93話 ポジティブにいこう!
『気配察知のレベルが上がりました』
『耐暑のレベルが上がりました』
『アッサムのレベルが上がりました』
おっ、アッサムのレベルが上がったか。これでアッサムのレベルが19になったか。プレイヤーと同じでレベル20になったら何かクラスチェンジとか進化とかあるのかな?アッサムは筋力を上げとこう。
「ふぅ、危なかったな。まさか戦闘中に砂の中に潜って後ろに回り込んで来るとはな。これは仲間にするのは中々大変そうだな。流石4マス目のモンスターってところか。さて、初見のモンスターさんは何を落とすのかなー」
ビッグスコーピオンの死体に近付いて行き、解体ナイフを突き刺す。
【素材アイテム】
大蠍の甲殻 品質D レア度3
大蠍の背中の部分の甲殻。比較的硬く熱に強い。大きいので鎧等に使われる事が多い。
【素材アイテム】
大蠍の鋏 品質D レア度3
大蠍の鋏。身がしっかりと詰まっていて中々美味しいらしい。
「大蠍の甲殻と大蠍の鋏か。というか鋏は説明を見る限り食材じゃねぇか!……でも美味しいのか。今度リョウさんの所に持ち込んで料理して貰おう」
ビッグスコーピオンのドロップアイテムをインベントリに仕舞い、岩山の麓へと戻って行く。
「ふぅ、戦闘すると更に暑いな。近場でも今のところは1回が限界だな。でも耐暑スキルが2に上がったし、これを繰り返していけばいずれは普通に入れる様になるはずだ」
ヒールとポーションでHPを回復させて再び境目を気配を探しながら歩いていく。
「ん?また気配の薄いのが居るな。またビッグスコーピオンかな?」
気配を感じた方角へ歩いて行くと、先程と同じ様に砂が盛り上がってきた。ただ、先程と違うのは先程よりも盛り上がりが小さく数が多い事だった。
リトルスコーピオン Lv8
状態 アクティブ
「サソリはサソリだけどさっきのとは種類が違うのか。大きさはビッグスコーピオンの半分位か。それにレベルは大分低いけど……。この数は……。」
最初の1匹目が砂から出てきてから続々と出てきて、ざっと数えただけでも20匹を超えていた。
「経験値の稼ぎ時だとポジティブに考えよう!数が多い時はこうだ!ストームエッジ!」
俺と一緒にカルマも火魔法の範囲攻撃を放ったけど何時もよりダメージが少ない?大蠍の甲殻の説明に熱に強いって書いてあったけど、熱に火も含まれるのか?そしてビッグスコーピオンとリトルスコーピオンの甲殻の特性が同じならこいつらも火に強いって事か?だから火魔法のダメージの通りがあまり良くないのか?だったら。
「カルマ、魔法を使う時は火属性以外の魔法を使うんだ」
カルマに指示してハルトは再びストームエッジでダメージを与えていく。HPが減ったモンスターをアッサム、ゴブスケ、カルマ、プリンが確実に仕留めていく。アックにはハルトへとリトルスコーピオンが近付いて来るのを防ぐ為にハルトの前に居てもらっている。リトルスコーピオン1匹1匹のレベルが高くないので倒すのはそれほど難しい事では無かった。
それから少し時間が経過して、それなりにリトルスコーピオンを倒していった筈なのだがあまり数が減った様には見えなかった。
「おかしいな。結構倒した筈なんだけど何でこんなにまだ居るんだ?」
疑問に思い周りを見ると砂の下からリトルスコーピオンが出てくるのを目撃する。
「まじかよ……。どんどん集まってきてんのかよ……。この暑い中で長期戦は勘弁して欲しいな」
そう愚痴りながらも長期戦になるかもとMポーションを飲み、召魔達にヒールやスピードアップを掛けていく。
それから暫くして、ようやくリトルスコーピオンの数が少なくなってきた。
「やっと終わりが見えてきたか。もうひと踏ん張りだな」
そして、漸く全てのリトルスコーピオンを倒しきる事が出来た。
『ハルトのレベルが上がりました。任意のステータスを2つ上げて下さい』
おお!俺のレベルが上がったか!しかもステータスが2つも上げられるのか!これは嬉しいな!2つ上がるなら体力と魔力を上げとくか。一撃死は防ぎたいし今回みたいな長期戦もこれから多くなりそうださしな。
『ボーナスポイントを2ポイント獲得しました』
『職業レベルが上がりました』
『鑑定のレベルが上がりました』
『杖のレベルが上がりました』
『風魔法のレベルが上がりました』
『光魔法のレベルが上がりました』
『召喚魔法のレベルが上がりました』
『キュアポイズンを取得しました』
『ハイヒールを取得しました』
『耐暑のレベルが2つ上がりました』
「これだけ上がるとは、4マス目だけあって中々良い経験値だったみたいだな。しかもキュアポイズンとか今の状況にピッタリだな!アッサムとゴブスケが今まさに毒状態だよ!」
戦闘中に尻尾の攻撃を避け切れずに刺された結果、アッサムとゴブスケが毒状態になってしまっていた。毒状態ななると一定間隔でHPが減っていってしまっていた。そして一定時間が過ぎると毒状態は解除されるのだが、その間にHPが結構減ってしまうのでハルトはヒールを掛けまくっていたのだ。
そして、戦闘が終わる直前にもアッサムとゴブスケが毒状態になってしまったので早速取得したキュアポイズンを2人に掛けてやる。
『ゴブスケのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
敏捷を上げてても数が多くて囲まれると流石に避け切れなかったみたいだな。こういう時の為にもゴブスケは筋力を上げとこう。
『プリンのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
意外と活躍したのはプリンだったな。魔法での攻撃も良かったし、張り付いての消化吸収も良かった。物理耐性のお陰でダメージもそんなに食らわなかったしな。もしかしたら張り付いて相手を締め上げるとか出来る様になるかも?その為にもプリンは筋力を上げとこう。
『アックのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
アックは俺を守る役割を十分果たしてくれたな。まぁ、多少は横を抜かれたけどそれはアックとリトルスコーピオンの大きさに差があるせいだし仕方ないけどね。でももっと機敏に動けた方が良いと思うから、アックは敏捷を上げとこう。
「良し、これでステータス操作は終わったな」




