49話 料理人
『鑑定のレベルが上がりました』
『土魔法のレベルが上がりました』
『光魔法のレベルが上がりました』
『闇魔法のレベルが上がりました』
ふぅ、何とか最後までMPもったか。土魔法のスキルレベルを上げられたか。これで6か。次は8で新しい魔法を覚えれるんだよな?新しい魔法覚えて戦闘の幅を広げたいから8までは早く上げたいな。
『ヨナギのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
ヨナギもこれでレベル10か、ヨナギはもっと空中から魔法を使って欲しいから魔力を上げとこう。
『ミュエルのレベルが上がりました。任意のステータスを1つ上げて下さい』
ミュエルのレベルも上がったけど1つか。まあこれだけ倒したんだから次は直ぐに上がるだろう。ミュエルは引き続き体力を上げとこう。
ここの部屋で行き止まりか?もう先に進む通路は無いのか?
『アリの巣内の全てのアリの殲滅を確認しました。アリの巣殲滅ボーナス1を獲得しました』
あ、やっぱりここで終わりなのか。しかも殲滅ボーナス?て事は横道の部屋に行った意味があったって事か。それにしてもボーナス1か、1って事は当然2もある訳だけど。基準はなんだろ?次からこの辺を注意して確認するか。覚えてたらね。
で部屋に来た時のポイントが450。今のポイントが1030。ソルジャー5体で250、レッドアントが多分20体位居たからボーナスは100かな?レッドアント10体分て考えれば中々かな。
……え?
インフォメーションが終わって直ぐ視界が歪み、それが収まるとアリの巣の入口があった場所に立っていた。しかし、アリの巣の入口は跡形もなく無くなっていた。
アリの巣をクリアすると自動で外に出されるのか。しかもアリの巣自体無くなるのか。それよりも時間が無いから早くクルストまで戻らないと。
その場を足早に後にして、クルストまで移動を始める。
この時間になると結構人が多くなって来たな。あ、あの人達今からアリの巣に入って行くみたいだな。
ハルトの目線の先に居る6人のパーティは今からアリの巣に入って行く所だった。パーティがアリの巣に入るとアリの巣の入口付近に薄い光の壁の様な物が浮かび上がって来た。
そうか、アリの巣に入った瞬間アレが出るって事は1つのアリの巣には1つのパーティまでしか入れ無いようになってるのか。
それならアリの巣の中みたいな狭い場所で獲物の取り合いみたいな争い事を防いでるって訳か。
観察しながらも足を止めずクルストまで帰って来た。
急げ急げー!それじゃあ皆また後でな!
召魔達を送還し、ログアウトして行った。
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ふう、危うく朝食抜きになる所だった。おっと、ゲーム内でも満腹度がピンチだ。携帯食料で回復しても良いんだけど折角街に居るんだからお店で買って食べようか。
北通りに移動して何を食べようかと吟味をしている。
この前は野兎の串焼きを食べたからな。今度は違うのを食べてみたいけど肉系はまだ野兎しか無いみたいだな。早く美味しいお肉モンスターの居るマップが開拓されて欲しいとこだな。俺の居る所はスケルトンとかスライムとかだし。
お肉系は諦めて野菜炒めでも食べようかな。
店を決めて入ろとすると、ガシッと腕を掴まれた。
「ハルっち確保〜♪」
腕を掴んで来たのはアイだった。そしてハルトを自分達の屋台の方へ連れて行こうと引っ張る。
「ちょ、ちょっと待って下さい。今からご飯食べようかと思ってたんですけど」
「そんなのうちで食べれば良いじゃん。問題なし♪問題なし♪」
「え?アイさん達のとこって料理出してましたっけ?」
「この前新しく料理人が入ったんだ。だからうちでも料理を出す事にしたんだよ」
入ったばっかりなら見た事無くて当たり前か。俺も毎日通ってる訳じゃないしフリーワークスのメンバーも殆ど知らないし当然か。
ていうか腕離してくれないかなぁ。別に逃げはしないんだけど…。
アイに連れられフリーワークスの屋台へとやって来た。何時もとは違い屋台からは良い匂いが漂って来ていた。
くんくんっ。おー、美味そうな匂いだ。これは期待大だな。
「おーい!確保したよー!」
確保って俺は珍獣ですか?
「あら?ハルト君おはよう。アイ、何でハルト君連れて来たの?」
「だってこの前私が居ない時にハルっちが来たって言うからさー。私が居る時にも何か面白い話題が欲しいじゃん?」
「え?そんな理由だったんですか?まあ別に良いですけど。昨日の今日で何も話題なんて無いですよ?素材もちょっと狩りにはちょっとしか行ってないからあんまり無いですし」
「あ、それならスライムゼラチンあるかしら?うちの料理人がもっと欲しいって注文来てるのよ」
「少しならありますよ。何処に出せば良いですか?」
「スライムゼラチンだけならここで良いわよ。精算も直ぐにするわ」
「じゃあ、お願いします。そういえば最近から料理を出し始めたんですよね?待ってる間に食べてて良いですか?」
「良いわよ。ついでに料理人と顔合わせして貰おうかしら。アイ、リョウさんに紹介してあげて」
「はいはーい。ハルっち、こっちこっちー」
屋台の表に行くと、一角が調理スペースになっていてそこにぽつぽつとプレイヤーが料理を食べていた。そして調理スペースには見知らぬ男性が立っていた。
「リョウちゃん!この子にご飯食べさせたげて!うちのお得意さんだよ!」
「おう、アイの嬢ちゃん!今日も可愛いな!で、そいつがお得意さんか?俺はリョウだ。よろしくな!」
「あ、どうも。ハルトです。よろしくお願いします」
「おう!で何食う?肉は野兎の肉しか無ぇが、串焼き、ステーキ、煮込みとあるぜ?」
「結構種類あるんですね。でも今日は野菜炒めとかを食べようかと思ってたんですが」
「野菜炒めな。うちのはクランメンバーが作った野菜だから美味ぇぞ!ちょっと待ってな!」
そう言って調理をし始めあっという間に野菜炒めが完成した。
「あいよ!お待ち!いやー、ゲームだから完成が早いな!楽だけど味気なさも感じるな。後調味料がもっと発見されれば腕の振るいがいがあるんだけどな」
「まだ始まったばっかりでマップが全然開拓されてないですからね」
それから雑談しながら、出された野菜炒めはとても美味しく頂きました。




