82話 洞窟の2階
小次郎さんの提案は魅力的ではあるけどどうするかな?東の洞窟も攻略したいけど、黒風にも乗れる様になりたいしな。それなら南の3マス目より北の2マス目に行く方が早く着くか。
「日にちとかはもう決まってるんですか?」
「日にちは決まってねぇな。出来るだけ皆を2マス目に到達させてやりてぇから毎日やる予定だ。レベルの高い奴が低い奴をサポートしたりしてな」
流石クラン。そういう事もしっかり考えてあるんだなぁ。そういう事なら俺も手助けしてもらおうかな?
「じゃあ、ご一緒しても良いですか?」
「おう!助かるぜ!今日は注文取りに行ってるから無理だが明日から毎日行く予定だが何時にする?」
今日はもう行ってないのか。まぁ、皆イベントの報酬リストの確認で忙しいだろうから当然か。
「それじゃあ明日で良いですか?」
「分かった、明日だな。皆にはワシから連絡しておこう」
「お願いします。それじゃあ俺はこれで失礼します」
「おう、明日はワシが一緒かは分からんが頼むな」
ペコりと軽く頭を下げてから屋台を後にする。
「さて、今からどうするかな?時間はまだまだあるし洞窟でも進めようかな?少しでも進めといた方が後々楽になるだろうし」
広場へ戻ってそこからワープポイントで東の3マス目の洞窟の広場へとやって来た。
「ライト」
今回は暗視持ちじゃない召魔も呼ぶ予定なのでライトを選択した。
「黒風も育てたいけどここじゃ狭くて活躍出来そうにないから今回は諦めるか。そういえばレベルが上がったから今回からやっとフルパーティが組める様になったんだよな」
そしてアッサム、ゴブスケ、カルマ、プリン、アックを召喚する。
アッサムとカルマ以外はイベントで呼んでなかったからレベルを上げてやりたいからな。
「ゴブスケ!プリン!アック!またよろしく頼むぞ!」
ゴブスケとアックは手を上げ、プリンはその場で跳ねる事で応える。
「良し!先に進むぞ!おっと、その前に絹のローブと召喚士のマントを着替えとこ」
装備を変えたし先に進むか。実はイベント中にレベル上げしてた時に気になる所までは進んでたんだよね。でも、イベント中だしポーション類のアイテム使いたくなかったから進まなかったんだよね。
右へ左へ大きくカーブする洞窟を出現するモンスターを倒しながら進んでいく。
途中プリンのレベルが上がり水魔法を取得した。ステータスは魔法が使える様になったので魔力を上げといた。
そして気になるという場所まで辿り着いた。
「ここから先が未知数だな」
ハルトの視線の先には上へと続く階段があった。
「ここに来て階段があるとは思わなかったな。まぁ、先に進まないと始まらないし行くか!」
何が起こるか分からないので警戒しながら階段を登る。すると階段を登りきった先は大広間になっており、そこにはゴーレム、スケルトン、コウモリ、スライムが大量に居たのだった。しかも1階に出て来た時よりもレベルも高かったのだ。
「うわぁ、これはイベントの時に来なくて良かったな。来てたら絶対ポーションとか使わされてたよ。今までの道では俺は魔法を使わずに済んでたけどここでは使った方が良さそうだな」
魔法を使うと決めたのでMポーションを飲みMPを回復させる。
「おぇ、さて、準備を整えたら行くか。精神集中!スピードアップ!」
自分は精神集中で精神を上げ、スピードアップでアックの敏捷を上げた。
「先ずは1番遅いアックの敏捷を上げて後は戦闘中に順番に上げていこう。良し!みんな行くぞ!ストームエッジ!」
ハルトが範囲魔法を放つと同時に全員で部屋へと突入して行く。ハルトが魔法を放った後、直ぐにカルマも範囲魔法で追い打ちをかける。そのお陰で魔法が届いた範囲のモンスターは倒しきる事は出来なかったものの、そのHPの殆どを削る事は出来ていた。
「アックはそのまま俺の壁役を頼む!アッサム、ゴブスケ、プリンは瀕死の奴に止めを刺していってくれ!カルマは奥のモンスターの相手を頼む!」
ハルトの指示を受けそれぞれが役割を果たしていく。ハルトはアックの後ろから魔法でモンスターを攻撃したり、味方にスピードアップを掛けたりとする事で安全に戦っていた。その結果モンスターの数が多かったにも関わらず比較的楽に大広間のモンスターを全滅させる事が出来た。
『ゴブスケのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
俺のスキルのレベルアップは何も無しか……。クイーン戦で大量に上がった反動かな?まぁ、仕方無しと納得しておこう。
ゴブスケは遊撃としてこれからも頑張って欲しいから敏捷を上げとこう。
『プリンのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
プリンのレベルも上がったか。さっき上がったばっかりだけど数も多かったし、モンスターのレベルも上がってるからその分経験値も多かったんだろう。
プリンは魔法も使える様になったから精神を上げとこう。
『アックのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
やっぱり壁役が居ると安心感が全然違うな。スピードアップで敏捷を上げてるから抜かれる事も無かったしな。
アックはクイーンや他のゴーレムみたいな大きなモンスターにも力負けしない様に筋力を上げとこう。
「さて、解体タイムといきますか。みんな!モンスターの死体を持ってきてくれ!」
そう指示して解体を始めたのだった。




