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76話 2人を紹介します

「先ずは冒険者ギルドで登録をしようか」


 そう言って2人を冒険者ギルドへ案内すると、ハルトが最初に訪れた時は行列が出来ていて入るのに時間が掛かったが、今日は行列も無くスムーズに中に入れたのだった。


 これがチャンネル分けの効果か。チャンネルがいくつあるのかは分からないけどスムーズに進みそうだな。


 マーリンとミーニャの冒険者登録を済ませると先ずは今いるギルドのある商業区から案内する。武器屋や道具屋を見て周り、一応ヴェル婆の店も見てきたが今日は開いては居なかった。しかし、この店はサモナー用のイベントの店かもしれないのでテイマーは別の店を探した方が良いかもというのは伝えた。

 そして次々に南通りのレンタル工房、東通りの仮想トレーニング、北東の湖を案内する。


「ここでは魚が釣れるから、それを売って金策するのも良いらしいぞ?まぁ、今では釣りの方がメインになってる人の方が多いらしいけど」


 マーリンとミーニャは気が向いたら釣りをするかもと言うことで今回は釣具を見に行くのは無しにした。

 そして、最後にヤヨイさん達に妹を紹介する為に屋台のある北通りへと向かう。


 「北通りに俺がお世話になってる人達の屋台があるから紹介するよ」


 そう言って屋台に近付いて行くと…。


「ハルっち確保!」


「……確保」


 両腕をガシッと捕まれ連行されそうになった。


「ちょっ!アイさん、マイさんちょっと待って!連れが居るんですよ!」


 そう抗議すると2人の動きがピタッと同時に止まった。


「ハルっちに連れ?」


「……そんなの居ない、幻」


 何気にマイさん酷いな…。そりゃあ今まで知り合いを連れて来た事なんて無かったけども…。


「そこに居る2人ですよ。1人は俺の妹です」


「「妹!」」


「初めまして、とう……ハルトお兄の妹のマーリンと言います」


 本名の冬馬と言いかけたが何とか踏みとどまりゲーム名のハルトと言う事が出来、丁寧に挨拶をしていた。ハルトからしたら完全に猫を被ってるなぁというような態度なのだが。


「初めましてぇ、マーリンちゃんのぉ同級生のぉミーニャと言いますぅ」


「ほぉー、妹ちゃんの友達なのか。あっ、2人は今日の2陣で入って来た子?」


「そうですぅ」


「にゃるほどね。今までハルっちが連れて来て無かった訳だ」


「ところで2人は何故に俺を連行しようとしたんですか?」


「はっ!そうだった!」


 「ハルトが来たら確保する様に言われてた」


 どうやらヤヨイさんに見かけたら連れて来る様に言われてた様だ。


 「2人を紹介したいので連れて行っても構いませんか?」


 「ハルっちの妹とその友達なら大丈夫だよー」


 「コクコク」


 フリーワークスのクランが出す屋台へと皆で移動し、早速屋台の裏へと連れて行かれるのだった。


 「あのー、何かありました?」


 なんでかフリーワークスで俺が知ってる人が勢揃いしてる気がするんだが……?

 しかも皆何かソワソワしてる気がするし。


 「まぁ、色々聞きたい事はあるけど先ずは初めてましてフリーワークスのクランマスターをやっているヤヨイよ」


 「初めまして、ハルトお兄の妹のマーリンと言います」


「初めましてぉ、マーリンちゃんのぉ同級生のぉミーニャと言いますぅ」


 「可愛いわねぇ、中学生かしら?」


 「はい、そうです」


 「若いって良いわねぇ」


 「いや、ヤヨイも充分若いじゃろ…」


 「女性はね、常に若さをもとめるものよ」


 「お、おう…」


 ヤヨイにキッと見られて縮こまる小次郎であった。


「じゃあ、本題に入らせて貰うわね」


 ヤヨイがハルトの方へ向き直る。


「ハルト君はもう運営からのお知らせメールは見たかしら?」


「さっき2人を待ってる間に見ましたよ?」


 さっきのメールに何かサモナーに関するビッグニュースでもあったかな?そんなの無かった気がするけど、それとも俺が見落としてたかな?


「なら話しが早いはね。先ずはクイーン討伐おめでとうハルト君」


「有難う御座います。っていうか何で知ってるんですか?」


「クイーンを倒せるのなんて今の所ハルトぐらいしか居ないだろ…」


「それにクイーンの巣が消えた後に坊主が出て来たという目撃情報もあったからのう」


 呆れた様にロバートが言うとそれに続く様に目撃者が居たと小次郎が話す。


「ああ、そういえば巣から出た時に他のパーティの人達が居ましたね」


「クイーンの事も聞きたいのは聞きたいんだけどそれよりも聞きたい事があるのよ。ハルトくん、クイーンを倒した後に何か変わった事が無かった?」


「変わった事ですか?特に無かったかと……。何時も通り倒した後は普通にアリの巣から出ましたし特別なイベントが発生したとかは無かったですよ?」


 クイーンを倒したんだから何か特別な演出でも無かったかと気になってるんだろうか?それなら残念ながら何も無かったんだよなぁ。


「イベントの演出とかはどうでもいいのよ」


 あれ?それが聞きたいんじゃ無いの?じゃあ何だ?


「聞き方を変えるわね。ハルト君、クイーンを倒してレベルが上がらなかった?」


「上がりましたよ。クイーン以外にも数がいましたし俺も召魔も全員レベルアップしましたよ。俺なんてクラスチェンジもしましたし」


「そこよ!」「そこだ!」「そこじゃ!」「そこ!」


「えっ?えっ?えっ?」

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