第32話 重工業港湾都市タイール
先日お知らせした通り、週1話以上を不定期で
UPさせて頂きます。
今後もブックマーク及び評価をお願いい達します。
スタンピードの翌朝、腰の辺りに重みを感じて起きると
最近良くあるように右手にキョウコを抱いていた。
切れ長で綺麗な睫毛、上気した頬で満足げに寝息を立てて
いる。つい目を逸らせなくなってしまう。
重みを感じた腰の方向を見やると、マニエットが修道服
のまま苦悦の表情を浮かべていた。左手側は全裸のミナミ
が侍っていた。
ああ、これがハーレムなんですね。。。
ご馳走さまです。
昨日は肉体的に疲れたせいかキョウコが目覚めない。
元々夜は勉学に勤しんでいるせいか、朝は弱い方のだが
まだまだ退廃的な生活を送って良い年でも無い。
マニエットが満足したところでキョウコとミナミを起こ
して身支度を整えて貰うと朝食に向かった。
今日は朝からガーリックの利いたパンと串焼きだった。
きっと昨夜の閨がバレているんだろうな~。
いい加減慣れよう。
この世界は人口を増やす事が何よりも重要視されるので
この手の事にとても肝要である。その分庶子でも差別無く
大事にされる。
ましてや貴族の嫡男だ。子作りは最優先とされる義務な
ので、照れたり恥ずかしがる事では無いのだ。
朝食が終わるとレイとリンが昨日と同様に近寄って来る
と忘れていないとばかりに。
「兄さま~タイール行きたい~」
「兄さま~ご飯を食べたいです~」
口々におねだりしてくる。しまいには。
「あるじ様。お魚を食べに行きたいです。」
「あるじ様。お船が見たいです。」
「あるじ様。お刺身が食べたいです。」
チョコ達も乗っかっていた。
元々、今日は港湾都市タイールの視察に行くつもりだっ
たのだが、お子ちゃま5人は手に負えないだろうし、視察
とは別口になりそうだ。お母様達と相談をしてお母様達も
一緒にタイールに向かう事にする。
2時間後、何故女性はこんなに準備に時間が掛かるのか
と言う愚痴を飲み込み、5人をバスケットに誘導する。
このバスケットは元々チョコ達3人を連れ歩くために
丈夫な帆布で作って貰ったバスケットで、ワイバーン2頭
でぶら下げて移動ができる。
モフッ子3人とキョウコ、ミナミは昨日と同様に分乗し
てタイールに向かう。気分は完全にピクニックだ。
のんびりとタイールに向かって飛び、小一時間ほどする
とタイールの町が見えて来た。
この3年で稲作地域が南北に3倍、東西に6倍に広がっ
ていた。現在は14,400haの水田で年間65,000tの米と
裏作で30,000tの小麦、20,000tの大麦を生産している。
主食穀物として米65,000tから39,000tの税を払って
も26,000tの米と30,000tの小麦で約33万人が養える。
現在のタイール人口は18万人程度であり、十分な余裕
ができている。
ちなみに大麦の20,000tはすべて酒造用である。
ビールが1,500KL、ウィスキーが500KL生産されている。
ビールは薄利での上、ウィスキーはまだ樽熟成中で販売
を開始していない。
米も100tだけは酒造米を生産して貰っている。手作り
の日本酒は5KL、2L瓶2500本のみの製造である。
144km2もの水田の耕作の秘密はもちろん、我がタイール
製農機具の活躍である。旧タイールの麦作地帯を中心に、
以前より研究していたロータリーをディーゼルエンジン搭
載のトラクターでけん引して開墾を行った。
そして試行錯誤の結果、田植え、稲刈り機の開発が完了
したお陰で大幅な機械化に成功した。田植え機はポット苗
を採用して機械による植え付けを単純化した。
稲刈り機は刃幅3.0mのコンバインを開発した。地球で
もコンバインの歴史は意外と古く、1834年の発明であるだ
けあって、技術的問題点としては刈り取り速度と脱穀速度
の一定化であったが、走行部と作業部に別々にエンジンを
搭載する事で解決した。
これにより、稲と麦の農地での脱穀が機械化出来た事が
農地拡大における最大の要因である。
また、基本的に玄米では無く籾で流通、貯蔵をする事と
した。まだ数の少なく故障の多い脱穀、籾摺り機は当面販
売せず、シェルム商会と領主館で試験運用と改良を行って
いる。
水田地帯の南側に有った旧タイールの町は綺麗に解体、
撤去されて更地の砂浜が広がっている。内海では小型の
漁船が数十隻出漁しているのが見える。10年後位には
漁獲制限や養殖、畜養も考えて行かなければならない。
オーサと飛竜は防壁の門を無視して上空から直接領主館
を目指す。住民もすでに慣れた物で一部の子供達が飛竜を
指差して駆けっこをしている程度である。
左手側下方に見える造船ドッグはすべて埋まっており、
大型艦ドッグの2隻を除いて、残りはすべて木造船の新造
中である。
小型艦ドッグでは中小の木造漁船及び商船の建造を行い、
大型艦ドッグでは大型商船と軍艦の建造を行っている。
大型艦ドッグに見える鋼鉄船2隻はのうち、1隻は解体
中、1隻が建造中である。2年前に建造を開始した鋼鉄船は
様々な問題点から進水させるのが精一杯であり、造波抵抗
も大きく、各部の船体強度も足りなかったため、今年から
解体しつつ2隻目を建造中だ。まだまだ鋼鉄船には時間が
掛かりそうである。
ちなみに現状は中型木造快速船(全長100m全幅25m
積載約1000t)の帆船にディーゼル機関を併用している
機帆船8隻で主に商連合国と獣王国を相手に貿易を行って
いる。
海軍基地には俗に言う74門戦列艦(全長60m全幅15m)
の機帆船が3隻と機帆船フリゲート(全長30m全幅10m)
が6隻停泊している。
これは鉄鋼船の安定的建造が可能になるまでの間、俺の
最重要基地であるタイールの防衛及び商船の護衛のために
配備した。
タイール防衛用に戦列艦2隻とフリゲート4隻の1小隊
と商船護衛として、戦列艦1隻とフリゲート2隻の分隊を
4分隊配備しており、合計3小隊で戦列艦6隻、フリゲー
ト12隻の乗員と本部要員100人を合わせて3,800人が
海軍に所属している。
ちなみに他国は帆船時代初期であり、戦列艦もフリゲー
トもまだ存在していない。ほんの一部の帆船に数門の大砲
が積まれている時代である。(前装式大砲の開発自体に一部
有力国が成功した段階)
右手側の街中を見降ろすと14区画の居住区のうち10区
画は5階建てマンションになっており、10区画に25,000
世帯125,000人が居住している。残り4区画には2,500世
帯12,500人の戸建て住宅が散見している。
ちなみに商会、工房関係者用の宿舎3区画と兵舎3区画
もマンション形式なので各9000世帯が入居可能だが、現
在はそれぞれ6,000世帯30,000人と3,000世帯15,000人
が入居しており、現在の人口は36,500世帯の約182,500人
となっている。
今年から宿舎と兵舎はキースクと共に月銀貨2枚を家賃
として一律徴収している。
オーサ達はそのまま領主館区画にゆっくり降下して行く。
キョウコとミナミが素早く飛び降り、バスケットを確保し
て、ワイバーンに着陸位置を指示する。
領主館区画は南北500m東西1500mが有ったが、東側
500mを塀で囲い、北側に南北200m東西300mで10階建の
領主館と南北100m東西150mの飛竜舎を建設して貰って
いた。現在は飛竜舎前に到着したところだ。
ちなみに残りの区画には南北200m東西800mで高さ10m
の巨大な工房建屋を2棟建設してある。
これは、日本酒酒造工房とビール・ウィスキー酒造工房
である。敷地全体に地下1~2Fの広大な熟成蔵が埋まって
おり、その上に建築されている。
に工房と商会の規模が拡大する中で、開発資金を得る為
に酒類だけは領主一族の専売とさせてもらったのだ。
10階建ての領主館は巨大な建物であるが、木材と御影石
パネル、フロートガラスを贅沢に使用した中層ビルである。
今後はこのビルを拠点とするつもりで、9、10Fは臣下を含
めたプライベートスペース、1~8Fは広大なホールや会議
室、臣下の指揮司令室を整備している。
レイとリンはこの建物がお気に入りである。
隠れん坊しても絶対に見つからない広大な敷地と建物が
楽しいのだろう。今はまだエントランスの池と芝生しか
無いが、今後は樹木や花壇なども増やしていく予定だ。
「いつ来ても異世界の建物ね~」
「ガラスだけで国が買えそうよ?」
「もっとお花を植えないと殺風景よね~」
お母様達は好きな事を言っているが、日差しが燦燦と
降り注ぐ室内で揺り椅子に座って、お茶をするのが大好き
な三人である。ちなみにこの領主館にもメイド部隊は30人
ほど住み込みで勤務して貰っている。
「さて、私は視察に回ってきます。お昼には戻って来る
ので、みんなで海鮮を食べに行きましょう。」
「「「いってらっしゃい」」」
「レイ、リンあんまりオーサ達を構っちゃだめだよ?
帰り乗せて貰えなくなるからね!」
「「は~い」」
キョウコとミナミを連れて、まずは酒造工房を視察に
向かう。領主館の地続きなので通用門を通って、そのまま
酒造工房に入れる。
「みんな、おつかれさま~」
「お!これは坊ちゃん!一杯やりに来たかね?」
東方イーストから呼び寄せた杜氏の一人が笑いながら
声を掛けてくれる。
「まだ、ちょっと早いかな~」
「今日は視察に来ました。」
「おう、この国でも15歳で成人しないとアルコールは
飲めないからな。5~6年後が楽しみだな。」
「今年から専用酒造米を作ってみたんですが、どうで
した?」
「そーだな、昨年までのような無様な酒じゃないぞ
やっぱり麹は専用米じゃねえとな。ここは水も悪くない
から期待できる。今年のは値段吹っ掛けて大丈夫だぞ」
「まあ、年間2500本しか製造できないですからね~
儲けさせてもらいます。」
「獣人族の彼らはどうですか?」
「職人仕事は人種じゃねえよ。熱意と情熱、根気だ!
大丈夫だ。まだまだ一人前には時間が掛かるけどな。」
「今後もよろしくお願いします。」
日本酒の酒造工房を出て、大麦の酒造工房に立ち入る。
作っているのはビールとウィスキーだ。
まずは麦芽からビールを製造して、10L金属樽に充填し
て販売している。
卸しなのであまり儲からないが、庶民の嗜好品は消費を
加速させるからね。酸っぱいエールは飲みたくない。
ビールの一部を連続蒸留器に掛けて蒸留する。これが
モルトウィスキーになるが、樽に入れて熟成させないと
色も付かず深みも出ない。
3年、5年、10年、15年、20年熟成で順次出荷する予定
にしている。来年は3年物が初めて売りに出せる。
3年物は1/4程度を出荷して長期熟成に備える。地下倉
には300L樽が4000樽ほど熟成中で、アルコールの臭いと
共に樽を焼いた香ばしい匂いがする。
熟成樽は5回程度しか使えないので、都度生産して廃棄
する必要がある。
こちらでも獣人の職人育成を頼んでおく。
製鉄工場は暑いのでパスしたい。。。
大型艦ドッグの様子を見て海軍本部を視察すれば
丁度お昼頃になるかな?
公衆浴場の横を抜けて大型艦ドッグの鋼鉄船を視察に
行く。特に誰何されることも無く入れたので、立入禁止区
画をちゃんと決めて警備させようと頭の中でメモをする。
一番西のドッグでは失敗艦の解体が最盛期を迎えていた。
解体が決定してから解体が進まなかった理由は、アセチレ
ンガスである。ガス自体の製造は化学工場で難しくなかっ
たが、圧縮冷却して液化したガスの爆発の危険性を除去す
るためにアセトンに溶解させる充填方法とボンベ、バーナ
ーの試作に時間が掛かってしまった。
今年に入ってようやく目途が付いて、現在、摂氏3330℃
のアセチレン及び酸素ガスを用いて解体が進んでいる。
特筆すべき事は高所作業車が無く、大型クレーンも見当
たら無い。その理由は大小様々な昇降床である。
ラシールとリシールの研究の結果、魔石には魔力貯蔵だ
けでは無く魔術を焼き付ける事が出来た。
焼き付けた魔術を駆動するための魔力の充填量は、以前
の話通り、品質と大きさに左右される。
彼女たちの研究開発の結果、低品質で小さい魔石であっ
ても、並列化して疑似的に高品質魔石のように使用する
事が可能になった。
昇降床は並列化した回路に魔力容量残量の安全装置を
組み込んでいる。
焼き付けられる魔術は出力の大小調整のみの単一でしか
なく、生体資源である魔石を高度に兵器等に組み込むのは
危険との結論である。
我々に都合が良かったのは魔力の代替えとして、電力で
充填できることも発見した。電力で魔術を発動できるのだ。
この昇降床は「昇降パレット」と呼んでいるが、タイール
で使用されている物はすべて電力で充填している。
ちなみに艦船建造で数百tの重量物を持ち上げようと
するとAランクかBランクの魔石を十個前後使用して、
2時間程度しか持たない。
だが、個人的に先の話として惑星又は太陽系脱出速度の
解決法が全く考案出来ないでいたので、斥力や重力を制御
できる時空魔術「フロート」の付与は喉から手が出るほど
欲しい物であった。
このため、この先魔石の利用は7~90%を浮遊魔術に使用
する事とした。
今後の課題として魔石の安定供給が必要であり、現在は
魔獣を畜産できるかどうか試験中である。試験しているの
は、角ウサギ(小さいうちに角を落とす)、スリーピング
シープ(羊毛も重要な資源である)、ワイルドバッファロ
ー(美味)を実施中である。
現状では魔石の利用方法が単一に近いのは残念であった
が、浮遊魔術だけであっても非常に有意義なのは確かであ
り、その結果が建築、造船の進捗状況などに表れている。
俺は艦船解体中のドッグに降りて行き、艦体を切断して
いた作業員に声を掛ける。
「お疲れさん。どうだい?パレットとアセチレンにはもう
慣れたかい?」
「坊ちゃん。視察ですか?どちらも慣れましたよ。ドッグ
は工場扱いなので工房とは違って、一つの作業だけを
延々と時間を掛けて修練できます。1週間も続ければ俺
のような覚えの悪い奴でも必ず熟練者になれますので」
「それは良かった。君はバグリドの出身かな?
我々はまだまだ人が足りない。
声を掛けられる親族が居れば呼んでやってくれ。」
「わかりました。
獣人差別も無く、最新設備で広い宿舎に低額で入居
出来て給金も高い。何よりこの町は飯が美味いです。
自分の職を奪われないように自重していましたが、
坊ちゃんがそう言ってくれるなら親族を呼びます!」
いや~若い子は素直で良いよね~
あ、突っ込みはいらないです。はい。10歳です。。。
俺は自分が思っていた数倍の速度で解体が進む大型艦船
を見て、あと数週間で解体が完了しそうなのを確信すると
海軍本部に向かった。
海軍本部は領主館と同等の大きさの本部棟を3階建てで
構えている。本部に入館しようとすると丁度、隣の兵器庫
へ新兵器が届いたようで主要な人員はそこに居た。
「ヤマト海軍本部長、何が納品されたんだい?」
「あ、主様。
お疲れ様です。工房から後装式125mmライフル砲が完成
したと連絡があったので出迎えていた所です。
戦列艦の前装式より装填が早い上に、ライフリングで
弾道が安定するようですね。
射程20kmだそうで今後試用を行っていきます。」
「ああ、悪いな。。。
未だ真面な陸兵を配備出来ないせいで、余計な仕事を
増やしているな。陸軍を設立するには最低でも10000人
規模からだと考えているので、お財布の中身的に当面は
我慢してくれ。」
「いえ、こういった仕事も機構や仕組みを知るのに必要な
事ですし、いずれこういった砲を積んだ艦船も建造され
るでしょうから良い経験になります。」
「うむ、鉄鋼船の建造が順調に行けばこの何倍もの大きさ
の砲を積むので正解だよ。」
俺は勤勉な姿勢が活かされることに微笑みながら、海軍
本部を立ち去り、領主館に戻った。
領主館に戻るや否やチビッ子5人が走り寄って来た。
「兄さま、ごはんごはん!」
「兄さま、お腹すいた~」
兄弟と共にチョコたちも
「あるじ様、お魚です!」
「あるじ様、お米なのです!」
「あるじ様、お刺身なのです~」
「はいはい。お母様方は準備できました?」
「はいはい。商会の食堂でしょ?」
「2ブロックで近いから歩きましょう。」
「お財布は持ったわよ?」
クリス母様。。。。
僕の首根っこ持って「お財布持った」って。。。
まあ、言っても仕方が無いので歩き出す。
キョウコとミナミが先頭に立ち、領主館メイドが10人
ほど後ろに続く。大名行列じゃん。。。。
タイールの街路及び街道は基本的にアスファルトで
舗装されて、両側には側溝が設置されている。ロジーナ
土木建築商会はすでに手敷きだが、アスファルト舗装を
修得していた。
更にアリダートを覗いて巻き尺で平板測量、水平器で
高さ計算までやってのける。
鉄輪ローラとタイヤローラは簡単な物だが、すでに出来
上がっているので、グレーダーとフィニッシャーを開発し
ているが、意外にスクリューシャフトは作るのが難しいら
しく上手く行っていない。
舗装されたタイールの町では自転車が流行っている。
それと単気筒エンジンのバイクが目に留まる。高度経済
成長期の日本のように両方共、後ろにリヤカーを引っ張っ
ている。
ちなみにトラックはまだロジーナの所と商会の輸送隊の
一部で試験を開始したところである。
3000ccディーゼルエンジンを搭載したフロント1輪、後部
2輪の俗に言うオート三輪で4tの積載がある。
まだダイナモやオルタネータが開発中なので、電気が使
えないため、パワーステアリングは無く、ライトやウィン
カーも無い。
始動は押し掛け。シフトギアも無しでエンジン停止は
エンストさせて停止している状態だが、手動油圧シリンダ
ー式のダンプアップバージョンが人気だ。
アスファルトや鉄鉱石、コークスをスコップで降ろさな
くて良いだけで天国だそうだ。
一応制限速度を20km/hとして、馬より早くて量が詰め
るだけの物だが十分活用している。今後時間を掛けて車両
として完成させていく予定だ。
シェルム商会の食事処に着くと、若干昼の時間より早
かった為か全員がすぐに座る事が出来た。先日決めた当家
の新しいルールにより、領内での外食時にはメイドや乳母
も必ず着席して同じ物を食べる。
だってサービスの邪魔だしね。。。毒見は同じ物を注文し
ているので、そこはきちんとして貰っている。
みんな思い思いの物を注文している。俺は刺身御膳だ。
クリス母様はカニ御膳。ミランダ母様はイセエビ御膳、
エメルダ母様は悩んだ挙句に特上寿司を注文している。
お子ちゃま達用には、ちらし寿司を桶で注文する。
結局ちょっとずつ皆の注文したものを摘まむんだけどね。
キョウコは鯛茶漬け、ミナミはウナギ御膳だ。大河で
獲れたのかな?タイールは淡水魚と海水魚両方が陸揚げ
されるからお得である。
ちなみに日本酒醸造の副産物で、みりんや米酢が開発で
きたので地場産だ。醤油と味噌は残念ながら人手が回らな
いので、東方から人を招いて住民の女将達に教えて貰って
いる最中で、現在は東方産である。
マナミが意地になって東方から仕入れた味噌と醤油の
美味い事この上ない。
「お呼びになられましたか?我が君?」
「うおぅ!!」
マナミさん。。。心臓に悪いです。。。
「あらら。ふふっ。皆さまお味の方はどうでしょうか?」
「「「美味しいよ!」」」
「「「美味いです!」」」
「皆さまのお口に合いまして良かったです。」
「昨今は頑張って結果を出すと我が君のご寵愛を賜れると
お聞きしましたので必死になってみました。」
ぎくっ!
マナミさん。。。目が笑ってないですよ?
「あらあらあら。。。」
「それはご褒美をあげないといけませんね。」
「やっぱり授かり物が良いのかしら?」
お母様達3人が楽しそうで何よりです。。。
「ご寵愛です。」
「閨です。」
「ラブラブです。」
チョコ。。。君たち意味わかってないでしょ?
「それもとっても魅力的なんですが、キョウコ様の氷の
微笑が怖いので今度にします。」
「ん?何か欲しい物でも?」
「はい。まず。タイヤの製造がトラック(馬車)、自転車、
バイクと多様化して来ており、量産の目途も付いたので、
化学工場の北側にゴム製品専用工場を建設する許可と
資金をお願いいたします。
また、バグリドとダムド獣王国に生産委託している、
綿花と羊毛、ゴムの木農園の拡大のための資金もお願い
いたします。
もう一つ、カトリナ様配下のマノール伯領とカイルベル
伯領に製紙兼印刷工場の建設の許可と資金をお願いいた
します。」
「ん~製紙兼印刷工場は技術を広げるのにちょうど良いな
1ヵ所白金貨20枚ってとこか、ゴム専用工場が白金貨50
枚、獣王国振興に各白金貨30枚として計150枚だな。
ほら。持って行きなさい。
更なる活躍を期待しているよ!」
カツアゲだった。。。。150億円。。。。ぴえん。。
「ありがとうございます。我が君」
マナミがニコリッとする。。。可愛えのう。。。
良いんだよ?
おじさんになんでも強請ってごらん。。。
キョウコとミナミの冷たい視線に耐えて食事を終えた。
その後は視察にならなかったのは言うまでも無い。
タイールは商国連合から様々な商品が入荷して店頭を賑わ
せている。装飾品から家具や食材までしっかりお財布にな
りました。
あ、今度デザートを開発させよう。
王都と4都、学園都市で売れるだろう。
ニムルに任せてやろう。。。ふふふっ
なんて現実逃避している間の買い物総額、大金貨9枚と
金貨3枚、大銀貨2枚、銀貨6枚。。。。
ちょっとその辺でお買い物でも。。。ってノリで
1億も使う?自転車30台も要るのかね?
決して口に出さずに支払いして領都に戻れば、もう夕刻だった。。。
(白金貨93大金貨2金貨5大銀貨7銀貨7大銅貨2銅貨2)




