9話 ゴブスケ
やっぱりそれでサモナーの人気が無かったのか、自分でHP5割か、まぁ1人で倒さなきゃダメなのかと思ってたからまだマシだな。
でも確かに先に進めば進むほど与えられるダメージ量が減ってキツくなってくるだろうな。その辺はギルドの上階に行けばなんとかなるのを期待するしかないかな?
とりあえずもうちょっと休憩してからゲームを再開するか。
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時刻はゲーム内時間で午前4時。辺りはまだほんのりと薄暗かった。
さてと、まずはアッサムを呼び出してと。
次は新しいモンスターの追加だな。と言ってもゴブリンしか召喚出来ないけど。
「サモン・モンスター」
呪文を唱え、現れたリストからゴブリンを選択する。そしてハルトの前にゴブリンが召喚された。
『召喚モンスターの名前を入力して下さい』
「お前の名前はゴブスケだ」
『武器スキルを選択して下さい』
ん?そんなのも選べるのか。じゃあここは剣にしとこうかな。
『生産スキルを選択して下さい』
おお!そんなものまで!ゴブリンて色々組み合わせを変えられて面白そうだな!
で、生産スキルはどんなのがあるんだ?
あるのは農耕、木工、錬金、料理の4つか、生産スキルはもっとあった筈だけどゴブリンが覚えれるのはこの4つだけって事か。じゃあここは農耕にしておこうかな。
名前 ゴブスケ Lv1
種族 ゴブリン
ステータス
HP 45/45
MP 45/45
体力 9
魔力 9
筋力 8
精神 8
器用 8
敏捷 8
スキル
剣技 棍技 強撃 農耕 採取
んー、えらい平均的なステータスだな。自分好みに成長させやすい様にしてあるのか。
剣技スキルをとったんだからとりあえず俺が使ってるブロンズソードを渡して装備させとこう。
しかし敵で出てきた時より顔がかわいい感じになってるな。あの顔のゴブリンと一緒に居るのはかなり抵抗があったけど、これなら全然平気だな。
今日の残りの時間はギルドランクを上げる事とゴブスケのレベル上げに使おう。まずはギルドに行って依頼を受けてこよう。
ハルトはギルドの中のクエストボードの前に居た。
なるほどクエストボードに近づくとウインドウが開ける様になって、ここから依頼が受けれる訳か。
今の俺のランクで受けれる依頼は、
【ワイルドドッグの討伐】
平原にいるワイルドドッグを20匹討伐。
報酬 2000G 期限3日
【ゴブリンの討伐】
草原にいるゴブリンを20匹討伐。
報酬 2500G 期限3日
【ワイルドラビットの討伐】
草原にいるワイルドラビットを20匹討伐。
報酬 2500G 期限3日
【薬草の納品】
薬草を10本納品する。
報酬 300G
【野犬の牙の納品】※1日1回
野犬の牙を5本納品する。
報酬 750G
【野兎の肉】※1日1回
野兎の肉を5つ納品する。
報酬 250G
やっぱり報酬は討伐のほうがいいな。たしか野犬の牙の売値が1本150だったから納品してもしなくても値段は一緒だな。ギルドポイントがつくかつかないかの違いだけか。1日1回だから売る時は、クエストボード見てから売った方が得だな。
さてと、何を受けようかな?ゴブスケはまだレベル1だし、安全にワイルドドッグの討伐にしとくか。
それにしても草原にワイルドラビットがいたのか、全然気がつかなかったな。
『討伐依頼を受けました。進捗状況はギルドカードを確認して下さい』
ギルドカードにそんな機能も付いていたのかと、ギルドカードを取り出して裏を見てみると【ワイルドドッグ討伐数0/20】と書かれていた。
これは分かりやすくていいな。いちいち数えてなくてもギルドカードを見たらすぐわかるな。
感心しつつ、ワイルドドッグを討伐すべくハルトは平原に移動したのだった。
平原に着いた時には辺りはすっかり明るくなっていた。
平原に入りワイルドドッグを探していたハルトの目にふと映るものがあった。
採取ポイント?平原にもあったのか。ここでも薬草がとれるのかな?
採取ポイントに手を伸ばすと薬草が4つ手に入った。
お、今回は4つか。前は3つだったからとれる数はランダムっぽいな。ん?
ハルトが採れた薬草の数を数えていると、ゴブスケも薬草を採取した場所に手を伸ばしていた。そして伸ばした手をこちらに向けて手に持った物を渡してくる。
薬草?そうか!ゴブスケも採取スキルを持ってるんだったな。これなら1つの採取ポイントで2回採取出来るから採取量が倍になるな。
ゴブスケも採取出来る事がわかり気分良く歩いていると、ワイルドドッグを発見した。
まだこっちに気付いてないな。
「アッサムは落し穴を掘って穴の下で待機。ゴブスケは俺がワイルドドッグを落し穴に誘導するからよく見て覚えるように」
そしてゴブスケを交えての初めての戦闘が始まるのだった。