第36話 王都と王族
皆さまいつもご愛読ありがとうございます。
ようやくここまで来ました。
ここから佳境に入りませんね。。。すみません。
ブックマーク、ありがとうございます。
評価共々これからもよろしくお願いいたします。
翌朝、マノルの領主館客間で目が覚めた。
起き上がろうとするとムニュッとした手触りが返って来る。
ん??おかしい。。。
キョウコやミナミにこんなにお胸は無い。。。
失礼なことを考えて手の先を見やると、フィランが寝間
着姿で添い寝をしていた。
キョロキョロと辺りを見回すと、マニエットが良い笑顔
で親指を上に突き出していた。
マニエット段々性格が変わって来てないか?
「マニエット、おはよう」
「おはようございます。ラフィー様」
「これはマニエットの仕業?」
「いえ、私はただ、主は頑張っている娘にはご褒美を
くださると言っただけでございます。」
ま、まあいいか。。。
カトリナ姉さまに伝わらなければ。。。
「で?キョウコやみんなは?」
「皆様、アキレス家六女のマリューちゃんのところに
行っております。」
なるほど。。。
幼子が最強だよな。
「わかった。俺も乳母と話がしたいから案内してくれ。」
「承知致しました。」
手早く身支度を整えていると、ようやくフィランが
目覚めたようが、寝たふりをしている。
「フィラン?いつまでも寝たふりをしていると出発に
間に合わなくなるよ?うちの領主館に滞在するんだろ?」
「は、はい。。。おはようございます」
フィランもう22歳なのに可愛いね。
庶子のせいか小動物のようにオドオドしている感じが
たまりませんな。。。
俺は先に身支度を終え、マニエットの案内で別の客間に
向かう。客間に近づくとチョコ達の賑やかな声が聞こえ
て来る。
悪いけどちょっとお邪魔しますかね。
コンコンッ
「ラファエル様がいらっしゃいました。」
マニエットが呼び掛けてくれた。
部屋の中に入ると先ほど漏れ聞こえた雰囲気と違い、
乳母が六女を抱えたまま床に両膝をついて出迎えていた。
「楽にしてください。あなたがマリューの乳母ですか?」
「はい、リームと申します。平民です。」
「どういった経緯でマリューの乳母になったのですか?」
「私の姉がご領主さまのお妾でした。ある日突然、お屋敷
に呼び出されて、姉が亡くなった事をご領主様に告げら
れて乳母を命じられました。
私の子は祖母と祖父も健在でしたので、姉の忘れ形見
であるマリュー様の乳母を引き受けました。」
「実際にお屋敷に勤めてからはいつも死の臭いを感じて
必死でマリュー様を守ってきましたが、冷静に考えると
姉はご領主にいじめ殺されたのですね。
恥ずかしながら必死で、遺体に会えなかった事すら
疑問に思っていませんでした。」
ああ、この感じなら大丈夫かな?
「領主の血を受け継いでいるマリューに思うところは
無いのかい?」
「この子を憎んでしまったら、私も姉の人生もすべて無駄
になってしまいます。私にはそんな事できません。」
「ふむ、わかりました。昨夜の事は絶対に口外しない事を
約束してください。伯爵なんかより私の方が恐ろしいと
思いますよ?」
「は、はい。。。」
身に染みているようだ。
可哀想なくらい震えている。
「とりあえず、マリューの地位の安定と後見人を決めなく
てはなりません。本日からしばらく王都で調整をして
来ます。当面はこの屋敷でマノール伯爵の世話になって
いてください。
不測の事態が有った場合は教会を頼って、私の名前を
出しなさい。
どこの領地でも構いません。手配はしておきます。」
「か、かしこまりました。
マリュー様に危害が及ぶような事があるのでしょうか?」
「我々に至っては皆無だ。マリューに領地を継いでもらい
庇護するつもりで助けたのだからね。
まあ、北部諸侯も当面は大丈夫でしょう。たぶん布団
に包まって震えていますよ。」
「わ、わかりました。ありがとうございます。」
その後は父上とクリス母様、フィランと共に朝食を囲み
ながら父上の監査結果など聞く。
「フィラン嬢は良くやっているな。27万人の領主としては
十分に及第点だ。税率を下げた結果はすぐには表れなか
ったが、今になって落ち込んでいた人口が回復して来て
いる。良い指導者でも居るかな?」
「お褒め頂き恐縮です。結局本家の人間に疎まれて野に
下っていた文官が優秀だっただけの事で、私の力では
ございません。
それと、ラファエル様のご厚意でシェルム商会の支店
を出して頂きましたおかげで、王都と西武、北部の経由
地として領都に賑わいが戻りました。
本当にありがとうござます。この領地はラファエル様に
預かっている気持ちで運営させて頂いております。」
「なるほど、人材が残っていて幸いだったな。下手したら
ラフィーに雇用されていたところだ。
商会の件は確かに輸送力のあるシェルム商会が出店す
ると自動的に他の商会も支店や集積地を出すから相乗効
果はあるな。」
「で?フィランちゃんはラフィーのお嫁さんになり
たいの?競争率高いわよ?」
クリスお母様が面白がってからかっている。
「は、はい。年上なのでお妾さんでも良いので。。。。」
フィランは真っ赤な顔をして全力で目を瞑ったまま
答えていた。
「ラフィー?どうすのかな?」
「いや、俺まだ10歳ですよ?まだ早いですよ。」
「何言ってるの。
ラフィーはそうだけどフィランやキョウコは適齢期だし、
適齢期超えてる子たちも沢山いるでしょ?
早めに立場をハッキリしておかないと大変よ?」
「わかりました。学園に行くまでにははっきりします。」
「よし、そろそろ支度して王都に向かおう。」
父上、良いタイミングです!
外に出ると新型箱馬車6台が待ち構えていた。
フィランの馬車も紋章を入れるのが間に合ったようだ。
マノール伯爵の紋章はフィランの代で変更してシンプル
な<月に星>である。
ちなみに辺境伯の紋章は<三つ巴紋>であり、俺個人の
紋章も辺境伯扱いで紋章局に登録済みである。
これらの紋章を馬車に表示する事で、王都の出入り時や
他領地の出入り時の手続きが大幅に軽減される。
新型馬車は2頭引きで御者台まで入れて、
幅2.2m×長さ4.0m×高さ2.35mの6人乗りである。
車輪はトラック用タイヤを用いて、4輪共にダブルウィッ
シュボーンを採用しているため、乗り心地はこれ以上を
望めないだろう。初期の板バネ式とは雲泥の差だ。
現在は夜間の利用をあまり想定していないので、固定と
しての灯具は付けていないが、前後4隅にランプを下げる
事が可能だ。
この新型馬車6台と新型荷(幌)馬車6台が連なり走る
様子はちょっとした見世物のようで注目を集めていた。
マノルを出発してその日の内に、学術都市トリルに到着
した。正式には学園都市では無く学術都市らしい。。。
一行で高級宿を貸切るとカトリナ姉様、アルス兄様、
ネイト姉様が訪ねて来た。父上の方から連絡が行ったのか
と思ったらフィオンからの連絡だったらしい。
カトリナ姉様とネイト姉様は俺の顔を見ると、先を争う
ように走り寄って抱き着いて来た。
ちょ。。。ちょっとカトリナ姉様。。。苦しい。。。
成長しましたね。。。お胸が。。。。
念話で連絡は取っていたのだが、やはり顔を見て会話
する方がと安心する。
「アルス兄様もお元気そうで何よりです。」
「ラフィー、大きく。。。なってないな。。。」
気にしている事を。。。
その後ろでカトリナ姉様がフィオンを捕まえて、何か
囁いている。
「フィオン、どうだった?ラフィーと仲良くなれた?」
「そ。。。それが。。。」
聞くのはやめよう。精神的に疲れる。
今夜は夕食だけみんなで摂って、姉様たちは寮に戻る
そうだ。急だったので外泊許可が取れなかったらしい。
「残念だ。。。今夜は寝かさないはずだったのに。。。」
ネイト姉様が勝手にアテレコをしてくる。
「ネイト?いたずらしていると今度構えようかと思って
いる学術都市のお屋敷に入れてあげないよ?」
「ひ、ひどい。。。」
本気で涙流すなぁ~!
「冗談だよ!帰りにまた寄るからカトリナ姉様とアルス
兄様と協力して、学術都市の不動産事情を把握して
おいてくれる?とにかく大きい敷地が買いたいん
だよね。」
「わかった。頑張って調べておくね。」
「今度は早めに連絡を頂戴ね。」
カトリナ姉様に釘を刺される。
「あ、そうだそうだ。ちょっと北部諸侯や宮廷貴族と
やり合ってるから身辺に注意するように。
必ず2人以上で行動するようにしてね。」
「へ~相手はお気の毒様ね。了解しました。」
帰り際にハグとキスの雨を頂きようやく満足したのか
3人そろって帰寮して行った。
夜は。。。久しぶりに一緒に寝るキョウコに寝かせて
貰えなかった。とだけ言っておこう。
翌日も早めに出立して、王都マキシの西門に夕刻前に
は到着した。予想はしていたのだが平民用の門は長蛇の列。
貴族門にも馬車が数十台連なっていた。
西門は街道の配置的に西部諸侯だけでなく、一部の北部
諸侯、数家の南部諸侯も利用する一番混雑する門なのだ。
普通は最上位貴族に位置する父上は並ぶ必要が無い。
全ての車列を無視して優先的に門を通過しても各下の貴族
には何も言われないのだ。
今回はフィオンと俺の馬車が一緒なのでしばらく様子を
見るつもりのようだ。まあ、謀略の件もあるしね。
小一時間も経たないうちに順番となった。やはり貴族門
の方が審査が緩いようだ。審査と言うか確認だね。
貴族門の手前で一旦車列を止める。衛兵の隊長らしき
人物が箱馬車を誰何して行き、父上の乗った馬車に到達
する。
その場で跪くと残りの衛兵もそれに倣い
「ロンドベル辺境伯閣下。遠路お疲れ様でございます。」
「職務ご苦労。今日は我が嫡子の馬車とマノール伯爵も
同道している。個別に確認するか?」
「いえ、すでに紋章官が各々の馬車の紋を確認いたし
ました。閣下共々そのままお通り下さい。」
「うむ、手間を掛けたな。ラフィー土産をやってくれ」
「承知しました。」
俺は衛兵隊長に近づくと
「私が嫡子のラファエル ロンドベルです。これは我が領
で生産を始めた酒です。変な意味に取られると困ります
ので味見程度の量ですが、職務が終わりましたら皆さん
で召し上がってください。」
そう言って、ウィスキーを10本ほど降ろす。
「ラファエル殿下、お気遣いありがとうございます。
あくまでお味見をさせて頂きますので、帰郷時にも西門
をご利用ください。感想を纏めておきます。」
「わかりました。少し強いお酒ですので何かで割って飲ん
だ方が飲みやすいかもしれませんのでご留意ください。」
「ありがとうございます。」
特に問題も無く門を通過した。
ちなみに父上が「閣下」俺が「殿下」なのは、3公爵、
1辺境伯の4大貴族は王位継承順位を持っているからだ。
4大貴族と他貴族が明確に区別されるのはこのためだ。
王都は人口24万人を誇る王国最大の都市だ。東西南北
からの街道が交わる中央部に王城が聳え建っている。
人口的にはタイールより2割くらい多いだけだが、タイ
ールと違い雑然とした2階建てまでの建物が所狭しと密集
している。
王都だけあり、街路はすべて石畳による舗装が成されていた。
王都の防壁は3層からなっており、それぞれの防壁が市民街、
貴族街、王城を隔てている。
貴族街入口の門は貴族である事を確認できれば良いので
特に止められて誰何されることも無く通過した。
貴族街に来た途端に道幅が広くなり、清潔で庭付きの
大邸宅があちらこちらに見受けられた。
4大貴族の我が家は王城のすぐ近くに大きな敷地を所持
しており、屋敷自体はそこまで大きくないが充分な部屋数
を誇っている。
我々に気付いて開け放たれた門から玄関口に馬車を乗り
付けると王都常駐組の使用人が執事のパトリックを中心に
出迎えてくれる。
「お帰りなさいませ。旦那様、奥様、坊ちゃん。
いらっしゃいませ。お嬢様。」
荷解きはメイドたちに任せて、屋敷の中に入ると王都屋敷
だけあって、領都屋敷よりも少し華美な装飾品が飾って
あり垢ぬけた感じがする。
正面の吹き抜けの入口にはどこかの映画で見たような
半螺旋の上り階段が左右にあり、上階につながっている。
その丁度中央には高さが3mはある大きな両開きの扉が
鎮座している。
興味本位でその扉を開いてみると大規模なパーティー
を開ける大ホールだった。中央には赤い絨毯がまっすぐ
伸びており、一段上がった壇上で終わっている。
さながら謁見室のようだ。パーティーはこういう所で
やるのか。。。
などと思っていたら、俺の配下が勢ぞろいして左右に
並び出した。ちょっとおもしろそうだなと思い。
壇上の椅子に座る。
「陛下、お疲れ様でございます。」
全員が跪き、先頭のキョウコが俺を労ってくれる。
キョウコはそのまま俺の右手側まで来ると
「ツクヨミ、報告を。」
「畏まりました。
先日から調査を行っておりましたが、
今回の一件の首謀者は4大貴族です。
宰相はただの協力者のようです。」
「4大貴族?」
「北部諸侯の旗頭ユニエール公爵では無くて?」
「はい、違います。ロンドベル辺境伯は知って
おいでだったようです。」
くそっ。。。やられた。。。
「ふう。。。もう気付いたのか。」
「ふふん。うちのラフィーを舐めるなよ?」
「なるほどなるほど。。。」
「これで10歳とはな。。。」
「こ、この殺気は?」
いつの間にか父上と老年に入ろうかという年齢の貴族達
が4人入室していた。
「すまんな。ラフィーこの年寄り共に乗らされてな。」
「いや、不良貴族共の処分済まなんだな。
儂が北部諸侯の取り纏め役のパトリック・フォン・ユニ
エール公爵じゃ。噂以上の麒麟児じゃのうお主は。」
「私は南部諸侯を取り纏めているアルマンド・フォン・カ
ーライル公爵だ。見事な手腕だったな。」
「私はまだ60前なので年寄りには足らないと思うのだ
がね。東部のレイモンド・フォン・ゲルニウム公爵だ。」
「わ、私はこの王国の宰相を務めている。フェルナンド・
フォン・クライン侯爵だ。この殺気を止めて貰えないか?
私は文官一筋なんでな。」
「皆、落ち着け。」
「「「御意!」」」
「ふむ、皆、良いのでは無いか?」
ユニエール公爵が言い放つ。
「「「意義は無い」」」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。姫殿下達だけはどうにか
ならんか?」
なんだか判らないけど宰相だけが異議を唱えている。
「その話はもう何度もしたじゃろう。
後世の憂いは絶たねばならん。」
ユニエールが諭している。
「第一王女のマリーはともかく、第二王女のシャルはもう
矯正が効かないでしょう?」
なんだか知らないけど、レイモンド侯爵も宰相には
反対みたいだ。
「えっと、とりあえず説明してください。」
「では、私が説明いたします。
この王国には継承権を持った4大貴族が存在します。
何故存在するのかを考えた事はございますか?
建国王は王政の危うさを理解しておられました。元老院
を設置する事により、王の権限が強大になり過ぎないよう
に、王個人の願望が国政に影響しないように監視する役割
を持たせました。
但し、元老院は日常的に国政を監視するために王都に
常駐する宮廷貴族にて構成したために、時の国王に迎合
してしまう可能性を危惧されました。
これに対する保険が4大貴族制度です。領地貴族の東西
南北に力を持った貴族を配置して、出自に拘らずに王位継
承順位を与える。
4大貴族の3/4以上の同意で王位の簒奪を行い、それを
正当化するためのシステムです。
真に王国の危機であると4大貴族が判断した場合は、
4大貴族の継承順位保持者の中から国王を選出する事が
出来ます。」
「現在の国王は凡庸な男です。
王国が大国であり戦乱の世で無ければ、
あのように色に溺れ貴族が腐敗する事も無く。
国主であり続けられたのかもしれません。」
「現在王国は経済的にも軍事的にも追い詰められています。
リスリッドとウリエルの国境線での小競り合いなど
虚偽だったのです。
我々を長期間対陣させて金貨を消費させた上で、共同
で襲い掛かる。綿密な計画の上での進攻が始まりました。
現在の所は東部諸侯が一丸となって対応していますが
いつまで持つのか。。。」
「国王はすでに発狂直前で後宮に引き籠っています。
宰相である私でさえ謁見がかないません。
もはやマキシアム家はこれまでと考え、4大貴族
様の皆様に縋った次第でございます。」
「そこからは私が説明しよう。ラフィー、私がこの話を
聞いたのは2か月ほど前だ。私としてはご老体達の年齢
を鑑みても時代に託すしかないと思い。
ラフィーを推薦したんだがな。やはり一度会わないと
判断できないという事で、今回の事件に繋がるんだ。
北部のあの2伯爵は目に余る状態だったのでな。内政
は実績があったから戦闘力を示す必要があった。
済まなかった。」
父上に頭を下げられてはね。。。
「その件は了解しました。皆さんの言い分もごもっとも
ですので、ここで納めましょう。」
ただ。。。この流れはな。。。
タイムスケジュールが狂うな。。。
世界に打って出るにはあと14年を見込んでいた。
今はまだ技術的にも国力的にも無理だ。。。
「厳しいな。。。」ボソッ
「国王の第一王妃はウリエルの王族でしたよね?
なぜこうなったのですか?」
「元々は東の帝国と我らの間に位置するラクレット、
リスリッド、ウリエルの3国が帝国に対する防波堤に
なっていたのです。我らは後方支援で糧食及び金貨で
支えていたのですが、リスリッドとウリエルが切り崩
されたようです。」
う~ん。。。厳しいな。。。
「まず、最初にはっきりさせましょう。」
「ん??」
「私はアルテイシア様の使徒です。
そして私の使命にマキシアム王国の守護は含まれて
いません。もちろん、父上にもお母様方や兄弟にも
人並み以上の愛情は持っています。」
「ですが、それイコール王国を救うとは成らない訳です。
私の使命は簡単に言いますと、現在の文明レベルを私の
寿命の持つ期間で1000年進め、この世界の外の敵に
備える事です。」
「アルテイシア様からはすべての手段を許可されています。
極端に言えば、一度世界を滅ぼしても結果が出れば良い
と言う意味です。」
「現在、文明レベルを500年進めるための下準備を進めて
いる段階です。世界は滅ぼしませんが、時間的余裕が無い
ので、私の計画では14年後から王国を帝国に改編し
大陸統一、世界統一と進める予定でした。」
「覇王となってでも文明レベルを上げて抵抗しなくては、
アルテイシア神と共にどの道この世界は消え去る運命
ですからね。」
「ここに居る臣下はすべてを了解して従ってくれて
います。」
ザっと音がしたかと思うと
両脇に並んだ臣下がお揃いの銃刀を胸に捧げる。
「まあ、何を言いたいかと言うとあなた方の意思に関係
なく王位は簒奪します。建国王の思想も理解はできます
が絶対君主制の帝政に戻らないと間に合いませんので
必ずそうします。」
「それから先程の話、現王族で私が処分するのは国王一人
だけです。残りは臣下に下るも良し、希望するなら帝国
の中の一領主として貰う事も可能です。
国王は申し訳ないが、愚鈍もまた罪なのですべて背負
って貰います。」
「それから、最低5年から10年の時間が欲しいので、聖国
に全力で介入して貰います。賠償金を払ってでも停戦を
勝ち取ります。それでも持たなければバグリド獣王国、
イースト国にも動いて貰います。」
「それでも宜しければ。。。」
「 我を担ぐが良い 」
4大貴族と宰相は静かに跪いた。
「「「 Yes Your Majesty!! 」」」
臣下の声が続いた。
(白金貨18583大金貨2金貨5大銀貨7銀貨7大銅貨2銅貨2)




