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短編横丁  作者: 友野久遠
26/27

(26)例の電話 part2

 親というものは、真面目に子育てをしているつもりでも、どこか遊び気分を残しているものだ。

 育児は24時間360日営業。 しゃっちょこ張っていてはやってられない。


 「例の電話」に対する長男の反応が、あまりに面白かったので、つい続編を見たくなってしまった。

 8年後、今度は次男が4歳になって、その電話を私の手からひったくるのを止めずに許してしまった。


 「ハア、ハア、ハア」

 「なにこれ」

 次男の反応は冷ややかだった。 そしてその顔に、明確な怒りが現れてきた。

 「馬鹿だ、こいつ! 何考えてんのバカ!」

 凄まじい剣幕で言うと、さっさと電話を切ってしまった。


 しまった! こいつは長男と違って、相手の異常性が理解できる奴だったのか。

 親のおポンチな興味で、変なものを聴かせるんじゃなかった、トラウマになったらどうしよう!

 次男の表情を見て、さぞかしいやらしさで不快だったのだろう、と反省した私だったが。


 よく聞いてみると、次男の怒りの理由はそういうことではなかった。

 「わざわざ自分で電話しといて、こっちが出たらスースー寝込んでるんだよ。

  どうしてそんな馬鹿な真似ができるの? 変な大人だよね!」

 


 「ハアハア」が「スースー」に。 聞こえなくもないか。

 子供は、ひたすら純粋なのだった。

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