83話 お宝を集めよう
「ふぅ、やっと終わった。大量のモンスターと戦った後は解体が面倒なんだよな。これがソロの辛い所だな」
召魔に運ぶのを手伝ってもらい、全てのモンスターの解体が終わった。
「んー、もしかしたらワープポイントが解放させるかもと思ったけど違ったみたいだな。ここがワープポイントなら楽だったんだけど」
視線を登ってきた階段から見て部屋の左右に向けると次に続く道があった。
「今度は部屋から直接分かれるパターンか。どっちに進むかなぁ。こうなるとここがワープポイントじゃないのがホントに痛いな」
しばらく迷ったが右の道を進む事にして、先に進んで行くと割とすぐにまた大広間が見えて来た。
「すごい近い場所にあったな。中は……うん、モンスターだらけだね」
来た道を少し戻り。
「MPが心許ないからMポーション飲んどくか。……ぷはぁ、そういえばコレも早く美味しく飲める様にしないとな……」
再び2つ目の大広間の前まで移動し、自分とアックにバフを掛けてから戦闘に突入し、先程と同じ要領でモンスターを片付けていった。
『鑑定のレベルが上がりました』
『杖のレベルが上がりました』
『風魔法のレベルが上がりました』
「今回は俺のスキルレベルが上がったけど誰もレベルは上がらなかったか。まぁ、さっき上がったばかりだから仕方ないか」
『岩山の洞窟2のワープポイントが使用可能になりました。使用可能にしたプレイヤーにボーナスポイントが2ポイント付与されます』
「お!こっちがワープポイントだったのか!これで行き来がしやすくなったな。それにしても岩山の洞窟2か。1があったから2もあるのかなって思ってはいたけど本当にあるとはね。そんな事よりまたモンスターの死体を片付けないと……はぁ…」
また召魔達に手伝って貰いながら全てのモンスターを解体していく。
「そういえばイベント中に来た時の素材も売ってないから結構溜まってきたな。ギルドとヤヨイさんの所に明日にでも売りに行くか」
解体して得たアイテムを全てインベントリへ仕舞い大広間を見渡すと、この大広間から続く道は1つの扉しか無さそうだった。
「今度は進めそうな場所は1つだけっぽいけど扉?まさかボス部屋とか?」
扉まで近付いて行き開けようとするが。
「ん?開かない?押しても引いてもダメか。スライド式か?んー、違うか。ん?ここに何か書いてあるな」
試行錯誤して開けようとしていた時に扉の上に文字が書いてあるのに気付いた。
「なになに?この扉を通りたければ3つのお宝を捧げよ。さすれば通行の許可を与えん、か。つまり何処かでお宝を3つ集めてくれば良いのか…一体何処に…。あ、もしかしてさっきの大広間のもう1つの道を進んだらあるのか?あっちの道でお宝を集めてこっちで扉を開けるのに使うと。良いね!ゲームっぽくて!」
こういうのが好きなのか、ハルトは早速とばかりに先程の大広間へ戻りもう1つの道へと進んで行くのだった。
道中現れるモンスターのレベルも1階より高くはなっているがハルトも大分洞窟での戦闘に慣れてきたので危なげなく進む事が出来ていた。すると進んで行く途中で扉を発見した。
「分岐路からの行き止まりじゃなくて、こんな風に通路の途中にあるのは初めてのパターンだな。中はどうなってんだろ?」
そーっと扉を開けて中を確認すると、中にはモンスターの姿は無く石碑の様な物があるだけだった。
「なんだこれ?」
危険は無さそうだと判断し、中に入って石碑へと近付いて行く。
「えーっと『宝を求める者よ。そなたの知恵を試そう。この石碑の裏にある知恵比べをクリア出来れば宝をそなたに授けよう』か、つまりこれをクリアすればお宝が貰えるって訳か。戦闘以外でアイテムが貰えるのは何気に初か?それにしてもこれは……」
石碑の裏へと回り込み何があるのか確認すると、それは3×3マスのスライドパズルといわれる物だった。
「スライドパズルか、3×3マスなら簡単だな。先ずは上段を揃えてから左を揃えて後は残った3つをグルグル回せば良かったんだったな」
攻略法通りにスライドパズルを進めていき。
「これでクリアな訳だけど…」
最後のピースを動かすとカチッという音がした。その瞬間石碑が前へと動き、石碑の下から小さな空間が現れその中に赤い玉が入っていた。
「これがお宝か」
【特殊アイテム】
赤い宝玉 品質? レア度?
岩山の洞窟の2階にある試しの扉を抜ける為のお宝の1つ。
「これで残りは後2つだな。というかあの扉試しの扉って名前だったのか、今初めて知ったわ」
お宝を1つゲットし、部屋を出て通路を現れるモンスターを倒し、時折ある発掘ポイントで発掘しつつ更に進んで行くと左右に分かれる分岐路へと辿り着いた。
「ここで別れ道か。まぁ、2つに分かれてるから両方共お宝があると思うけどどっちから行こうかな?うーん、ここは右から行ってみるか」
ハルトは左右の分かれ道の内、右へと進んで行く事にして進んで行くのだった。




