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73話 女王蟻戦決着

 クイーンの攻撃が少し落ち着きを見せたのでハルト達は攻撃を開始した。

 しかし、クイーンの一撃は前回カルマを死に戻りさせた程強烈なので回避に重点を置くのは変わらない。


 くそっ、回避に重点を置いてるとはいえ何発か攻撃は当ててるぞ?それでもまだ1割どころか1パーセントぐらいしか減って無いんじゃないか?これは時間がかかりそうだな。父さん、母さんに遅くなるかもしれないって言っといて良かった……。言わずにやってたら折角明日から夏休みなのにゲーム時間減らされるとこだったよ……。


 両親への根回しをしていた事に安堵しながらも気を抜かずに立ち回る事数分、再びクイーンの攻撃が激しくなってきた。


 ちっ、どうやら定期的に暴れるみたいだな。また回避に専念しないといけないから余計に時間がかかりそうだ。


 しかし、予想外の事が起こった。ミュエルとヨナギへ攻撃しているクイーンの隙をついてカルマがクイーンの左側の真ん中にある足を切り落としたのだ。そして、バランスを崩し少し動き難そうにしている。


 そうか!攻撃が激しいって事はそれだけ防御が薄くなってるって事か!しかも足を切り落とせるなら相手の機動力をかなり削ぐ事が出来る!

 けど、クイーンの足を切り落とせるのはカルマしか出来ないだろうな。筋力もそうだけどカルマの武器があったから出来た事だろう。

 だったら俺達でクイーンの気を引いてカルマに足を切り落として貰うしか無いな。


 しかし、足を切り落とした事でクイーンが警戒してしまい攻撃頻度を落としてしまったのでまたクイーンが暴れるまで待たなくてならないのだが。


 「カルマ!俺達が気を引くから足を切り落とせるかやってみてくれ!」


 そう言うとハルトは今までよりもクイーンに近付いてクイーンの気を引く。

 それに乗じてカルマがクイーンの足を狙うがその攻撃は躱されてしまう。それどころか足を切り落とす為には思いっきり振りかぶり攻撃をする必要がある為攻撃をした後に隙が出来てしまう。その隙を狙われクイーンに反撃されカルマが吹っ飛ばされてしまった。


 「カルマ!」


 くそっ、俺の作戦ミスだ!大人しく次に暴れるまで待てば良かったか。

 とにかくカルマに追撃されて死に戻られたら詰む、危険だが攻撃してこっちにヘイトを集めないと。


 魔法でも攻撃をしてクイーンの気を引く事に成功した。その分危険は増したが無事カルマが戦線に復帰する事が出来た。戦線に復帰したカルマだがHPが残り半分を切っていたのでハルトがヒールを使って回復させた。


 良し、これで仕切り直しだ。後はクイーンがまた暴れるまで待てばいい。


 それからクイーンが暴れる度に足を切り落とし片側の足を全て切り落とす事に成功した。


 これで片側の足は全て無くなったからその場から動く事は困難になった筈だ。しかしクイーンには魔法があるから止めを刺すまで気を抜かないようにしないとな。それに次はもう片側の足も切り落としてやる!


 その後も何度か攻撃を受けて瀕死になる事もあるがポーションとヒールでHPを回復し、ハルトとカルマとヨナギはMポーションでもMPも回復させもう片側の足も全て切り落とした。


 残りのHPがまだ半分以上残ってはいるが、足が全部無くなったしこれで体当たりは出来なくなっただろう。噛みつきの範囲もかなり狭まったから後は魔法に気を付けさえすれば勝てる!


 しかし、足が無くなった事で新たな攻撃をして来始めたのだ。


 「うわっ!なんだ!口から何か出したぞ!」


 クイーンが口から液体を飛ばしてきたのだ。ハルトは辛うじて避けたが液体が落ちた床からジューッという音が聞こえてきた。


 「これはギ酸か?でもギ酸ってこんなに酸性が強くないって話しじゃ無かったか?ゲームだから強酸性にしてるのかよ!まだこんな攻撃残してたのか!」


 本来ならHPが3分の1を切るとしてくる攻撃だったのだが、足を全て切り落とすという行為をした為、その攻撃パターンが早まった様だ。


 「こんなの食らったらアウトだろ!」


 クイーンの攻撃が魔法とギ酸の遠距離攻撃が中心になったのでヨナギは攻撃が出来ずに避けるだけになってしまった。

 しかし、それ以外のメンバーは接近戦重視なのでむしろ攻撃の機会が増えていた。特にカルマは前回クイーンに殺られたので飛行を使いながらクイーンの頭を後ろから激しく攻撃していた。


 「前回はカルマだけクイーンに直接殺られたから鬼の様にクイーンを攻撃してるなぁ。悪魔なのに鬼の様にって何かおかしいか……。まぁいいや、皆このまま押し切るぞ!」


 その後もダメージを受けては回復に専念し、ポーションを使ってはクーリングタイムが明けるまでは慎重に立ち回り、時間を掛けながら確実にダメージを与えていった。そして……。


 「おっしゃぁぁぁぁ!勝ったぞぉぉぉぉ!リベンジ達成じゃぁぁぁぁ!」


 クイーンのHPバーが砕け散ったと同時にハルトは後ろへ倒れながら雄叫びを上げたのだった。そして、皆の無事を確認する為に周りを見渡すと召魔達もハルトと同じ様に後ろへ倒れ込んでたがその表情は満足気だった。普段はクールなカルマでさえ皆と同じ様にしていたのが印象的だった。

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