98話 初ユニット
ミーニャがテイムしたオオカミにラブ太と名付けると、ミーニャのオオカミも光となって牧場に送られた。
「さて、目標だった2人のオオカミのテイムはこれで達成だな」
「お兄ありがと!」
「お兄さんありがとぉございましたぁ」
「この後はどうする?」
「先ずはガルフを迎えに行く!」
「ラブ太を迎えにぃ行きたいですぅ」
2人共さっきテイムしたオオカミを迎えに行きたいと言うのでクルストへと戻り、直ぐに牧場へとやって来たのだった。
「ガルフー!」
「ラブ太ぁ〜」
牧場に入った2人は真っ先に先程テイムしたオオカミと触れ合っていた。オオカミも嬉しそうに尻尾を振ってまるで犬の様だった。その周りをハートネコとハヤブサも嬉しそうにはしゃいでいた。ついでにアッサムも。ちなみにクルストに着いた時にパーティからハルトは抜けていた。
「さて、次はどうする?お昼までは付き合うぞ?」
「ほんと?私達この子達のレベル上げに行こうかと思ってたんだけど」
「ラブ太のぉレベルを上げに行きたいですぅ」
「ならそのレベル上げに俺も付き合うよ」
「でも私達がオオカミをパーティに入れたら6人になってパーティ組めないよ?」
「そういえばそうか……。いや、確かパーティ同士で組むユニットっていうのが実装されたから大丈夫なはずだ」
「うーん、じゃあお願いしよっか?ミーニャちゃん」
「そうだねぇ、マーリンちゃん」
「じゃあ、ユニット申請するな……。ええと、これか、ほい、送ったぞ」
「あ、来た。申請許可っと」
「これでユニットが組めたはずだ」
「でもお兄、ユニットだと経験値とかどうなんの?」
「んー?どうなるんだろ?ちょっと待ってくれ、調べてみる」
メニュー画面のヘルプでユニットについて調べると通常のパーティだと倒したモンスターの経験値が人数分で割られて配分される。ユニットの場合はまず、ユニットの数で割られユニットに配分されてからその後、配分された経験値をパーティ人数で割るとの事だった。分かりやすく数字を出すと120の経験値をパーティ6人で割ると1人20貰えるがユニット2つで組んでいた場合まずユニットに60ずつ配分されそこから人数で割るので1人10しか入らない事になる。
「っていう事みたいだな」
「ふーん、じゃあユニットの片方を2人だけにしたら60の半分で30だから6人パーティよりも多く貰えるんだね」
「ん?そういう事になるのか。つまりユニットを上手く活用すれば2人までなら1パーティでやるよりも効率良くレベル上げが出来るのか」
「ふふっ、どうしてもという時はぁ、お願いしますねぇ」
「そうだね!どうしてもテイムしたいのに枠が無い時とかお願いしようか!」
「はははっ、じゃあ2人の期待に応えられる様に俺もレベル上げ頑張っとかないとな。それで、何処か狩りしたい場所とかあるか?リクエストがあればそこでレベル上げしようと思うんだが」
「んー、そうですねぇ。なら、南の草原が良いですかねぇ。テイマーさんは南に行く人が多いって聞きますしぃ」
「ああ、それなら俺も聞いたな。確か馬をテイムする為とかなんとか」
「お馬さんが居ればぁ、移動が楽になりますねぇ」
「そうだね!馬を捕まえられる様に南に行こう!」
「じゃ、南に決定な」
行き先が決まったので早速南門へと移動した。
「近場だとプレイヤーが多いと思うから奥の方まで行くが良いか?」
「良いよー。お兄が守ってくれるんでしょ?」
「精一杯守らせて頂きます」
そう言ってハルトは既に召喚しているアッサムの他にゴブスケ、カルマ、アック、黒風を召喚した。
「うわぁ!凄い!お兄はモンスターいっぱい居るんだね!」
「他にも居るけど今回はこんな布陣で行こうと思ってな。特にアックには2人の守り役になって貰うからなるべくアックの後ろから攻撃するようにな?」
「「はーい」」
そして、草原を南の奥の方へと向かって進んで行く。道中プレイヤーが多く、モンスターと戦闘になる事は無かった。
「北の森と違って、こっちの方が難易度が低いからかプレイヤーの数が多いな。これは早いとこイベントの時みたいにフィールドでもチャンネル分けを実装してもらわないとな」
マップの中央をやや過ぎた辺りからプレイヤーの姿も疎らになりようやくモンスターとの戦闘が出来てきた。
『闇魔法のレベルが上がりました』
『黒風のレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
おっ、レベルが上がった。やっぱりレベルが低いとユニットを組んでいても上がるのが早いな。俺も普段あんまり使わない闇魔法のレベル上げも出来てるし。黒風は体力を上げとこう。俺以外皆体力は10はあるし先ずはそこを目指そう。
「こっちの操作は終わったよ」
そう2人に話し掛けると「もうちょっと待ってー」と返事があった。オオカミをどう育てていくかを話しあっている様だ。後で聞いたら2人共同じ様に育てるか役割を分けて育てていくかを相談し合っていたらしい。
「終わったか?じゃあ出発するぞー」




