沢で

 楽しめますな。獣王国でも広げますので是非販売を

 お願いいたします。」


「もちろんですよ。今はバグリッドまで海路経由だと5日

 位で届きますので任せてください。」



 そこにほんわか美女の兎獣人が連れ立ってやってきた。

どうやら双子の様で、それぞれ左右違う片方の耳が垂れて

いる。それ以外は大きなお胸も含めて見分けがつかない。



「おお、マリアム、ミリアム来たか。」

 

 獣王が声を掛けて呼び寄せる。


「殿下、左耳が垂れているのがマリアム、右耳が垂れてい

 るのがミリアムです。18歳の双子で兎獣人族の族長の孫

 になります。この二人を殿下の臣下にお加え下さい。」



 いや。。。別に臣下は美女限定じゃないよ?

 口には出さないけど。



「わかった。二人共種族長から詳しい話は聞いているな?

 我が臣下に付く意思があるのでれば、その一生を捧げよ。

  対価として、汝らに与えるのは国や家族の安寧と発展、

 力と恐怖、知識と欲望だ。」



「「Yes Your Majesty!」」



「マリアムには裏のⅩⅩⅡ、ミリアムにはⅩⅩⅢを与える。

 司令はツクヨミだ。詳しい事はツクヨミに聞け」



「「承りました!」」


 その夜は二人に身も心も捧げられてしまったのは

 いうまでも無い。。。




 翌日は王都民総出の見送りを受けて、王都バグリッドか

らイースト国に向けて飛び立った。マリアルとミリアムは

それぞれツクヨミとミナミの飛竜に同乗している。


一旦バグリッドほぼ真西の港湾都市ギラスまで行き、視

察を行って一泊する予定だ。このままイースト国に向かう

と海軍小隊が追い付いて来ていないのだ。


 


 港湾都市ギラスは昔のタイールに良く似た都市だった。

漁師町に毛が生えたような感じで貿易船も現在の木造中型

船が岸辺近くまで来て小型船でやり取りしているようだ。

 流石に塩害地域の農作はこちらの助言で辞めたようだ。


 マリアムとミリアムに町長のところまで案内させる。

ここでも王と同様に熱烈な歓迎をされた。獣人の気性的に

同胞を助けた事を感謝されているようだ。


 町長は鰐獣人のようだが、少し鱗が見えるくらいで

さほどの違和感はない。



「町長、突然ですが。港の一部を弄ってもよろしいですか?

 今の状態だと貿易の船詰みや荷卸しが大変でしょう?

  今後はもっと大きな船が入ってきますので直接荷揚げ

 できた方が良いと思いますよ?」


「え?ええ。。それは願っても無いですが、資金もありませ

 んし、そんなに短時間では出来ないでしょう?」


「いや、暇つぶしなのでお金は要りませんし、すぐ終わる

 程度の事しかしませんよ。」


「そうですか、であれば港の北側が岩場なので、交易地域

 にしてまいす。そちらなら自由にしていただいて構いま

 せん。」


「了解しました。さっそくやってみますね。」




 町長宅を辞して、北側の岩場に行き簡単に打合せをする。


「タイールの時のコンクリート壁が50枚位残っているん

 だよね。学園都市で使えるかと思ったけど、高さも全然

 違って使えそうに無いからここで半分ぐらい使ってしま

 おう。」


キョウコ、ツクヨミ、ミナミは頷いているが、加入した

ばかりのマリアムとミリアムはきょとんとしている。


「マリアム、ミリアム?使える魔術は?」


「私は風と土でございます。」

 マリアムが言う。


「私は火と風でございます。」

 ミリアムが答える。


「うん、二人ともそのうち全属性が使えるようになるから

 他国回りが終わったらチョコ達と戦闘訓練ね。」



「よし、今日は4人居るからマリアムとミリアムは見学に

 しよう。キョウコは風魔術をツクヨミは浚渫ね。ミナミ

 は俺が整地して埋め戻すからこのマジックバッグから

 ブロックを設置してくれ。」


「「「御意!」」」



 キョウコは地上から風魔術を使い、その他の3人が飛竜

に乗って作業を開始する。高さ30mの長さ20mのT字ブ

ロックなので2枚の角を切り欠いて、50mの400mのコの

字の岸壁を整備して行く。

 岩場なので、掘削した岩はツクヨミが浚渫した範囲の目

印として2個所に纏めて積み上げて小島を形成する。

 最後にプロックの天端に合わせて平らに整地して終わり

だ。範囲も少なく慣れていたので2時間ほどで作業が終わ

った。



「マリアム、ミリアム。我々の全力での町づくりはこんな

 感じだよ?港湾都市でなければ、ほぼ土魔術だね。

 4カ月後の学園都市建設には2人にも頑張ってもらう

 からね。」


マリアムとミリアムは目を点にして固まっていたかと

思ったら。


「ミリアム。。。できる?」

「無理無理!マリアムは?」

「できる気がしない。。。」


小声で言い合っている。


「心配するな。うちの臣下はみんな出来るようになった。

 ステータス見たか?臣下にはアルテイシア神の加護が付

 くから全属性になるし、俺のスキルの影響でレベルも上

 がり易くなったからね。」


「ほ、本当です。ステータスに主神の加護が!」


 マリアムが驚いている。




 そんな事をしている内にツクヨミが町長を連れて来た

ようだ。固まっているね。時間が短縮できて何より。


 町長にはやった工事の概要を説明して大型船の入れる

範囲を説明して、今後は直接岩壁に船を付けるので道板

の準備をする事を助言しておいた。


 夜は例のごとく大歓迎の宴となって、ビールを大量に

消費した。町長は今後町のへそくりで継続的に購入して

くれるそうだ。



 夜には若い女の子達が部屋を訪ねて来たが、悪気は無い

ようだったので、キョウコが嫉妬心を演技?して追い払っ

ていた。



 翌朝からオーサ達に全力で西に向けて飛んで貰うと

5時間ほどで海軍の小隊が眼下に見えた。イースト国の

首都まで700km程の海域である。戦列艦2隻とフリゲ

ート1隻の後部甲板にそれぞれ恐る恐る着艦した。

 

 しばらく休憩して出発しても到着が夜になってしまう

のでしばらくは船旅である。今は帆を畳んで動力で航行

しているせいか外洋の割には揺れない。


 戦列艦の艦長と小隊司令が出迎えてくれる。二人共に

獣人である。艦長は熊獣人で指揮官は狐獣人で意外な事に

司令は壮年の女性である。


「良くぞいらっしゃった。乗艦を心より感謝いたします。」

 

艦長が挨拶する。


「中々、忙しかったですよ?ちょうどタイールで新型艦の

 進水式に立ち会っていて良かったです。」

 

司令が教えてくれる。



「ん?では、もう鉄鋼大型艦船が進水したのか?早いな。。

 どんな感じだった?今度はいけそうか?」


「そうですね。前回と違って船体に異常は見られませんで

 したし、工房の総力を挙げて開発したディーゼル機関が

 素晴らしかったですよ?なんでも4軸に一台2000tもの

 重さの直列20000Lエンジンをそれぞれ配して20万馬力

 を達成したとか。

  艤装の搭載が重量比で40%程度とか言ってましたが

 一時的に鋼材バラストで調整して公試運転したら30ノ

 ットを超えていました。」


 ふむ、これは期待できそうだな。


「苦労して船首形状も研究していたからな。まあ20万馬

 力全開で航行したらあっという間に燃料が無くなるだ

 ろうがな。」


「あははは、この船とて一緒です。30ノットでも出せま

 すが、燃料消費が数倍に跳ね上がってしますので普段

 は帆を張るか15ノット程度で航行しています。」


ああ、こいつも1500tの排水量で燃料だけで500tだっ

たな。2万馬力で24時間当たり全力だと84tの燃料を

 食うんだよな。。。


  ちなみにこの戦列艦は俗に言う74門戦列艦で上層に

 18ポンド砲30門、下層に36ポンド砲28門を備え9ポンド

 砲16門を船首や後甲板に配置している。

 純粋に砲の重さだけで200t弱あり、鉄球弾丸や炸薬を

 含めると400t程度になる。

  全長60mほどの側面に30を超える砲が並び装飾を

 施され一階層上がった後甲板はノスタルジックな趣だ。


 その後甲板に構えた司令室に案内され、テンションが

上がる。これぞ中世の船長室と言った感じで今にも眼帯の

海賊が出てきそうだ。


 特に飲酒は禁じていないせいか、すでにウィスキーの瓶

が何本か並んでいる。きっと督戦などに使うのだろう。



「明日の朝に一旦偵察を出して出発するつもりだ。問題無

 ければ、君たちは15ノットでダムドの港湾都市ジッド

 へ向かってくれ。その場合の合流時間は36時間後だか

 ら1000kmでタイールの南南西1200km地点になると思

 う。」


「了解いたしました。」


「疲れているので夕食は不要だ。船の中も狭いしな。

 ヤマトには内緒だがビール樽を30樽ほど置いて行く

 ので我々が去った後に6隻で分配してくれ。」


「ご配慮ありがとうございます!」


「では、この部屋はご自由にお使いください。」




(白金貨11973大金貨2金貨5大銀貨7銀貨7大銅貨2銅貨2


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