64話 壁の穴
『蹴脚のレベルが上がりました』
ふぅ、意外とすんなり勝てたか?装備を買い替えた効果抜群だな。
しかし、最初の戦闘でこれだけソルジャーがでてくるなんて難易度MAX間違い無しだな!どれだけ行けるか分からないけど行けるとこまで行ってみようか。途中の消耗を避けたいから途中の部屋を出来るだけ避けて最奥を目指すか。ボーナスと隠し部屋はまた今度だな。
通路を進んで行くと今までと違いポツポツとながらレッドアントに遭遇していた。群れではなく少数なので特に気にすること無く分岐路へ辿り着く。
さて、この前の事が無かったら迷わず真ん中を選んでたけど真ん中が絶対じゃ無くなったからなぁ。まぁ真ん中の確率が高いから真ん中を進んだ方が良いのは間違い無いだろうから真ん中を進むけど。
真ん中の通路を選択し通路を進んで行く。道中襲ってくるレッドアントの群れを倒しながら進むと部屋に辿り着く。
うーん、部屋があったって事はハズレかな?
正解の道なら部屋ではなくまた分岐路に出るので今回はハズレだったかと思いながら一応中を見つからないようにこっそり覗くとレッドアントとソルジャーが今までよりも多く居た。そしてその部屋の反対側には奥へと続いているであろう道が見えた。
進む道があるって事はやっぱりこの道で正解だったって事か?もう進んでみないと分からなくなってきたな。とにかく進む道があるならコイツらを倒していかないとな。
アックを先頭にして部屋へと入っていく。今回は部屋が広く囲まれ易いのでなるべく入口付近に陣取り動かないようにして、向かってくるレッドアントを処理していった。
そして、ある程度数が少なくなってきた所でそれぞれが分散して残ったレッドアントやソルジャーを始末していくのだった。
『ミュエルのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
そういえばミュエルが死に戻った時の戦闘でも結構倒してたと思ったけど死に戻った時の戦闘での経験値は無くなるって事か。今まで以上に死に戻りには注意してあげないと。ミュエルは筋力を上げとこう。
さて、この道が最奥へ続いてる事を願って進んでみますか。
奥へと続いていそうな通路を進んで行くとある事に気付く。
あれ?通路の壁に穴が空いてるけど今までこんなのあったっけ?
通路の壁に小さな穴が空いている事に気付きながらも通路を進んでいるとその穴からレッドアントが顔を出し、こちらに気付くと「ギチギチッ」と顎を鳴らす。すると他の穴からもレッドアントが出てきてハルト達に襲いかかって来た。
げっ、穴はレッドアントの休憩所かなんかかよ!ていうか大分進んだから後ろの方にも穴があるんだけど…。
そう思い後ろを振り返ると。
げげっ!やっぱり後ろの穴からも這い出て来てるよ!挟み撃ちにされたぁ!
「カルマとアックで前のレッドアントを!俺とアッサムとミュエルで後ろのを対処するぞ!」
前後に別れて対処する事にしたが中々苦戦した。レッドアントしか居なかったのが幸いし、何とか切り抜ける事が出来たが皆がダメージを受けアックに至ってはHPが残り2割になってしまっていた。
『アックのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
アックのレベルが上がったか。ゲームによってはレベルが上がるとHPとMPが全快するゲームもあるけど今回はそのパターンが良かったなって強く思ってしまうな。アックは器用を上げとこう。攻撃に正確性が出るかもしれないからね。
ふぅ、大分皆ダメージを食らったな。皆にポーション飲ませないと。
召魔達にポーションを渡して飲ませいく。もちろん召魔達に渡すのは味付きの美味しい方のポーションだ。不味い方のポーションはハルトが我慢して飲んでいた。
うげぇ、買い溜めしておいた分とお試しで作ったやつをちゃんと消費してしまわないとな。召魔達に飲ませてポーション嫌いになってポーション飲まなくなると大変だから自分で消費しないと……。アックのHPがまだまだ回復しきってないからヒールも掛けとかないと。
回復の為に小休憩を挟んでから移動を再開するとまた部屋へと辿り着いた。
分岐路に出るかと思ったけどまた部屋か。このアリの巣は今までのアリの巣とはまるで構造が違うみたいだな。
さて、部屋の中身はなんだろなっと。ほとんどがもうソルジャーになってるな。奥にはコマンダーまで居るし。もうこの時点でボーナス3貰えた時の難易度超えてるじゃん。それなのに…。
コマンダーの後ろにまた奥へと続いていそうな通路が見えていた。
コマンダーがいる覚悟はしていたけどこんなに早く出てくるとはね。
ここを超えないと奥へは行けないんなら行くしかないな!
気合いを入れて部屋へと突入して行き、今回ばかりはMPを温存している場合じゃないと思い初っ端からカルマに範囲魔法を使って貰い、またハルトも魔法を使い後ろから援護したのだった。
『鑑定のレベルが上がりました』
『杖のレベルが上がりました』
『風魔法のレベルが上がりました』
『光魔法のレベルが上がりました』
「はぁー、何とか勝てたか。全員居るかー?アッサム居るなー?カルマも居るなー?ミュエルも居るなー?アックも居るなー?」
ハルトの問いかけに召魔達は手を上げて応える。
今回は皆無事だったかー。その代わりにMPが壊滅的だけどな!奥に辿り着くまでMポーション足りるかな?今後の事を考えて風魔法を使ってたけど狙い通りレベルが上がって良かった良かった。
『ミュエルのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
アッサムは上がらなかったか。まぁこの前のコマンダー戦で上がったばかりだから仕方ないか。ミュエルは筋力を上げとこう。
『アックのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
ミュエルが上がるならアックも上がるよね。アックは器用を上げとこう。
よし、ステータス操作も回復も済んだし先に進むか。攻略出来るかはともかく行けるとこまで行ってやるか!
その後も幾つかの部屋を通り、苦戦しながらも何とか進んで行くことが出来ていた。
そして……。




