そうだ、ダンジョンへ行こう!
前回のあらすじ~
お嬢様に懐かれた。
そんなこんなで、ダンジョンにはまだ行けないし、どうせ暇だしということで、そのまま領主様宅でお世話になってしまった。
シアに引き留められたのと、クレナイが料理を気に入ったのと、私がお風呂を気に入ったのと…、などもあり、折角なのでご厚意に甘えようかと、甘えました。
フカフカベッドに美味しいご飯。最高。
シアが楽しそうだと領主夫妻もご満悦。
そして2日経ったその日、ダンジョンが簡易的ではあるが開通したと聞き、ダンジョンへ向かうことに。
それが目的でこの街に来たのだしね。
シアはぶすっとして、面白くなさそうな顔をしている。
「ダンジョンをちょっと見たら帰ってくるから。またここに寄るから、ね?」
なんとか頷いてくれました。
領主宅の皆さんにも見送られ、まずはギルドへ。
道すがら、ずっと黙りこくっていたクロがこっそりと話し出す。
「あの娘、八重子が対等に接してくれるのが楽しかったようだの。友達のテレジアとやらに、姉もいたようだぞ」
一人っ子のシア。姉の存在にも憧れがあったとのこと。
「妹が増えてくなぁ。菜々子に怒られないかしら?」
「のしを付けて差し上げるとでも言うのではないかの」
生意気な。
ギルドに付くと、いつも通り空気がざわりとなる。
はい、皆人化してます。リンちゃんは頭の上ですが。
お馴染みとなったフワリとしたお姉さんの窓口へ。
ダンジョンについての話を聞く。
しかし、このお姉さん、シロガネを見ても顔色変えないよね。珍しい。
実は、常日頃からいい男がいたらすぐに対応出来るように、身嗜みを整えていたりする。
ダンジョンまでは定期の馬車があるらしい。ダンジョンまでは大体30分くらい。歩いても行けないわけではないとのこと。お金がない者は歩いて行くらしい。
私はもちろん、シロガネがいるからね!
ダンジョンの入り口の周りには、簡易的なお店が幾つかあると。そこで道具、武器などを補充して行くのだと。なるほど。上手い商売ですな。
入り口には受付があり、そこで入場料を払って入るのだと。入場料は1人銅貨3枚。安いな。
中で手に入れた物は、手にした者の物になる。ギルドで売っても良いし、入り口付近のお店に売っても良いとのこと。
ただし、魔獣達にお店が破壊されてしまったので、今は簡易的な店はなし。売りたければギルドまで持ってこいと。嵩張るね。
最高踏破記録は32階だそうだ。簡単な説明書も、金貨1枚でもらう。ただじゃないんかい。
おおまかな地図と、生息魔獣の種類などが書かれていた。確かに、これはただじゃ配れないか。
1階にはスライムしかいないと書かれていた。
スライムか~。何気にまだ見たことないよね。
その他注意事項を聞いて、早速出かける。少し食料は持っていった方が良いと言われたので、まずはちょっぴり買い物へ。
保存のきく食料を買う。どうせまたこの街を出る時にいるもだしね。
そして西の門へ。
西の門へ行くと、何故か顔パスで通り抜けられた。
まあ、なんとなく原因は分かっているのだが。
一応人目のないところまで行き、シロガネにペガサスの姿に戻ってもらう。
ハヤテ、私、クレナイと乗ったら、
「さ、さすがに、重いである…」
シロガネが根を上げた。
聞けば、実はクレナイが、そこそこ重いのだそう。元の姿が巨体だから仕方ないのかもしれない。
と言っても、クレナイを元の姿に戻して、ってわけにもいかない。
なので、ハヤテに元の姿に戻ってもらう。
ハヤテもそこそこずっしり来るのだそう。
ぐずったハヤテを説き伏せ、私とクレナイがシロガネの背に乗る。
「まあ、なんとか…」
ギリギリOKだそうです。
ちょっとふらついたけどなんとか飛び上がり、ハヤテも付いてくる。
「妾の背に乗れば一瞬じゃが…」
「大騒ぎになるからやめようね」
シロガネに跨がり、道なりに飛んで行くと、それは見えてきた。
地面がぽっこりと盛り上がり、暗い穴が誘うように口を開けている。
「あれがダンジョン…」
なんか想像と違うなぁ。
その周りは切り開いたのか、等間隔で木がなくなっており、そこにお店だったものの欠片が散らばっていた。
関係者らしき人達と、兵士さんらしき人達が一緒に片付けている。
人目がなさそうな森の中へと着地し、シロガネとハヤテはそのままの姿で一緒に歩き出す。
残りの距離を歩いてダンジョンへと向かうと、馬車が先に私達を追い越していった。
ダンジョンに着くと、行列が出来ていた。受付でお金を払い、意気揚々と戦闘のパーティーが穴に入って行く。
だんだんと上半身が消えて行ったから、階段になってるのだろう。
少し時間を開け、次のパーティーが穴に消えて行く。
できるだけ被らないようにとの配慮なんだろう。
長い行列にぼんやりと並び、ようやっと順番が回ってくる。
「ええと…。お二人様でよろしいですか?」
受付の眼鏡巨乳さんが、こちらを見て確認してくる。
今現在、人の姿をしているのはクレナイだけ。
そして、入場料がいるのは人間だけ。
「はい。そうです」
「では、お一人様銅貨3枚ですので、お二人で銅貨6枚になります」
銀貨1枚を払って、お釣りをもらう。
せこいとか言わないで!立派な節約です!
シロガネとハヤテは従魔なので無料通過。
クレナイが出来なかったのは言わずもがな。
階段を降りていくと、所々にランタンのような物がぶら下がっており、それほど暗くもなかった。
だけど、やはりそこそこ暗い。気をつけないと躓いてしまいそうになる。
「うう~、緊張するな~。初ダンジョンだよ~」
「足元に気をつけろ八重子。我が輩を落としたら洒落にならんぞ」
「妾もじゃぞ主殿! 楽しみじゃな!」
「我もダンジョンは初めてである。ふむ。魔力が濃いな」
「クア~」
リン!
皆気合い入ってるね~!
1階に辿り着いた。それほど長くもない階段だった。
「ききき、来たよ、ダンジョン。ききき、気をつけてね。そそそこの角から、何か飛び出してくるかも。ししししれないし…」
「来たがっていた割には、へっぴり腰だの」
「仕方ないでしょ!」
どっきり系、いきなり飛び出してくる系には弱いのよ。
降りたところは迷路の途中風な感じで、左右に道が延びていた。
短くてすいません。出来たら明日にでも更新したい・・・。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
ブクマ、評価もありがとうございます。平に平に。
お仕事が忙しいのか暇なのか、微妙な所。
忙しいと思い、土曜も出たら、仕事がなくて暇だった。何故だ・・・。




