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91話 熊とメールと錬金と

 気配のする方に歩いて行くとその気配の主が遠目に見えてきた。


 「あの茶色いのがそうか。遠目に見ただけだけど結構大きさはあるか。ゴーレムと同じぐらいか?もう少し近付けば鑑定も効くか」


 更に慎重に近付いて鑑定をかけてみる。


 ブラウンベア Lv15

 状態 パッシブ

 テイマー


 「熊か、残念、サモナーじゃなくてテイマー用のモンスターか。しかし、2マス目なのにレベルが高いな。夜だからか?」


 ハルトがブラウンベアを観察していると、いきなりブラウンベアがこちらを向いた。


 「グオオォォォ!!!」


 「気付かれた!」


 こちらに気付いたブラウンベアが咆哮を上げてハルト達に向かって突進してくる。

 それを見てアッサムとカルマを前に立たせ、ハルトはゴブスケ、ヨナギ、プリンと共にサポートにまわる事にした。

 こちらに接近したブラウンベアはその勢いのまま、カルマに向かって思いっきり爪を振りかぶってきた。

 それを持っている剣で受け止めたカルマだったが、その威力に1メートル程後ろに弾き飛ばされてしまった。


「カルマ!くっ!なんて重い一撃だ!今のを俺が食らったら一撃死だな!これでも喰らえ!ファイヤーアロー!」


 カルマが体制を整える時間稼ぎの意味も込めてブラウンベアの顔へ向けて火魔法を放つ。

 ファイヤーアローがブラウンベアの顔に当たるとそれが余程嫌だったのか顔を前足で払うような仕草をしている。

 その隙にカルマが前へと戻ってきてアッサムと共にブラウンベアへと攻撃を加えていく。ゴブスケはブラウンベアの横か後ろから一撃離脱で攻撃をしてもらい、ヨナギとプリンには魔法で攻撃してもらいブラウンベアを討伐した。

 最初の一撃さえ気をつければ特に問題は無さそうだな。

 まぁ、普段から3マス目で戦ってるから俺としてはそんなに強敵って訳でも無かったけど2マス目に来たばかりの人だったら相当大変だっただろうな。


『プリンのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』


 おっと、プリンのレベルが上がったか。というかプリンのアナウンスって事は俺のスキルも他の皆のレベルも上がらなかったって事か。まぁ、強敵って訳でも無かったし1匹だったしプリンだけでも上がったから良しとしとくか。プリンは体力を上げとこう。

 さて、初見のモンスターだけど何がドロップするのかな?


 ブラウンベアに解体ナイフを突き刺すと、肉がドロップした。


【素材アイテム】

 茶熊の肉 品質C レア度2

 茶熊の肉。独得の臭みがあるが調理次第ではそれなりに美味しいらしい。


 「へー、熊肉か。俺は食べた事無いけどどんな味なんだろう?今度リョウさんに持っていって調理してもらおうかな?さて、そろそろ引き上げるか。里に帰ってログアウトしたら丁度昼食の時間になるだろう」


 採取と伐採をしながら里へと引き返し、里へ入る前に召魔を送還して里の広場へと行き、ハルトはログアウトしていった。




 ログイン


 《メールが1件届いています》


「ん?メール?お知らせじゃ無くて?」


 なんだ?と思いつつ確認すると、メールの差出人はイベント中にハルトを勧誘してきたテイマーのアイリーンからだった。


「アイリーンさんから?あ、そういえばテイマーの交流会があるって言ってたな。その日にちが決まったのかな?」


 メールを開けて読むとまさに日にちが決まりましたというメールだった。


「開催日は明後日の午後から日付けが変わるまでの間の自由参加か。随分とアバウトな感じだな。まあ、平日だししょうが無いのかな?俺みたいに学生なら夏休みだから良いけど社会人の人達は火曜日だからね平日だもんな。でもならなんで平日にしたんだろ?来週の週末でも良かった気がするけど……。まぁ、俺が考えても仕方ないか。それより明後日の予定は決まったとして今からはどうするかなー」


 そして、ハルトが向かったのはクルストにあるレンタル工房だった。


「明日は予定無いから砂漠の方を進めたいからな。その為にもポーションはしっかり作って備えておかないと」


 そう言って取り出したのはエラルシアで買った果物だ。


 「クルストではリンゴ、ミカン、モモしか買えなかったからな。エラルシアではブドウ、バナナ、パイナップルも買えたし。特にブドウとバナナはフリーワークスのポーションで美味しかったから欲しかったんだよね。伐採でも取れてたけど数が少なかったからポーションの材料にするか迷ってたけど買えて良かった」


 そのまま食べる用に少し果物を取っておき、それ以外の果物は全てポーションの材料に使ったのだった。


「ふぅ、かなりの数が出来たな。水魔法のレベルが3つも上がったよ。それに前回錬金術のレベルが10になった時に分離っていうのを覚えたから最後に濾過する前に分離させたら更に綺麗になって品質が上がったな。それでも錬金術のレベルは1しか上がらなかったけど。まぁ、レベルが高くなってきたら当たり前かな?他にもレシピを知ってたら色々作れるんだけど……。今度来た時は色々試してみるかな?」


 レンタル工房を出て広場へと向かい、ワープポイントで岩山の洞窟2のワープポイントへと飛んで行ったのだった。

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