60話 テイマーからのお誘い
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今日は朝食を食べてからのログインだし、昼までしかログイン出来ないからあんまり時間が無いけど今日も頑張るか。
先ずは錬金術でウォーターが有効かどうかだったな。
材料を買って前回も借りた錬金術のレンタル工房へとやって来た。
材料をインベントリから出したり薬草を粉にするための鉢を用意したりしながら今後の予定を考える。
地味にイベント中はお金が稼げないから辛いな。まだ余裕があるとはいえ出費ばかりだからな。1回稼ぎに行くのもアリだな。
準備出来たな。先ずは。
「ウォーター」
用意していた鍋にウォーターで水を入れる。
『水魔法のレベルが上がりました』
おっと、もう上がったのか、早いな。後1つ上げたら新しい魔法が使える筈だ。それが攻撃魔法ならなお良しだな。
魔法も大事だけど今は錬金術に集中しないと。先ずは薬草と月光草に乾燥をかけてすり鉢で細かくサラサラになるまでする。このぐらいだな。次に今日はウォーターで出した水に入れて沸騰させる。これで何か変われば良いんだけど。まぁ、変わらなくてもウォーターを使っての水魔法のレベリングと考えれば何も収穫無しって訳でも無いしね。
良し、沸騰したな。よーくかき混ぜてから冷めるのを待つ。冷めたら濾過して完成!品質は上がったかな?
【回復アイテム】
ポーション 品質B レア度1
普通のポーション。HPを3割回復させる。
クーリングタイムは7分。味付けをしていないので不味い。
おお!品質がBに上がってる!クーリングタイムが7分になってるのは嬉しいな。強敵との戦闘中だとこの3分の差はでかいな。
おっと、上書きしとかなきゃ。これでオッケーだな。
水魔法のレベリングの為に材料分手作業で作るとするか。果実での味付けを忘れない様にっと。味付け忘れると皆が飲むの嫌がるからな。試しに作ったこのポーションは俺が飲むしかない訳だけど……。
それほど多く材料があった訳でも無いのでポーション作りはそれほど時間はかからなかった。それでも水魔法のレベルは3に上がり、錬金術のレベルも1つ上がったのだった。
狙い通り水魔法のレベルが上がったな。覚えた魔法はウォーターボールか。これで全属性で攻撃魔法を覚える事が出来たって事だな。どんな召魔と組んでも変幻自在に合わせるオールラウンダーなサモナー!か、かっこいい…。
ゴホン、さて錬金は終わったから次はどうするかな?時間はあまり無いけどやっぱりポイントを稼ぎに行こうか。近場でならそんなに難易度高いアリの巣に当たる事は無いだろ。
レンタル工房から東門へと向かい街の外へ出て召喚するモンスターを誰にするかで悩む。
カルマは確定として最近ゴブスケはあんまり召喚してあげれてないから召喚しようか。
あと2人はどうしようかな?ミュエルとヨナギはまだペナルティで召喚出来ないか。今日の昼過ぎから召喚出来る様になるのに俺がログイン出来ないからなぁ。
と、なるとアッサム、プリン、アックの中から2人か。ここはプリンとアックを召喚してレベルの底上げをするか。レベル的にはミュエルに追いつきそうだけどミュエルが召喚出来る様になったら交代で育てていこう。
召喚すると決めた召魔達を召喚して出発しようとした時に、門から出て来たポニーテールでキツネ、コボルト、オオカミを連れた女性がこちらを確認するとハルトに近付いて来て話しかけてきた。
「あなた何処かクラン入っているかしら?」
「いえ、入ってませんけど」
「じゃあ私達のクラン“テイマー従士団”に入らない?テイマーだけで構成しているクランよ。あ、何処かのクランと違ってちゃんとしたテイマーの集まりよ?」
ちゃんとしてないテイマーってなんだろうな?何処かの掲示板でそんなクランがあるって見た事あった気がするけど。それよりも…。
「あの、俺テイマーじゃないんで」
「え?そういえばよく見たら後ろのモンスターも見た事ないわね。という事はあなたサモナーなの?」
びっくりしたのか目を大きく開けて後ろのモンスターとハルトを交互に見ていた。
「あの…」
「ああ、ごめんなさい。1人しか居ないサモナーに会えるとは思って無かったから驚いちゃって。でもサモナーじゃうちのクランには入れてあげられないわね、ごめんなさい。」
バツが悪そうに言う女性にハルトは。
「いえ、そもそもまだクランに入ろうとはしてなかったので大丈夫ですよ」
「そう?そうだ!良かったら私達が開催しているテイマー交流会に来てみない?同じモンスターを仲間にする職業同士共通する部分が多いと思うのよ。どうかしら?」
「えっと、俺が参加しても大丈夫なんですかね?テイマー限定じゃないんですか?」
「多分大丈夫だと思うわよ?参加している人達は皆良い人達しか呼んでないから。一部変わってる人達も居るけど」
ん?最後ボソッと言ってたけど良く聞こえなかったけど参加出来るならさせて貰おうかな。
「それじゃあ参加させて貰っても良いですか?」
「OKよ。それじゃあ日にちが決まったら連絡したいからフレンド登録して貰えるかしら?」
「フレンドになると連絡が取れるんですか?」
そんな機能初耳だな。まだ誰ともフレンド登録してないから気にしても無かったし。ヤヨイさん達ともまだフレンド登録して貰って無いんだよなぁ。
「ええ、フレンド登録するとゲーム内でメールが送れる様になるのよ」
「へー、便利なんですね。こちらこそフレンド登録お願いします」
「じゃあフレンド申請送るわね」
今ピコンって音がしたけど、これがフレンド申請が来たって音なのかな?
画面を開いて確認するとフレンドと書かれている部分が点滅していた。
こんなとこにフレンドの欄があったのか。気にしてないと意外と目に入らない物なんだな。フレンド申請者はアイリーン?そういえば名前聞いてなかったな。
「あの、お名前はアイリーンさんでよろしいんでしょうか?」
「あ!ごめんなさい。まだ名乗って無かったわね。私は“テイマー従士団”のクラマスをやっているアイリーンよ」
「こちらこそよろしくお願いします。サモナーをやっているハルトと言います」
「ハルト君ね。よろしくね」
お互い名乗った所ではるとはフレンド申請を受諾してお互いフレンドになったのだった。
「これでOKね。じゃあ交流会の日にちが決まったらメールで連絡するわね」




