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銀河戦争?こちとら中世剣と魔法の世界ですが何か?  作者: 窓際の憂鬱
第二章 幼少期
24/71

第22話 ドワーフ


ラクエ大森林の樹海の端、岩山の点在する丘陵の一角に

幾筋もの煙を棚引かせている穴が見える。

 父上の話が無ければ只の火山性ガスの煙とでも思って

素通りしてしまうだろう。



 密林を少し避けた位置に降り去ると、サスケに竜種の

番を頼み、岩山に近づいてゆく。これは炭の焼ける匂い

と鉄の香りだな。少しだけ硫黄の匂いも漂ってくる。


 煙を上げている穴の近くに近づくと、唐突に強力な

弩の矢が我々のすぐ傍に着弾した。


「人族よ!何用だ?飛竜まで連れて戦争に来たのか?」


野太い声で乱暴に誰何される。



応対は買って出たのはキョウコである。


「ドワーフ、わが友よ!私だ、イーストのキョウコだ。」


えっ?知ってるの??

「キョウコなんでドワーフ知ってるの?」


「坊ちゃん?乙女の秘密ですよ?」

 実に良い顔で笑う。。。じゃあ仕方ないよね。。。


「わが友、キョウコか。

 いいだろう、詳しい話はこちら聞こう。」


 拍子抜けである。父上は開いた口が塞がってない。

 キョウコ。。。悪い女である。



 キョウコの案内で岩山の隠し扉から中に入る。

勝手知ったる人の家を地で行くキョウコさんに先導されて

岩山内部の洞窟に進入した。迷いなく辿り着いた先には

大きめのテーブルと10脚程の椅子。


 すでに椅子には小柄だが筋肉質で顎鬚を生やした者達が

着席していた。良かった。女性は髭は無いようだ。

無慈悲なラノベでは女性にも顎鬚あるからな~。



「久しぶりですね。里長。」


「うむ、キョウコも息災そうで何よりじゃ」


「本日は、マキシアム王国のロンドベル辺境伯とお子様

 達をお連れしました。」


「キョウコ、悪い癖だぞ?

 乙女の秘密とか言って本質を誤魔化そうとするのは。」


賛成です!もっと言ってやってください!



「これは失礼いたしました。」

 なぜか俺を見て言うキョウコさん。。。


「紹介した内容に嘘はございませんが、もう少々説明を

 追加いたします。辺境伯様は私の雇用主であり、私は

 こちらにいらっしゃるご次男のラファエル様の臣下と

 なっております。

  簡単に言いますと、ラファエル様は私たちが長年探

 し求めていた。アルテイシア様の使徒様です。

 よって、私以下東方イースト国及び辺境伯様の御長男、

 お姉さま方もラファエル様に忠誠を誓い配下となって

 おります。」


「おお!では、カトウ家の悲願は半ば達成されたのか。」


「そうですね。ドワーフの皆さま方には古の約定に従い

 長い間、我らの武器を鍛えて頂き感謝の念に堪えません。

 すでに、ヤマト、ツクヨミ、シノブ、マナミらの御兄弟

 達もラファエル様の元でご奉公させて頂いております。」


「では、我らはお役御免か。。。」


 おいおい。。。ちゃうやろ。。。。勧誘に来たのに。。。


「そこは、我らが主にお聞きください。」



「ごほんっ。。お初にお目に掛かる。ロンドベル辺境伯です。

 よろしくお願いする。」


「では、あとは私が。

 ラファエルです。キョウコの説明通り、アルテイシア様

 より、ロンドベル辺境伯家に転生させられた転生者です。

 こちらでの言い方は使徒と言うようです。

 私の主神から賜った使命は、「技術革新を進めて、早急に

 出来る限りの近代化を成せ」と言ったものです。」


「先程のキョウコの話ですが、お役御免などとは

 とんでもありません。

 今まで通り優秀な武器を鍛えて頂くのはもちろん、

 出来るなら技術革新の中核になって

 ご協力をお願いしたいと思っています。」


「なるほど。。。

 ところで儂はドワーフの隠れ里の里長をしている

 ギムレットじゃ。

  我らの鍛える武器はお主が腰に差している刀から

 も気に入って貰えているようで何よりじゃ。

 むろん、今後も鍛えることには異存無い。」


「だが、お主への忠誠や里を出ての協力というのは中々

 難題じゃな。。。そのような話に乗る者が居るかどうか。。

 辺境伯殿はご存じだろうが、我らはちと腕が良すぎて

 外の世界で碌な目に合わなかったのでな。

 仕方が無く、こんな隠れ里に暮らしておる。」


 ふむ。。。

「wiki 鋼鉄 プリント」

 植物紙数枚がはらりと落ちる。



「ギムレット、その紙を皆で読んでみてくれ。」

 ドワーフ代表の皆で先を争うように読んでいる。


「私は女神から私の世界の技術知識をそのような形で

 提供できるスキルを貰って来た。

 もちろん読むだけでなく、まずは勉強して、実践して、

 研究して、身に付けて、初めて次の更なる革新に至れ

 ることは承知している。

 ドワーフ族に技術の極致を目指すものは居ないのか?」


読み終わると、ドワーフ族の代表たち全員が跪き

ギムレットが代表して


「我らドワーフ族、技術こそ我らの生きる糧!

 ましてや新たな技術を身に付け、昇華させられる機会を

 逃す事などあり得ません!

  我らドワーフ族すべての忠誠をお受け取り下さい。

 是非とも我らに新たな世界を!」


「あい、判った。忠誠を受け取る。

 その対価としてあらゆる技術情報を授けよう。

 我が表の配下としてギムレットにⅩⅩの位を授ける。」



 その後は、隠れ里の内部を視察する。

やはり、ドワーフは炭を用いているようだ。

穴倉の隠れ里で倒れる人間が何人も出て、換気施設を開発

設置したそうだ。

 そりゃそうだよね。一酸化炭素中毒になっちゃうもん。

そして、意外な事に女鍛冶師も結構いた。

ちょっと薄着で目のやり場に困ってしまった。

 鍛冶場は女人禁制とかのイメージがあったのだが、全く

こちらでは関係なかった。あくまで鍛えた刃物の質だけが

評価対象らしい。


「それで?ギムレット。何人が我が領に来る?」


「何人?全員ですが?拙かったですか?」

 驚いた事に全員で移住するようだ。


「い。。いや。こちらは構わないが、ここは放棄しても

 良いのか?何か先祖伝来とか、良質な鉄鉱石とか?」


「ここは好き好んで住んでいた訳ではございません。

 いつか墓参りに来られるように残しておきたい程度

 ですかな。昔は温泉が湧いていたのですが、枯れて

 久しいので惜しい物はありません。」


「全員と言うと何人居る?」


「成人男性が128名、成人女性が169名、未成人男性が

 101名、未成人女性が211名です。」


 ドワーフ族は女性が強いのね。。。


「609名か。多いが大丈夫だろう。

 ドワーフ族には当面キースクに移住して貰おう。

 領都から5日ほどだが更に西だ。

 他領の変な連中からも距離が取れるしな。」


「キースクは現在ザンザと言う配下の元、開拓村なんだが

 都市規模に拡張中って変な村で私の技術実証用の都市に

 もなる。基礎学習を行える学校も研究所もあるので、

 存分に技術開発出来るぞ。

  但し、私の所有するオオワシ工房が現在は主導権を

 持って技術開発を行っているので協力するように。」


「オオワシ工房の配下責任者はアヤメとシノブですよ。」

 キョウコが口をはさむ。


「おお、姫と嬢ちゃんか上手くやるよ。」



「よし、それから引っ越しの段取りだが、私らが領都に

 戻り次第、スサノオを代表として飛竜を6頭寄越す。

 飛竜で飛来した時に改良荷馬車を数台持ち込むので

 使ってくれ。

  その後、先遣隊として6名を選抜してくれ。

 先行してキースクに行って受け入れ準備をして貰おう。

 それと、馬車数台分のマジックバックを10袋渡して

 おくので引っ越しに使え、返却はスサノオにしてくれ

 れば良い。」


「あ、そうだ、ギムレットに当座の資金として白金貨5枚

 を渡すので皆の生活が安定するまで、面倒を見てやって

 くれ。工房の人間は直接販売を禁止しているので、シェ

 ルム商会に販売するように。キースクにも店がある。」


 そう言って白金貨を投げる。

 白金貨。。。1億円。思えば遠くに来たもんだ。

 5億円投げちゃった。。。

 


「我が主、手厚くも細やかなお気遣いありがとう

 ございます。」

 



 そろそろ、領都に戻る頃合いなので段取りを確認して

領都への家路に着いた。御屋敷に帰っても中々父上が竜

から離れたがらなかったが、ダメです。あげませんよ?


「キョウコ、ドワーフの引っ越しの手配をしてくれ。

 スサにはドワーフの運搬が終わり次第、こちらに戻る

 ように伝えてくれ。どうせ先遣隊にはギムレットも

 居るだろう。キースクで彼らと打合せをしたい。」


「かしこまりました。」


 俺は戸口に居るセバスに小声で声を掛ける。

 「セバス、お母様たちを。。。」


 セバスが無言のまま姿を消して、しばらくすると

 お母様たちが現れた。


 あれ?お母様たち若返った?


「ラフィー、最近あまり構ってくれなくて寂しいですよ?」

 ミランダ母様が言う。


「ラフィー、もう少し時間を作って、レイとリンも兄弟

 として可愛がってください。」

 エメルダ母様からお小言を貰うが、あの双子はまだ1歳だ。


「お二人共、ラフィーは領地発展のため頑張ってるの

 ですからあまり苛めてはいけませんよ?」

 クリス母様が庇ってくれる。


 この3人は本当に仲が良く、良いトリオだ。

 父上は幸せ者だな。



「ところで、お母様たち若返りました?」


「もう、ラフィーったら不躾なんだから。。。」

 年長のミランダ母様がご不満気だ。


「そうそう!ラフィーのおかげよ!

 マイル服飾店の店長があなたの発明だって言って、

 ブラジャーを持って来てくれたの!

 お蔭で寄せて盛れて皆の見る目が違うのよ!」


 いや。。。クリス母様は元々

 巨乳スレンダーの峰不〇子スタイルやん。。。


「でも、貴族用の可愛いのは金貨5枚以上するのよね。。

 もっといろいろなデザインを買いたいのに。。。。」


 エメルダ母様。。。。

 上目遣いのおねだりは父上に。。。


「お母様方、父上が竜から離れなくて困っています。

 正直鬱陶しいので、このお金で父上の引き剥がしを

 ご依頼いたします。」


そう言って大金貨15枚を差し出す。


「ラフィー、あなた。。。」

「多すぎですよ?」

「子供にお小遣い。。。幸せ。。。。」


三者三様の反応である。


「父上を引き剥がす事はお母様達にしかできませんので

 正当な対価ですよ。」


「「「ラフィー、ありがとうね!」」」



 父上、すみません。。。


耳を引っ張られてドナドナされて行く

父上を見送りつつ心の中で謝罪しておく。



 しびれた足を引き摺りながら食堂に表れた父上と

共に夕食を食べていると恨み言を言われた。


知らんがな。。。(笑)



昨日今日もハードだったので、早めに就寝する。

キョウコの下着姿は慣れたからな。って思っていたら


新作だった。。。

レースの飾り付き。。。

キョウコ。。。怖るべし。。。


 


 翌朝もキョウコの下着にドキドキしながら目覚めた目を

こすり起き上がる。


 そもそも、早く休めって言っておいて、安眠妨害。。。


 あ、ハイ。。。なんでもございません。



 朝食後、キョウコにワイバーンの所在を確認したところ

すでに領都に戻っているとの事だった。


「キョウコ、姉様達とサスケ連れてキースクに行くよ。」


「坊ちゃまはオーナに御一人ですか?」


「オーナは賢いからね。それと途中でオオワシ攫おうと

 思ってね。」


「なるほど、かしこまりました。帰還中の配下は南周りの

 キリンダからマドラのルートを取っているはずです。」



 皆を載せてワイバーンとオーナの3頭で街道上空を行く

開拓村マドラと開拓村キムルの間の街道で荷馬車の集団

を見つけた。


 オーナだけが急降下するとアヤメと仲良く御者台に

乗っていたオオワシを、その片足で掴み急上昇する。

 

「アヤメ~借りるよ~」

 一応声を掛けておく


 オオワシが何か言っているが当然無視の方向で。

そのまま、小一時間飛行してキースクに到着する。

 オーナは地上2mくらいでオオワシをぺいっと放り

出して到着する。


「いたたた。。主様よう。。もう少し優しく

 お願いしますよ。」


「まあまあ、オオワシの為だから我慢しなよ?」


「へ?俺のため?俺には恋女房なアヤメが居るんで。。。」


 あーごちそうさま。黙ってろ。




「おかえりなさいませ。我が主。

 彼らの先導隊はすでに到着して工房と宿舎におります。」


ザンザがやって来て報告してくれる。


「ご苦労。

 では工房に集めてくれ、オオワシと引き合わせる。」


「御意!」




 のんびりと工房に向かい到着すると、思った通り

ギムレットが居た。


「主よ。この町は素晴らしいな。

 計画に余裕を持った上で、用途地域を決めてある。

 しかも、石と木材の融合した建物が心地よい。

 穴倉から出て来たかいが有ったわい。」


ギムレットが感心している。


「ギムレット、これは都市計画と言って用途制限地域とか

 を設定して、町の発展方向を誘導する方式だが別に珍し

 くも無いだろう。新たな技術でも無いしな。」


「まあ、良い。とりあえず、工房に入って打合せしよう。」


 オオワシの誘導で工房に入る。工房は地図上では小さく

見えるが、商会がでか過ぎるだけである。


工房は金属工房と技術工房に別れており、

それぞれの工房が、間口200m奥行が250m程もある。

 基本的に両方共作りは一緒で、正面に向かって

右側に奥までの幅50m奥行250mの3階建て事務所兼宿舎。

左側は奥側に幅200m奥行150mの平屋作業所である。

さながら流通団地の卸売市場かトラック集配場の雰囲気

が気に入っている。

 今回は技術工房の2階にある小会議室に入った。


 ちなみにその北側の宿舎は幅400m奥行200mの土地に

幅340m奥行25mの3階建て団地が4棟建っている。

これは将来的に駐車、駐輪場を設けるためとまだまだ

農作業をしないと落ち着かない住民のために家庭菜園を

してもらうために土地を多めに残している。

 この宿舎1ヵ所で204世帯、宿舎全部で1432世帯が

生活できる。

 1世帯は17mx20mの2LDKの340m2で10人以上が

生活できるんじゃないか?って広さだ。

 そういえば居住区もあるが、1500世帯とドワーフ

120世帯で、すでに満員御礼だな。


現時点の技術力では3階建てが限界だしな。。。

早くコンクリートが欲しい。。。


色々考えているうちに会議室に着いた。


「オオワシ、彼らが幻の亜人族、ドワーフの諸君だ。先日

 私の配下に入った。現在、隠れ里を撤収して村民600名

 がこちらに向かっている。」


「何と!やはりドワーフ殿か!

 鉄と炎を知り、様々な技術に長けていると言う。

 東方の刀剣は彼らだけが鍛えられるので、

 まだ生き残りが居るとは思っていたが。。。」


 オオワシが驚いている。ドワーフは鍛冶師のブランド

 以上の存在らしいからな。


「ドワーフの里長だったギムレットだ。直接的には彼が

 私の配下に入った。色々教えてやってくれ。」


「御意!しかし私に教えられる事があるかどうか。。。」


「お前は今まで遊んでいたのか?私の知識と遺跡の話だ」


「ああ、なるほど。」


「今、オオワシ工房の人員はどの位居る?」


「研修中を除いて、120名程です。主の言う通り多様な

 分野の工房を吸収合併したのと、人員を募集しました。

 。。。。アヤメが。。。。」


おい、小声で最後付け加えるなよ。。。


「現在、採掘精錬部は20名すべて、こちらのキースクに

 移転して採掘所、コンクリート工場、石材加工所に

 従事しています。

  コンクリートは焼成炉の建設と開発中です。

 

  金属加工部は領都に20名残して20名がここ金属工房

 と技術工房に配属されています。技術工房は馬車足回り

 の量産計画がほぼ完成しております。

 金属工房もスプリングの生産をしつつ、農具生産・保

 守及びロータリーの改良を行っております。


  製紙・紡績部はここの繊維工場に10名が配置されて

 おり、現在糸繰り機50台の設置が完了、機織り機50台  

 の設置に取り掛かっております。

 合わせて、アヤメ、シノブが各地の綿花及び蚕の買い

 付けを行っており、キースクの農地の一部でクワの栽培

 を開始しております。

  残りの10名は領都郊外の植物紙工場に従事しています。


  学術部は領都の工業大学に教授として10名、生徒と

 して10名がローテーションで在籍しています。今後、

 キースクの学校に工業学部を新設して、こちらの技術

 者も学業を行う予定です。


 最後に研究開発部は全員こちらキースクの研究所勤務

 としました。情報の秘匿も領都よりしやすいとの判断

 です。最優秀な10名が軽油精製の研究を行っており、

 現在精製施設の設計をしております。残りの10名は

 個々に兵器や発動機等の研究を行っております。」


オオワシがメモを見ながら説明してくれた。

 

「うん。説明ありがとう。」


「ギムレット!意識を切り替えろ!

 ここから先は未知の世界だ。そして私の要求は厳しい

 ぞ?メモの一つも取らないで付いて来れると思うなよ?」


「主、失礼した。まだ儂らも驕っていたようじゃ」

 ギムレットが深く頭を下げる。

 残りのドワーフは。。。。微妙な表情だな。。。

 まあいい。


「キョウコ、全員の前に筆記用具を置いておけ」


「御意!」


姉さま2人と共にメイド服の袂から何故か大量の

筆記用具しかも植物紙が。


「植物紙は工場の試作品です。」

 キョウコが説明する。



ドワーフ共は植物紙には少し反応を示していて

手触りと書き心地を試している。


「よし、本題に入ろう。

 まず、前提からだ。二度は言わんよ?

  私の目的は世界制覇だ。何故かと言うと世界一丸と

 なって戦力を整えて、違う世界との争いに備えるのが

 女神のオーダーだからだ。

  そして、その期日が100年弱と言う短さだから、技術

 だけを投げて発展を待つと言った方法が取れない。世界

 制覇してしまって、強制的に技術革新と人口増加を成し

 遂げるつもりだ。

  ちなみに、私の出身の世界はこの世界と大きさは変わ

 らないが、64億人の人間が居た。空を飛ぶ鋼鉄製の鳥や

 巨大な鋼鉄製の船、60tを超す鋼鉄の塊の大砲など

 技術的に数百年以上進んでいるからできたことだ。」


「その知識は、ここにある。」

「wiki ブック」

 ペラペラとめくって見せる。



「だがね。今の君らでは役に立たない。」


プライドの高い一部のドワーフから怒気が伝わる。


「おい!そこのお前、これ見て理解できるか?」


炭素鋼のページをめくって見せる。


「ふん、当たり前。。。。

 いや。。炭素が炭って事は判る。硫黄も。

 だが、ケイ素とかマンガン、リンとか。。。

 すまん。わからん。。。。」


「まあ、そういう事だ、鋼鉄の種類は多種多様で、

 それぞれ適した用途がある。お前たちが鍛えられる

 刀剣のように(折れない、曲がらない、よく切れる)

 目的のためにはどのような組成の鋼鉄が必要なのか。

  勘と経験でやっているだろう。それを数値化して

 いつでも誰でも同様の事が出来るようにするのが、

 工業化だ。

  工業化によって技術は均質化して世間に広まる。

 その技術レベルをベースにして新たなる改良、進化が

 始まるわけだ。」


「現時点で君らがどれほど優秀でも、私の要求には答え

 られないし、取っ掛かりすら掴めず途方に暮れるだろう。」


「領都にはそのための工業大学校がある。まだ始めた

 ばかりだが、算術や化学、物理学を私の知識を元にした、

 教科書を使って勉強を行っている。そこに居るオオワシ

 も空き時間には工業大学で学んでいる。」


いつの間にか、ドワーフたちが皆でメモをし始めた。


「まずは、勉強して私並みの知識を早急に身に付けろ!」


「当然、勉強だけしていても困るので、

 日々の生産も行ってもらう。

 当面は君らの作れる弩を100張、ボウガンを1000張を

 作るのと、コンクリート工場の焼成窯の開発、軽油の

 精製装置の開発には参加するように。

 オオワシの連中は半日交代のローテーションで仕事と

 学業を両立させているからな。ドワーフにも出来るだろ 

 う?」


煽ったらご褒美も必要かな?



「で、君らに良い知らせだ。これは機密事項なので

 口外しないように。

 我々は、ここキースク近郊に古代の遺跡を見つけた。

 先代使徒の残した、私の世界の機械が大量に保管されて

 いる。見たくは無いか?」


「す、、、すぐ行きましょう!お願いします!」

ギムレットが即座に反応した。


「だがな、それは無理なのだよ。

 少なくとも軽油が開発できないと明りも無く、

 機械を動かす事も出来ず、何もできない。

 だから封印してある。」


「け、、軽油だなさっき言っていたな。。。」

さっそくギムレットがメモに視線を走らせる。


「そうだ、オオワシの所では最優秀な者達が、

 すでに精製方法を理解して、設備の設計を開始

 しているぞ?早く追いついて追い抜かないとな。」


「オオワシ、精製設備は一旦ここの領主館予定地で

 製作しろ。最終的に精製所は南の開拓村キリンダに作るが

 今回の1号プラントは原油の湧いていた現地に設置する。

 マジックバッグでは入らないから、私が移動させる。」


「御意!!」


「それと、ドワーフ族にはもう一つ中期目標を与えよう。

 お前たちはすでに黒色火薬は知っているな。

  銃を作って欲しい。銃は最終的には魔術と組み合わせ

 たいので、火薬を利用する銃がどの位、実際に利用する

 か判らないが、拳銃を50丁ほど揃えたい。

  アヤメかシノブに「拳銃」のキーワードで情報を貰え。

 今回は私の世界の拳銃に短刀を組み合わせた物を5年以内に

 作ってくれ。ちなみにイメージはこんな感じな。」


挿絵(By みてみん)


「握りに弾倉を入れて上に見える筒から鉛玉を発射する

 武器だ。短刀は押し込み式で握ったままの操作で強烈に

 飛び出して突き刺さるギミックも欲しいな。」


キョウコさんの太ももにぴったりですよね~


「うむ、我が主様よ。やりがいがある仕事ばかりじゃ!」


ドワーフ全員が立ち上がり九十度の礼をした。

 

 開発資金として白金貨7枚を与える。

 (ボーガン0.2金貨x1000、弩2金貨x100、拳銃6金貨x50)


 その後は、オオワシに任せて夕刻に放牧地に来るように

告げるとザンザの所に行った。


「ザンザ、どんな感じだ?」


「はい、居住地が広すぎて落ち着きません。結局一部に

 固まってしまいました。しかも元の住民すべてに

 あのような広い二階建てを立てて頂けるとは。。」


 そう、結局みすぼらしいので建設集団にすべて建築

させている。すでに新規入植者用に100軒程度は建って

いるのだが、今は家主の希望も聞きつつ建てているので

少し時間がかかるだろう


「そうそう、新住居では靴を脱ぐようにしてくれ。

 衛生観念を改善しないと寿命が延びないからな。」


 打合せをしているとあっという間に時間になったので

 放牧地に戻り、領都への帰途に就いた。


(白金貨178大金貨1金貨3大銀貨3銀貨3大銅貨2銅貨2)


当方、初めて物書きに挑戦いたします。

誤字脱字、読みにくい等のご指導をお願いいたします。

豆腐メンタルなので過激な指摘はご容赦くださいますようにお願いいたします。

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