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80話 黒風

 早速獲得したランダム魂を上へと掲げて。


「封印解除!カモンモンスター!」


 と言うとガラス玉が割れ中から出てきた光の球がふわふわ浮かびハルトの胸へと吸い込まれていった。


「すぅー、はぁー、良し確認するぞ」


 ドキドキしながらステータス画面を確認すると…。


 ゴブリン(2)

 コウモリ(1)

 スケルトン(1)

 ブラックホース(1)


 「よっしゃ!未発見モンスゲット!」


 1度目は被ったという事もあり2度目での未発見モンスターをゲット出来た事で最高のガッツポーズを決めたハルトだった。


「ふぅ、一時はどうなるかと思ったぜ。でもランダム魂と召喚士のマントが出たお陰で何とか黒字だな。今度からはガチャ券以外にも交換するようにしないと……多分」


 次こそは堅実にいこうと思うハルトでもあったが絶対にそう出来るという確信は持てないでいたのであった。


「それにしても……」


 ガチャを引き終わり改めて周りを見渡すと、結構人が居て、その内の何人かは宙を見ながら一喜一憂しており、今日始めたと思われる2陣のプレイヤーガチャ引いている様子も見えた。


「俺もあんな風に見えてたんだなぁ……。今度からは人目につかない場所でやろ……」


 冷静になると自分もこう見えていたのだと分かると恥ずかしくなったのでそそくさと広場を後にした。


 「良し、ここで試し乗りしてみるかな。本当なら次にレベルが上がるまで召喚出来ない予定だったが、クラスチェンジした事で1枠追加されてたんだよな。それが無かったら暫くお預け食らうとこだった。あぶない、あぶない」


 ハルトがやって来たのは西の1マス目の平原だった。ここへやって来た目的はあたらしく手に入れたブラックホース、つまり馬の試し乗りである。馬なんだから乗れるだろうという発想のもとの行動である。


 「サモン・モンスター!」


 リストからブラックホースの魂を選択しブラックホースを召喚する。

 ブラックホースは名前の通り黒い体毛で、たてがみや尻尾も真っ黒だった。


 「おおー!サモナーの馬だからでもっと禍々しいのかと思ったら普通の黒い馬で安心したな。えーっと、名前はどうするかな?黒い馬だと……良し!お前の名前は黒風だ!これからよろしくな!」


 名前を付けて黒風を撫でてやる。


 「ステータスの方はどんな感じかな」


 名前 黒風 Lv1

 種族 ブラックホース

 ステータス

 HP 40/40

 MP 30/30

 体力 8

 魔力 6

 筋力 10

 精神 4

 器用 9

 敏捷 13


 スキル

 突進 噛みつき 蹴脚 騎乗者ステータスアップ(小)


 「ステータスは敏捷が1番高いな。次に筋力だからステータス的には前衛タイプか。スキルは4つね。お、蹴脚スキルがあるな!馬にどんな足技があるのか分からないけど馬の蹴りとか俺なら喰らいたくないな。それに騎乗者ステータスアップか。このスキルがあるって事はやっぱり乗れるのは確定だな」


 馬に乗れるのが分かったハルトは嬉しそうにしていたが、いざ乗ろうとした時にある事に気付く。


 「しまったな、鞍とか手綱とか何にも用意してないな……。でもクルストで売ってるのかな?売って無かったらヤヨイさん達に相談してみるか」


 一応ゲームだから鞍無しでも乗れるかと黒風をしゃがませて乗ってみる事にした。


 「黒風しゃがんでくれ、そうそう。よっと!これで大丈夫かな?安定してない気もするけど黒風、立ってちょっと歩いてくれ」


 そう指示を出すと黒風は立ち上がる。が、黒風が立っただけでハルトは少しぐらつきバランスを崩してしまった。


 「お、あぶな」


 そのまま黒風が歩き出した事で更にバランスが悪くなりハルトは黒風から落馬してしまう。


 「痛ー…くはないけどびっくりしたー。やっぱり鞍無しは厳しかったか……。HPも減ってないからダメージも無いようだな」


『騎乗スキルの取得が可能になりました』


 「ん?スキルを取得したんじゃなくて取得可能になりましたか。1回馬に乗ることが条件だったのかな?黒風に乗りたいから早速取得しとこうか」


 ボーナスポイントを5ポイント消費して騎乗スキルを取得する。


 「これで乗れる様になったかな?もう1回チャレンジだ!」


 もう1度乗る為に黒風にしゃがんで貰う。


 「よっと!さっきよりは安定しているかな?黒風先ずは立ち上がってくれ」


 ハルトの指示で黒風はゆっくり立ち上がる。すると今度はバランスを崩さずにすんだ様だ。


 「おおー!ここまでは大丈夫だな。さっきは立っただけでバランスを崩したからな。よし、あるいてみてくれ」


 そう指示を出すとゆっくり歩き出す。


 「お、う、こ、これは、お、お尻が、い、痛い……ぐわっ!」


 またもやバランスを崩し落馬してしまう。


 「痛たたたた、落下の痛みは無いけど歩いてる時のお尻の痛みは軽減されないのか……。お尻が横に割れて4分割になってないよな?……良かった、お尻は無事だ」


 お尻が無事な事に安堵し、黒風を撫でながら。


 「やっぱり鞍が無いと黒風には乗れそうにないな。鞍を探すからその時はまた乗せてくれよな」


 そう黒風に話しかけると「ブルルルルッ」と黒風が返事を返しながらハルトへ頭を擦りつけてくる。


 「お!乗せてくれるのか。ありがとうな」


 そう言って、黒風を一旦送還したのだった。


 「鞍なんて無かったと思うけど一応もう1回店を見回って無かったヤヨイさんの所に行ってみるか」


 そう言ってハルトは再びクルストの街へと戻って行った。

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