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異世界は黒猫と共に  作者: 小笠原慎二
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オーク肉は美味しいらしい

前回までのあらすじ~

オークに追いかけられた。

「うふあ~~~~~、ドキドキしたぁ~~~~」


私は隠れてただけだけどね。


「みんな無事で良かった」


横でハヤテが飛んでいる。その背にはクロがしがみついている。

誰かカメラくれ。


「うむ。よく頑張ったの、ハヤテ」

「クア! クア!」

「ふふん。我にかかれば造作もないわ」


お互いに労い合っている。いい光景だ。


「シロガネは今回良い感じに活躍したし、帰ったらブラッシングね」

「本当であるか?! 主!」

「うん、ウララちゃんにお願いしようね!」


あれ、シロガネ?なんかがっかりしてるけど。だって、ウララちゃんの方がブラッシング上手いじゃないの。

しばらくすると街が見えてきた。

いつもの通り街門の手前で降り、衛兵さん達にご挨拶。

一応チェックされてるんですよ。

夕方近いので冒険者の姿がチラホラ。ちょっと混んでいた。


そのままギルドへ向かう。

オークはでかいので表から入れないので、裏に回される

裏の解体所から入って行き、オークを預ける。査定もついでにやってくれます。

帰って来たことを伝えると、また奥の部屋に通された。

出された茶を啜っていると、またギルマスのコウジさんがやってきた。

今回は最初から人払いされている。


「さて、では報告を聞こうかな」


鞄に入れてあった地図を取り出し、広げる。


「このバッテンのついている所です。ここに巣がありました」

「ほお、ここか。う~ん、ちょっと遠いか…。いや、行けるか?」


オークでかいから運ぶの大変だものね。


「我が輩達が行った時には、洞窟の前に1体。中に10体ほど確認できた。外に出ているのも何体かいたようでの。その数はさすがに確認できなかった。おおよそではあるが、20体に届かないくらいの群れではないかと推測される」


クロの報告。なんて詳細なのでしょう。ギルマスが目を丸くする。


「本当にこの短時間でそこまで詳細に調べてきたんだね。まいったな」


ギルマスが頭を掻く。

うちのクロさんが優秀すぎてすいません。


「クロ君は、何か探知系の魔法でも使えるのかい?」

「いや。我が輩は魔法と呼ばれるモノは使えぬ。そうだのう、気配を感知していると言えば分かるかの」

「なるほどね。それでもそんなに詳細に分かるのは凄いよ。中に入ったわけでは無いんだろ?」

「うむ。洞窟の外からであるの」

「・・・。ラーメンの話をしなけりゃ良かったな」

「遅きに失したの」


王都は行きます。ラーメンの為に! …いえ、元の世界に戻る方法を探しにデス。クロさん、睨まないで。


「これだけ詳細なデータがあれば、いろいろ計画も立てやすいよ。ありがとう。依頼料はいつものカウンターで受け取ってくれ。それと、オークのお金もね」


最初のオークもまだお金受け取ってなかったのよね。査定に時間がかかっていたので。一緒に出してくれるとのこと。ありがたや。


「ヤエコちゃんのおかげで、今夜は豚肉祭りだよ」


ウキウキしながらギルマスが出ていった。

そんなに豚肉が嬉しいのかな?お肉ならそこらで毎日食べられるだろうに。

まあ、いつも食堂などで出ている肉は、ウサギやら猪やら、その他知らない何かのお肉ではあるけど。


部屋を出て、カウンターに向かう。

シロガネに集まる視線が熱い。今は人の姿になってます。

みんな元が馬…でなくてペガサスだとは知っているはずなんだけど。

まあ、超絶美形だから仕方ないのかな。私も顔の綺麗な人は好きだしね。男女問わず。

やはり美形は目の保養になるからね!


いつものエリーさんの所へ行くと、エリーさんがにっこり笑って迎えてくれた。


「聞きましたよヤエコさん。オークの巣を発見したんですって? さすがですね!」


早いな。


「今日は久々のオーク肉が入ったから、食堂が混むかもしれませんね。私もあやかりたい! 時間があったら今日はギルドで食べて帰ります!」


人気だね豚肉。


「そんなに豚肉好きなの?」

「オーク肉は美味しいんですよ! ヤエコさん食べたことないんですか?! なんなら今日はギルドで食されて行かれては?」


でもなぁ、宿屋のおじさんが美味しい夕飯用意してくれてるだろうしな。


「明日の昼にでも食べようかな。明後日には出発だしね」

「ああ、明後日ですね。寂しくなりますね…」


エリーさんがしんみりする。ちょっと嬉しいね。

話している間もきちんとお仕事こなしているエリーさん。さすがです。


「さて、依頼達成料と、2体のオーク討伐料を合わせまして、金貨25枚ですね。確認をお願いします」


は?25枚?

10の山2つと、5の山1つが出て来た。

依頼料が金貨5枚。ということは、オーク1体で金貨10枚?! 高!


「オークって稼げるんだ…」

「討伐ランクがDで、その体は余すことなく食することも出来、その皮も防具として使用することが出来ますからね。一切無駄が出ない魔物として重宝されるんですよ」


普通の豚のようだ。豚も捨てる所がないと聞く。

内臓は薬の原料などに、骨は出汁、脳も好んで食べる人がいるとか。脳ってどうやって食べるんだろう…。

金貨の枚数を確認して、一部銀行に預ける。

仕事を終えた冒険者がギルド内に増えてきたので、早々に退散することに。

そういえばこの時間はいつもは宿にいる頃だわ。遅くまで仕事したことなかったからなぁ。

あ、メイドは別でね。

あれは仕事場に直行直帰だったし。


宿に戻ると、そろそろ夕飯の時間。

厩舎にシロガネとハヤテを入れ、ウララちゃんにシロガネのブラッシングを頼むと、顔を輝かせてOKした。

夕飯時のドタバタを片付けた後、ウララちゃんが嬉しそうにシロガネのブラッシングをしてくれました。

シロガネ、まんざらでもない感じ。ウララちゃん上手いからね。

その間ハヤテをモフってました。ハヤテも今日頑張ったものね!

ウララちゃんもシロガネが終わった後、ハヤテをモフル。

顔が蕩けてたよ。



そうそう、何気なしにオークの話をしたら、またおじさんが飛んで来た。


「オーク肉が入ったって?!」


そのまままたギルドに直行しそうになったので、慌ててウララちゃんと共に止める。

なにせすでに夕飯の時間だったし。

ウララちゃんの根強い説得と、おばさんの怖い一睨みにより、おじさんも渋い顔をしながらギルドは明日行くと約束した。

いや、どうせいつもギルドに仕入れに行ってるんだから、いいじゃない。

仕事中もずっとソワソワしていたそうだ。

言わない方が良かったかな?








八重子が寝静まると、もそりとクロとリンちゃんが動き出した。


「仕方ないのう。リンの為だの」


リンちゃん1人(?)では部屋の外に出られないので、クロがお供をすることに。

静かに窓を開け、夜の中に身を浸す。

リンちゃんが出たことを確認すると、静かに窓を閉めた。

そして、そのまま2人(?)は厩舎の方へと向かったのだった。


今目の前に猫がいます。

それを避けながら書いてます。

それに頬ずりしながら書いてます。

早く寝ろとの抗議か、遊べ構えとの抗議か・・・。

これ終わったらぎゅっとしてちゅっとしてモフッとしてイチャイチャするから待っててちょ。

やべ、この頭が可愛い・・・。ハァハァ

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